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ザジテンドライシロップ0.1%

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
13.過量投与
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗アナフィラキシー作用
18.3抗ヒスタミン作用
18.4PAF(血小板活性化因子)による気道反応の抑制
18.5好酸球に対する作用
18.6誘発試験による過敏反応の抑制
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ザジテンドライシロップ0.1%

添付文書番号

4490003R1228_2_07

企業コード

480866

作成又は改訂年月

2024年7月改訂(第2版)
2023年7月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87449

薬効分類名

アレルギー性疾患治療剤

承認等

ザジテンドライシロップ0.1%

販売名コード

YJコード

4490003R1228

販売名英語表記

Zaditen Dry Syrup 0.1%

販売名ひらがな

ざじてんどらいしろっぷ0.1%

承認番号等

承認番号

21900AMX01185000

販売開始年月

1987年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

ケトチフェンフマル酸塩

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 てんかん又はその既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ザジテンドライシロップ0.1%

有効成分1g中
日局 ケトチフェンフマル酸塩   1.38mg
(ケトチフェンとして   1mg )
添加剤白糖、ヒプロメロース、アラビアゴム、シリコーン樹脂、無水ケイ酸、酸化チタン、香料、グリセリン、プロピレングリコール、エチルバニリン、バニリン、D-マンニトール

3.2 製剤の性状

ザジテンドライシロップ0.1%

性状白色の粉末を含む微細な粒子で、芳香があり味は甘い。

4. 効能又は効果

  • 気管支喘息
  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症

6. 用法及び用量

通常、小児には1日量0.06g/kg(ケトチフェンとして0.06mg/kg)を2回、朝食後及び就寝前に分け、用時溶解して経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
年齢別の標準投与量は、通常、下記の用量を1日量とし、1日2回、朝食後及び就寝前に分け、経口投与する。

年齢

1日用量

6カ月以上3歳未満

0.8g(ケトチフェンとして0.8mg)

3歳以上7歳未満

1.2g(ケトチフェンとして1.2mg)

7歳以上

2.0g(ケトチフェンとして2.0mg)

ただし、1歳未満の乳児に使用する場合には体重、症状などを考慮して適宜投与量を決めること。

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。
  • 〈気管支喘息〉
    1. 8.2 本剤はすでに起こっている発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、このことを患者に十分説明しておく必要がある。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 てんかんを除く痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者

    痙攣閾値を低下させることがある。

  2. 9.1.2 長期ステロイド療法を受けている患者

    本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。

9.3 肝機能障害患者

肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

乳児、幼児に投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること。痙攣、興奮等の中枢神経症状があらわれることがある。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    中枢神経抑制剤
    (鎮静剤、催眠剤等)
    抗ヒスタミン剤
    アルコール

    眠気、精神運動機能低下等を起こすことがある。
    アルコール性飲料の摂取を制限すること。

    いずれも中枢神経抑制作用を有するため。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 痙攣、興奮(頻度不明)

      乳児、幼児では特に注意すること。

    2. 11.1.2 肝機能障害、黄疸(頻度不明)

      AST、ALT、ALP、LDH、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

    11.2 その他の副作用

    0.1%~5%未満

    0.1%未満

    頻度不明

    泌尿器

    頻尿、排尿痛、血尿、残尿感等の膀胱炎様症状

    過敏症

    発疹、蕁麻疹

    浮腫、多形紅斑

    精神神経系

    眠気

    めまい、ふらつき、けん怠感、口渇

    一過性の意識消失、頭痛、味覚異常、しびれ感、易刺激性、不眠、神経過敏、鎮静

    消化器

    悪心、下痢、嘔吐、便秘

    腹痛、胃部不快感、食欲不振、口内炎

    肝臓

    AST、ALT、ALPの上昇

    LDH、γ-GTPの上昇

    その他

    体重増加

    ほてり、鼻出血、動悸、月経異常

    12. 臨床検査結果に及ぼす影響

    本剤は、アレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する3~5日前より本剤の投与を中止することが望ましい1)

