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劇薬
処方箋医薬品注)
末端肥大症(先端巨大症)、下垂体性巨人症、高プロラクチン血性下垂体腺腫の診断・治療については、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考にすること。
通常、ブロモクリプチンとして1日2.5mg~7.5mgを2~3回に分けて食直後に経口投与する。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。
通常、ブロモクリプチンとして1日1回2.5mgを夕食直後に経口投与し、効果をみながら1日5.0~7.5mgまで漸増し、2~3回に分けて食直後に経口投与する。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。
通常、ブロモクリプチンとして1日1回1.25mg又は2.5mgを朝食直後に経口投与から始め、1又は2週毎に1日量として2.5mgずつ増量し、維持量(標準1日15.0~22.5mg)を定める。1日量はブロモクリプチンとして5.0mgの場合は朝食及び夕食直後に、7.5mg以上の場合は毎食直後に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
この様な患者では手術療法が第一選択となる。
長期投与により腺腫の線維化が起こることがある。また、腫瘍の縮小にともない、髄液鼻漏があらわれたり視野障害が再発することが報告されている。,
胃・十二指腸潰瘍の悪化がみられたとの報告がある。
レイノー症状の悪化がみられたとの報告がある。
精神症状の悪化がみられたとの報告がある。
外国において心臓発作、脳血管障害等があらわれたとの報告がある。
急激な血圧低下があらわれた場合、腎血流量が低下するおそれがある。
本剤は主として肝臓で代謝される。また、肝機能障害が報告されている。
授乳を望む母親には本剤を投与しないこと。本剤は乳汁分泌を抑制する。乳汁過多症の褥婦14例に本剤2.5mg/日を分娩後5日目より3日間連続投与した結果、投与後6、7、8日目に採取した乳汁中ブロモクリプチン濃度は検出限界(0.2ng/mL)以下であった1)。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
本剤は、肝代謝酵素CYP3A4で代謝され、またこれを阻害するので、本酵素の活性に影響を及ぼす薬剤と併用する場合には注意して投与すること。
交感神経刺激剤
麦角アルカロイド
血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれるおそれがある。特に産褥性乳汁分泌の抑制に投与する際には分娩後、呼吸、脈拍、血圧等が安定した後、用量に注意して投与すること。
機序は明確ではないが、本剤はこれらの薬剤の血管収縮作用、血圧上昇作用等に影響を及ぼすと考えられる。
降圧作用を有する薬剤
降圧作用が強くあらわれることがある。服用開始初期には特に注意すること。
本剤は末梢交感神経終末のノルアドレナリン遊離を抑制する。
アルコール
胃腸系の副作用やアルコール不耐性を起こすことがある。
相互に作用が増強されるため。
フェノチアジン系薬剤
ブチロフェノン系薬剤
イミノジベンジル系薬剤
非定型抗精神病剤
メトクロプラミドドンペリドン
相互に作用を減弱することがある。
本剤はドパミン作動薬であり、これらの薬剤とドパミン受容体において競合的に拮抗する。
抗パーキンソン剤
精神神経系の副作用が増強されることがある。
シクロスポリンタクロリムス
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
CYP3Aに対する競合的阻害によりこれらの薬剤の代謝が阻害される。
マクロライド系抗生物質
HIVプロテアーゼ阻害剤
アゾール系抗真菌剤
本剤の作用が増強されるおそれがある。
CYP3Aに対する競合的阻害により本剤の代謝が阻害される。
オクトレオチド
本剤のAUCが上昇したとの報告がある。
機序は不明である。
急激な血圧低下、起立性低血圧により悪心・嘔吐、顔面蒼白、冷汗、失神等のショック症状を起した場合には、投与を中止し、昇圧等の処置を行うこと。
発熱、意識障害、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、血清CKの上昇等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、投与開始初期の場合は中止し、また、継続投与中の用量変更・中止時の場合は一旦もとの投与量に戻した後慎重に漸減し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
胸水、心膜液、胸膜炎、心膜炎、胸膜線維症、肺線維症があらわれることがあるので、胸痛、呼吸器症状等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、高用量を長期間投与した患者では発現リスクが増大するおそれがある。
心雑音の発現又は増悪等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査、心エコー検査等を実施すること。心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、高用量を長期間投与した患者では発現リスクが増大するおそれがある。
背部痛、下肢浮腫、腎機能障害等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、高用量を長期間投与した患者では発現リスクが増大するおそれがある。
