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シングルバッグ 1,500mL
処方箋医薬品注)
排液用バッグ付き 1,500mL
シングルバッグ 2,000mL
排液用バッグ付き 2,000mL
慢性腎不全患者における腹膜透析
腹膜透析治療において1日1回のみ使用すること。通常、成人には1日3~5回交換のうち1回の交換において本剤1.5~2Lを腹腔内に注入し、8~12時間滞液し、効果期待後に排液除去すること。本剤以外の交換にはブドウ糖含有腹膜透析液を用いること。なお、注入量及び滞液時間は、症状、血液生化学値、体液平衡、年齢、体重等を考慮し適宜増減する。注入及び排液速度は、通常300mL/分以下とする。
腹膜炎、腹膜損傷、腹膜癒着及び腹腔内臓器疾患が悪化する又は誘発されるおそれがある。
手術部位の治癒を妨げるおそれがある。
細菌感染を起こすおそれがある。
腹圧上昇により肺機能の低下が起こるおそれがある。
栄養状態が悪化するおそれがある。
腹部ヘルニアが悪化するおそれがある。
腰椎障害が悪化するおそれがある。
憩室炎が腹膜炎合併の原因となるおそれがある。
腹腔内透析液貯留により胸腔が圧迫され、換気障害が悪化するおそれがある。
低蛋白血症が悪化するおそれがある。
易感染性であるため、細菌性腹膜炎等を誘発するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
ジギタリス製剤
ジギタリス中毒が誘発されるおそれがある。
本剤はカリウムを含まないため、血清カリウム値が低下する可能性があり、ジギタリス中毒を起こすおそれがある。
利尿剤
水及び電解質異常が誘発されるおそれがある。
本剤には除水効果があるため、併用により、脱水症状や電解質異常を起こすおそれがある。
急激な脱水による循環血液量の減少(脱水症として1.9%)、低血圧(3.2%)、ショック(頻度不明)等があらわれた場合には、投与を中止し、輸血、生理食塩液、昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと。
5%以上
5%未満
頻度不明
精神神経系
筋痙攣、浮動性めまい、錯感覚、味覚消失、頭痛、構語障害、運動過多、不安、神経過敏、思考異常
消化器
口内乾燥、腹痛、口渇、腹膜炎、血性排液、下痢、消化不良、悪心、嘔吐、便秘、胃腸障害、鼓腸、腹部膨満、胃炎、腸閉塞、胃潰瘍
循環器
頻脈、心臓血管疾患、低血圧、高血圧
呼吸器
肺水腫、呼吸困難、肺障害、咳嗽増悪、しゃっくり
血液
貧血、白血球増加症、好酸球増加症
内分泌系
副甲状腺障害
皮膚
発疹
皮膚障害、皮膚乾燥、皮膚潰瘍、湿疹、そう痒症、剥脱性皮膚炎、爪の障害、乾癬、水疱性皮膚炎、顔面浮腫
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇
腎臓
腎臓痛、尿量減少
代謝・栄養
低ナトリウム血症、低クロール血症、低カリウム血症、低マグネシウム血症、低蛋白血症、高血糖、食欲不振、脱水、循環血液量減少、循環血液量増加、低血糖症
その他
筋痛、頚部痛、耳鳴、無力症、胸痛、疼痛、浮腫、末梢性浮腫、倦怠感、発熱、せつ、感染、損傷、カテーテル機能不全、β2ミクログロブリン増加、血液浸透圧上昇、体重減少、体重増加
24時間以内に2回以上投与した際に、血漿中総デキストリン及びイコデキストリン代謝物(マルトース等)濃度が増加すると考えられる。この場合には、イコデキストリンを含まない腹膜透析液又は血液透析等で対処すること。また、脱水症状が認められた場合には、水分の補給を行う等の適切な処置をすること。
トラブル
対処法
フランジブルシール開放後の透析液バッグ及びチューブの亀裂又は液漏れ
直ちにクランプを閉め、新しいキャップをして、医師又はその他医療従事者に連絡し、指示を受けてください。
接続部及びチューブの亀裂又は液漏れ
直ちに亀裂又は液漏れの発生部分より、患者側に近い接続チューブを2又は3ヵ所しばり、医師又はその他医療従事者に連絡し、指示を受けてください。
本剤の長時間貯留により、腹腔内圧が上昇し腰痛の増悪・腹部ヘルニアの発症等の可能性があるため、限外濾過量の増加に注意を払うこと。
海外データ6)では、本剤2Lを腹膜透析療法施行中の慢性腎不全患者13例に12時間、単回腹腔内貯留した時、血漿中総デキストリン濃度は速やかに上昇し、腹腔内貯留開始後12.8時間で最高値に到達した。血漿中総デキストリンの消失半減期は、12時間の貯留終了後15.2時間であった(下表)。反復投与による蓄積性は認められなかった。
クリアランス(L/hr)
Tmaxa)(hr)
Cmaxb)(g/L)
AUCc)(g・hr/L)
T1/2d)(hr)
1.0946±0.1413
12.77±0.15
2.2949±0.1647
125.28±13.43
15.20±0.89
a)12時間の貯蓄開始後Cmax時間 b)血漿中最高濃度 c)血漿中濃度曲線下面積
d)12時間の貯蓄終了後血漿中濃度半減期到達時間
腹膜透析療法施行中の慢性腎不全患者57例を対象に、本剤又は対照薬として1.36又は2.27%ブドウ糖含有腹膜透析液を夜間8時間貯留した。試験期間は2週間の前観察期、6週間の治験薬投与期及び4週間の後観察期の合計12週間とした。本剤使用時の限外濾過量は、8時間貯留で421mL(n=25)と1.36及び2.27%ブドウ糖含有腹膜透析液と比較して有意に高かった。負の限外濾過量を認めた患者数は、1.36及び2.27%ブドウ糖含有腹膜透析液と比較して有意に少なかった。また、8時間貯留時の腹膜透析クレアチニンクリアランス及び尿素窒素クリアランスは、1.36及び2.27%ブドウ糖含有腹膜透析液と比較して有意に高かった7)。