    13. 過量投与

    1. 13.1 徴候、症状

      傾眠、見当識障害、チアノーゼ、呼吸困難、発熱、錯乱、痙攣、頻脈、徐脈、低血圧、眼振、可逆性昏睡等。特に小児では、興奮性亢進、痙攣2)

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    健康成人に本剤2.0g(ケトチフェンとして2mg)を1回経口投与した場合の薬物動態は次のとおりである。また本剤とザジテンシロップを比較した結果、生物学的同等性が認められた。(本剤の承認された小児1回用量は1.0g(ケトチフェンとして1.0mg))

    Tmax(h)

    Cmax(ng/mL)

    AUC0→24(ng・h/mL)

    T1/2β(h)

    3.4

    5.1

    55.7

    6.2

    ケトチフェン2mgを健康成人に経口投与後の血漿中濃度の推移
    平均±標準誤差(n=10)

    16.3 分布

    ケトチフェンの蛋白結合率は約75%である。(in vitro、ヒト血清、平衡透析法)

    16.4 代謝

    ケトチフェンの血中及び尿中における主代謝産物はグルクロン酸抱合体であり、脱メチル化体及びN-酸化体がわずかにみられた3)(外国人のデータ)。

    16.5 排泄

    健康成人に14C-ケトチフェンを単回投与した時、投与120時間後までに放射能は尿中に71.1%、糞中に26.4%排泄された(外国人のデータ)。
    また、ケトチフェンを小児患者に投与した場合、健康成人に比べ尿中への排泄は速やかに行われることが示唆された。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    小児の気管支喘息104例、アレルギー性鼻炎108例及び皮膚疾患157例における本剤の臨床試験成績の概要は次のとおりである。

    疾患名

    有効率

    気管支喘息4),5)

    69.9%(72/103)

    アレルギー性鼻炎6),7)

    69.4%(75/108)

    湿疹・皮膚炎8),9)
    蕁麻疹
    皮膚そう痒症

    76.4%(120/157)

    安全性に関しては、以下の成績が得られた。
    承認時までの総症例11,620例中何らかの副作用が報告されたのは136例(1.2%)であった。主な副作用は眠気(0.8%)であった。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    ケトチフェンはケミカルメディエーター遊離抑制に基づく抗アナフィラキシー作用及び抗ヒスタミン作用を有し、かつ、気道及び鼻粘膜等の組織の過敏性を減弱させる。更に、PAF(血小板活性化因子)による気道の反応性亢進を抑制し、好酸球に対する作用を有する。

    18.2 抗アナフィラキシー作用

    ケトチフェンはPCA(受動的皮膚アナフィラキシー)反応、実験的気管支喘息モデルにおけるアナフィラキシー反応を抑制する10)(ラット)。
    ヒスタミン及びSRS-A等ケミカルメディエーターの遊離を抑制する(ラット腹腔・皮膚肥満細胞10),11)、ヒト白血球中好塩基球・好中球12),13)、ヒト肺14)in vitro)。また、抗SRS-A作用を有する13),14)(モルモット気管支筋in vivo、回腸in vitro)。

    18.3 抗ヒスタミン作用

    ケトチフェンはヒスタミンによる気管支収縮(モルモット)、血管透過性亢進、皮膚反応(ラット)等を抑制する10)

    18.4 PAF(血小板活性化因子)による気道反応の抑制

    ケトチフェンはPAFによる気管支収縮、気道反応性亢進を抑制する15),16)(モルモット)。

    18.5 好酸球に対する作用

    抗原及びPAFによる好酸球の肺への集積を防止する(モルモット16)、ヒヒ17))。
    アレルギー性疾患患者においてケトチフェンは抗原刺激による好酸球の脱顆粒を防止する18)in vitro)。
    ケトチフェンはアレルギー性疾患患者の末梢血好酸球を減少させる19),20),21)
    また、臨床症状の改善に伴って低比重好酸球比率の減少がみられる19)