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前兆のない突発的睡眠があらわれることがある。
5%以上
0.1%~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
-
発疹
精神神経系
興奮、不安感、不眠、頭痛、ジスキネジア、口渇、鼻閉
気力低下状態、衝動制御障害(病的賭博、病的性欲亢進)、耳鳴
傾眠、錯感覚
眼
視覚異常
霧視
肝臓
AST、ALTの上昇
ALPの上昇
循環器
めまい、立ちくらみ、動悸、血圧低下、起立性低血圧、胸部不快感、浮腫
顔面潮紅
夜間に脚の痙攣及び寒冷による可逆性の指趾の蒼白、頻脈、徐脈、不整脈
消化器
悪心
嘔吐、便秘、食欲不振、胃痛・腹痛、胃部不快感、胸やけ、腹部膨満感、下痢
口内乾燥
泌尿器
尿失禁
その他
貧血、けん怠感
頭髪の脱毛、帯下の増加、しびれ感、呼吸困難、疲労
薬剤離脱症候群注)(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛など)
悪心、嘔吐、めまい、低血圧、起立性低血圧、頻脈、傾眠、嗜眠、昏睡、幻覚、発熱等。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
雌雄4群のラットに、1日の平均投与量が0、1.7、9.8及び44mg/kgになるように、ブロモクリプチン含有の食餌を100週にわたり与えた結果、低投与群(1.7mg/kg/日)では、雌における諸種の腫瘍出現数は、対照(0mg/kg/日)に比べ有意に少なかった。また中および高投与群(9.8mg/kg/日、44mg/kg/日)においては腫瘍出現のト-タル数は両投与群いずれも対照に比べ有意に少なかったが、子宮の腫瘍のみ増大していた2)。
健康成人に本剤1錠(ブロモクリプチンとして2.5mg)を1回経口投与した際の血漿中濃度の推移は次のとおりであった。
Tmax(h)
Cmax(pg/mL)
AUC0-36(pg・h/mL)
T1/2(h)
2.7
250.4
1,630.9
2.86
ブロモクリプチンは肝臓で代謝され、主代謝経路はペプチド部分のプロリン部位の酸化とそれに続くグルクロン酸抱合体である(外国人のデータ)。
健康成人に14Cブロモクリプチン2.5mgを1回経口投与した時、投与120時間後までに放射能は尿中に2.4%及び糞中に84.6%排泄された(外国人のデータ)。
分娩又は流・早産後に乳汁分泌の抑制を希望する女性99例を対象として、本剤5mg/日を14日間投与し、二重盲検法により、乳汁分泌、乳房緊満感及び血中プロラクチンの抑制効果をプラセボと比較した結果、本剤の有用性が確認された。副作用発現率は、ブロモクリプチン群で53例中12例(22.6%)25件、プラセボ群46例中6例(13.0%)10件であった。主な副作用は、ブロモクリプチン群で便秘8件(32%)、めまい、ふらつき7件(28.0%)、嘔気4件(16.0%)、嘔吐2件(8.0%)等、プラセボ群でめまい、ふらつき3件(30.0%)、嘔気2件(20.0%)、便秘2件(20.0%)、全身倦怠感2件(20.0%)等であった3)。
Chiari-Frommel症候群、Argonz-del Castillo症候群、下垂体腺腫等の乳汁漏出・排卵障害の女性253例を対象として、本剤5~7.5mg/日を投与した一般臨床試験における結果、乳汁漏出症患者216例における乳漏停止は53.7%(116/216)、乳漏減少は34.3%(74/216)、計88%に改善が認められた。副作用発現率は、216例中143例(66.2%)であった。主な副作用は、嘔気122例(56.5%)、嘔吐49例(22.7%)、めまい・ふらつき51例(23.6%)、全身倦怠感35例(16.2%)、頭重感26例(12.0%)であった4)。高プロラクチン血性排卵障害患者221例の無排卵症例における排卵率は76.7%(165/215)、不妊症例における妊娠率は45.3%(78/172)であった。高プロラクチン血性下垂体腺腫患者50例において、乳汁漏出に対する有効率76.7%(33/43)、排卵率54.0%(27/50)及び妊娠率43.2%(16/37)であった。副作用発現率は、221例中142例(64.3%)であった。主な副作用は、嘔気120例(47.4%)、嘔吐52例(20.6%)、めまい・ふらつき50例(19.8%)、全身倦怠感31例(12.3%)、便秘39例(15.4%)であった5)。
末端肥大症(先端巨大症)及び下垂体性巨人症の患者152例中99例を対象として、本剤1日1回2.5mgを初回量とし、維持量7.5mg/日を基準として長期投与した。本剤投与により血中成長ホルモンの低下とともに発汗、糖尿病症状、頭痛・頭重感、手足のしびれ感、軟部組織の縮小並びに顔貌及び高血圧症状の改善がみられた。副作用発現率は、152例中51例(34.0%)であった。主な副作用は、便秘14例(9.2%)、吐き気・嘔吐12例(7.9%)、悪心10例(6.6%)、上腹部不快感8例(5.3%)、血圧低下傾向6例(4.0%)、頭痛・頭重感6例(4.0%)等であった6)。
パーキンソン病を主とするパーキンソン症候群患者において本剤1日1回1.25mg又は2.5mgを初回量とし、維持量15~22.5mgを目安として投与した。臨床効果は無動、固縮、振戦等の症状及びYahrの重症度により判定し、74.2%(316/426)の改善率が得られた。副作用発現率は、426例中240例(56.3%)477件であった。主な副作用は、悪心・嘔吐83件(17.4%)、食欲不振63件(13.2%)、頭痛・頭重感28件(5.9%)、めまい・ふらつき28件(5.9%)、幻覚26件(5.4%)等であった7)。
