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日本薬局方
ボグリボース口腔内崩壊錠
処方箋医薬品注)
通常、成人にはボグリボースとして1回0.2mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を0.3mgまで増量することができる。
通常、成人にはボグリボースとして1回0.2mgを1日3回毎食直前に経口投与する。
高齢者では、低用量(例えば1回量0.1mg)から投与を開始するとともに、血糖値及び消化器症状の発現に留意するなど、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。,,
腸内ガス等の増加により腸閉塞が発現しやすい。
本剤の作用により病態が悪化することがある。
腸内ガス等の増加により症状が悪化することがある。
代謝状態が変化することがあるため血糖管理状況が大きく変化するおそれがある。
代謝状態が変化することがあるため血糖管理状況が大きく変化するおそれがある。また、重篤な肝硬変例で、高アンモニア血症が増悪し意識障害を伴うことがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で、母動物の糖質吸収の抑制に起因する乳汁産生の抑制によると考えられる出生児の体重の増加抑制が認められている1),2)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に高齢者では生理機能が低下している。
糖尿病用薬
インスリン及びスルホニルウレア系薬剤と併用した際に、低血糖発現の報告があるので、左記薬剤との併用時には、低血糖発現の可能性を考慮し、低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。
左記糖尿病用薬の血糖降下作用に本剤の糖質吸収遅延作用が加わる。
糖尿病用薬及びその血糖降下作用を増強又は減弱する薬剤を併用している場合
左記の併用に加え更に本剤を併用する場合には、糖尿病用薬の使用上の注意に記載の相互作用に留意するとともに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わることによる影響に十分注意すること。
左記薬剤により他の糖尿病用薬の血糖降下作用が増強又は減弱されるところに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わる。
本剤は二糖類の消化・吸収を遅延するので、低血糖症状が認められた場合にはショ糖ではなくブドウ糖を投与するなど適切な処置を行うこと。,,,
腹部膨満、鼓腸、放屁増加等があらわれ、腸内ガス等の増加により、腸閉塞があらわれることがある。観察を十分に行い、持続する腹痛、嘔吐等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
劇症肝炎、AST、ALTの上昇等を伴う重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
重篤な肝硬変例に投与した場合、便秘等を契機として高アンモニア血症が増悪し、意識障害を伴うことがあるので、排便状況等を十分に観察し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
消化器
下痢、放屁、腹部膨満
軟便、腹鳴、腹痛、便秘、食欲不振、悪心、嘔吐、胸やけ、口渇
口内炎、味覚異常、腸管嚢胞様気腫症
過敏症
発疹、そう痒、光線過敏症
肝臓
AST、ALT、LDH、γ-GTP、Al-Pの上昇
精神神経系
めまい
頭痛、ふらつき、眠気
血液
貧血
血小板減少
顆粒球減少
その他
しびれ、顔面等の浮腫、眼のかすみ、ほてり、倦怠感、脱力感、高カリウム血症、血清アミラーゼ上昇、HDLコレステロール低下、発汗、脱毛
健康成人男子(10名)に2mg注1)を単回投与した場合、血漿中にボグリボースは検出されない。3)
健康成人男子(6名)にボグリボース錠を1回0.2mg1日3回、7日間反復投与した場合、血漿中にボグリボースは検出されない。3)
ラットに[14C]ボグリボース1mg/kg単回投与した試験で胎児及び乳汁中への移行が認められている。4)
インスリン非依存型糖尿病、インスリン依存型糖尿病の各患者を対象に、1日0.6又は0.9mgを、投与した二重盲検比較対照試験を含む各種臨床試験において、最終血糖総合改善度が評価された567例の糖尿病の病型別改善率は表のとおりである。5),6),7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18),19),20)
糖尿病の病型
例数
中等度改善以上
軽度改善以上
インスリン非依存型糖尿病
502
230(45.8)
375(74.7)
インスリン依存型糖尿病
65
31(47.7)
47(72.3)
計
567
261(46.0)
422(74.4)
数字は例数、( )内は累積パーセント 中等度改善以上:「著明改善」+「中等度改善」
上記のインスリン非依存型糖尿病患者を対象とした二重盲検比較対照試験の結果、ボグリボースの有用性が認められている。5),6)また、食事療法のみの症例のみならず、インスリン製剤使用中あるいは経口血糖降下剤使用中の患者においても食後過血糖の改善を初めとする有用性が認められている。さらに、長期投与試験(平均投与期間約7ヵ月)では効果の持続が確認され、安定した血糖コントロールが得られている。7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18),19),20)承認時までの試験では、1日0.6mg又は0.9mg投与により臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。主な副作用は下痢、放屁増加、腹部膨満等であった。なお、臨床薬理試験結果より、これらの代表的副作用(放屁増加、腹部膨満、下痢及び軟便等)は、薬理作用に起因する未吸収糖質の分解・発酵に基づくものであると考えられる。5),6),7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18),19),20)
