当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤に感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
敗血症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染
本剤はメチシリン耐性の黄色ブドウ球菌感染症に対してのみ有用性が認められている。
通常、成人にはテイコプラニンとして初日400mg(力価)又は800mg(力価)を2回に分け、以後1日1回200mg(力価)又は400mg(力価)を30分以上かけて点滴静注する。敗血症には、初日800mg(力価)を2回に分け、以後1日1回400mg(力価)を30分以上かけて点滴静注する。通常、乳児、幼児又は小児にはテイコプラニンとして10mg(力価)/kgを12時間間隔で3回、以後6~10mg(力価)/kg(敗血症などの重症感染症では10mg(力価)/kg)を24時間ごとに30分以上かけて点滴静注する。また、新生児(低出生体重児を含む)にはテイコプラニンとして初回のみ16mg(力価)/kgを、以後8mg(力価)/kgを24時間ごとに30分以上かけて点滴静注する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
障害度
初期投与(3日目まで)
4日目以降
60≧Ccr>40
腎機能正常者と等しい投与量
1日の用量を半減するかあるいは隔日に投与する。
40≧Ccr>10
1日の用量を1/3に減ずるかあるいは3日ごとに投与する。
10≧Ccr
1日の用量を1/5に減ずるかあるいは5日ごとに投与する。
血中濃度をモニタリングするなど安全性の確保に配慮すること。,
血中濃度をモニタリングするなどして必要なトラフレベルの血中濃度の確保に注意すること。透析膜の種類によっては除去される場合もあるが、一般にテイコプラニンは血液透析によって除去されない場合が多い。,,,
投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。また、血中濃度をモニタリングするなど慎重に投与すること。排泄が遅延し、蓄積する。,,,
肝障害を悪化させることがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが認められている。
原則として初期負荷用量(小児では10mg/kg 12時間間隔 3回、新生児では16mg/kg)投与終了後の次回投与開始前のトラフ値及びその後1週間間隔でトラフ値の血中濃度をモニタリングするなど、慎重に投与すること。腎の発達段階にあるため、特に低出生体重児、新生児においては血中濃度の半減期が延長し高い血中濃度が長時間持続するおそれがある。,
血中濃度をモニタリングするなど安全性の確保に配慮すること。また、投与前及び投与中に腎機能検査を行い、腎機能の低下の程度により、4日目以降の用量を減量するなど慎重に投与すること。腎機能が低下している場合が多い。
腎障害、聴覚障害を増強するおそれがあるので併用は避けることが望ましいが、やむを得ず併用する場合は、血中濃度をモニタリングするなど安全性の確保に配慮し、慎重に投与すること。
腎障害、聴覚毒性が増強される。
気管支痙攣、血管浮腫、呼吸困難、顔面蒼白、発汗、頻脈等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
眩暈、耳鳴、聴力低下等の第8脳神経障害があらわれることがある。
AST、ALT、LDH、Al-P、γ-GTP、総ビリルビン等の上昇、黄疸があらわれることがある。,
1~5%未満注1)
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症注2)
発熱、発疹
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇
黄疸、LDH上昇、ビリルビン上昇
血液
好酸球増多
貧血、白血球減少
*汎血球減少
腎臓
BUN上昇
血清クレアチニン上昇
循環器注3)
血圧低下
動悸
血圧上昇
消化器
食欲不振、下痢、嘔吐
悪心
その他
痙攣
注射部位疼痛、静脈炎、悪寒、頭痛、菌交代症
健康成人男子各群5例に2、4及び8mg/kgのテイコプラニンを30分かけて点滴静注したときの最高血漿中濃度はそれぞれ17.0、34.4及び71.8μg/mLを示し、投与後初期に比較的速やかに減少した後、終末半減期46~56時間ときわめて穏やかに消失した。1)
健康成人男子5例にテイコプラニンを、4mg/kg1日1回7日間反復静脈内投与(試験A)、及び、健康成人男子3例に初日400mg2回、2~5日目は1日1回400mgを反復静脈内投与(試験B)し、血漿中濃度を調べた。試験Aにおいては、投与後24時間値(トラフ濃度)は2.5μg/mLであった。反復投与5~6回でほぼ定常状態に達し、最終投与後24時間値は初回投与時の約3倍(7.2μg/mL)となった。試験Bにおいては、初回投与12時間後のloading doseによりトラフ濃度は速やかに定常状態に達し、以後反復投与により10~12μg/mLのトラフ濃度が維持された。1)
小児(41日齢~10歳)に対してはテイコプラニン10mg/kgを12時間間隔で3回、以後10mg/kgを24時間ごとに点滴静注し、新生児注4)(4日齢~93日齢)に対しては初回のみ16mg/kgを、以後8mg/kgを24時間ごとに点滴静注した際の血中濃度を測定した。2)
小児
新生児注4)
例数
濃度(μg/mL)
トラフ値
3日目
7
12.5
9
15.2
4日目
12.2
14.7
7日目
13.1
17.8
点滴終了後2時間値(3日目)
8
35.2
32.9
(平均値)
ヒト血清蛋白質への結合率は約90%である(外国人のデータ)。7)
ヒト血清アルブミン-ビリルビン結合に対するテイコプラニンのビリルビン遊離作用を検討したとき、テイコプラニンのビリルビン遊離作用は認められなかった(in vitro)。8)
健康成人男子各群5例に2、4及び8mg/kgのテイコプラニンを30分かけて点滴静注したとき、投与開始後96時間までの尿中排泄率は投与量の46~54%であった。8mg/kg投与後3日間の糞中排泄は平均1%未満であった。1)
