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モンテルカスト細粒4mg「日新」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.4代謝
16.7薬物相互作用
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

モンテルカスト細粒4mg「日新」

添付文書番号

4490026C1188_1_04

企業コード

530113

作成又は改訂年月

2023年11月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87449

薬効分類名

ロイコトリエン受容体拮抗剤
気管支喘息治療剤

承認等

モンテルカスト細粒4mg「日新」

販売名コード

YJコード

4490026C1188

販売名英語表記

Montelukast Fine Granules 4mg “NISSIN”

販売名ひらがな

もんてるかすとさいりゅう4mg「にっしん」

承認番号等

承認番号

22900AMX00178000

販売開始年月

2017年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

モンテルカストナトリウム細粒

一般的名称

モンテルカストナトリウム

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

モンテルカスト細粒4mg「日新」

有効成分0.5g中
日本薬局方モンテルカストナトリウム   4.16mg
(モンテルカストとして   4mg )
添加剤D-マンニトール、ヒプロメロース、ステアリン酸マグネシウム

3.2 製剤の性状

モンテルカスト細粒4mg「日新」

性状白色の細粒剤

4. 効能又は効果

気管支喘息

6. 用法及び用量

通常、1歳以上6歳未満の小児にはモンテルカストとして4mg(本剤1包)を1日1回就寝前に経口投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 体重、年齢、症状等による用量調節をせず、全量を服用すること。
  2. 7.2 6歳以上の小児に対しては、モンテルカストチュアブル錠5mgを1日1回就寝前に投与すること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は、喘息の悪化時ばかりでなく、喘息が良好にコントロールされている場合でも継続して服用するよう、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に十分説明しておくこと。
  2. 8.2 本剤は気管支拡張剤、ステロイド剤等と異なり、すでに起こっている喘息発作を緩解する薬剤ではないので、このことは患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に十分説明しておく必要がある。
  3. 8.3 本剤を投与中、大発作をみた場合は、気管支拡張剤あるいはステロイド剤を投与する必要がある。
  4. 8.4 本剤投与によりステロイド維持量を減量し得た患者で、本剤の投与を中止する場合は、原疾患再発のおそれがあるので注意すること。
  5. 8.5 本剤との因果関係は明らかではないが、うつ病、自殺念慮、自殺及び攻撃的行動を含む精神症状が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。
  6. 8.6 本剤を含めロイコトリエン拮抗剤使用時に好酸球性多発血管炎性肉芽腫症様の血管炎を生じたとの報告がある。これらの症状は、おおむね経口ステロイド剤の減量・中止時に生じている。本剤使用時は、特に好酸球数の推移及びしびれ、四肢脱力、発熱、関節痛、肺の浸潤影等の血管炎症状に注意すること。
  7. 8.7 本剤投与により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
  8. 8.8 小児では一般に自覚症状を訴える能力が劣るので、本剤の投与に際しては、保護者等に対し、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡する等の適切な処置をするように注意を与えること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 長期ステロイド療法を受けている患者

    本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。海外の市販後において、妊娠中に本剤を服用した患者から出生した新生児に先天性四肢奇形がみられたとの報告がある。これらの妊婦のほとんどは妊娠中、他の喘息治療薬も服用していた。本剤とこれらの事象の因果関係は明らかにされていない。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1 6歳以上の小児

  2. 9.7.2 低出生体重児、新生児、1歳未満の乳児

    国内において、低出生体重児、新生児、1歳未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

  • 本剤は、主として薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)3A4で代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

フェノバルビタール

本剤の作用が減弱するおそれがある。

フェノバルビタールがCYP3A4を誘導し、本剤の代謝が促進される。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)
  2. 11.1.2 血管浮腫(頻度不明)
  3. 11.1.3 劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
  4. 11.1.4 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)
  5. 11.1.5 血小板減少(頻度不明)

    初期症状として、紫斑、鼻出血、歯肉出血等の出血傾向があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満1)

