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処方箋医薬品注)
本剤の成分又はリンコマイシン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤に感性のブドウ球菌属、アクネ菌
尋常性ざ瘡
結節及び嚢腫には、他の適切な処置を行うこと。
1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。
本剤の使用にあたっては、12週間で効果が認められない場合には使用を中止すること。また、炎症性皮疹が消失した場合には、他の適切な維持治療を検討すること。なお、本剤を12週間を超えて塗布した際の有効性及び安全性は検討されていないため、12週間を超えて塗布する際はその必要性を慎重に判断すること。
偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれるおそれがある。
重症の即時型アレルギー反応があらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中への移行は不明である。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。
エリスロマイシン含有製剤
本剤の効果が減弱する可能性がある。
クリンダマイシンの作用と拮抗する可能性がある。
末梢性筋弛緩剤
神経筋遮断作用が増強する可能性がある。
クリンダマイシンは神経筋遮断作用を有する。
外用スルホンアミド製剤
同一部位に重ねて塗布した場合、皮膚及び顔毛に一過性の変色(黄色又は橙色)を呈する可能性がある。
機序は不明であるが、過酸化ベンゾイルによる反応と考えられる。
限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、抗生物質関連大腸炎(偽膜性大腸炎を含む)等の大腸炎、出血性下痢(いずれも頻度不明)があらわれることがある。遷延性又は重症の下痢、出血性下痢あるいは腹部疝痛が認められた場合、それらの症状が大腸炎の可能性もあるため、直ちに本剤の使用を中止し、適切な検査を行うこと。,
5%以上
5%未満
頻度不明
消化器
-
下痢、腹痛
皮膚
乾燥、皮膚炎(接触皮膚炎、湿疹を含む)、皮膚剥脱、紅斑、適用部位反応(疼痛、皮膚刺激、発赤、変色を含む)、瘙痒症
灼熱感、蕁麻疹、ざ瘡悪化
光線過敏性反応、紅斑性皮疹、錯感覚、つっぱり感、グラム陰性菌毛嚢炎、脂性肌、腫脹、水疱、びらん
肝臓
AST、ALT、Al-P、総ビリルビンの上昇、ウロビリノーゲン陽性
その他
過敏症
頭痛、白血球増加、血小板増加、総コレステロール低下、尿蛋白、尿糖
重度の皮膚刺激感があらわれる可能性がある。過酸化ベンゾイルの外用により全身性の作用の発現に至る量は吸収される可能性が低い。一方、クリンダマイシンの過量の外用により全身性の作用の発現に至る量が吸収される可能性がある。
過酸化ベンゾイルとトレチノインを混合すると、トレチノインが分解されるとの報告がある1)ため、本剤とトレチノインを同一部位に塗布した場合、トレチノインの効果が減弱する可能性がある。
ヘアレスマウスを用いた1年間光がん原性試験で紫外線照射と2500mg/kg/日(7500mg/m2/日)までのクリンダマイシン1%-過酸化ベンゾイル5%ゲルを経皮投与した結果、紫外線照射単独群と比べ皮膚腫瘍発現時間の軽度短縮が認められた。
健康成人男性(6例)の背部皮膚にクリンダマイシン(CLDM)リン酸エステルゲル1% 2gを単回塗布したときの血漿中CLDM濃度は多くの被験者で定量限界(13.2pg/mL)以下であった。また、CLDMリン酸エステルゲル1% 2gを12時間毎に9回反復塗布したときの塗布後12時間の血漿中CLDM濃度は3回塗布でほぼ一定となり、最終塗布後のCmaxは平均161.3pg/mLであった2)。
中等度から重度の尋常性ざ瘡患者(77例)の顔面にCLDMリン酸エステル1%-過酸化ベンゾイル(BPO)5%ゲル1gを1日1回及びCLDMリン酸エステルローション1% 0.5gを1日2回それぞれ4週間塗布したときの血漿中CLDM及びその代謝物であるS-酸化体の濃度を表-1に示す。
CLDMリン酸エステル1%-BPO5%
CLDMリン酸エステルローション1%
CLDM(pg/mL)
S-酸化体(pg/mL)
塗布後1~4週
439.2±574.2(39)
93.3±93.1(39)
386.0±398.9(37)
77.4±88.5(37)
