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日本薬局方
テルビナフィン塩酸塩クリーム
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
下記の皮膚真菌症の治療
1日1回患部に塗布する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
低出生体重児又は新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
0.1%~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
そう痒症、紅斑
-
発疹、蕁麻疹、血管浮腫
適用部位
接触皮膚炎、発赤、刺激感
鱗屑、落屑、皮膚亀裂
湿疹、皮膚乾燥、疼痛、色素沈着、皮膚灼熱感
眼科用として角膜、結膜には使用しないよう指導すること。誤って眼に入った場合は、刺激症状があらわれることがあるので、流水で十分に目をすすぐよう指導すること。
動物実験(モルモット)において、本剤に弱い光毒性が認められている。
健康成人背部にテルビナフィン塩酸塩1%クリームを塗布し、24時間にわたって血漿中濃度を測定したところ、いずれの測定時点においても検出限界(1ng/mL)以下であった。
健康成人背部にテルビナフィン塩酸塩1%クリームを塗布し、24時間にわたって血漿中濃度を測定した結果、薬剤の回収率から推定される吸収率は約5%であった。
角質層の主要構成成分であるヒトケラチンへのテルビナフィン塩酸塩の吸着性を検討したところ、73~98%の吸着率が得られた。一方、一旦ケラチンに吸着された本剤は、緩衝液で洗浄することにより遊離され、ほぼ100%の薬剤活性が回収されたことから、ケラチンが本剤の貯蔵器として活性型薬剤の濃度維持に役立っていると考えられる1)(in vitro)。
白癬(足部白癬、体部白癬、股部白癬)患者33例(解析対象例数)を対象に本剤1日1回塗布による有効性及び安全性を検討した結果、有効率(「有効」以上)は足部白癬81.8%、体部白癬91.7%、股部白癬90.0%であった。本剤塗布による副作用は認められなかった2)。
白癬(足部白癬(手部白癬を含む)、体部白癬、股部白癬)、カンジダ症(指間びらん症、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)及び癜風患者315例(1日1回塗布群148例、2回塗布群167例)を対象に実施した二重盲検比較試験において、本剤を1日1回塗布又は1日2回塗布注)による有効性及び安全性を検討した結果、有効率(「有効」以上)は足部白癬で1日1回塗布群は72.2%、2回塗布群78.4%、体部白癬は1日1回塗布群75.0%、2回塗布群82.6%、股部白癬は1日1回塗布群88.9%、2回塗布群87.5%、カンジダ症は指間びらん症で1回塗布群60.0%、2回塗布群81.8%、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)は1回塗布群89.7%、2回塗布群88.2%、癜風は1回塗布群93.3%、2回塗布群86.5%であった。いずれも両群間に有意差は認められなかった。副作用発現率は、1回塗布群で2.7%(4/148例)、2回塗布群で3.6%(6/167例)であり、副作用は、1回塗布群で搔痒・発赤の悪化1.4%(2/148例)、発赤の悪化及び接触皮膚炎が各0.7%(1/148例)、2回塗布群で接触皮膚炎1.2%(2/167例)、搔痒の悪化、発赤、水疱の悪化、紅斑、刺激感が各0.6%(1/167例)であった3)。注)本剤の承認された用法・用量は、「1日1回患部に塗布する」である。
白癬(足部白癬(手部白癬を含む)、体部白癬、股部白癬)、カンジダ症(指間びらん症)、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)及び癜風患者544例(本剤群265例、ビフォナゾール群279例)を対象に、ビフォナゾール1%クリームを対照薬に本剤1日1回塗布による有効性及び安全性を検討するため二重盲検比較試験を実施した結果、有効率(「有効」以上)は足部白癬で本剤群73.2%、ビフォナゾール群74.2%、体部白癬は本剤群81.6%、ビフォナゾール群77.3%、股部白癬は本剤群92.1%、ビフォナゾール群74.3%、カンジダ症は指間びらん症で本剤群85.7%、ビフォナゾール群90.5%、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)は本剤群94.9%、ビフォナゾール群80.0%、癜風は本剤群80.6%、ビフォナゾール群84.6%であった。本剤群の副作用発現率は、1.1%(3/265例)であり、副作用は、発赤の悪化、搔痒感及び刺激が各0.4%(1/265例)であった4)。
