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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される患者についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
通常、下記用量を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液100〜250mLに溶解し、30〜90分で点滴静注するか、又は10〜20mLに溶解し、ゆっくり(30〜60秒)静脈内に投与する。ラニムスチンとして1回投与量は50〜90mg/m2とし、次回の投与は血液所見の推移にしたがって6〜8週後に行う。悪性リンパ腫のうち成人T細胞白血病リンパ腫に対して他の抗悪性腫瘍剤と本剤を併用する場合は、投与間隔は4週間以上とする。なお、患者の状態により適宜増減する。
骨髄機能抑制が増悪するおそれがある。
骨髄機能抑制により、感染症が増悪するおそれがある。
副作用が強くあらわれるおそれがある。
小児等及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットを用いた器官形成期投与試験(妊娠7〜17日)で、ラニムスチン5.0mg/kgの投与により外形異常(頭頂部水疱形成、水頭症、全身性浮腫等)及び骨格異常(頸椎・胸椎椎弓の癒着、肋骨癒着、肩甲骨異常等)が報告されている。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が報告されている。
副作用(血小板・白血球減少等)の発現に特に注意し、観察を十分に行い、慎重に投与すること。代謝系が未発達であるため、副作用があらわれやすい。
用量並びに投与間隔に留意すること。生理機能が低下していることが多く副作用があらわれやすい。
他の抗悪性腫瘍剤放射線照射
骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。患者の状態を観察しながら減量するか又は投与間隔を延長する。
併用により殺細胞作用が増強すると考えられる。
白血球減少(22.2%)、血小板減少(20.6%)、貧血、汎血球減少、出血傾向があらわれることがある。異常が認められた場合には、減量、休薬、輸血等の適切な処置を行うこと。,
5%以上
0.1〜5%未満
肝臓
AST上昇、ALT上昇
Al-P上昇、総ビリルビン上昇、総蛋白低下、A/G比低下
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇、高尿酸血症、血尿
消化器
食欲不振、悪心・嘔吐
下血、下痢
過敏症
発疹
皮膚
色素沈着、毛のう炎
その他
全身倦怠感
頭重、発熱、耳鳴、めまい、手のしびれ、不快感
ラット・イヌに投与した実験で精巣の重量減少・萎縮が発現したとの報告がある。
脳腫瘍患者6例(悪性グリオーマ3例、転移性脳腫瘍3例)にラニムスチン150mg(2.34〜3.75mg/kg)を静注後、高速液体クロマトグラフィにて測定した。血中濃度は投与5分後に9.1μg/mLを示し、その後二相性に推移した。α相の半減期は4.4分(n=5)、β相の半減期は41.0分(n=6)であった1)。
転移性脳腫瘍2例にラニムスチン150mg(2.34〜3.75mg/kg)を静注後、高速液体クロマトグラフィにて髄液中濃度を測定した結果、投与5分後から移行が認められた。投与40分後には、それぞれ0.36、0.40μg/mLを認めた1)。
ラニムスチン150mg(2.34〜3.75mg/kg)を静注後、高速液体クロマトグラフィにて測定した。悪性グリオーマ患者(3例)では10分で最高濃度2.38μg/g、転移性脳腫瘍患者(3例)では20分で最高濃度3.31μg/gを認め、投与後30〜50分にわたり腫瘍/血液比は1以上を示した1)。
ラットに14Cで標識したラニムスチン(Chloroethyl-14C-標識体、Glucose-14C-標識体)を静脈内投与した場合、両標識体とも、投与3時間後では腎、肝、腸などに多く分布し、以後、Chloroethyl-14C-標識体は腎、胸腺、肝、膵に、Glucose-14C-標識体は腎、筋肉、骨髄、脾、血液に多く分布した。腫瘍組織内濃度は、投与15分及び1時間後に血漿中の1.4〜1.8倍を示し、腫瘍外縁部に多く分布した。血漿中の未変化体(Glucose-14C-標識体)の割合は、投与15分後、6%以下と少なく、胸腺、腫瘍組織及び睾丸における未変化体の割合は、それぞれ69.3%、44.1%、35.9%と高かった2),3)。
150mg(2.34〜3.75mg/kg)のラニムスチンを静脈内投与した悪性グリオーマ患者(3例)では5~20分で95.9~86.9μg/mLと高濃度を認め30分以降は59.3~24.4μg/mLと漸減した。転移性脳腫瘍患者(3例)においてもほぼ同様に5分で75.4μg/mLから20分では69.9μg/mL、30分で48.3μg/mL、120分で18.8μg/mLと30分以降急速に排泄された。両者ともほぼ同様の未変化体ラニムスチンの尿中排泄パターンを認めた1)。