頻度不明

過敏症

皮疹

そう痒、蕁麻疹、肝臓の好酸球浸潤

精神神経系

頭痛、傾眠

異夢、易刺激性、情緒不安、痙攣、不眠、幻覚、めまい、感覚異常(しびれ等)、激越、振戦、夢遊症、失見当識、集中力低下、記憶障害、せん妄、強迫性症状

呼吸器

肺好酸球増多症

消化器系

下痢、腹痛、胃不快感、嘔気、胸やけ、嘔吐、便秘

消化不良、口内炎

肝臓

肝機能異常、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、総ビリルビン上昇

筋骨格系

筋痙攣を含む筋痛、関節痛

その他

口渇、尿潜血、血尿、尿糖、浮腫、倦怠感、白血球数増加、尿蛋白、トリグリセリド上昇

出血傾向(鼻出血、紫斑等)、挫傷、動悸、頻尿、発熱、脱力、疲労、脱毛、遺尿

1) 副作用の頻度は、錠剤、チュアブル錠剤、細粒剤での国内臨床試験の結果を合わせて算出した。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。
  2. 14.1.2 本剤は口に直接入れるか、スプーン1杯程度の柔らかい食物(室温以下)と混ぜて服用することができる。またスプーン1杯(約5mL)の調製ミルク又は母乳(室温以下)と混ぜて服用することもできる。本剤服用後は水などの飲み物を摂取してもよい。
  3. 14.1.3 本剤は光に不安定であるため、服用の準備ができるまで開封せず、開封後直ちに(15分以内に)服用すること。柔らかい食物、調製ミルク又は母乳と混ぜた場合も、放置せずに直ちに(15分以内に)服用すること。
  4. 14.1.4 本剤は光に不安定であるため、再分包しないこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

プラセボ対照臨床試験41試験を対象に統合解析を行った結果、本剤投与群9,929例中1例において自殺念慮が認められたのに対して、プラセボ群7,780例において自殺念慮は認められなかった1)
また、プラセボ対照臨床試験46試験を対象に統合解析を行った結果、行動変化に関連する事象(不眠、易刺激性等)が、本剤投与群11,673例中319例(2.73%)、プラセボ群8,827例中200例(2.27%)において認められたが、統計学的な有意差は認められなかった2)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 生物学的同等性試験
  • モンテルカスト細粒4mg「日新」とキプレス細粒4mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1包0.5g(モンテルカストとして4mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された。
  • 判定パラメータ

    参考パラメータ

    AUC0-24
    (ng・hr/mL)

    Cmax
    (ng/mL)

    Tmax
    (hr)

    T1/2
    (hr)

    モンテルカスト
    細粒4mg「日新」

    1546.8±314.4

    257.0±39.5

    1.6±0.5

    4.5±0.9

    キプレス細粒4mg

    1561.2±352.5

    239.5±43.9

    1.7±0.4

    4.8±0.7

    (Mean±S.D.,n=20)

  • 血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.4 代謝

ヒトにおけるモンテルカストの主要代謝物は側鎖メチル基の水酸化体及びベンジル位メチレン基の水酸化体であった。これら代謝物の生成にはそれぞれチトクロームP450(CYP)の分子種であるCYP2C8/2C9及び3A4が関与しており、CYP2C8がモンテルカストの主要代謝酵素であった。
更に側鎖メチル基の水酸化体はカルボン酸体まで酸化的代謝を受けることが確認されている。In vitro試験により治療時の血漿中濃度では、モンテルカストはCYP3A4、2C9、1A2、2A6、2C19又は2D6を阻害しないことが示された4),5),6),7),8)
また、in vitro試験によりモンテルカストはCYP2C8を阻害することが示されたが、in vivoにおいてはモンテルカストは主にCYP2C8で代謝される代表的な薬剤であるロシグリタゾンとの臨床薬物相互作用試験で、CYP2C8を阻害しないことが示された9) (外国人データ)。したがって、モンテルカストはCYP2C8で代謝される薬剤(パクリタキセル等)の代謝に影響を及ぼさないと考えられる。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 フェノバルビタール

    健康成人にフェノバルビタール100mg(14日間反復)を経口投与したとき、モンテルカストとして10mg2) (単回)を経口投与により併用するとモンテルカストのAUC0-∞は約40%減少した10) (外国人データ)。

    2) 承認された用法及び用量は、1歳以上6歳未満の小児に1回4mgである。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

モンテルカストナトリウムは抗アレルギー薬である。アレルギーのメディエーターの1つであるロイコトリエン(LT)の受容体には、CysLT1受容体とCysLT2受容体があるが、モンテルカストナトリウムはCysLT1受容体遮断薬である11)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

モンテルカストナトリウム(Montelukast Sodium)

化学名

Monosodium{1-[({(1R)-1-{3-[(1E)-2-(7-chloroquinolin-2-yl)ethenyl]phenyl}-3-[2-(2-hydroxypropan-2-yl)phenyl]propyl}sulfanyl)methyl]cyclopropyl}acetate

分子式

C35H35ClNNaO3S

分子量

608.17

性状

白色~微黄白色の粉末である。メタノール及びエタノール(99.5)に極めて溶けやすく、水に溶けやすい。吸湿性である。光によって黄色に変化する。結晶多形が認められる。

化学構造式

22. 包装

0.5g×14包[7包/袋×2]
0.5g×140包[7包/袋×20]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

日新製薬株式会社 安全管理部

〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号

TEL 023-655-2131 FAX 023-655-3419
E-mail:d-info@yg-nissin.co.jp

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

日新製薬株式会社

山形県天童市清池東二丁目3番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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