耐糖能異常を有し、かつ高血圧症、高脂血症、肥満(Body Mass Index:BMI 25kg/m2以上)あるいは2親等以内の糖尿病家族歴のいずれかを有する者を対象に、食事療法・運動療法に加えて1回0.2mgを1日3回投与した二重盲検比較試験(平均投与日数336.7±254.0日間)の結果、最終評価時点における2型糖尿病移行例数は、ボグリボース投与群で50/897例、プラセボ群で106/881例である。プラセボ群に対するボグリボース投与群のハザード比(両側95%信頼区間)は0.595(0.4334-0.8177)である(層別ログランク検定:p=0.0014)。なお、2型糖尿病累積移行率は表のとおりである。
2型糖尿病累積移行率
投与開始48週時点
投与開始96週時点
ボグリボース投与群
2.6%(1.53-3.68)
4.8%(3.13-6.44)
プラセボ群
7.0%(5.23-8.73)
13.2%(10.59-15.85)
( )内は両側95%信頼区間
承認時までの試験では、1日0.6mgを投与した951例中452例(47.5%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。主な副作用は鼓腸(17.4%)、腹部膨満(13.1%)、下痢(12.0%)等であった。21),22)
健康成人男子において、クロスオーバー法によりボグリボースOD錠0.2mg「トーワ」投与群とベイスンOD錠0.2投与群に絶食下、無投薬状態でショ糖負荷(100g)を行い、血糖値を測定した。続いてボグリボースOD錠0.2mg「トーワ」とベイスンOD錠0.2を3日間毎食直前に1錠ずつ(ボグリボースとして0.2mgを計8回)反復経口投与した後、9回目は絶食経口投与(水なしで服用及び水で服用)してショ糖負荷(100g)を行い、血糖値を測定し、無投薬状態の血糖値と投薬状態の血糖値の差から得られた薬力学的パラメータ(ΔAUC、ΔCmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。31)
判定パラメータ
ΔAUC0-2.5(mg・hr/dL)
ΔCmax(mg/dL)
ボグリボースOD錠0.2mg「トーワ」
72.3±34.3
54.8±22.6
ベイスンOD錠0.2
75.1±35.4
54.9±22.2
(Mean±S.D.,n=20)
血糖値並びにΔAUC、ΔCmaxのパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
80.1±25.3
60.3±13.9
83.9±25.6
61.4±11.4
健康成人男子において、クロスオーバー法によりボグリボースOD錠0.3mg「トーワ」投与群とベイスンOD錠0.3投与群に絶食下、無投薬状態でショ糖負荷(100g)を行い、血糖値を測定した。続いてボグリボースOD錠0.3mg「トーワ」とベイスンOD錠0.3を3日間毎食直前に1錠ずつ(ボグリボースとして0.3mgを計8回)反復経口投与した後、9回目は絶食経口投与(水なしで服用及び水で服用)してショ糖負荷(100g)を行い、血糖値を測定し、無投薬状態の血糖値と投薬状態の血糖値の差から得られた薬力学的パラメータ(ΔAUC、ΔCmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。31)
ボグリボースOD錠0.3mg「トーワ」
85.2±35.1
64.7±22.8
ベイスンOD錠0.3
84.4±31.9
63.1±21.2
69.9±23.8
55.9±16.3
66.8±24.8
55.7±16.6
(Mean±S.D.,n=19)
ボグリボース(Voglibose)
3,4-Dideoxy-4-[2-hydroxy-1-(hydroxymethyl)ethylamino]-2-C-(hydroxymethyl)-D-epi-inositol
C10H21NO7
267.28
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、酢酸(100)に溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
163~168℃
100錠[10錠×10:PTP]
1000錠[10錠×100:PTP]
210錠[21錠×10:PTP]
2100錠[21錠×100:PTP]
500錠[バラ、乾燥剤入り]
1) Morseth S.L.et al.:薬理と治療.1991;19:4325-4340
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東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
TEL 0120-108-932 FAX 06-7177-7379
耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制(ただし、食事療法及び運動療法を十分に行っても改善されない場合に限る。)を目的に使用する場合、保険適用上の取扱いを以下のとおりとすること。
1.耐糖能異常(空腹時血糖が126mg/dL未満かつ75g経口ブドウ糖負荷試験の血糖2時間値が140~199mg/dL)と判断され、糖尿病発症抑制の基本である食事療法及び運動療法を3~6ヵ月間行っても改善されず、かつ高血圧症、脂質異常症(高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール血症等)のいずれかを基礎疾患として有する患者を対象とする場合に限り、保険適用されるものとする。
2.診療報酬明細書の摘要欄には、耐糖能異常と判断した根拠(判断した年月日とその結果)、食事療法及び運動療法を3~6ヵ月間行っても改善されなかった旨及び高血圧症又は脂質異常症の診断名を記載する。
東和薬品株式会社
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