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日本薬局方
ピオグリタゾン塩酸塩錠
処方箋医薬品注)
2型糖尿病ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定される場合に限る。1.①食事療法、運動療法のみ②食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用③食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用④食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用2.食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用
本剤を使用する場合は、インスリン抵抗性が推定される患者に限定すること。インスリン抵抗性の目安は肥満度(Body Mass Index=BMI kg/m2)で24以上あるいはインスリン分泌状態が空腹時血中インスリン値で5μU/mL以上とする。
通常、成人にはピオグリタゾンとして15~30mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、性別、年齢、症状により適宜増減するが、45mgを上限とする。
通常、成人にはピオグリタゾンとして15mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、性別、年齢、症状により適宜増減するが、30mgを上限とする。
循環血漿量の増加により心不全を発症させるおそれがある。,,
,
投与しないこと。
慎重に投与すること。
投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるため、蓄積するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラット器官形成期投与試験では、40mg/kg以上の群で胚・胎児死亡率の高値、出生児の生存率の低値が、ウサギ器官形成期投与試験では、160mg/kg群で親動物の死亡又は流産がそれぞれ1例、胚・胎児死亡率の高値がみられている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。 動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている1) 。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
副作用発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
糖尿病用薬
低血糖を発現するおそれがあるので、低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。
併用時には、血糖降下作用の増強により、低血糖のリスクが増加するおそれがある。
糖尿病用薬及びその血糖降下作用を増強又は減弱する薬剤を併用している場合
左記の併用に加え更に本剤を併用する場合には、糖尿病用薬の使用上の注意に記載の相互作用に留意するとともに、本剤のインスリン抵抗性改善作用が加わることによる影響に十分注意すること。
血糖降下作用の増強又は減弱による。
リファンピシン等のCYP2C8を誘導する薬剤
リファンピシンと併用するとピオグリタゾンのAUCが54%低下するとの報告があるので、リファンピシンと併用する場合は血糖管理状況を十分に観察し、必要な場合には本剤を増量すること。
CYP2C8を誘導することにより、本剤の代謝が促進されると考えられる。
心不全が増悪あるいは発症することがあるので、浮腫、急激な体重増加、心不全症状・徴候(息切れ、動悸、心胸比増大、胸水等)がみられた場合には投与を中止し、ループ利尿剤等を投与するなど適切な処置を行うこと。特に心不全発症のおそれのある心疾患の患者に投与する際やインスリンと併用する際には、心不全の徴候に注意すること。,,,
循環血漿量の増加によると考えられる浮腫が認められた場合には、減量あるいは中止するなど適切な処置を行うこと。これらの処置によっても症状が改善しない場合には、必要に応じてループ利尿剤(フロセミド等)の投与等を考慮すること。,,,,,
AST、ALT、Al-P等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
他の糖尿病用薬との併用で、低血糖症状があらわれることがある。低血糖症状が認められた場合、本剤あるいは併用している糖尿病用薬を一時的に中止するかあるいは減量するなど慎重に投与すること。また、本剤の投与により低血糖症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。なお、低血糖症状はインスリン併用時に多くみられている。,,,
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
血液注1)
貧血、白血球減少、血小板減少
循環器
血圧上昇、心胸比増大注2)、心電図異常注2)、動悸、胸部圧迫感、顔面潮紅
過敏症
発疹、湿疹、そう痒
消化器
悪心・嘔吐、胃部不快感、胸やけ、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘、食欲亢進、食欲不振
肝臓
AST、ALT、Al-P、γ-GTPの上昇
精神神経系
めまい、ふらつき、頭痛、眠気、倦怠感、脱力感、しびれ
その他
LDH及びCKの上昇
BUN及びカリウムの上昇、総蛋白及びカルシウムの低下、体重及び尿蛋白の増加、息切れ
関節痛、ふるえ、急激な血糖下降に伴う糖尿病性網膜症の悪化
骨折注3)、糖尿病性黄斑浮腫の発症又は増悪注4)
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
