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日本薬局方
エメダスチンフマル酸塩徐放カプセル
通常、成人にはエメダスチンフマル酸塩として1回1~2mgを1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。
高齢者では、副作用の発現に注意し、1回1mgから投与するなどの配慮をすること。
本剤投与によりステロイドの減量を図る場合には十分な管理下で徐々に行うこと。
肝機能異常があらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠ラットにおいて胎児中への移行が認められている1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。授乳期ラットにおいて乳汁中への移行が認められている1)。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
一般に生理機能が低下している。
向精神薬
抗ヒスタミン剤
相互に作用を増強するおそれがある。
本剤の中枢神経抑制作用により、作用が増強されると考えられる。
アルコール
本剤の中枢神経系での副作用(主に眠気)を増強するおそれがある。
5~10%未満
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
眠気
倦怠・脱力感、頭痛・頭重感、頭がボーッとする、ふらつき
しびれ感、耳鳴、こわばり、皮膚感覚異常
舌のしびれ、一過性健忘
消化器
口渇、腹痛
悪心・嘔吐、食欲不振、胃部不快感、胃もたれ感、腹部膨満感、下痢、便秘
循環器
動悸、血圧上昇
過敏症
発疹、そう痒
血液
白血球減少、血小板減少
肝臓
AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇
総ビリルビン上昇、Al-P上昇、肝機能異常
黄疸
腎臓
尿蛋白、尿潜血、血尿、頻尿、尿量減少
眼
眼のしょぼしょぼ感、眼痛
その他
浮腫、苦味、鼻乾燥
息苦しさ、月経異常、胸痛、ほてり
本剤はアレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する前は本剤を投与しないこと。
健康成人5例にエメダスチンフマル酸塩徐放カプセル2mgを食後単回経口投与した場合、エメダスチンの最高血漿中濃度は1.26ng/mL、最高血漿中濃度到達時間は3.1時間、消失半減期は7.0時間であった。2)
健康成人5例にエメダスチンフマル酸塩徐放カプセル2mgを1日2回14日間反復経口投与した場合、血漿中濃度は5回目で定常状態に達し、定常状態における平均最低血漿中濃度は0.96ng/mL、平均最高血漿中濃度は1.87ng/mLであった。2)
エメダスチンフマル酸塩徐放カプセル1mg「トーワ」とレミカットカプセル1mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1カプセル(エメダスチンフマル酸塩として1mg)健康成人男子に絶食及び食後単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。3)
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-24
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
MRT※0-24
エメダスチンフマル酸塩徐放カプセル1mg「トーワ」
16.30±8.10
1.381±0.549
5.1±0.4
7.03±1.24
8.99±0.49
レミカットカプセル1mg
16.12±8.09
1.541±0.672
4.4±0.8
7.30±0.85
8.58±0.67
(Mean±S.D.,n=22)
※MRT:平均血中滞留時間
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
15.63±8.72
1.600±0.759
4.7±0.7
7.05±1.18
9.14±0.69
14.85±6.83
1.710±0.695
4.9±0.7
7.15±1.42
9.19±0.71
(Mean±S.D.,n=23)
エメダスチンフマル酸塩徐放カプセル2mg「トーワ」とレミカットカプセル2mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1カプセル(エメダスチンフマル酸塩として2mg)健康成人男子に絶食及び食後単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。4)
エメダスチンフマル酸塩徐放カプセル2mg「トーワ」
34.72±11.66
2.960±0.827
5.2±0.4
7.05±1.68
8.92±0.65
レミカットカプセル2mg
31.08±9.94
2.881±0.636
4.7±0.5
7.18±1.38
8.60±0.55
(Mean±S.D.,n=12)
36.67±12.56
3.663±0.736
6.57±1.30
9.05±0.73
35.75±13.80
3.888±1.021
6.30±1.37
8.89±0.54
ラットに経口投与された14C-エメダスチンフマル酸塩は小腸から速やかに、かつほぼ完全に吸収された。5)
ラットに経口投与された14C-エメダスチンフマル酸塩は特に肝臓及び腎臓に高い分布を認めたが、中枢系への移行は低かった。6)
エメダスチンフマル酸塩のヒト血漿蛋白結合率は64.8%であった。7)
健康成人に経口投与したときのエメダスチンの主代謝経路はベンズイミダゾール環の水酸化とそれに引き続く抱合化であった。また、エメダスチンは主に肝臓において代謝された(ラット)。8),9),10)
健康成人5例にエメダスチンフマル酸塩徐放カプセル2mgを食後単回経口投与した場合、投与後24時間までに尿中へ排泄された未変化体及び代謝物の合計は投与量の約44.1%であった。未変化体は投与量の3.6%を示した。なお尿中への排泄率は、ラットで約30%、モルモットで約40%、イヌで約70%であり、ラットにおいて胆汁中排泄及び腸肝循環が認められた。2),5),8),11)
