医療用医薬品 詳細表示

アスコルビン酸注100mg「NP」/アスコルビン酸注500mg「NP」/アスコルビン酸注1g「NP」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
6.用法・用量
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.7小児等
12.臨床検査結果に及ぼす影響
14.適用上の注意
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2結合織に対する作用
18.3毛細血管、血液に対する作用
18.4薬物中毒に対する作用
18.5副腎皮質機能に対する作用
18.6メラニン色素生成に対する作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

アスコルビン酸注100mg「NP」/アスコルビン酸注500mg「NP」/アスコルビン酸注1g「NP」

添付文書番号

3140400A2219_3_04

企業コード

530100

作成又は改訂年月

2023年10月改訂(第2版)
2023年8月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87314

薬効分類名

ビタミンC製剤

承認等

アスコルビン酸注100mg「NP」

販売名コード

YJコード

3140400A2219

販売名英語表記

Ascorbic Acid Injection

販売名ひらがな

あすこるびんさんちゅう100mg「NP」

承認番号等

承認番号

22500AMX00815

販売開始年月

1974年5月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

2年6カ月

基準名

日本薬局方

アスコルビン酸注射液

アスコルビン酸注500mg「NP」

販売名コード

YJコード

3140400A4203

販売名英語表記

Ascorbic Acid Injection

販売名ひらがな

あすこるびんさんちゅう500mg「NP」

承認番号等

承認番号

22500AMX00817

販売開始年月

1979年3月

貯法・有効期間

貯法

冷所保存

有効期間

2年6カ月

基準名

日本薬局方

アスコルビン酸注射液

アスコルビン酸注1g「NP」

販売名コード

YJコード

3140400A5072

販売名英語表記

Ascorbic Acid Injection

販売名ひらがな

あすこるびんさんちゅう1g「NP」

承認番号等

承認番号

22500AMX00816

販売開始年月

1984年8月

貯法・有効期間

貯法

冷所保存

有効期間

2年

基準名

日本薬局方

アスコルビン酸注射液

一般的名称

アスコルビン酸注射液

3. 組成・性状

3.1 組成

アスコルビン酸注100mg「NP」

有効成分1アンプル(1mL)中
日本薬局方 アスコルビン酸   100mg
添加剤1アンプル(1mL)中
ピロ亜硫酸ナトリウム   1.2mg
1アンプル(1mL)中
炭酸水素ナトリウム   47.7mg
1アンプル(1mL)中
ベンジルアルコール   10mg

アスコルビン酸注500mg「NP」

有効成分1アンプル(2mL)中
日本薬局方 アスコルビン酸   500mg
添加剤1アンプル(2mL)中
ピロ亜硫酸ナトリウム   3mg
1アンプル(2mL)中
L-システイン塩酸塩水和物   3mg
1アンプル(2mL)中
炭酸水素ナトリウム   0.24g
1アンプル(2mL)中
パラオキシ安息香酸メチル   2mg

アスコルビン酸注1g「NP」

有効成分1アンプル(5mL)中
日本薬局方 アスコルビン酸   1g
添加剤1アンプル(5mL)中
ピロ亜硫酸ナトリウム   6mg
1アンプル(5mL)中
L-システイン塩酸塩水和物   6mg
1アンプル(5mL)中
炭酸水素ナトリウム   0.48g
1アンプル(5mL)中
パラオキシ安息香酸メチル   4mg

3.2 製剤の性状

アスコルビン酸注100mg「NP」

pH5.6~7.4
浸透圧比約4
(生理食塩液に対する比)
性状無色澄明の液

アスコルビン酸注500mg「NP」

pH5.6~7.4
浸透圧比約10
(生理食塩液に対する比)
性状無色澄明の液

アスコルビン酸注1g「NP」

pH5.6~7.4
浸透圧比約8
(生理食塩液に対する比)
性状無色澄明の液

4. 効能・効果

  • (1)ビタミンC欠乏症の予防及び治療(壊血病、メルレル・バロー病)
  • (2)ビタミンCの需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦、はげしい肉体労働時など)
  • (3)下記疾患のうち、ビタミンCの欠乏または代謝障害が関与すると推定される場合
    • ・毛細管出血(鼻出血、歯肉出血、血尿など)
    • ・薬物中毒
    • ・副腎皮質機能障害
    • ・骨折時の骨基質形成・骨癒合促進
    • ・肝斑・雀卵斑・炎症後の色素沈着
    • ・光線過敏性皮膚炎

(3)の適応に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。

6. 用法・用量

  • アスコルビン酸注100mg「NP」

    アスコルビン酸として、通常、成人1日50~2,000mgを1~数回に分けて皮下、筋肉内または静脈内注射する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • アスコルビン酸注500mg「NP」アスコルビン酸注1g「NP」