海外で実施した糖尿病患者を対象とした疫学研究(10年間の大規模コホート研究)において、膀胱癌の発生リスクに統計学的な有意差は認められなかったが、膀胱癌の発生リスク増加の可能性を示唆する疫学研究も報告されている2),3),4),5)。,
ピオグリタゾン錠15mg「NS」とアクトス錠15を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ピオグリタゾンとして15mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された8) 。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-48(ng・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
ピオグリタゾン錠15mg「NS」
6621±1985
703±240
1.8±1.4
6.8±2.0
アクトス錠15
6710±2438
667±241
2.3±1.1
6.7±2.0
(Mean±S.D.,n=14)
ピオグリタゾン錠30mg「NS」とアクトス錠30を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ピオグリタゾンとして30mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された9) 。
ピオグリタゾン錠30mg「NS」
11132±3167
1062±293
2.1±1.2
7.6±1.4
アクトス錠30
12076±3035
1138±277
1.9±0.9
8.0±1.7
ピオグリタゾンの代謝にはチトクロームP450 1A1、1A2、2C8、2C9、2C19、2D6、3A4の複数の分子種が関与している。また、ピオグリタゾンはヒトチトクロームP450分子種発現ミクロゾームの代謝活性に対して、チトクロームP450 1A1、1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1、3A4にほとんど影響を与えない(in vitro)10),11) 。
スルホニルウレア剤(グリベンクラミド、グリクラジド)使用中の2型糖尿病患者(9例)に対して、1日1回ピオグリタゾンとして30mgを7日間経口投与した時、ピオグリタゾンの未変化体及び活性化合物合計(未変化体+M-Ⅱ~Ⅳ)の血中濃度は食事療法のみの2型糖尿病患者での結果と近似しており、また、スルホニルウレア剤の血中濃度推移及び蛋白結合率に影響はみられていない12)。
ボグリボース使用中の2型糖尿病患者(42例)に対して、1日1回ピオグリタゾンとして30mg(1例のみ15mg)を経口投与した時、ピオグリタゾンの活性化合物合計(未変化体+M-Ⅱ~Ⅳ)の血中濃度は食事療法のみ又はスルホニルウレア剤使用中の2型糖尿病患者での結果と近似している13)。
メトホルミン反復投与中の健康成人男子(14例)に対して、1日1回ピオグリタゾンとして30mgを経口投与した時、ピオグリタゾンの活性化合物合計(未変化体+M-Ⅱ~Ⅳ)の血中濃度はピオグリタゾン単独投与時の健康成人男子での結果と近似している14)。
ピオグリタゾン塩酸塩はインスリン抵抗性を軽減することにより、肝における糖産生を抑制し、末梢組織における糖の取り込みと利用を高め血糖を低下させる。インスリン抵抗性の主因である細胞内インスリン情報伝達機構を正常化するものと推測されている15) 。
ピオグリタゾン塩酸塩(Pioglitazone Hydrochloride)
(5RS)-5-{4-[2-(5-Ethylpyridin-2-yl)ethoxy]benzyl}thiazolidine-2,4-dione monohydrochloride
C19H20N2O3S・HCl
392.90
白色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N -ジメチルホルムアミド又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。N,N-ジメチルホルムアミド溶液(1→20)は旋光性を示さない。
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]500錠[10錠(PTP)×50、乾燥剤入り]
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
1) 前芝良宏 他:薬理と治療.1996;24:2597-2617
2) Lewis J.D.et al.:JAMA.2015;314:265-277
3) Korhonen P.et al.:BMJ.2016;354:i3903
4) Azoulay L.et al.:BMJ.2012;344:e3645
5) Hsiao F.Y.et al.:Drug Safety.2013;36:643-649
6) Saez E.et al.:Nature Medicine.1998;4:1058-1061
7) Lefebvre A.M.et al.:Nature Medicine.1998;4:1053-1057
8) 社内資料:生物学的同等性試験(錠15mg)
9) 社内資料:生物学的同等性試験(錠30mg)
10) 代謝に関与するヒトシトクロームP450(CYP)の同定(アクトス錠:1999年9月22日承認、申請資料概要ヘ.2-3(2))
11) ヒトCYPに対する作用(アクトス錠:1999年9月22日承認、申請資料概要ヘ.2-5(3))
12) 播 穣治 他:臨牀と研究.1997;74:1217-1226
13) 兼子俊男 他:臨牀と研究.1997;74:1540-1556
14) 薬物相互作用試験、国内第Ⅲ相試験(アクトス錠:2008年12月28日承認、審査報告書)
15) 第十八改正日本薬局方解説書.東京:廣川書店;2021.C4226-4232
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