医療用医薬品 詳細表示

トラネキサム酸注250mg/5mL「日新」/トラネキサム酸注1000mg/10mL「日新」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.8高齢者
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.8その他
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

トラネキサム酸注250mg/5mL「日新」/トラネキサム酸注1000mg/10mL「日新」

添付文書番号

3327401A1160_1_03

企業コード

530113

作成又は改訂年月

2024年1月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873327
87449

薬効分類名

抗プラスミン剤

承認等

トラネキサム酸注250mg/5mL「日新」

販売名コード

YJコード

3327401A1160

販売名英語表記

Tranexamic Acid Inj.250mg/5mL “NISSIN”

販売名ひらがな

とらねきさむさんちゅう250mg/5mL「にっしん」

承認番号等

承認番号

22600AMX00894

販売開始年月

1981年11月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

トラネキサム酸注1000mg/10mL「日新」

販売名コード

YJコード

3327401A4274

販売名英語表記

Tranexamic Acid Inj.1000mg/10mL “NISSIN”

販売名ひらがな

とらねきさむさんちゅう1000mg/10mL「にっしん」

承認番号等

承認番号

22600AMX00895

販売開始年月

1981年11月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

トラネキサム酸

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 トロンビンを投与中の患者
  2. 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

トラネキサム酸注250mg/5mL「日新」

有効成分日本薬局方トラネキサム酸   250mg(1管5mL中)
添加剤等張化剤

トラネキサム酸注1000mg/10mL「日新」

有効成分日本薬局方トラネキサム酸   1000mg(1管10mL中)
添加剤等張化剤

3.2 製剤の性状

トラネキサム酸注250mg/5mL「日新」

pH7.0~8.0
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
性状無色澄明の液(水性注射剤)

トラネキサム酸注1000mg/10mL「日新」

pH7.0~8.0
浸透圧比約2(生理食塩液に対する比)
性状無色澄明の液(水性注射剤)

4. 効能又は効果

○全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向
 (白血病、再生不良性貧血、紫斑病等、及び手術中・術後の異常出血)
○局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血
 (肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の異常出血)
○下記疾患における紅斑・腫脹・瘙痒などの症状
 湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹
○下記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹などの症状
 扁桃炎、咽喉頭炎
○口内炎における口内痛及び口内粘膜アフター

6. 用法及び用量

トラネキサム酸として通常成人1日250~500mgを1~2回に分けて静脈内又は筋肉内注射する。術中、術後等には必要に応じ1回500~1000mgを静脈内注射するか、又は500~2500mgを点滴静注する。なお、年令、症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈注250mg/5mL〉

    通常成人1日5~10mL(1~2アンプル)を1~2回に分けて静注又は筋注する。術中・術後など、必要に応じ1回10~50mL(2~10アンプル)を点滴静注する。

  • 〈注1000mg/10mL〉

    通常成人1日2.5~5mLを1~2回に分けて静注又は筋注する。術中・術後など、必要に応じ1回5~10mLを静注するか、又は5~25mLを点滴静注する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 血栓のある患者(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)及び血栓症があらわれるおそれのある患者

    血栓を安定化するおそれがある。

  2. 9.1.2 消費性凝固障害のある患者

    ヘパリン等と併用すること。血栓を安定化するおそれがある。

  3. 9.1.3 術後の臥床状態にある患者及び圧迫止血の処置を受けている患者

    静脈血栓を生じやすい状態であり、本剤投与により血栓を安定化するおそれがある。離床、圧迫解除に伴い肺塞栓症を発症した例が報告されている。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 腎不全のある患者

    血中濃度が上昇することがある。

  2. 9.2.2 人工透析患者

9.5 妊婦

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    トロンビン

    血栓形成傾向があらわれるおそれがある。

    血栓形成を促進する作用があり、併用により血栓形成傾向が増大する。

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    ヘモコアグラーゼ

    大量併用により血栓形成傾向があらわれるおそれがある。

    ヘモコアグラーゼによって形成されたフィブリン塊は、本剤の抗プラスミン作用によって比較的長く残存し閉塞状態を持続させるおそれがあると考えられている。

    バトロキソビン

    血栓・塞栓症を起こすおそれがある。

    バトロキソビンによって生成するdesAフィブリンポリマーの分解を阻害する。

    凝固因子製剤

    • エプタコグアルファ等

    口腔等、線溶系活性が強い部位では凝固系がより亢進するおそれがある。

    凝固因子製剤は凝固系を活性化させることにより止血作用を発現する。一方、本剤は線溶系を阻害することにより止血作用を発現する。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック(頻度不明)
    2. 11.1.2 痙攣(頻度不明)

      人工心肺を用いた心臓大血管手術の周術期に本剤を投与した患者において、術後に痙攣があらわれることがある。また、人工透析患者において痙攣があらわれたとの報告がある。

    11.2 その他の副作用

    0.1~1%未満

    0.1%未満

    頻度不明

    過敏症

    そう痒感、発疹等

    消化器

    悪心、嘔吐

    食欲不振、下痢

    一過性の色覚異常(静脈内注射時)

    その他

    眠気、頭痛

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤投与時の注意

    1. 14.1.1 静脈内注射時

      ゆっくり静脈内に投与すること。急速に投与すると、まれに悪心、胸内不快感、心悸亢進、血圧低下等があらわれることがある。

    2. 14.1.2 筋肉内注射時

      組織・神経等への影響を避けるため、次の点に注意すること。

      • 注射部位については、神経走行部位を避けて慎重に投与すること。
      • 繰り返し注射する場合には、左右交互に注射するなど、同一部位を避けること。なお、小児等には特に注意すること。
      • 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

    15. その他の注意

    15.2 非臨床試験に基づく情報

    イヌに長期・大量投与したところ網膜変性があらわれたとの報告がある。

    16. 薬物動態

    16.8 その他

    • 〈トラネキサム酸注250mg/5mL「日新」〉

      トラネキサム酸注250mg/5mL「日新」の生物学的同等性に関しては、ヘムロン注(昭和54年承認、販売名変更前製剤)の承認申請時添付資料により評価された。

    • 〈トラネキサム酸注1000mg/10mL「日新」〉

      トラネキサム酸注1000mg/10mL「日新」の生物学的同等性に関しては、ヘムロン注S(昭和54年承認、販売名変更前製剤)の承認申請時添付資料により評価された。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    トラネキサム酸は抗線溶薬である。凝固した血液(フィブリン塊)は繊維素溶解(線溶)系により徐々に溶解されるが、フィブリンを分解するのはプラスミンである。トラネキサム酸はプラスミンの前駆物質であるプラスミノーゲンからプラスミンへの変換を阻害すると共に、プラスミンのフィブリンへの結合を阻害してフィブリンの溶解を防ぐ1)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    トラネキサム酸(Tranexamic Acid)

    化学名

    trans-4-(Aminomethyl)cyclohexanecarboxylic acid

    分子式

    C8H15NO2

    分子量

    157.21

    性状

    白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。

    化学構造式

    22. 包装

    • 〈トラネキサム酸注250mg/5mL「日新」〉

      5mL×50管(ルアーフィットポリエチレンボトル)

    • 〈トラネキサム酸注1000mg/10mL「日新」〉

      10mL×50管(ルアーフィットポリエチレンボトル)

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    日新製薬株式会社 安全管理部

    〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号

    TEL 023-655-2131 FAX 023-655-3419
    E-mail:d-info@yg-nissin.co.jp

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    日新製薬株式会社

    山形県天童市清池東二丁目3番1号

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

    画面を閉じる

    Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.