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劇薬
処方箋医薬品注)
本態性高血圧症(軽症~中等症)
通常、成人には1日1回1錠(メトプロロール酒石酸塩として120mg)を朝食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。,
気管支拡張剤を併用するなど慎重に投与すること。喘息等の症状を誘発・悪化させるおそれがある。
観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど慎重に投与すること。心筋収縮力を抑制し、症状を誘発するおそれがある。
血糖値に注意すること。低血糖症状を起こしやすく、かつ低血糖の前駆症状である頻脈等の症状をマスクしやすい。
心機能に注意すること。心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。
症状を悪化させるおそれがある。
本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがある。,
排泄が遅延するおそれがある。
代謝が遅延するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討すること。母乳中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
過剰の交感神経抑制を来し、徐脈、血圧低下等があらわれるおそれがあるので、用量に注意すること。
共に交感神経抑制作用を有するため。
血糖降下剤
血糖降下作用を増強することがある。また、低血糖症状(頻脈等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。
本剤のβ遮断作用により、低血糖からの回復が遅れることがあり、また、低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクする。
カルシウム拮抗剤
相互に作用が増強され、過度の降圧又は心機能抑制があらわれることがあるので、用量に注意すること。
共に陰性変時・変力作用、降圧作用を有するため。
クロニジン
クロニジンの投与中止後のリバウンド現象(血圧上昇)を増強するおそれがある。クロニジンの投与を中止する場合には、本剤を数日前に中止し、経過を観察してから行うこと。
クロニジンの投与中止により血中ノルアドレナリンが増加した場合、本剤のβ遮断作用によりα刺激作用(血管収縮作用)が優位となるため。
ClassⅠ抗不整脈剤
ClassⅢ抗不整脈剤
過度の心機能抑制があらわれることがあるので、用量に注意すること。
共に心機能抑制作用を有するため。
抗不整脈剤
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強することがあるので、用量に注意すること。
これらの薬剤の肝代謝酵素阻害作用により本剤の代謝が抑制されると考えられる。
ミラベグロン
本剤のAUCが3.29倍上昇したとの報告があり、本剤の作用が増強するおそれがある。
ミラベグロンのCYP2D6阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
麻酔剤
過剰の交感神経の抑制を起こす可能性があるので心機能等に注意すること。
ジギタリス製剤
房室伝導時間が延長し、徐脈、房室ブロック等があらわれるおそれがあるので、心機能に注意すること。
共に刺激伝導速度の抑制作用を有するため。
非ステロイド性抗炎症剤
本剤の降圧作用が減弱することがあるので、用量に注意すること。
非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有する腎プロスタグランジンの合成・遊離を阻害し血圧を上昇させることがある。
降圧作用を有する他の薬剤
過度の降圧を来すおそれがあるので、用量に注意すること。
共に降圧作用を有するため。
シメチジン
選択的セロトニン再取込み阻害剤
抗ヒスタミン剤
ヒドララジン
ヒドララジンは肝血流量を増加させ、本剤の初回通過効果を減少させると考えられる。
リファンピシン
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、用量に注意すること。
リファンピシンの肝代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
リドカイン
リドカインの血中濃度を上昇させることがあるので、用量に注意すること。
本剤による肝血流量の減少及び肝代謝酵素活性阻害によりリドカインの代謝を遅延させると考えられる。
フィンゴリモド
フィンゴリモドの投与開始時に本剤を併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがある。
共に徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある。
0.1~5%未満
頻度不明
眼
視覚障害(霧視等)
涙液分泌減少、結膜炎
過敏症
発疹(乾癬型等)
光線過敏症、そう痒
血液
血小板減少
循環器
動悸
起立性低血圧注)心室性期外収縮、低血圧、末梢循環障害(四肢の冷え・しびれ等)
呼吸器
鼻閉
鼻炎、気管支痙攣、息切れ
精神神経系
めまい・ふらつき、頭痛、不眠、眠気、悪夢
幻覚、感覚異常、注意力障害、神経過敏、不安、健忘、錯乱、抑うつ
消化器
腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振、胸やけ、口渇、腹部膨満感
下痢、便秘
肝臓
AST上昇、ALT上昇
その他
倦怠感、胸部圧迫感、疲労感、耳鳴、発汗
脱毛、難聴、関節痛、筋痙直、体重増加、勃起障害、乾癬悪化、トリグリセライドの上昇、浮腫、性欲減退、CK(CPK)の上昇、味覚異常
重度の低血圧、洞性徐脈、房室ブロック、心筋梗塞、心不全、心原性ショック、心停止、気管支痙攣、意識障害(又は昏睡)、痙攣、悪心、嘔吐、チアノーゼ等の症状が起こるおそれがある。
アトロピンを静注する。効果不十分な場合にはβ1刺激剤(ドブタミン等)を投与する。又は一時的にペースメーカーを使用する。
低血圧には昇圧剤(アドレナリン、ドパミン、ドブタミン等)を投与する。
利尿剤、ジギタリス製剤を投与する。
β2刺激剤又はアミノフィリンを静注する。これらの処置の間は患者を常に観察下におくこと。また、過度の徐脈、過度の低血圧、心不全の処置には、グルカゴンが有効な場合もある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤は二分割して服用可能であるが、徐放性製剤であることよりかまずに服用させること。
β遮断剤服用中の患者では、他の薬剤によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療に抵抗するとの報告がある。
健康成人を二群に分け、徐放錠(120mg)を朝食後1日1回、普通錠(40mg)を毎食後1日3回cross over投与した場合の平均血漿中濃度推移と各々の血漿中濃度より算出した薬物動態パラメーターは以下のとおりであり、両者のバイオアベイラビリティは同等であった1)。
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)
AUC0-24(ng・h/mL)
徐放錠朝食後1日1回服用
平均±S.E.