最終塗布後96時間
67.8±223.3(35)
13.4±36.9(36)
73.0±226.2(30)
44.5±51.3(30)
平均値±標準偏差(例数)
中等度から重度の尋常性ざ瘡患者(24例)の顔面、上胸部、上背部、肩に本剤約4gを1日1回5日間塗布したときのCLDM及びS-酸化体の薬物動態パラメータを表-2に示す3)。
パラメータ
CLDM(24例)
S-酸化体(23例)
Cmax(pg/mL)
1294.2±1011.3
220.0±139.1
tmax(hr)
5.8±2.68
7.9±3.47
AUC(0-t)(pg・h/mL)
17786.3±14769.4
3956.5±2860.3
平均値±標準偏差
尋常性ざ瘡患者の顔面に本剤約0.7gを1日2回7日間塗布したときの血漿中安息香酸濃度は12例中2例で定量可能(定量下限:100ng/mL)であった。塗布前及び反復塗布後の血漿中馬尿酸濃度は、それぞれ46.7~84.8ng/mL及び38.2~100.3ng/mLであった。
In vitroにおいて、ヒト皮膚に本剤15.63mg/cm2を塗布したとき、安息香酸、CLDMリン酸エステル又はCLDMとして塗布6時間後までに経時的に皮膚を透過したが、BPOとしての皮膚透過は確認されなかった4)。
In vitroにおいて、ヒト皮膚に14C-BPO4556μgを塗布したときの塗布後8時間には安息香酸として真皮側から1.9%が回収された。皮膚中には塗布量の2.6%(BPO及び安息香酸がおおむね同量)が、皮膚表面には95.5%(BPO)が残った5)。
CLDMリン酸エステルは生体内で速やかにCLDMに加水分解された6),7),8)。また、in vitro試験において、CLDMは主にCYP3A4でS-酸化体に代謝された9)。
健康成人男性(6例)の背部皮膚にCLDMリン酸エステルゲル1% 2gを単回塗布及び12時間毎に9回反復塗布したとき、CLDMの尿中排泄率は単回及び反復塗布のいずれにおいても塗布量の0.01%以下であった2)。
中等度から重度の尋常性ざ瘡患者(77例)の顔面にCLDMリン酸エステル1%-BPO5%ゲル1gを1日1回及びCLDMリン酸エステルローション1% 0.5gを1日2回それぞれ4週間塗布したとき、CLDMリン酸エステル1%-BPO5%ゲルの最終投与後24時間における尿中排泄量はCLDM及びS-酸化体でそれぞれ5.8及び5.4μgとCLDMリン酸エステルローション1%塗布時と同程度であった3)。
尋常性ざ瘡患者の顔面に本剤約0.7gを1日2回7日間塗布したとき、尿中安息香酸濃度は12例中3例で定量可能(定量下限:100ng/mL)であり、塗布前及び反復塗布後の尿中馬尿酸濃度は、それぞれ36.0~42.4μg/mL及び53.7~55.6μg/mLであった。
日本人の尋常性ざ瘡患者を対象に、本剤を1日1回又は1日2回、12週間、顔面に塗布時の有効性及び安全性を検討することを目的として実施した無作為化単盲検並行群間比較試験(対照:CLDM1%ゲル)の結果は、以下のとおりであった注)。副作用発現率は、本剤1日1回群204例中49例(24.0%)、本剤1日2回群296例中104例(35.1%)であった。主な副作用は本剤1日1回群で皮膚乾燥15例(7.4%)、接触性皮膚炎11例(5.4%)、そう痒症9例(4.4%)、顔面痛9例(4.4%)紅斑8例(3.9%)、灼熱感6例(2.9%)、皮膚剥脱4例(2.0%)、剥脱性皮膚炎4例(2.0%)等、本剤1日2回群で皮膚乾燥34例(11.5%)、皮膚剥脱25例(8.4%)、接触性皮膚炎23例(7.8%)、紅斑21例(7.1%)、そう痒症17例(5.7%)、灼熱感12例(4.1%)、顔面痛9例(3.0%)、皮膚刺激8例(2.7%)、剥脱性皮膚炎6例(2.0%)等であった。
本剤1日1回群
本剤1日2回群
CLDM1%1日2回群
ベースライン
76.3±30.05(204)
80.2±36.05(296)
79.6±37.76(299)
塗布12週後
20.7±24.35(201)
19.8±20.73(289)
30.6±36.22(299)
変化量
-55.1±29.59(201)
-60.4±34.58(289)
-48.9±34.92(299)
CLDM1%1日2回群との群間差[95%信頼区間]a)
-8.2[-12.9, -3.6]
-11.0[-15.0, -7.0]
p値a)
-
P<0.001
平均値±標準偏差(例数)a)塗布群、ベースライン値、医療機関を説明変数とした共分散分析モデル
注)本剤の承認用法・用量は1日1回投与である。