アレルギー性鼻炎、じん麻疹(主に慢性)、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹患者958例を対象に、エメダスチンフマル酸塩を1日1~4mg注1)、7~93日間投与した臨床試験(二重盲検比較試験を含む)の成績は以下のとおりである。また、アレルギー性鼻炎、じん麻疹を対象とした二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められた。12),13),14),15),16),17),18),19),20)
対象疾患名
改善率注2)
中等度改善以上
軽度改善以上
アレルギー性鼻炎
43.5%(111/255例)
83.1%(212/255例)
じん麻疹(主に慢性)
69.6%(272/391例)
85.4%(334/391例)
湿疹・皮膚炎
71.0%(115/162例)
88.3%(143/162例)
皮膚そう痒症
72.5%(66/91例)
91.2%(83/91例)
痒疹
74.6%(44/59例)
93.2%(55/59例)
ヒスタミンH1受容体遮断作用と共に、抗原抗体反応に伴って起こる肥満細胞からのヒスタミンやロイコトリエンC4等のケミカルメディエーターの遊離を抑制することにより、アレルギー症状を緩和する。7)
モルモットでのアナフィラキシーショック及びモルモットやラットでのpassive cutaneous anaphylaxisを経口投与で抑制した。ラットでの実験的アレルギー性鼻炎を経口投与で抑制した。21),22),23)
ヒスタミンによるモルモット摘出回腸収縮反応を抑制した(in vitro)。モルモットでのヒスタミン致死及び血管透過性亢進に対して抑制作用を示した。24)
抗原抗体反応によるラット腹腔肥満細胞からのヒスタミン遊離反応、並びにヒト末梢白血球及び肺組織からのヒスタミン及びロイコトリエンC4遊離を濃度依存的に抑制した(in vitro)。モルモットpassive peritoneal anaphylaxisによるヒスタミン遊離に対して抑制作用を示した。21),25),26)
サブスタンスPによるラット腹腔肥満細胞からのヒスタミン遊離を低濃度から抑制した(in vitro)。このヒスタミン遊離抑制作用は、細胞内Ca貯蔵部位からのCa2+放出抑制作用及び細胞内へのCa2+の流入抑制作用による。26)
PAFによるモルモットの好酸球遊走を10-9M以上で濃度依存的に抑制した(in vitro)。PAF、ロイコトリエンB4によるヒトの好酸球遊走を10-8M以上で濃度依存的に抑制した(in vitro)。モルモット鼻アレルギーモデルにおいて、鼻粘膜への好酸球浸潤を経口投与で抑制した。27),28),29)
エメダスチンフマル酸塩(Emedastine Difumarate)
1-(2-Ethoxyethyl)-2-(4-methyl-1,4-diazepan-1-yl)-1H-benzimidazole difumarate
C17H26N4O・2C4H4O4
534.56
白色~微黄色の結晶性の粉末である。水に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、酢酸(100)に溶けにくい。結晶多形が認められる。
149~152℃
100カプセル[10カプセル×10:PTP]
1000カプセル[10カプセル×100:PTP]
1) 酒井孝範他.:薬物動態.1987;2:147-154.
2) 中島重徳他.:基礎と臨床.1989;23:5431-5440.
3) 社内資料:生物学的同等性試験(カプセル1mg)
4) 社内資料:生物学的同等性試験(カプセル2mg)
5) 酒井孝範他.:薬物動態.1987;2:123-131.
6) 酒井孝範他.:薬物動態.1987;2:133-145.
7) 第十八改正日本薬局方解説書.2021;C-1066-1070.
8) 浜田司他.:薬物動態.1990;5:871-881.
9) 粟田則男他.:薬学雑誌.1989;109:318-328.
10) 和田幸雄他.:薬物動態.1989;4:459-470.
11) 和田幸雄他.:薬物動態.1989;4:471-480.
12) 奥田稔他.:耳鼻咽喉科展望.1990;33(補2):113-131.
13) 奥田稔他.:耳鼻咽喉科展望.1990;33(補4):543-565.
14) 石橋康正他.:臨床医薬.1989;5:2291-2309.
15) 石橋康正他.:臨床医薬.1994;10:1919-1935.
16) 石橋康正他.:臨床医薬.1990;6:141-159.
17) KG-2413 研究班.:西日本皮膚科.1995;57:325-334.
18) 堀尾武他.:皮膚科紀要.1989;84:653-661.
19) 井階幸一他.:皮膚科紀要.1994;89:737-747.
20) 計盛幸子他.:臨床医薬.1989;5:2311-2320.
21) Fukuda T,et al.:Arzneimittelforschung.1984;34:805-810.
22) 斉藤忠之他.:日本薬理学雑誌.1987;89:55-62.
23) 斉藤忠之他.:基礎と臨床.1989;23:3145-3147.
24) Fukuda T,et al.:Arzneimittelforschung.1984;34:801-805.
25) Nishimura N,et al.:Immunopharmacol Immunotoxicol.1987;9:511-521.
26) Saito T,et al.:Jpn J Pharmacol.1993;62:137-143.
27) 松田直美他.:薬理と治療.1993;21:1475-1478.
28) 斉藤忠之他.:西日本皮膚科.1993;55:1081-1085.
29) 成田慎一郎他.:耳鼻咽喉科臨床.1996;89:645-649.
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