135.5±23.2
3.7±0.2
1,251.8±270.1
普通錠食後1日3回服用
105.8±15.5
6.7±0.8
1,141.3±224.3
(n=12)
健康成人に徐放錠1錠とその1/2分割錠を単回投与した時、分割錠投与時のCmax、AUCは1錠投与時のほぼ半分となり、またT1/2はほとんど差がなく、非分割錠と同等な徐放特性が認められている。
健康成人に徐放錠を1日1回10日間連続投与し、血漿中濃度を検討した結果、蓄積性は認められていない2)。
健康成人に徐放錠1錠を投与した時、食後投与でのCmax、AUCは空腹時投与に比べ有意に高く、食事によるバイオアベイラビリティの増加が認められている3)。
メトプロロールは主として肝において代謝される。メトプロロールの主な代謝酵素はCYP2D6(70~80%)とされている4)(外国人のデータ)。
メトプロロールは主として腎から排泄される。3H-メトプロロール50mgを経口投与した場合の尿中総排泄率は投与量の90%以上(24時間値)であり、未変化体として3~5%が排泄された5),6),7)(外国人のデータ)。
本態性高血圧症138例を対象に本剤1日1回60~240mgを8~12週間投与した結果、有効率は68.4%(67/98)であり、年齢、罹病期間、投与前の血圧等と降圧効果の間には一定の傾向はなかった。副作用発現率は18.0%(23/128)であった。
本態性高血圧症患者28例を対象に本剤を1日1回、1年間投与した結果、良好な降圧効果が維持された。副作用発現率は、20.0%(5/25)であり、その内訳は徐脈、項部のつっぱり感、足の冷感、立ちくらみ・風邪様症状、ふらふら感がそれぞれ1例であった8)。
本態性高血圧患者を対象として本剤の単独療法時及びチアジド系利尿降圧剤併用時の有効性及び安全性を普通錠を対照薬として、二重盲検試験を行った。なお、試験対象患者は単独療法群222例(本剤群108例、普通錠群114例)、併用療法群118例(本剤群60例、普通錠群58例)であった。(本剤1日1回と普通錠のプラセボを1日3回服用又は普通錠1日3回と本剤のプラセボを1日1回服用を4~8週間投与を行った。)徐放錠1日1回投与の有用性が認められている。副作用発現率は、本剤の単独療法群で11.4%(12/105)、併用療法群で15.0%(9/60)であった。主な副作用は、単独療法群で徐脈3例、倦怠感・脱力感、胃重感等がそれぞれ1例あり、併用投与群で頭痛・頭重感3例、徐脈、倦怠感、胸やけ等がそれぞれ1例であった9)。
本態性高血圧患者235例(本剤群122例、ピンドロール群113例)を対象として本剤1錠と対照薬であるピンドロールのプラセボ1カプセル及びチアジド系利尿薬を併用又本剤のプラセボ1錠と対照薬1カプセル及びチアジド系利尿薬を併用して1日1回を12週間投与した二重盲検試験を行った。その結果、有効率は本剤群で78.1%であり両群間に有意差は認められなかった。副作用発現率は、本剤群で10.2%(12/118)であった。主な副作用は、めまい・ふらつき・起立性低血圧4例、頭痛・頭重感2例、嘔気・嘔吐2例等であった10)。
本剤の降圧作用機序については、まだ十分に解明されていないが、従来のβ遮断剤と同様、長期投与による心拍出量の減少に適応した末梢血管抵抗の減少、レニン分泌抑制、中枢神経抑制、交感神経末端のシナプス前β受容体遮断作用等が考えられている。
メトプロロール酒石酸塩は健康成人の運動負荷による心拍数の増加、収縮期血圧の上昇をプロプラノロールと同程度に抑制する。その最大効果は、健康成人にメトプロロール酒石酸塩普通錠(以下普通錠と略す)を1回経口投与したとき、投与1~2時間後にみられ、6~8時間後においても抑制効果が認められている11),12),13),14)。一方、イソプロテレノール負荷による頻脈を抑制する作用はプロプラノロールより弱い12)。健康成人に普通錠を1回経口投与したとき、安静時の心拍数、心拍出量は投与1時間後をピークとして有意に減少するが、血圧はほとんど変化を示さない15)。高血圧症患者に連続経口投与した場合には、心拍数、心拍出量の減少と共に血圧の有意な低下が認められている16)。なお、メトプロロール酒石酸塩には、内因性β受容体刺激作用は認められていない17)(ネコ)。
通常、臨床投与量のメトプロロール酒石酸塩は、気管支平滑筋、血管平滑筋等に分布するβ2受容体にはほとんど影響を与えないことが下記のごとく認められている。
自然発症高血圧ラット(SHR)、副腎再生高血圧ラットにおいて、メトプロロール酒石酸塩の連続投与により明らかな抗高血圧作用が認められている。また、血漿レニン活性の有意な低下が認められている(健康成人15)、高血圧症例24))。
本態性高血圧症患者にメトプロロール酒石酸塩徐放錠を1日1回投与したとき、24時間にわたって安定した降圧効果が持続し、血圧日内変動幅には影響を与えないことが認められている25)。
メトプロロール酒石酸塩(Metoprolol Tartrate)
(2RS)-1-[4-(2-Methoxyethyl)phenoxy]-3-[(1-methylethyl)amino]propan-2-ol hemi-(2R,3R)-tartrate
(C15H25NO3)2・C4H6O6
684.81
白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすい。
+7.0~+10.0°(乾燥後、1.0g、水、50mL、100mm)
0.98(1-オクタノール/pH7.4緩衝液,37℃)
100錠[10錠(PTP)×10]
1) 清水秀利ほか:薬物動態.1991;6(4):567-572
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