感受性菌のリボソーム50Sサブユニットに結合し、ペプチド転移酵素反応を阻害して蛋白合成を阻害することにより、細菌の増殖を抑制する。
過酸化ベンゾイルが安息香酸に分解される過程で生成される活性酸素が細菌膜に作用し、細菌の必須構成成分を酸化することによって抗菌活性を示す5),10)。
クリンダマイシンリン酸エステルは生体内で加水分解され、クリンダマイシンとして尋常性ざ瘡の原因菌であるアクネ菌に対して抗菌活性を示す。また、アクネ菌のリパーゼ産生を抑制し、皮脂中の遊離脂肪酸を低下させ、白血球の遊走を抑制することで抗炎症作用を示す。
アクネ菌に対して殺菌的な抗菌活性を示す12)。アクネ菌の薬剤耐性株に対して、それぞれの感受性株と同程度の抗菌活性を示す13),14)。また、抗炎症作用、角質剥離作用及び面皰減少作用を示す15),16),17)。
クリンダマイシンはエリスロマイシン等のマクロライド系抗菌薬との間で交差耐性が報告されている11)。エリスロマイシンによる耐性誘導によってクリンダマイシンに耐性を示すこともある。
クリンダマイシンリン酸エステル水和物(Clindamycin Phosphate Hydrate)
Methyl 7-chloro-6,7,8-trideoxy-6-[(2S,4R)-1-methyl-4-propylpyrrolidine-2-carboxamido]-1-thio-L-threo-α-D-galacto-octopyranoside 2-(dihydrogen phosphate)monohydrate
C18H34ClN2O8PS・H2O
522.98
白色~微黄白色の結晶性の粉末
約200℃
過酸化ベンゾイル(Benzoyl Peroxide)
Dibenzoyl peroxide
C14H10O4
242.23
白色の不定形又は細粒状の粉末
103~106℃
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
チューブ:10g×10本
1) Martin B, et al.:Br J Dermatol, 1998,139(52), 8-11
2) 原田昭太郎:臨床医薬, 1999,15(4), 567-582
3) 社内資料:薬物動態試験、バイオアベイラビリティ試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.2.2.2)
4) 社内資料:皮膚透過性試験(2015年3月26日承認、CTD2.6.4.4.1)
5) Nacht S, et al.:J Am Acad Dermatol, 1981. 4(1), 31-37
6) Flaherty JF, et al.:Antimicrob Agents Chemother, 1988, 32(12), 1825-1829
7) Plaisance KI, et al.:Antimicrob Agents Chemother, 1989, 33(5), 618-620
8) Amr S, et al.:J Appl Microbiol, 2001, 90(4), 550-554
9) Wynalda MA, et al.:Drug Metab Dispos, 2003, 31(7), 878-887
10) Cove JH, et al.:J Appl Bacteriol, 1983, 54(3), 379-382
11) Eady EA, et al.:Br J Dermatol, 1989,121(1), 51-57
12) Decker LC, et al.:Antimicrob Agents Chemother, 1989, 33(3), 326-330
13) Pannu J, et al.:Antimicrob Agents Chemother, 2011, 55(9), 4211-4217
14) Eady EA, et al.:Br J Dermatol, 1994,131(3), 331-336
15) Hegemann L, et al.:Br J Dermatol, 1994,130(5), 569-575
16) Loux JJ, et al.:J Soc Cosmet Chem, 1974, 25, 473-479
17) Mills OHJr, et al.:Animal Models in Dermatology, 1975, 176-183
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