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劇薬
処方箋医薬品注)
大量化学療法後の神経芽腫
臨床試験に組み入れられた患者のリスク群、腫瘍の状況等について「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
通常、イソトレチノインとして以下の用量を1日2回、14日間連日経口投与し、その後14日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
体重注1)
1回投与量
3.7 kg以下
8 mg
3.8 kg以上7.5 kg以下
16 mg
7.6 kg以上11.2 kg以下
24 mg
11.3 kg以上11.9 kg以下
32 mg
体表面積注2)
0.38 m2以上0.50 m2以下
0.51 m2以上0.62 m2以下
40 mg
0.63 m2以上0.75 m2以下
48 mg
0.76 m2以上0.87 m2以下
56 mg
0.88 m2以上1.00 m2以下
64 mg
1.01 m2以上1.12 m2以下
72 mg
1.13 m2以上1.25 m2以下
80 mg
1.26 m2以上1.37 m2以下
88 mg
1.38 m2以上1.50 m2以下
96 mg
1.51 m2以上1.62 m2以下
104 mg
1.63 m2以上1.75 m2以下
112 mg
1.76 m2以上1.87 m2以下
120 mg
1.88 m2以上2.00 m2以下
128 mg
体重注3)
1回投与量(1日2回)
通常投与量
1段階減量
2段階減量
3段階減量
休薬
体表面積注4)
0.51 m2以上0.66 m2以下
0.67 m2以上0.83 m2以下
0.84 m2以上1.00 m2以下
1.01 m2以上1.16 m2以下
1.17 m2以上1.33 m2以下
1.34 m2以上1.50 m2以下
1.51 m2以上1.66 m2以下
1.67 m2以上1.83 m2以下
1.84 m2以上2.00 m2以下
1.01 m2以上1.20 m2以下
1.21 m2以上1.40 m2以下
1.41 m2以上1.60 m2以下
1.61 m2以上1.80 m2以下
1.81 m2以上2.00 m2以下
0.38 m2以上2.00 m2以下
副作用
程度注5)
処置
悪心・嘔吐感染症発熱肝機能障害
Grade 4
1段階減量する。
その他の副作用
Grade 3以上
基準
ALT<300 IU/L
次サイクルの投与開始日に基準を満たさない場合、投与を延期する。1週間以内に基準を満たす場合、同量で開始する。1週間を超えて基準を満たす場合、1段階減量して開始する。
TG<300 mg/dL
次サイクルの投与開始日に基準を満たさない場合、投与を延期する。1週間以内に基準を満たす場合、同量で開始する。1週間を超えても基準を満たさない場合、高脂血症に対する治療を実施し、同量で開始する。さらに次のサイクルの投与開始日にも基準を満たさない場合、1段階減量する。
eGFR≧30 mL/min/1.73 m2
皮膚障害≦Grade 1
次サイクルの投与開始日に基準を満たさない場合、投与開始を延期する。1週間以内に基準を満たす場合、同量で開始する。1週間を超えて基準を満たす場合、1段階減量して開始する。
症状が悪化するおそれがある。,
治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ観察を十分に行いながら慎重に投与すること。,,
本剤は主に肝代謝により消失するため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊娠する可能性のある女性に投与する場合は、本剤の妊娠に及ぼす危険性について患者に十分に説明し、投与開始予定1カ月前から、投与中及び最終投与後1カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。なお、本剤投与中に妊娠が確認された場合又は疑われた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で催奇形作用が報告されている。また、本剤投与中に妊娠した患者で、頭蓋顔面、心血管系、胸腺、中枢神経系等の奇形があらわれたとの報告がある。,,,
投与後1カ月間は授乳を避けさせること。乳汁排泄又は母乳を介した乳児への影響に関する本剤のデータはないが、類似化合物(エトレチナート)の動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が報告されている。
幼児又は小児へ投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること。骨端早期閉鎖があらわれることが報告されている。,,
ビタミンA製剤
ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を起こすおそれがある。
本剤はビタミンAの活性代謝物である。
テトラサイクリン系抗生物質
本剤とこれらの薬剤を併用した患者で頭蓋内圧亢進症を発現したとの報告がある。
本剤及びこれらの薬剤はそれぞれ頭蓋内圧の上昇を起こすことがある。
CYP3A阻害剤
本剤の作用が増強するおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
CYP2C8阻害剤
これらの薬剤がCYP2C8を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
UGT1A9阻害剤
これらの薬剤がUGT1A9を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
CYP3A誘導剤
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP2C8誘導剤
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP2C8誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤がCYP2C8を誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
フェニトイン
フェニトインの作用が増強するおそれがある。
類似化合物(エトレチナート)でフェニトインとの併用により、フェニトインのタンパク結合能を低下させるとの報告があり、フェニトインの血中濃度が上昇する可能性がある。
うつ病(頻度不明)、自殺念慮(頻度不明)、不安(頻度不明)等の精神障害があらわれることがある。,
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、多形紅斑(頻度不明)等があらわれることがある。
急性膵炎(頻度不明)等があらわれることがある。
難聴(頻度不明)等があらわれることがある。
,,
失明(頻度不明)、視力障害(頻度不明)等があらわれることがある。
アナフィラキシー(頻度不明)等の重篤な過敏症があらわれることがある。
高トリグリセリド血症(56.3%)等があらわれることがある。
高カルシウム血症(62.5%)等があらわれることがある。
50%以上
25~50%未満
25%未満
皮膚および皮下組織障害
皮膚乾燥(62.5%)
湿疹、そう痒症
皮膚炎、発疹、皮脂欠乏性湿疹、斑状丘疹状皮疹、乾皮症、皮膚粘膜障害
代謝および栄養障害
低マグネシウム血症、低アルブミン血症、低ナトリウム血症、低リン血症
胃腸障害
口唇炎
悪心、嘔吐、腹痛、口角口唇炎、口腔内出血、肛門出血
呼吸器、胸郭および縦隔障害
鼻出血
鼻閉
感染症および寄生虫症
結膜炎、外耳炎、皮膚感染
臨床検査
AST増加、ALT増加、血中尿素増加、CRP増加、血中ビリルビン減少
筋骨格系および結合組織障害
関節痛
血液およびリンパ系障害
好中球減少症
一般・全身障害および投与部位の状態
倦怠感
神経系障害
頭痛
腎および尿路障害
尿道出血
高リスク神経芽腫患者13例に、本剤64mg/m2を1日2回14日間経口投与したときの、14日目におけるイソトレチノイン及び主代謝物である4-オキソ-イソトレチノインの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)。
測定対象
Cmax(ng/mL)
tmax注1)(h)
AUC0-12h(ng・h/mL)
t1/2(h)
イソトレチノイン
2,482±915
3.83(2.00, 5.98)
13,753±4,564
5.00±1.13
4-オキソ-イソトレチノイン
4,710±833
5.87(0, 11.1)
44,210±7,656
15.7±4.27注2)
平均値±標準偏差、N=13、注1)中央値(最小値, 最大値)、注2)N=4
健康成人71例に本剤32mg注6)を空腹時及び高脂肪食後に単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるイソトレチノインのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ1.08及び1.23であったとの報告がある2)(外国人データ)。
イソトレチノインのヒト血漿タンパク結合率は99.9%であったとの報告がある3)。
イソトレチノインの酸化的代謝には主にCYP3A及び2C8が関与し、イソトレチノイン及び4-オキソ-イソトレチノインのグルクロン酸抱合には主にUGT1A9が関与するとの報告がある4),5)(in vitro)。