パーキンソン症候群の患者118例を対象として、本剤1.25mg/日から開始して22.5mg/日まで、また塩酸アマンタジンは100mgから開始して300mgまで漸増する方法で、投与期間を8週間として二重盲検比較試験を実施した結果、本剤の有用性、安全性が認められた。副作用発現率は、ブロモクリプチン群で63例中32例(51.6%)59件、アマンタジン群で56例中30例(53.6%)72件であった。主な副作用は、ブロモクリプチン群で嘔吐7件(11.3%)、嘔気6件(9.7%)、食欲不振6件(9.7%)等、アマンタジン群で胃部不快感8件(14.3%)、嘔気6件(10.7%)、幻覚5件(8.9%)等であった8)。
本剤は持続的なドパミン受容体作動効果を有し、内分泌系に対しては下垂体前葉からのプロラクチン分泌を特異的に抑制し、末端肥大症(先端巨大症)患者において異常に上昇した成長ホルモン分泌を抑制する。また、中枢神経系に対しては黒質線条体のドパミン受容体に作用して抗パーキンソン作用を示す。
動物(ラット、マウス、ウサギ、ブタほか)及びヒトにおいて持続的に血中プロラクチン値を低下させる。プロラクチンの基礎分泌のみでなく、生理的あるいは外的刺激による分泌増加をも抑制する9)。
プロラクチン分泌を抑制することにより、産褥時の生理的な乳汁分泌あるいは種々の病態における乳汁漏出を抑制する3),4),10)。
高プロラクチン血性排卵障害女性において、本剤の投与により血中プロラクチン値の低下に伴って、エストロゲンによるLH放出の回復がみられる11)。
健康成人では成長ホルモン分泌を促進するが、末端肥大症(先端巨大症)患者にみられる過剰分泌は抑制する6),12)。
ラットにおいて嗅ぎ込み及びなめ等の常同行動を誘発するが、この作用はレボドパに比して持続する13)。
黒質線条体片側破壊ラット(Ungerstedtモデル)において破壊側とは反対側への回旋運動を誘発する13)。
レセルピンにより誘発されるアキネジア、α固縮及びカタレプシーを抑制する13)(マウス、ラット)。
片側性脳損傷サルにみられる振戦を抑制する14)。
脳内DOPAC含量を減少し、ドパミン代謝回転率を減少させる15)(ラット)。
ブロモクリプチンメシル酸塩(Bromocriptine Mesilate)
(5'S )-2-Bromo-12'-hydroxy-2'-(1-methylethyl)-5'-(2-methylpropyl)ergotaman-3',6',18-trione monomethanesulfonate
C32H40BrN5O5・CH4O3S
750.70
白色~微帯黄白色又は微帯褐白色の結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがあり、酢酸(100)に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、無水酢酸、ジクロロメタン又はクロロホルムに極めて溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。光によって徐々に着色する。
アルミピロー包装開封後は、湿気を避けて遮光して保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10]
1) Peters, F. et al.:Acta endocr., 1985, 109(4), 463-466
2) Griffith, R. W.:Brit. Med. J., 1977, 2(6102), 1605
3) 倉智敬一ほか:産科と婦人科, 1981, 48(3), 359-367
4) 倉智敬一ほか:産科と婦人科, 1981, 48(2), 241-248
5) 倉智敬一ほか:産科と婦人科, 1981, 48(1), 117-124
6) 鎮目和夫ほか:ホルモンと臨床, 1977, 25(12), 1349-1353
7) 豊倉康夫ほか:臨牀と研究, 1983, 60(8), 2682-2698
8) 豊倉康夫ほか:臨床評価, 1984, 12(2), 403-443
9) Flückiger, E.:In "Pharmacological and clinical aspects of Bromocriptine(Parlodel)", Proc. Symposium, Royal Coll. Physicians, London, 14 May, 1976 Grange Press, Southwick, Sussex, 1976, 12-26
10) del Pozo, E. et al.:J. Clin. Endocrinol. Metab., 1972, 35(5), 768-771
11) Aono, T. et al.:Acta endocr.(Kbh), 1979, 91(4), 591-600
12) Liuzzi, A. et al.:J. Clin. Endocrinol. Metab., 1974, 38(5), 910-912
13) Johnson, A. M. et al.:Br. J. Pharmacol., 1976, 56(1), 59-68
14) Goldstein, M. et al.:Pharmacology, 1978, 16(S1), 143-149
15) Bürki, H. R. et al.:Psychopharmacology, 1978, 57(3), 227-237
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