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日本薬局方
注射用タゾバクタム・ピペラシリン
処方箋医薬品注)
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、クロストリジウム属(クロストリジウム・ディフィシルを除く)、バクテロイデス属、プレボテラ属
敗血症、深在性皮膚感染症、びらん・潰瘍の二次感染、肺炎、腎盂腎炎、複雑性膀胱炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎
通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日3回点滴静注する。肺炎の場合、症状、病態に応じて1日4回に増量できる。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。通常、小児には1回112.5mg(力価)/kgを1日3回点滴静注する。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。また、症状、病態に応じて1回投与量を適宜減量できる。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4.5g(力価)を超えないものとする。
通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日3回点滴静注する。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。
通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日2回点滴静注する。症状、病態に応じて1日3回に増量できる。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。通常、小児には1回112.5mg(力価)/kgを1日2回点滴静注する。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。また、症状、病態に応じて1回投与量を適宜減量できる。さらに、症状、病態に応じて1日3回に増量できる。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4.5g(力価)を超えないものとする。
通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日4回点滴静注する。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。通常、小児には1回90mg(力価)/kgを1日4回点滴静注する。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4.5g(力価)を超えないものとする。
通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日3回点滴静注する。肺炎の場合、症状、病態に応じて1日4回に増量できる。通常、小児には1回112.5mg(力価)/kgを1日3回点滴静注する。なお、症状、病態に応じて1回投与量を適宜減量できる。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4.5g(力価)を超えないものとする。
通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日3回点滴静注する。
通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日2回点滴静注する。なお、症状、病態に応じて1日3回に増量できる。通常、小児には1回112.5mg(力価)/kgを1日2回点滴静注する。なお、症状、病態に応じて1回投与量を適宜減量できる。また、症状、病態に応じて1日3回に増量できる。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4.5g(力価)を超えないものとする。
通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日4回点滴静注する。通常、小児には1回90mg(力価)/kgを1日4回点滴静注する。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4.5g(力価)を超えないものとする。
十分な問診を行うこと。ショックがあらわれるおそれがある。,
十分な問診を行うこと。アレルギー素因を有する患者は過敏症を起こしやすい。,
観察を十分に行うこと。食事摂取によりビタミンKを補給できない患者では、ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
出血傾向を助長するおそれがある。
生理食塩液に関する注意として、水分やナトリウム貯留が生じやすく、浮腫等の症状を悪化させるおそれがある。
血中濃度が持続するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
プロベネシド
タゾバクタム及びピペラシリンの半減期が延長することがある。
腎尿細管分泌の阻害により、プロベネシドがタゾバクタム、ピペラシリンの排泄を遅延させると考えられる。
メトトレキサート
メトトレキサートの排泄が遅延し、メトトレキサートの毒性作用が増強される可能性がある。血中濃度モニタリングを行うなど注意すること。