ラットに14Cで標識したラニムスチン(Chloroethyl-14C-標識体、Glucose-14C-標識体)を静脈内投与した場合、14C-標識体1mg/kg投与後96時間までの尿中、糞中及び48時間までの呼気中排泄率(% of dose)を表に示す2),3)。
Chloroethyl-14C-標識体
Glucose-14C-標識体
尿中
71.7
78.7
糞中
5.1
13.6
呼気中
15.6
1.1
国内47施設にて、比較試験を含む臨床試験の評価対象221例における各疾患別の寛解率は次のとおりであった4),5),6),7),8),9),10)。
症例数
完全寛解〔CR〕(%)
不完全寛解〔PR〕(%)
寛解率〔CR+PR〕(%)
膠芽腫
14
2(14.3)
3(21.4)
5(35.7)
骨髄腫
41
1(2.4)
8(19.5)
9(22.0)
悪性リンパ腫
33
4(12.1)
8(24.2)
慢性骨髄性白血病
75
59(78.7)
6(8.0)
65(86.7)
慢性骨髄性白血病(急性転化期)
11
2(18.2)
1(9.1)
3(27.3)
真性多血症
29
6(20.7)
20(69.0)
26(89.7)
本態性血小板増多症
18
12(66.7)
4(22.2)
16(88.9)
癌細胞のDNA、蛋白、RNAをアルキル化し、特にDNA合成を強く阻害、DNA単鎖を切断する。また、RNAプロセシング阻害を来すことにより癌細胞の増殖阻害、殺細胞作用を示すと推測されている(in vitro)20),21)。
マウスL1210白血病細胞を用いた耐性発現推移では、19世代目で完全耐性を獲得した。また、交叉耐性試験では、他のニトロソウレア剤と交叉耐性を有するが、その他の制癌剤とは交叉耐性を認めなかった19)。
ラニムスチン(Ranimustine)
Methyl 6-[3-(2-chloroethyl)-3-nitrosoureido]-6-deoxy-α-D-glucopyranoside
C10H18ClN3O7
327.72
−0.71〔オクタノール/水〕
外箱開封後は、光を避けて10℃以下で保存すること。
50mg×1バイアル
100mg×1バイアル
1) 原田 廉 他:癌と化学療法 1981;8(5):735-742(L20240178)
2) 江角凱夫 他:医薬品研究 1985;16(3):381-401(L20240179)
3) 江角凱夫 他:医薬品研究 1985;16(3):414-428(L20240180)
4) 正岡 徹 他:癌と化学療法 1985;12(5):1111-1118(L20240181)
5) 若林俊彦 他:癌と化学療法 1984;11(12):2729-2737(L20240182)
6) 原田 廉 他:癌と化学療法 1985;12(7):1423-1431(L20240183)
7) 古江 尚 他:癌と化学療法 1983;10(7):1679-1683(L20240184)
8) 正岡 徹 他:Chemotherapy 1985;33(3):271-278(L20240185)
9) 樋口晶文 他:癌と化学療法 1985;12(6):1253-1259(L20240186)
10) 田中 公 他:癌と化学療法 1985;12(3):493-498(L20240187)
11) Sekido, S. et al.:CancerTreat. Rep. 1979;63(6):961-970(L20240188)
12) ラニムスチンの薬効薬理に関わる資料1(社内資料)(L20240189)
13) ラニムスチンの薬効薬理に関わる資料2(社内資料)(L20240190)
14) ラニムスチンの薬効薬理に関わる資料3(社内資料)(L20240191)
15) Fujimoto, S. et al.:Jpn. J. CancerRes.(Gann)1984;75(10):937-946(L20240192)
16) ラニムスチンの薬効薬理に関わる資料4(社内資料)(L20240193)
17) 原田 廉 他:Neurol. Med. Chir.(Tokyo). 1981;21(10):1017-1023(L20240194)
18) 原田 廉 他:癌と化学療法 1981;8(8):1211-1215(L20240195)
19) ラニムスチンの薬効薬理に関わる資料5(社内資料)(L20240196)
20) 金丸龍之介 他:癌と化学療法1981;8(6):877-884(L20240197)
21) 中村 徹 他:日本血液学会雑誌1985;48(3):734-741(L20240198)
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