外国人腎機能障害患者に3mg/kgのテイコプラニンを投与したとき、投与後初期の血漿中濃度に健康成人と差は見られないが、クレアチニン・クリアランスの低下に相関して消失半減期が延長するとの報告がある。したがって腎機能障害患者においては投与間隔あるいは投与量の調節が必要である。10),,
グループ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
(健康成人)
(腎機能障害患者)
(CAPD患者)
クレアチニン・クリアランスCcr(mL/min)
103.0±2.4
45.7±11.5
16.8±3.2
6.9±2.3
≦2
分布容積VdSS(L/kg)
0.84±0.17
0.94±0.22
0.99±0.18
1.01±0.33
1.00±0.22
全身クリアランスCLt(mL/min)
18.1±3.4
10.3±2.1
10.2±2.3
6.3±1.6
5.6±2.0
(平均値±標準偏差)
MRSA感染症(成人)における有効性評価対象症例は43例であり、有効率は79.1%であった。
疾患名
有効率(%)
敗血症
6/10(60.0)
皮膚軟部組織感染症
せつ・せつ腫症・よう
皮下膿瘍・膿皮症
手術創等の表在性二次感染
15/16(93.8)
呼吸器感染症
肺炎
膿胸
慢性気管支炎
13/17(76.5)
合計
34/43(79.1)
MRSAに対する細菌学的効果は70.0%(28/40例)の菌消失率であった(成人)。11),12),13),14),15)
テイコプラニンの作用は、細菌の細胞壁合成阻害によるものであり、その作用は殺菌的である。17)
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対してin vitro及びマウスを用いた試験において優れた抗菌力を有し、グラム陰性菌に対しては抗菌力を示さない。18),19),20),21)
MRSAを用いたin vitroでの耐性獲得の継代培養試験により検討した結果、耐性化は低い。22)
テイコプラニン(Teicoplanin)
テイコプラニンA2-1、テイコプラニンA2-2、テイコプラニンA2-3、テイコプラニンA2-4、テイコプラニンA2-5及びテイコプラニンA3-1等の混合物
C72~89H68~99Cl2N8~9O28~33
1564.25~1893.68
白色~淡黄白色の粉末である。水に溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けにくく、アセトニトリル、メタノール、エタノール(95)、アセトン、酢酸(100)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
テイコプラニンA2群:R2=
テイコプラニンA2-1:R3=
テイコプラニンA2-2:R3=
テイコプラニンA2-3:R3=
テイコプラニンA2-4:R3=
テイコプラニンA2-5:R3=
テイコプラニンA3-1:R2=H
本剤使用後の本剤耐性及びバンコマイシン耐性菌の出現状態を十分に調査し、医療関係者に情報提供すること。
10バイアル
1) 中島光好 他:日本化学療法学会雑誌.1993;41(S-2):88-102
2) 砂川慶介 他:Jpn.J.Antibiot.2002;55(5):656-677
3) Bergeron,M.G.,et al.:Antimicrob.Agents Chemother.1990;34(9):1699-1702
4) Antrum,R.M.,et al.:Drugs Exp.Clin.Res.1989;15(1):21-23
5) Novelli,A.,et al.:Int.J.Clin.Pharm.Res.1989;9(3):233-237
6) 第十八改正日本薬局方解説書.2021;C-3285-3294
7) Assandri,A.,et al.:Eur.J.Clin.Pharmacol.1987;33(2):191-195
8) ビリルビン-ヒト血清アルブミン結合に対する競合(注射用タゴシッド:2003年1月31日承認、申請資料概要へ.2.(3))
9) Bernareggi,A.,et al.:Antimicrob.Agents Chemother.1986;30(5):733-738
10) Bonati,M.,et al.:Clin.Pharmacokinet.1987;12(4):292-301
11) 副島林造:日本化学療法学会雑誌.1993;41(S-2):115-125
12) 伊藤 章 他:日本化学療法学会雑誌.1993;41(S-2):126-133
13) 由良二郎 他:日本化学療法学会雑誌.1993;41(S-2):134-145
14) 成人における臨床試験成績(注射用タゴシッド:2003年1月31日承認、申請資料概要)
15) 特徴及び有用性(注射用タゴシッド:2003年1月31日承認、申請資料概要イ.2.(1))
16) 小児・新生児に対する特別調査(注射用タゴシッド:2003年1月31日承認、申請資料概要ト.1.(2).2)、ト.1.(2).3)、ト.1.(2).5))
17) Somma,S.,et al.:Antimicrob.Agents Chemother.1984;26(6):917-923
18) 井上松久 他:日本化学療法学会雑誌.1993;41(S-2):47-55
19) 出口浩一 他:日本化学療法学会雑誌.1993;41(S-2):32-40
20) 五島瑳智子 他:日本化学療法学会雑誌.1993;41(S-2):18-24
21) 加藤直樹 他:日本化学療法学会雑誌.1993;41(S-2):56-61
22) 中塩哲士 他:日本化学療法学会雑誌.1993;41(S-2):41-46
東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
0120-108-932 FAX 06-7177-7379
東和薬品株式会社
大阪府門真市新橋町2番11号
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.