腎尿細管分泌の有機アニオントランスポーター(OAT1、OAT3)阻害により、ピペラシリンがメトトレキサートの排泄を遅延させると考えられる。
抗凝血薬
(ワルファリン等)
血液凝固抑制作用を助長するおそれがあるので、凝血能の変動に注意すること。
プロトロンビン時間の延長、出血傾向等により相加的に作用が増強するものと考えられる。
バンコマイシン
腎障害が発現、悪化するおそれがある。
両薬剤併用時に腎障害が報告されているが、相互作用の機序は不明。
呼吸困難、喘息様発作、そう痒等をおこすことがある。,
劇症肝炎等の重篤な肝炎、AST、ALTの上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがある。
初期症状として、発熱、咽頭痛、皮下・粘膜出血、貧血、黄疸等があらわれることがある。
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
初期症状として、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること1)。
倦怠感、脱力感、不整脈、痙攣等を伴う低カリウム血症があらわれることがある。
発熱、発疹、神経症状、脾腫、リンパ節腫脹、血球減少、LDH上昇、高フェリチン血症、高トリグリセリド血症、肝機能障害、血液凝固障害等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、蕁麻疹、発赤、紅斑、そう痒、発熱、潮紅、浮腫
水疱性皮膚炎
血液
好酸球増多
白血球減少、好中球減少、単球減少、血小板減少、貧血、赤血球減少、ヘマトクリット減少、好中球増多、単球増多、血小板増多
顆粒球減少、リンパ球増多、出血傾向(紫斑、鼻出血、出血時間延長を含む)
肝臓
ALT上昇(9.9%)、AST上昇、γ-GTP上昇(9.0%)
LDH上昇、Al-P上昇、ビリルビン上昇
消化器
下痢(24.3%)、軟便
悪心、嘔吐、便秘、腹部不快感、腹痛、白色便、口内炎、口唇炎
食欲不振、胸やけ、腹部膨満感、下血
中枢神経
痙攣等の神経症状
菌交代症
カンジダ症
ビタミン欠乏症
ビタミンK欠乏症状、ビタミンB群欠乏症状注5)
その他
意識レベル低下、めまい、不眠、頭痛、CK上昇、クレアチニン上昇、BUN上昇、アンモニア上昇、クロール減少、蛋白尿、尿中ブドウ糖陽性、尿中ウロビリン陽性
関節痛、動悸、発汗、胸内苦悶感、胸部痛、背部異常感、悪寒、総蛋白減少、アルブミン低下、血糖値低下
過量投与により、痙攣等の神経症状、高ナトリウム血症を起こすことがある。特に腎機能障害患者ではこのような症状があらわれやすい。,,
本剤の血中濃度は、血液透析により下げることができる。
使用にあたっては、薬剤部分のカバーシートをはがし、溶解液(生理食塩液)部分を手で押して隔壁を開通させ、薬剤部分と溶解液部分を交互に押して薬剤を完全に溶解する。(詳しい溶解操作方法については、バッグ製品の外袋及びカバーシートに記載の「溶解操作方法」を参照)
健康成人にタゾバクタム・ピペラシリン(2.25g、4.5g及び6.75g)注6)を、30分点滴静注したときの血漿中濃度の推移及び薬物動態パラメータは図1のとおりであり、タゾバクタム(TAZ)、ピペラシリン(PIPC)の血漿中濃度は用量の増加に伴い上昇した2),3)。
投与量
TAZ
AUC0~∞(μg・hr/mL)
Cmax(μg/mL)
t1/2(hr)
Vss(L)
CLT(mL/min)
2.25ga
17.5±2.0
16.1±0.7
0.698±0.091
12.9±1.1
241±34
4.5gb
47.4±9.5
36.3±6.5
0.814±0.106
12.0±1.4
182±34
6.75ga
83.4±12.1
58.2±9.2
0.876±0.118
11.4±2.0
153±22
PIPC
125±19
122±9
0.820±0.110
13.9±1.2
272±44
366±68
286±43
0.868±0.080
12.0±1.6
188±36
557±108
380±43
0.893±0.124
12.8±2.1
186±37
(a:n=7、b:n=8、平均±標準偏差)
図1 健康成人における30分間点滴静注時の血漿中濃度
健康成人にタゾバクタム・ピペラシリン4.5g、30分点滴静注反復投与時の薬物動態は反復投与により変化せず、蓄積性はみられなかった2)。
小児細菌感染症患者にタゾバクタム・ピペラシリン112.5mg/kgを、30分かけて1日2回又は3回反復点滴静注した時の血漿中濃度の推移は、国内の臨床第Ⅰ相試験で健康成人にタゾバクタム・ピペラシリンを4.5g、30分点滴静注した時の平均血漿中薬物濃度推移と類似していた。なお、年齢区分別薬物動態パラメータを検討した結果、TAZ、PIPCともに2歳未満の患者のAUC0~∞は他の年齢区分より高かった。Cmax、半減期(t1/2)は各年齢区分で類似していた4),5)。
小児発熱性好中球減少症患者にタゾバクタム・ピペラシリン90mg/kgを、30分以上かけて1日4回反復点滴静注した時の血漿中濃度は、小児細菌感染症患者と顕著な違いは認められなかった。また、小児発熱性好中球減少症患者と小児細菌感染症患者のt1/2、全身クリアランス(CLT)及び分布容積(Vd)には顕著な違いは認められなかった6),7)。
患者
年齢区分[例数]
年齢[体重(kg)]
薬剤
CLT(L/hr/kg)
Vd(L/kg)
小児発熱性好中球減少症患者c(90mg/kg)
1~13歳[n=9]
