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日本薬局方
トラネキサム酸カプセル
トロンビンを投与中の患者
湿疹およびその類症・蕁麻疹、薬疹・中毒疹
扁桃炎、咽喉頭炎
トラネキサム酸として、通常成人1日750~2,000mgを3~4回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
血栓を安定化するおそれがある。
ヘパリン等と併用すること。血栓を安定化するおそれがある。
静脈血栓を生じやすい状態であり、本剤投与により血栓を安定化するおそれがある。離床、圧迫解除に伴い肺塞栓症を発症した例が報告されている。
血中濃度が上昇することがある。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
トロンビン
血栓形成傾向があらわれるおそれがある。
血栓形成を促進する作用があり、併用により血栓形成傾向が増大する。
ヘモコアグラーゼ
大量併用により血栓形成傾向があらわれるおそれがある。
ヘモコアグラーゼによって形成されたフィブリン塊は、本剤の抗プラスミン作用によって比較的長く残存し閉塞状態を持続させるおそれがあると考えられている。
バトロキソビン
血栓・塞栓症を起こすおそれがある。
バトロキソビンによって生成するdesAフィブリンポリマーの分解を阻害する。
凝固因子製剤
口腔等、線溶系活性が強い部位では凝固系がより亢進するおそれがある。
凝固因子製剤は凝固系を活性化させることにより止血作用を発現する。一方、本剤は線溶系を阻害することにより止血作用を発現する。
人工透析患者において痙攣があらわれることがある。
0.1~1%未満
0.1%未満
過敏症
そう痒感、発疹等
消化器
食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、胸やけ
その他
眠気
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
イヌに長期・大量投与したところ網膜変性があらわれたとの報告がある。
健康成人男性15例にトラネキサム酸を単回経口投与したとき、薬物動態パラメータは次のとおりであった。1)
投与量
例数
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
錠250mg
5
3.9
2~3
3.1
錠500mg
6.0
3.3
カプセル500mg
5.5
トラネキサム酸カプセル250mg「トーワ」とトランサミンカプセル250mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1カプセル(トラネキサム酸として250mg)家兎(n=10)に単回経口投与し、血漿中未変化体濃度について比較検討した結果、両製剤間の生物学的利用率には有意差は認められなかった。2)
マウスに14C-トラネキサム酸を40mg/kgの投与量で単回経口投与したところ、大部分の臓器において投与1~2時間後に最高濃度を示し、組織内分布は、肝、腎、肺、膵で高く、子宮、脾、心、筋肉がこれに次ぎ、脳では低かった。3)
健康成人男性15例にトラネキサム酸を250mg又は500mg単回経口投与したとき、投与後24時間以内に投与量の約40~70%が未変化体として尿中に排泄された。1)
皮膚疾患(湿疹及びその類症、薬疹・中毒疹)の患者67例を対象に、そう痒、発赤、腫脹等の症状に対する効果をトラネキサム酸カプセル(35例)とプラセボ(32例)との二重盲検比較試験により検討した結果、有効以上はプラセボ31.3%(10/32例)に対しトラネキサム酸カプセル62.9%(22/35例)で、トラネキサム酸カプセルが有意(p<0.05)に優れていた。4)
耳鼻咽喉科疾患(急性咽喉頭炎、急性扁桃炎、口内炎等)の患者168例を対象に疼痛、腫脹及び発赤に対する効果をトラネキサム酸カプセル(84例)とプラセボ(84例)との二重盲検比較試験により検討した結果、有効以上はプラセボ26.2%(22/84例)に対しトラネキサム酸カプセル52.4%(44/84例)で、トラネキサム酸カプセルが有意(p<0.05)に優れていた。5)
線維素溶解現象(線溶現象)は生体の生理的ならびに病的状態において、フィブリン分解をはじめ、血管の透過性亢進等に関与し、プラスミンによって惹起される生体反応を含め、種々の出血症状やアレルギー等の発生進展や治癒と関連している。トラネキサム酸は、このプラスミンの働きを阻止し、抗出血・抗アレルギー・抗炎症効果を示す。6),7),8)
トラネキサム酸は、プラスミンやプラスミノゲンのフィブリンアフィニティー部位であるリジン結合部位(LBS)と強く結合し、プラスミンやプラスミノゲンがフィブリンに結合するのを阻止する。このため、プラスミンによるフィブリン分解は強く抑制される。更に、α2-マクログロブリン等血漿中アンチプラスミンの存在下では、トラネキサム酸の抗線溶作用は一段と強化される。9),10),11),12),13),14)
異常に亢進したプラスミンは、血小板の凝集阻止、凝固因子の分解等を起こすが、軽度の亢進でも、フィブリン分解がまず特異的に起こる。したがって一般の出血の場合、トラネキサム酸は、このフィブリン分解を阻害することによって止血すると考えられる。6),9)
トラネキサム酸は、血管透過性の亢進、アレルギーや炎症性病変の原因になっているキニンやその他の活性ペプチド等のプラスミンによる産生を抑制する(モルモット、ラット)。6),7),8),15),16)
トラネキサム酸(Tranexamic Acid)
trans-4-(Aminomethyl)cyclohexanecarboxylic acid
C8H15NO2
157.21
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
100カプセル[10カプセル×10:PTP]
1000カプセル[10カプセル×100:PTP]
1000カプセル[バラ]
1) 佐野光司ほか:臨床薬理 1976;7(4):375-382
2) 社内資料:生物学的同等性試験
3) 豊島 滋ほか:基礎と臨床 1971;5(4):740-748
4) 宗像 醇:西日本皮膚科 1969;31(2):141-146
5) 宮城 平:臨床と研究 1969;46(1):243-245
6) 窓岩清治:日本血栓止血学会誌 2019;30(1):237-240
7) 山田外春ほか:プラスミン研究会報告集 1974;14:364-366
8) 山崎英正ほか:日本薬理学雑誌 1967;63(6):560-571
9) 安孫子雍史:Med Pharm.1976;10(1):7-11
10) Iwamoto M:Thrombos Diathes Haemorrh.1975;33(3):573-585
11) Markus G,et al.:J Biol Chem.1979;254(4):1211-1216
12) Abiko Y,et al.:Biochim Biophys Acta.1969;185(2):424-431
13) Abiko Y,et al.:Biochim Biophys Acta.1970;214(3):411-418
14) 伊藤隆史ほか:日本血栓止血学会誌 2020;31(3):325-333
15) 木村義民ほか:アレルギー 1966;15(9):755-763
16) 近藤元治:プラスミン研究会報告集 1966;6:36-37
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