    アスコルビン酸として、通常、成人1日50~2,000mgを1~数回に分けて静脈内注射する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.7 小児等

  • 〈製剤共通〉
    1. 9.7.1 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
  • 〈100mg製剤〉
    1. 9.7.2 低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

  1. 12.1 各種の尿糖検査で、尿糖の検出を妨害することがある。
  2. 12.2 各種の尿検査(潜血、ビリルビン、亜硝酸塩)・便潜血反応検査で、偽陰性を呈することがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意

  1. 14.1.1 投与経路
    • 〈製剤共通〉
      1. (1) 経口投与が困難な場合や緊急の場合、また、経口投与で効果が不十分と考えられる場合にのみ使用すること。また、投与経路は静脈内注射を原則とすること。なお、経口投与が可能で効果が十分と判断された場合には、速やかに経口投与にきりかえること。
    • 〈500mg製剤、1g製剤〉
      1. (2) 静脈内注射にのみ使用すること。
  1. 14.1.2 静脈内注射時

    血管痛があらわれることがあるので、注射速度はできるだけ遅くすること。

  2. 14.1.3 筋肉内注射時

    組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に注意すること。

    • 筋肉内注射はやむを得ない場合にのみ、必要最小限に行うこと。なお、同一部位への反復注射は行わないこと。また、低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には特に注意すること。
    • 神経走行部位を避けるよう注意すること。
    • 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
  3. 14.1.4 皮下・筋肉内注射時

    注射部位に疼痛があらわれることがある。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

アスコルビン酸(AsA)は平面的なγ−ラクトン環をもつアシ-レダクトンの一つであり、この化合物のもつ還元力(抗酸化力)は炭素2位および3位のエンジオール基[-C(OH)=C(OH)-]に起因している。
AsAの生理機能の発現には、AsA、モノデヒドロアスコルビン酸(MDAsA)、およびデヒドロアスコルビン酸(DAsA)からなる酸化還元系が重要な鍵となる。AsAが効率的に機能するために、その酸化生成物を再還元する必要がある1)

18.2 結合織に対する作用

アスコルビン酸は、結合織の主成分であるコラーゲンの生成に関与しており、アスコルビン酸の欠乏は、皮膚、骨、歯、血管等の脆弱化をもたらす2)。すなわち、アスコルビン酸はコラーゲン中のprolineからhydroxyprolineへの水酸化過程に関与し3)in vitro)、アスコルビン酸の投与によりコラーゲンの増加がみられる4)(モルモット)。
また、アスコルビン酸は骨形成を進行させ、モルモット実験的骨折の修復機転において治癒的に作用する5),6)

18.3 毛細血管、血液に対する作用

アスコルビン酸は毛細血管抵抗を増強し7)(シロネズミ)、出血傾向を改善する8)(モルモット)。

18.4 薬物中毒に対する作用

アルコール中毒患者では、血中アスコルビン酸濃度が低値を示すものが多く、アスコルビン酸の欠乏が起こるとされている9)。アルコール中毒患者へのアスコルビン酸投与は、低下した尿中アスコルビン酸排泄量を回復させ10)、血中アルコール濃度の上昇を一時的に抑制する11)
また、ニコチンは副腎皮質を刺激し、副腎皮質ホルモンの分泌を促してアスコルビン酸の消費を増大させる9)

18.5 副腎皮質機能に対する作用

アスコルビン酸は副腎皮質に多量に存在し、ステロイドホルモンの生合成促進又は異化抑制に関与するとされている7)

18.6 メラニン色素生成に対する作用

アスコルビン酸は、チロシンからのメラニン生成過程の中で、DOPAからDOPAキノンへの酸化過程を阻害し、メラニン色素の生成を抑制する12)in vitro)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

アスコルビン酸(Ascorbic Acid)

化学名

L-threo-Hex-2-enono-1,4-lactone

分子式

C6H8O6

分子量

176.12

性状

・白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、酸味がある。
・水に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
・融点:約190℃(分解)。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

  • アスコルビン酸注100mg「NP」

    1mL×50管[アンプル]
    1mL×100管[アンプル]

  • アスコルビン酸注500mg「NP」

    2mL×50管[アンプル]
    2mL×100管[アンプル]

  • アスコルビン酸注1g「NP」

    5mL×50管[アンプル]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

ニプロ株式会社 医薬品情報室

*〒566-8510 大阪府摂津市千里丘新町3番26号

*TEL 0120-226-898
FAX 050-3535-8939

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

ニプロ株式会社

*大阪府摂津市千里丘新町3番26号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

画面を閉じる

Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.