6±4歳[18.8]
34.3±20.2
21.8±16.2
0.8±0.4
0.39±0.23
0.53±0.52
265.3±136.4
175.3±113.6
0.8±0.3
0.49±0.48
小児細菌感染症患者d(112.5mg/kg)
<9ヶ月[n=7]
7.3±0.5ヶ月[8.0±1.0]
57.9±10.1
27.2±0.8
1.3±0.2
0.22±0.04
0.40±0.01
480.1±87.9
227.5±6.7
0.21±0.04
0.38±0.01
9ヶ月~<2歳[n=19]
14.6±4.0ヶ月[9.5±1.3]
48.0±10.8
26.8±0.9
1.1±0.2
0.27±0.04
0.39±0.01
388.3±94.5
222.9±7.5
1.0±0.2
0.38±0.00
2~<6歳[n=31]
3.3±1.2歳[14.7±2.8]
40.9±5.1
27.2±0.7
0.9±0.1
0.31±0.04
330.3±39.9
224.2±6.0
0.8±0.1
0.36±0.00
6~<12歳[n=6]
8.7±1.5歳[31.5±12.3]
44.1±16.7
26.9±3.1
1.0±0.3
0.29±0.07
365.1±141.1
222.2±26.5
0.28±0.07
0.35±0.00
≧12歳[n=2]
12,14歳[46.2,48]
41.1±1.1
23.3±1.7
1.0±0.0
0.26±0.00
340.2±14.6
191.3±16.5
1.0±0.1
0.25±0.02
(平均±標準偏差)
c:30分以上かけて1日4回、反復点滴静注した。モデル解析により算出した値を示した。
d:30分かけて1日2回又は3回、反復点滴静注した。母集団薬物動態解析(測定データ数:129点、CL及びVdに影響を与える共変量:体重)から患者ごとに推定された値を示した。
TAZとPIPCの配合比が1:4製剤において喀痰、肺、腎、女性性器、腹腔内滲出液、胆汁等への移行が認められている8),9),10),11),12),13),14),15),16),17)。
ヒト血漿、尿中にTAZの非活性代謝物である2-アミノ-3-メチル-3-スルフィノ-4-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)酪酸(M-1)及びPIPCの活性代謝物であるPIPCの脱エチル体(DEt-PIPC)が認められている18)。
健康成人にタゾバクタム・ピペラシリン4.5gを30分点滴静注したときの12時間までの尿中排泄率はTAZが71.2%、PIPCが52.9%であった2)。また、TAZとPIPCの配合比が1:4製剤での小児患者における投与後6時間までの尿中排泄率はTAZが43.3~56.9%、PIPCが39.9~56.4%であった8)。なお、in vitro試験で、タゾバクタム及びピペラシリンは、有機アニオントランスポーター(OAT1、OAT3)を阻害した19)。
腎機能障害患者において、腎機能の低下に依存したタゾバクタム・ピペラシリンのt1/2の遅延及びAUC0~tの増加が認められており、腎機能障害のある患者にタゾバクタム・ピペラシリンを投与する場合にはその障害の程度により投与量の減量又は投与間隔をあけて投与する必要がある20)(外国人データ)。,,
Ccr(mL/min)
例数
1日投与間隔
AUC0~t(μg・hr/mL)
>90
6
4時間ごと
24.9
0.71
196
0.95
41~60
65.9
2.15
437
1.71
21~40
1
6時間ごと
56.1
1.89
301
0.99
≦20
3
8時間ごと
107
6.00
592
2.89
成人、小児を対象にタゾバクタム・ピペラシリンをそれぞれ4.5g×2~4回/日(30分以上で点滴静注)、112.5mg/kg×2~3回/日(30分以上で点滴静注)で投与したときの複数の臨床試験を合算した結果は次表のとおりであった4),21),22),23),24),25),26),27),28),29)。
疾患群
有効率
原因菌判明例の有効率
適応菌種のみの有効率
成人
敗血症
19/20(95.0%)
6/6(100%)
5/5(100%)
肺炎b
148/165(89.7%)
76/80(95.0%)
腎盂腎炎
30/31(96.8%)
28/29(96.6%)
複雑性膀胱炎
29/29(100%)
26/26(100%)
腹膜炎
33/37(89.2%)
23/26(88.5%)
腹腔内膿瘍
26/28(92.9%)
24/26(92.3%)
胆嚢炎
18/18(100%)
14/14(100%)
胆管炎
4/4(100%)
小児
肺炎
49/50(98.0%)
40/41(97.6%)
1/1(100%)
合計
361/387(93.3%)
251/262(95.8%)
180/186(96.8%)
a:投与終了時又は中止時の有効率
b:院内肺炎の投与終了時又は中止時及び投与終了7日後の有効率は各々16/18(88.9%)及び12/18(66.7%)であった。
菌種
ブドウ球菌属
2/2(100%)
21/22(95.5%)
レンサ球菌属
20/21(95.2%)
肺炎球菌
50/50(100%)
22/23(95.7%)
72/73(98.6%)
腸球菌属
35/39(89.7%)
モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス
11/11(100%)
16/16(100%)
大腸菌
58/61(95.1%)
62/65(95.4%)
シトロバクター属