健康成人4例に14C標識した本剤80mg注6)を単回経口投与したとき、放射能の尿及び糞中排泄率はそれぞれ33.8及び42.0%であったとの報告がある。また、胆管チューブを挿入した患者2例に14C標識した本剤80mgを単回経口投与したとき、投与72時間後までの放射能の尿中排泄率は25.8%であり、投与96時間後までの放射能の糞及び胆汁中排泄率はそれぞれ22.5及び19.9%であったとの報告がある6)(外国人データ)。健康成人3例に本剤100mg注6)を単回経口投与したとき、投与72時間後までの尿中に未変化体は検出されなかったとの報告がある7)(外国人データ)。
大量化学療法を含む集学的治療施行後に疾患進行が認められない、1歳以上18歳未満の高リスク群注7)神経芽腫患者16例を対象に、本剤を経口投与注8)し、安全性、有効性及び薬物動態を評価する非盲検非対照第Ⅱ相試験を実施した。主要評価項目である本剤との因果関係が否定できない重症有害事象の発現割合は、18.8%[90%信頼区間(CI):5.3, 41.7]であった。なお、発現した本剤との因果関係が否定できない重症有害事象は、Grade 3の高トリグリセリド血症2例及びGrade 4の高カルシウム血症1例であった。副作用は16例全例(100%)に認められた。主な副作用は、高カルシウム血症及び皮膚乾燥各10例(62.5%)、高トリグリセリド血症9例(56.3%)、湿疹及び口唇炎各6例(37.5%)、そう痒症5例(31.3%)であった。有効性について、副次評価項目である登録日から1年時点の無イベント生存割合及び全生存割合は、それぞれ93.8%[95% CI:63.2, 99.1]及び100%[95% CI:100.0, 100.0]であった8)(2025年4月24日データカットオフ)。
イソトレチノインは、レチノイン酸受容体(RAR)に結合し、RARを介した転写を活性化すること等により、MYCN遺伝子の発現を抑制し、細胞周期停止を誘導すること、神経芽腫細胞の分化を誘導すること等により、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている9),10),11)。
イソトレチノインは、ヒト神経芽腫由来SK-N-BE2、SMS-KANR、SMS-KCNR、CHLA-79、CHLA-20及びSMS-LHN細胞株に対して増殖抑制作用を示した11)。
イソトレチノインは、ヒト神経芽腫由来SH-SY5Y細胞株を皮下移植したヌードラットにおいて腫瘍増殖抑制作用を示した12)。
イソトレチノイン(Isotretinoin)
(2Z,4E,6E,8E)-3,7-Dimethyl-9-(2,6,6-trimethylcyclohex-1-en-1-yl)nona-2,4,6,8-tetraenoic acid
C20H28O2
300.44
本品は黄色~橙色の結晶性の粉末である。ジクロロメタン又はクロロホルムにやや溶けやすく、エタノール(95)又は2-プロパノールにやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
外箱開封後は遮光して保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
50カプセル[10カプセル(ブリスター)×5]
1) 社内資料:国内第Ⅱ相試験(2026年6月19日承認、審査報告書)
2) Madan S, et al,:Acta Derm Venereol. 2020;100:adv00049
3) Brazzell RK, et al.:J Am Acad Dermatol. 1982;6(4 Pt 2):643-651
4) Marill J, et al.:Biochem Pharmacol. 2002;63(5):933-943
5) Rowbotham SE, et al.:Drug Metab Dispos. 2010;38(7):1211-1217
6) Colburn WA, et al.:Drug Metab Dispos. 1985;13(3):327-332
7) Khoo KC, et al.:J Clin Pharmacol. 1982;22:395-402
8) 社内資料:国内第Ⅱ相試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.)
9) Makimoto A, et al.:Cancers. 2024;16(3):544
10) Idres N, et al.:J Biol Chem. 2002;277(35):31491-31498
11) Sonawane P, et al.:Br J Pharmacol. 2014;171(23):5330-5344
12) Ponthan F, et al,:Int J Cancer. 2003;104(4):418-424
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