白癬(足部白癬(手部白癬を含む)、体部白癬、股部白癬)、カンジダ症(指間びらん症)、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)及び癜風患者176例を対象に、本剤1日1回最長7週間塗布による有効性及び安全性について検討した結果、本剤の有効率(「有効」以上)は足部白癬(手部白癬を含む)75.8%、体部白癬96.3%、股部白癬93.8%、カンジダ症では指間びらん症100%、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)87.5%、癜風90.9%であり、いずれの疾患においても本剤の高い菌陰性化率と有効率が認められた。副作用発現率は、1.9%(3/176例)であり、副作用は、接触皮膚炎1.9%(3/176例)であった5),6),7)。
健康成人の無傷背部皮膚表面にテルビナフィン塩酸塩1%クリーム及び基剤を用いたパッチテスト並びに光パッチテストの結果では、皮膚刺激性は認められていない8),9)。
テルビナフィン塩酸塩は真菌細胞内のスクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害し、スクアレンの蓄積並びにエルゴステロール含量の低下をもたらし抗真菌作用を示す10),11)。皮膚糸状菌に対しては低濃度で細胞膜構造を破壊し、殺真菌的に作用する11),12)。また、C.albicansに対しては低濃度から部分的発育阻止効果を示し、高濃度では直接的細胞膜障害作用により抗真菌活性をあらわす13)。
モルモットのT.mentagrophytes感染に対しテルビナフィン塩酸塩1%外用剤1日1回塗布により、治療開始4日目には明らかな症状の改善がみられ、2週間後には優れた真菌学的治療効果が認められている19)。また、テルビナフィン塩酸塩1%外用剤をT.mentagrophytes接種1~3日前に局所に単回塗布した場合、感染後14日間経過する期間を通して発症は全くみられなかったことから、薬効の持続性が示された。これはテルビナフィン塩酸塩の良好な皮膚貯留性に基づくものと考えられる20)。
テルビナフィン塩酸塩(Terbinafine Hydrochloride)
(2E)-N,6,6-Trimethyl-N-(naphthalen-1-ylmethyl)hept-2-en-4-yn-1-amine monohydrochloride
C21H25N・HCl
327.89
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。メタノール、エタノール(99.5)又は酢酸(100)に溶けやすく、水に溶けにくい。1.0gを水1000mLに溶かした液のpHは3.5~4.5である。
約205℃(分解)
7.4(1-オクタノール/水)
チューブ:10g×10本、10g×50本
1) 内田勝久ほか:日本医真菌学会雑誌. 1993;34(2):207-212
2) 香川三郎ほか:西日本皮膚科. 1991;53(5):1033-1037
3) 福代良一ほか:西日本皮膚科. 1991;53(4):785-806
4) 富澤尊儀:新薬と臨床. 1991;40(4):740-752
5) 黒沢伝枝ほか:新薬と臨床. 1991;40(5):954-960
6) 岡部省吾ほか:新薬と臨床. 1991;40(4):733-739
7) 山田裕道ほか:皮膚科紀要. 1991;86(2):235-243
8) 中山秀夫ほか:西日本皮膚科. 1991;53(5):1043-1053
9) 大畑恵之ほか:西日本皮膚科. 1991;53(5):1038-1042
10) Ryder, N. S.:Antimicrob. Agents Chemother. 1985;27(2):252-256
11) Ryder, N. S.:Clin. Exp. Dermatol. 1989;14(2):98-100
12) 西山彌生ほか:日本医真菌学会雑誌. 1991;32(2):165-175
13) 平谷民雄ほか:日本医真菌学会雑誌. 1992;33(1):9-18
14) Petranyi, G. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1987;31(9):1365-1368
15) 平谷民雄ほか:日本医真菌学会雑誌. 1991;32(4):323-332
16) 内田勝久ほか:日本医真菌学会雑誌. 1991;32(4):343-346
17) Schuster, I. et al.:“Preclinical characteristics of allylamines.”;in Berg, D. et al. eds. Sterol Biosynthesis Inhibitors:Pharmaceutical and Agrochemical Aspects.:Pbl.:Ellis Horwood Ltd., Chichester(UK)PP. 1988;449-470
18) Schaude, M. et al.:Mykosen. 1987;30(6):281-287
19) 内田勝久ほか:日本医真菌学会雑誌. 1991;32(4):333-342
20) 内田勝久ほか:日本医真菌学会雑誌. 1993;34(2):199-206
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