6/7(85.7%)
クレブシエラ属
エンテロバクター属
セラチア属
プロテウス属
インフルエンザ菌
25/29(86.2%)
43/47(91.5%)
緑膿菌
16/20(80.0%)
アシネトバクター属
ペプトストレプトコッカス属
クロストリジウム属
バクテロイデス属
プレボテラ属
1/2(50.0%)
301/320(94.1%)
65/70(92.9%)
366/390(93.8%)
国内の発熱性好中球減少症患者(成人118例、小児12例)を対象に、タゾバクタム・ピペラシリンをそれぞれ4.5g×4回/日(30分以上で点滴静注)、90mg/kg×4回/日(30分以上で点滴静注)で7日間(最長14日間)投与したときの試験成績の概要は次表のとおりであった6),7)。
対象患者
解熱効果c
臨床効果
投与4日目
投与終了/中止時
47/94(50.0%)
58/94(61.7%)
55/93(59.1%)
5/8(62.5%)
6/8(75.0%)
c:1日の最高体温が37.5℃未満に解熱し、かつ投与開始前から0.5℃以上解熱した場合を「有効」と判定した。
臨床試験における副作用評価可能症例数は129例で、副作用発現率は41.1%(53例)であった。主な副作用は下痢11.6%(15/129例)、肝機能異常7.8%(10/129例)、低カリウム血症5.4%(7/129例)、発疹3.1%(4/129例)、腎機能障害2.3%(3/129例)等であった。また、臨床検査値の変動は主としてγ-GTP上昇6.2%(8/129例)、クレアチニン上昇3.1%(4/129例)、ALT上昇2.3%(3/129例)等であった。
タゾバクタムがβ-ラクタマーゼのペニシリナーゼ、セファロスポリナーゼ及び基質特異性拡張型β-ラクタマーゼを強く不活性化するため、ピペラシリンがこれらの酵素によって加水分解されることを防御し、ピペラシリン耐性菌に対して抗菌力を示す。また、ピペラシリンは細菌の細胞壁合成阻害により抗菌作用を示す30),31),32),33),34),35)。
ブドウ球菌属等のグラム陽性菌、緑膿菌等のグラム陰性菌及び嫌気性菌まで幅広い抗菌スペクトルを有し、殺菌的に作用する。また、β-ラクタマーゼ産生のピペラシリン耐性のグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対して強い抗菌力を示す36),37),38),39),40),41)。
タゾバクタム(Tazobactam)
(2S,3S,5R)-3-Methyl-7-oxo-3-(1H-1,2,3-triazol-1-ylmethyl)-4-thia-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylic acid 4,4-dioxide
C10H12N4O5S
300.29
・白色~微黄白色の結晶性の粉末である。・ジメチルスルホキシド又はN,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、水、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくい。・炭酸水素ナトリウム溶液(3→100)に溶ける。
ピペラシリン水和物(Piperacillin Hydrate)
(2S,5R,6R)-6-{(2R)-2-[(4-Ethyl-2,3-dioxopiperazine-1-carbonyl)amino]-2-phenylacetylamino}-3,3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylic acid monohydrate
C23H27N5O7S・H2O
535.57
・白色の結晶性の粉末である。・メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)又はジメチルスルホキシドにやや溶けやすく、水に極めて溶けにくい。
PIPC・H2O
2.25g(力価)×10バイアル
4.5g(力価)×10バイアル
2.25g(力価)キット×10[溶解液:日本薬局方 生理食塩液100mL、プラスチックバッグ]
4.5g(力価)キット×10[溶解液:日本薬局方 生理食塩液100mL、プラスチックバッグ]
1) 厚生労働省 : 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性過敏症症候群(L20200433)
2) 柴 孝也 : 日本化学療法学会雑誌. 2010 ; 58(S-1): 1-10(L20220359)
3) 日本人の健康成人における単回投与時の薬物動態(ゾシン静注用:2008年7月16日承認、CTD2.7.2.2)(L20230921)
4) 砂川慶介 他 : 日本化学療法学会雑誌. 2010 ; 58(S-1): 88-102(L20220360)
5) 日本人の小児患者における薬物動態(ゾシン静注用:2008年7月16日承認、CTD2.7.2.2)(L20230922)
6) Tamura, K. et al. : J. Infect. Chemother. 2015 ; 21 : 654-662(L20220361)
7) 発熱性好中球減少症に対するYP-18の臨床第Ⅲ相試験(ゾシン静注用:2015年6月26日承認、CTD2.7.6.8)(L20230923)
8) 藤井良知 他 : Jpn. J. Antibiot. 1995 ; 48(3): 311-345(L20220362)