    18.6 誘発試験による過敏反応の抑制

    アレルギー性疾患患者において、ケトチフェンは抗原誘発による気道、鼻粘膜、皮膚等の過敏反応を抑制する22),23),24),25),26)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    ケトチフェンフマル酸塩(Ketotifen Fumarate)

    化学名

    4-(1-Methylpiperidin-4-ylidene)-4H-benzo[4,5]cyclohepta[1,2-b]thiophen-10(9H)-one monofumarate

    分子式

    C19H19NOS・C4H4O4

    分子量

    425.50

    性状

    白色~淡黄白色の結晶性の粉末である。メタノール又は酢酸(100)にやや溶けにくく、水、エタノール(99.5)又は無水酢酸に溶けにくい。

    化学構造式

    融点

    約190℃(分解)

    分配係数

    0.7(1-オクタノール/0.1mol/L塩酸)

    20. 取扱い上の注意

    外箱開封後は、湿気を避けて保存すること。

    22. 包装

    0.4g×200包
    0.6g×200包
    1g×200包
    100g[瓶]

    23. 主要文献

    1) Debelic, M. et al.:Dtsch. med. Wschr., 1981, 106(50), 1704-1707

    2) Le Blaye, I. et al.:Drug Safety, 1992, 7(5), 387-392

    3) Kennedy, G. R.:Res. Clin. Forums, 1982, 4(1), 17-20

    4) 正木拓朗ほか:小児科臨床, 1986, 39(6), 1491-1497

    5) 四家正一郎ほか:診療と新薬, 1986, 23(7), 1553-1558

    6) 寺田修久ほか:耳鼻咽喉科展望, 1986, 29(S3), 241-251

    7) 調所廣之ほか:耳鼻咽喉科展望, 1986, 29(S3), 253-267

    8) 林 葉子ほか:西日本皮膚科, 1986, 48(2), 344-349

    9) 上出良一ほか:西日本皮膚科, 1986, 48(2), 350-355

    10) Martin, U. et al.:Arzneim.-Forsch. Drug Res., 1978, 28(5), 770-782

    11) 赤星吉徳ほか:アレルギーの臨床, 1985, 5(5), 401-404

    12) 熊谷 朗ほか:メディカルサンド, 1980, 8(2), 87-93

    13) 岸本真知子ほか:アレルギーの臨床, 1984, 4(2), 149-151

    14) Ney, U. M. et al.:Res. Clin. Forums, 1982, 4(1), 9-16

    15) Mazzoni, L. et al.:Br. J. Pharmacol., 1985, 86(S), 571

    16) Morley, J. et al.:Agents. Actions., 1988, 23(S), 187-194

    17) Arnoux, B. et al.:Am. Rev. Respir. Dis., 1988. 137(4), 855-860

    18) Podleski, W. K. et al.:Agents. Actions., 1984, 15(3-4), 177-181

    19) 宮里 稔ほか:炎症, 1988, 8(3), 260-262

    20) 笹本明義ほか:小児科臨床, 1986, 39(11), 3275-3281

    21) 碇 久雄ほか:小児科臨床, 1989, 42(3), 589-600

    22) 伊藤和彦ほか:薬理と治療, 1980, 8(2), 563-567

    23) 山田政功ほか:アレルギーの臨床, 1984, 4(2), 137-140

    24) 臼井信郎ほか:耳鼻咽喉科展望, 1984, 27(S1), 107-114

    25) 田中憲雄ほか:臨牀と研究, 1980, 57(8), 2712-2717

    26) Giesen, H. K. et al.:Med. Welt, 1979, 30(37), 1359-1360

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    サンファーマ株式会社 くすり相談センター

    *〒105-0011 東京都港区芝公園1-7-6

    受付時間:9時~17時
    (土、日、祝日、その他当社の休業日を除く)
    TEL:0120-22-6880
    ホームページ:https://jp.sunpharma.com/

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    サンファーマ株式会社

    東京都港区芝公園1-7-6

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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