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リドカインポンプスプレー8%「日新」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2生物学的同等性試験
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

リドカインポンプスプレー8%「日新」

添付文書番号

1214701R1068_1_02

企業コード

530113

作成又は改訂年月

2023年12月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

871214

薬効分類名

定量噴霧式表面麻酔剤

承認等

リドカインポンプスプレー8%「日新」

販売名コード

YJコード

1214701R1068

販売名英語表記

Lidocaine Pump Spray 8% “NISSIN”

販売名ひらがな

りどかいんぽんぷすぷれー8%「にっしん」

承認番号等

承認番号

22600AMX00823000

販売開始年月

2001年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

規制区分

劇薬

一般的名称

リドカイン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

リドカインポンプスプレー8%「日新」

有効成分1mL中
日本薬局方リドカイン   80mg
添加剤マクロゴール400、サッカリンナトリウム水和物、エタノール、l-メントール、pH調節剤

3.2 製剤の性状

リドカインポンプスプレー8%「日新」

pH8.5~9.5
性状内容液は無色~微黄色澄明な液で、定量噴霧式製剤である。

4. 効能又は効果

表面麻酔

6. 用法及び用量

リドカインとして、通常成人では8~40mg(1~5回の噴霧)を使用する。
なお、年齢、麻酔領域、部位、組織、体質により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

ノズルを1回押すごとに溶液0.1mL(リドカインとして8mg含有)が噴霧される。通常1~5回の噴霧(溶液0.1~0.5mL:リドカインとして8~40mg)で十分である。広範な部位を麻酔する場合及び麻酔効果をさらに長時間持続させる場合には、噴霧回数を適宜調節する。ただし一時に25回(リドカインとして200mg)以上の噴霧は避けること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておくこと。
  2. 8.2 本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、以下の点に留意すること。
    1. 8.2.1 患者の全身状態の観察を十分に行うこと。
    2. 8.2.2 麻酔部位に応じ、できるだけ必要最少量とすること。特に他のリドカイン製剤と併用する場合には、総リドカイン量を考慮し過量投与とならないよう注意すること。
    3. 8.2.3 気道内表面麻酔の場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を使用すること。
    4. 8.2.4 外傷、びらん、潰瘍又は炎症部位への投与は吸収が速いので注意すること。
    5. 8.2.5 前投薬や術中に投与した鎮静薬、鎮痛薬等による呼吸抑制が発現することがあるので、これらの薬剤を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい。なお、高齢者、小児、全身状態が不良な患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行うこと。,,
  3. 8.3 本剤の投与により、誤嚥・口腔内咬傷の危険性を増加させるおそれがあるので注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 全身状態が不良な患者

    生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。

  2. 9.1.2 心刺激伝導障害のある患者

    症状を悪化させることがある。

  3. 9.1.3 扁桃炎等で充血している患者

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者

    中毒症状が発現しやすくなる。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者

    中毒症状が発現しやすくなる。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

幼児(特に3歳以下)には、低用量から投与を開始する等、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。麻酔効果の把握が困難なため高用量又は頻回投与されやすく、中毒を起こすことがある。

9.8 高齢者

患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与すること。一般に生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下している。

10. 相互作用

  • 本剤は、主として肝代謝酵素CYP1A2及びCYP3A4で代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

クラスⅢ抗不整脈剤

  • アミオダロン等

心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと。

作用が増強することが考えられる。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック(頻度不明)

    徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告がある。

  2. 11.1.2 意識障害、振戦、痙攣(いずれも頻度不明)

    意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

頻度不明

中枢神経1)

眠気、不安、興奮、霧視、眩暈等

消化器1)

