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劇薬
処方箋医薬品注)
狭心症
本剤は狭心症の発作緩解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。
通常、成人に対し1日1回1枚(ニトログリセリンとして25mg含有)を胸部、腰部、上腕部のいずれかに貼付する。なお、効果不十分の場合は2枚に増量する。
血管拡張作用によりさらに血圧を低下させるおそれがある。
心拍出量が低下しショックを起こすおそれがある。
心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討すること。他のニトログリセリン外用剤の動物実験において乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性および安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
一般に、生理機能が低下していることが多い。
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤使用前にホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤使用中及び使用後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
降圧作用及び血管拡張作用を有する薬剤
血圧低下作用が増強されるおそれがある。めまい、虚脱感等の自覚症状の発現に注意し、定期的に血圧の測定を行うことが望ましい。
両剤ともに血圧低下作用を有するため、併用した場合相加的に血圧が低下する可能性がある。
アルコール摂取
血圧低下作用が増強されることがある。
飲酒により血管拡張作用が増強され相加的に血圧低下作用が増強される可能性がある。
他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤
頭痛、血圧低下等の副作用が増強されることがある。
相加的に血管拡張作用が増強される可能性がある。
非ステロイド性抗炎症剤
本剤の血管拡張作用が減弱するおそれがある。
プロスタグランジンI2等の合成が阻害され、本剤の作用を減弱する可能性がある。
0.1%~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
めまい
血圧低下、動悸、浮腫
脳貧血、熱感、潮紅、頻脈、失神
精神神経系
頭痛、頭重感
─
過敏症
アレルギー性接触皮膚炎、全身発疹
皮膚
一次刺激性の接触皮膚炎(刺激症状、発赤、そう痒等)、かぶれ
びらん
色素脱失斑
消化器
悪心・嘔吐、下痢
その他
耳鳴、頸部硬直感、疲労感、けん怠感、発汗
尿失禁、便失禁
高用量のニトログリセリンは血圧降下、反射性頻脈、虚脱、失神、メトヘモグロビン血症等を引き起こすことがある。しかし、本剤では放出制御膜により、過量投与発現の可能性は低い。
本剤除去により、直ちに症状は消失する。高度の血圧降下及び虚脱には、患者を臥位にし、下肢を挙げさせる。
自動体外式除細動器(AED)の妨げにならないように貼付部位を考慮するなど、患者、その家族等に指導することが望ましい。
健康成人にニトロダームTTS25mg 1枚を24時間貼付したとき、血漿中ニトログリセリン濃度は、貼付1時間後から本剤を除去するまで平均0.30ng/mLの定常血漿中濃度を保ち、除去後は速やかに消失している1)。
健康成人にニトロダームTTS25mg 1枚又は2枚を24時間貼付したとき、その定常血漿中ニトログリセリン濃度には用量依存性が認められている2)。
健康成人にニトロダームTTS25mg 1枚又は2枚を24時間ごとに貼り替え、4~5日間連続貼付したとき、貼り替えによる血漿中ニトログリセリン濃度の変化は認められず、蓄積性も認められていない2)。同様に、10日間連続貼付したときも、血漿中ニトログリセリン濃度に蓄積性を認めていない2)(外国人のデータ)。
労作狭心症患者13例(解析対象例数)を対象に本剤12.5mg/5cm2(7例)と25mg/10cm2(6例)を封筒法無作為割付けにより2群に分け、symptome-limited多段階エルゴメータ負荷試験を用いて、本剤の狭心症に対する効果と持続性ならびに連用効果を比較検討した結果、本剤25mg/10cm2群は、24時間の持続効果が期待でき、安全性も比較的高く、臨床的に有用であると考えられた。副作用発現率は、30.8%(4/13例)であった。主な副作用は、発赤・皮膚刺激2例、頭痛・頸部のはる感じ1例、倦怠感1例であった3)。