9) 大石和徳 他 : Chemotherapy. 1994 ; 42(S-2): 452-467(L20220363)
10) 渡辺 彰 他 : Chemotherapy. 1994 ; 42(S-2): 332-345(L20220364)
11) 宮本直哉 他 : Chemotherapy. 1994 ; 42(S-2): 636-641(L20220365)
12) 北川敏博 他 : Chemotherapy. 1994 ; 42(S-2): 559-567(L20220366)
13) 谷村 弘 他 : Chemotherapy. 1994 ; 42(S-2): 612-628(L20220367)
14) 清水宏之 他 : Chemotherapy. 1994 ; 42(S-2): 568-571(L20220368)
15) 保田仁介 他 : Chemotherapy. 1994 ; 42(S-2): 657-665(L20220369)
16) 神崎寛子 他 : Chemotherapy. 1994 ; 42(S-2): 666-670(L20220370)
17) Tazobactam/Piperacillinの肺組織及び胸水中移行(ゾシン静注用:2008年7月16日承認、CTD2.5.3.1) (L20220371)
18) 松本慶蔵 他 : Chemotherapy. 1994 ; 42(S-2): 281-299(L20220372)
19) hOAT1発現S2細胞,hOAT3発現S2細胞及びhOAT4発現S2細胞への放射性標識リガンドの取り込みに及ぼすタゾバクタム及びピペラシリンの影響(ゾシン静注用:2008年7月16日承認、CTD2.5.3.1、2.7.2.2)(L20230924)
20) 腎機能障害患者での薬物動態(ゾシン静注用:2008年7月16日承認、CTD2.7.6.6)(L20220374)
21) 柴 孝也 他 : 日本化学療法学会雑誌. 2010 ; 58(S-1): 73-87(L20220375)
22) 荒川創一 他 : 日本化学療法学会雑誌. 2010 ; 58(S-1): 62-72(L20220376)
23) 渡辺 彰 他 : 日本化学療法学会雑誌. 2010 ; 58(S-1): 11-28(L20220377)
24) 渡辺 彰 他 : 日本化学療法学会雑誌. 2010 ; 58(S-1): 29-49(L20220378)
25) 相川直樹 他 : 日本化学療法学会雑誌. 2010 ; 58(S-1): 50-61(L20220379)
26) 三鴨廣繁 他 : 日本化学療法学会雑誌. 2012 ; 60(5): 560-572(L20220380)
27) 原因菌別有効率(ゾシン静注用:2008年7月16日承認、CTD2.7.3.3)(L20230925)
28) 腹腔内感染症に対するYP-18の臨床第Ⅲ相試験(ゾシン静注用:2012年9月28日承認、CTD2.7.6.1)(L20230926)
29) 効能・効果、用法・用量(案)及び その設定根拠 (ゾシン静注用:2008年7月16日承認、CTD1.8.2)(L20230927)
30) 西野武志 他 : Chemotherapy. 1994 ; 42(S-2): 73-101(L20220381)
31) 欅田千恵子 他 : Chemotherapy. 1994 ; 42(S-2): 135-155(L20220382)
32) Higashitani, F. et al. : J. Antimicrob. Chemother. 1990 ; 25(4): 567-574(L20220383)
33) 桒原(新井)京子 他 : Chemotherapy. 1994 ; 42(S-2): 51-61(L20220384)
34) 南 新三郎 他 : Chemotherapy. 1994 ; 42(S-2): 164-177(L20220385)
35) 石井良和 他 : Therapeutic Research. 1994 ; 15: 4135-4139(L20220386)
36) 各種細菌に対するYP-18の抗菌活性(ゾシン静注用:2008年7月16日承認、CTD2.4.2.1、2.6.2.2)(L20230928)
37) β-ラクタマーゼ産生菌に対するYP-18の抗菌活性(ゾシン静注用:2008年7月16日承認、CTD2.4.2.2、2.6.2.2)(L20230929)
38) β-Lactamase-producing amoxicillin/clavulanic acid-resistant Haemophilus influenzae(BLPACR)に対するYP-18の抗菌活性(ゾシン静注用:2008年7月16日承認、CTD2.4.2.3、2.6.2.2)(L20230930)
39) In vitro pharmacokinetic modelにおける基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生菌に対するYP-18の殺菌効果(ゾシン静注用:2008年7月16日承認、CTD2.4.2.4、2.6.2.2)(L20230931)
40) 山口惠三 他 : 日本化学療法学会雑誌. 2011 ; 59(2): 177-187(L20220392)
41) Kuck, NA. et al. : Antimicrob. Agents Chemother. 1989 ; 33(11): 1964-1969(L20220393)
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