悪心・嘔吐等

過敏症

蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等

1) このような症状があらわれた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがある。

13. 過量投与

局所麻酔剤の血中濃度の上昇に伴い、中毒が発現する。その症状は、主に中枢神経系及び心血管系の症状としてあらわれる。,

  1. 13.1 症状
    1. 13.1.1 中枢神経系の症状

      初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。

    2. 13.1.2 心血管系の症状

      血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。

  2. 13.2 処置

    振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意

  1. 14.1.1 ボトルの初回開封時は、製品添付の新しいノズルを使用すること。
  2. 14.1.2 ノズル接合部に緩みがあると、噴霧時にノズル管又はノズル先端部が脱落又は飛び出す可能性があるので、以下の点に注意すること。
    1. (1) ノズルを曲げる等、ノズル根元及び先端部に無理な力を加えないこと。
    2. (2) 使用前には、ノズルの両端を軽く引っ張り、根元及び先端部に緩みのないことを確認すること。
    3. (3) 使用直前に空噴霧する際には、噴霧状態とノズル先端部に緩みのないことも確認すること。
    4. (4) 緩んだノズル、変形したノズル、噴霧できないノズルは使用しないこと。
  3. 14.1.3 ノズルの先端を切ると噴射パターンが変わるので、切らないこと。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 気管チューブには噴霧しないこと。本剤を気管チューブに噴霧することにより、気管チューブのカフ部分の破損(ピンホール)、及びチューブのマーキングが消失することがある。
  2. 14.2.2 本剤使用時は添付のノズルを装着し、ノズル内に溶液が充満するよう、患部に噴霧する前に火気に注意して、少なくとも5回空噴霧した後に麻酔部位に噴霧する。麻酔部位に噴霧する際には溶液が霧状となるようノズルを強く押すこと。
  3. 14.2.3 残液量が少なくなった場合はチューブの先端が下側になるようにして使用すること。

14.3 薬剤投与後の注意

  1. 14.3.1 使用後のノズルの取り扱いは、以下の点に注意すること。
    1. (1) ノズルのクリーニング

      ノズルは使用後そのまま放置しておくと、薬液がノズルの中で結晶化し目詰まりを起こすことがあるので、使用後にエタノール(消毒用エタノール等)で浸漬すること。

    2. (2) ノズルの消毒

      患者に使用した後、別の患者に使用する場合にはエタノール(消毒用エタノール等)に浸漬する等により消毒したノズルを使用すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

  1. 15.1.1 本剤の投与により、気管挿管後の咽頭痛、嗄声等の発現を増加させたとの報告がある。
  2. 15.1.2 ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発するおそれがある。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

リドカインは神経細胞膜のNa+チャネルを抑制することによって神経の活動電位発生を抑制するという局所麻酔薬共通の作用により、知覚神経の求心性伝導を抑制する1)

18.2 生物学的同等性試験

  1. 18.2.1 局所(表面)麻酔作用
    1. (1) リドカインポンプスプレー8%「日新」とキシロカインポンプスプレー8%について、モルモットの角膜表面にそれぞれ50μL適用し、刺激毛による刺激に対する瞬目反射反応の有無を測定したところ、生理食塩液及びリドカインポンプスプレー8%「日新」の基剤と比較して両製剤とも有意に反応回数を減少させ、同様の表面麻酔作用が認められた。また、統計解析を行った結果、両製剤の効果に有意差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された2)
    2. (2) リドカインポンプスプレー8%「日新」とキシロカインポンプスプレー8%について、ラットの肛門括約筋部にそれぞれ100μL擦り込み、刺激毛による刺激に対する肛門括約筋の収縮反射反応の有無を測定したところ、生理食塩液及びリドカインポンプスプレー8%「日新」の基剤と比較して両製剤とも有意に反応回数を減少させ、同様の表面麻酔作用が認められた。また、統計解析を行った結果、両製剤の効果に有意差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された2)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

リドカイン(Lidocaine)

化学名

2-Diethylamino-N-(2,6-dimethylphenyl)acetamide

分子式

C14H22N2O

分子量

234.34

性状

白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、酢酸(100)又はジエチルエーテルに溶けやすく、水にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。

化学構造式

融点

66~69℃

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 本剤は、エタノール及びマクロゴール400を含有しているので、以下の点に注意すること。
    1. 20.1.1 炎に向けて使用しないこと。
    2. 20.1.2 火気に注意し、ストーブやコンロ等、火気の付近で使用しないこと。
    3. 20.1.3 火の中に入れないこと。
    4. 20.1.4 内容液を使いきった後廃棄すること。
  2. 20.2 本品は、ガラス容器を用いた製品であるため、衝撃を与えないよう取扱いには注意すること。

22. 包装

80g×1本(ガラス瓶)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

日新製薬株式会社 安全管理部

〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号

TEL 023-655-2131 FAX 023-655-3419
E-mail:d-info@yg-nissin.co.jp

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

日新製薬株式会社

山形県天童市清池東二丁目3番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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