労作狭心症患者13例(解析対象例数)を対象に本剤25mg/10cm2(6例)、50mg/20cm2(7例)及びプラセボを1回貼付し、それぞれ貼付前、貼付後に運動試験を施行し、プラセボ貼付運動試験成績と比較検討した結果、本剤は1回貼付後24時間まで安定した血漿ニトログリセリン濃度を維持し、労作狭心症患者の運動耐容能を改善することが示され、臨床的に有用であると考えられた。副作用発現率は、50mg/20cm2群で44.4%(4/9例)であった。主な副作用は、軽度の紅斑1例、頭痛3例であった4)。
労作性狭心症患者6例(解析対象例数)を対象に本剤25mg/10cm2及びプラセボを貼付後最長72時間にわたり24時間毎に運動負荷を行うことによる効果持続時間について検討した結果、本剤貼付後の運動耐容時間は貼付後24、48及び72時間とも観察期に比べ有意に延長した。副作用発現率は、14.3%で7例中1例に頭痛が認められた5)。
労作・安静狭心症及び異型狭心症患者14例(解析対象例数)を対象に長時間連続記録心電図法を用いた試験した結果、本剤の貼付により、発作のみならず心電図上の虚血性ST偏位も改善することが確認されていることから本剤は有用であると考えられた。副作用発現率は、42.9%(6/14例)であった。主な副作用は、頭痛・頭重感2例、耳鳴り1例、全身発疹2例、掻痒感1例であった6)。
発作回数、硝酸剤消費量、運動能力、心電図所見等を指標とした狭心症に対する全般改善度は59.1%(114/193例)であった。また、二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められている。
ニトロ化合物は、代謝又は非酵素的に分解され、分子内から一酸化窒素(NO)を遊離する。NOは血管平滑筋の細胞質に存在する可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化することによって細胞内のサイクリックGMP(cGMP)を増加させる。これによりcGMP依存性プロテインキナーゼが活性化され、細胞内の多くのタンパク質がリン酸化又は脱リン酸化されるが、それらの総合的結果として血管平滑筋の弛緩がもたらされる。
イヌにおいて、ニトロダームTTS25mg貼付1、2時間後にangiotensinⅡを投与したとき、冠血流量の減少、左心房圧の上昇及び平均血圧の上昇の抑制がみられ、剥離30分後のangiotensinⅡ投与後の反応では、貼付前の値に回復する傾向がみられている8)。
イヌにおいて、ニトロダームTTS25mg 1枚の貼付は、収縮期血圧を低下させ、拡張期血圧、平均血圧及び左心房圧を低下させる傾向がみられている8)。
イヌにおいて、ニトログリセリン静脈内投与時の血行動態変化(収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧の下降及び心拍数の上昇)には、ニトロダームTTS25mgを1日1回14日間連続貼付後に、ある程度の減弱がみられている9)。しかしながら、ニトロダームTTS25mgを1日1回14日間連続貼付したのち、15日目に本剤貼付2時間後に冠状動脈結紮を行った試験では、心虚血性変化(ST上昇)抑制作用の減弱は認められておらず、耐性の傾向はうかがわれていない10)。
ニトログリセリン(Nitroglycerin)
1,2,3-Propanetriol trinitrate
C3H5N3O9
227.09
高温を避けて保存すること。患者には本剤を内袋のまま渡し、本剤を使用するときに内袋から取り出すように指示すること。
140枚(分包品)、350枚(分包品)
1) 社内資料:健康成人における生物学的同等性試験
2) Müller, P. et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol.,1982,22(6),473-480
3) 谷口興一ほか:臨床と研究,1986,63(8),2763-2770
4) 野田省二ほか:臨床薬理,1986,17(3),601-618
5) 古寺邦夫ほか:診断と治療,1986,74(6),1297-1304
6) 矢永尚士ほか:臨床と研究,1986,63(7),2323-2338
7) 西村敬治ほか:基礎と臨床,1985,19(10),5200-5202
8) Nakao, K. et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res.,1989,39(11),1421-1425
9) 社内資料:反復貼付による耐性発現の検討
10) 社内資料:冠状動脈結紮により誘発した心電図上のST上昇に対する影響
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