夜間に1.36%ブドウ糖含有腹膜透析液を使用している腹膜透析療法施行中の慢性腎不全患者18例を対象に、本剤を夜間貯留時に1回2L注入し、12時間貯留し6週間観察した。本剤投与期の限外濾過量は544.4、309.4及び391.7mL(それぞれ2、4及び6週)で、前観察期(ブドウ糖透析液8時間貯留)と比較した本剤投与期中の限外濾過量は432.5mLであり、有意に増加した。安全性について、死亡及び重篤な有害事象の発現はなく、その他の有害事象は83.3%に発現した。そのうち本剤との因果関係を否定できないとされた有害事象は33.3%で、うち2例以上に発現したものは体重減少(11.1%)及び食欲不振(11.1%)であった8)。
本剤は、浸透圧物質として7.5%イコデキストリン(グルコースポリマー)を含有する腹膜透析液である。本剤の特長として、慢性腎不全患者において長時間にわたり過剰な体内水分を持続的に除去(限外濾過)する。大分子物質であるイコデキストリンは、腹膜を介してコロイド(膠質)浸透圧較差を形成することにより限外濾過をもたらすとされている9),10)。本剤及びブドウ糖含有腹膜透析液それぞれの貯留時間と除水量の関係を下図に示した。なお、データは文献及びシミュレーションによる参考値である。また本剤は、腹膜を介する濃度較差に基づく拡散作用によりクレアチニン、尿素、尿酸等の老廃物を持続的に除去する。更に本剤は、生理的レベルの電解質を含有するため血清電解質バランスを正常に維持し、アルカリ化剤として乳酸を含有するため酸塩基平衡を是正する。
本剤は、浸透圧物質としてイコデキストリンを含有する腹膜透析液である。イコデキストリンは、トウモロコシデンプンを加水分解して製造及び精製されたもので、α(1-4)グリコシド結合からなる主鎖にα(1-6)グリコシド結合による分岐を有するグルコースポリマーである。重量平均分子量は13,000~19,000、数平均分子量は5,000~6,500である。イコデキストリンの化学構造式を以下に示す。
販売名
規格
容器
包装単位
エクストラニール腹膜透析液
シングルバッグ
1,500mL
2Lバッグ
6
2,000mL
4
シングルバッグ・機器専用
システムⅡシングルバッグ
エクストラニール腹膜透析液†
ツインバッグ
UVツインバッグ
†薬価基準収載名:(排液用バッグ付)
1) 日本透析医学会.腹膜透析ガイドライン 2019,医学図書出版,2019;53-60.
2) 秋葉隆:腹膜炎の予防と治療.CAPDの臨床(太田和夫, 中川成之輔編),南江堂, 1984;149-163.
3) 野本保夫,他:硬化性被嚢性腹膜炎(sclerosing encapsulating peritonitis, SEP)診断・治療指針(案)-1995年におけるコンセンサス-. 透析会誌 1996;29:155-163.
4) Schoenicke G, et al.:Dialysis with icodextrin interferes with measurement of serum α-amylase activity. Nephrol Dial Transplant 2002;17:1988-1992.
5) Oyibo SO, et al.:Blood glucose overestimation in diabetic patients on continuous ambulatory peritoneal dialysis for end-stage renal disease. Diabet Med 2002;19:693-696.
6) 社内資料:Baxter Healthcare Corporation:A study to evaluate the pharmacokinetics of a single exchange of 7.5% icodextrin peritoneal dialysis solution in patients treated with peritoneal dialysis(平成15年4月16日承認、資料概要 ト.臨床試験 参考資料ト-1)
7) *社内資料:株式会社ヴァンティブ:二重盲検比較臨床試験(平成15年4月16日承認、資料概要 ト.臨床試験 添付資料ト-1)
8) *社内資料:株式会社ヴァンティブ:一般臨床試験(平成15年4月16日承認、資料概要 ト.臨床試験 添付資料ト-2)
9) Mistry CD, et al.:Can ultrafiltration occur with a hypo-osmolar solution in peritoneal dialysis?: the role for ‘colloid’ osmosis. Clin Sci 1993;85:495-500.
10) Krediet RT, et al.:Icodextrin’s effects on peritoneal transport. Perit Dial Int 1997;17:35-41.
11) Heimburger O, et al.:A quantitative description of solute and fluid transport during peritoneal dialysis. Kidney Int 1992;41:1320-1332.
12) Ho-Dac-Pannekeet MM, et al.:Peritoneal transport characteristics with glucose polymer based dialysate. Kidney Int 1996;50:979-986.
*株式会社ヴァンティブ
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TEL 03(4595)4750
製造販売業者(輸入元)株式会社ヴァンティブ
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