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ロラタジン錠10mg「日新」/ロラタジンOD錠10mg「日新」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
13.過量投与
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.4代謝
16.5排泄
16.6特定の背景を有する患者
16.7薬物相互作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ロラタジン錠10mg「日新」/ロラタジンOD錠10mg「日新」

添付文書番号

4490027F1170_1_07

企業コード

530113

作成又は改訂年月

2023年12月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87449

薬効分類名

持続性選択H1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療剤

承認等

ロラタジン錠10mg「日新」

販売名コード

YJコード

4490027F1170

販売名英語表記

Loratadine Tablets 10mg “NISSIN”

販売名ひらがな

ろらたじんじょう10mg「にっしん」

承認番号等

承認番号

22300AMX00852

販売開始年月

2011年11月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

ロラタジンOD錠10mg「日新」

販売名コード

YJコード

4490027F2185

販売名英語表記

Loratadine OD Tablets 10mg “NISSIN”

販売名ひらがな

ろらたじんODじょう10mg「にっしん」

承認番号等

承認番号

22300AMX00839

販売開始年月

2011年11月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

ロラタジン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ロラタジン錠10mg「日新」

有効成分1錠中
ロラタジン   10mg
添加剤乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム

ロラタジンOD錠10mg「日新」

有効成分1錠中
ロラタジン   10mg
添加剤D-マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、スクラロース、合成ケイ酸アルミニウム、ヒドロキシプロピルスターチ、結晶セルロース、クロスポビドン、香料、ステアリン酸マグネシウム

3.2 製剤の性状

ロラタジン錠10mg「日新」

外形
大きさ錠径6.5mm
錠厚2.6mm
重量100mg
識別コードNS 572
性状白色の割線入りの素錠

ロラタジンOD錠10mg「日新」

外形
大きさ錠径7.0mm
錠厚3.2mm
重量120mg
識別コードNS 571
性状白色の素錠

4. 効能又は効果

○アレルギー性鼻炎
○蕁麻疹
○皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

6. 用法及び用量

成人:通常、ロラタジンとして1回10mgを1日1回、食後に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
小児:通常、7歳以上の小児にはロラタジンとして1回10mgを1日1回、食後に経口投与する。

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
  • 〈アレルギー性鼻炎〉
    1. 8.2 季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 てんかんの既往のある患者

    十分な問診を行うこと。発作があらわれたとの報告がある。

9.2 腎機能障害患者

ロラタジン及び活性代謝物descarboethoxyloratadine(DCL)の血漿中濃度が上昇するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

ロラタジンの血漿中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。動物試験(ラット、ウサギ)で催奇形性は認められていないが、ラットで胎児への移行が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行が報告されている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1 3歳以上7歳未満の小児に対しては、ロラタジンドライシロップ1%を投与すること。
  2. 9.7.2 低出生体重児、新生児、乳児又は3歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

高い血中濃度が持続するおそれがある。一般に生理機能(肝、腎等)が低下している。

10. 相互作用

  • ロラタジンからDCLへの代謝にはCYP3A4及びCYP2D6の関与が確認されている。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

エリスロマイシン、シメチジン

ロラタジン及びDCLの血漿中濃度の上昇が認められるので、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。

薬物代謝酵素(CYP3A4、CYP2D6)阻害作用を有する医薬品との併用により、ロラタジンからDCLへの代謝が阻害され、ロラタジンの血漿中濃度が上昇する。[DCLの血漿中濃度が上昇する機序は不明]

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    チアノーゼ、呼吸困難、血圧低下、血管浮腫等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 11.1.2 てんかん(頻度不明)

  3. 11.1.3 痙攣(頻度不明)
  4. 11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

    AST、ALT、γ-GTP、Al-P、LDH、ビリルビン等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

1%以上

0.1~1%未満

0.1%未満

頻度不明

精神神経系

眠気、倦怠感

めまい、頭痛

呼吸器

鼻の乾燥感、咽頭痛

消化器

腹痛、口渇、嘔気・嘔吐、下痢、便秘、口内炎

口唇乾燥

胃炎

過敏症

発疹

じん麻疹

発赤、紅斑、そう痒

皮膚

脱毛

肝臓

ALT上昇、AST上昇、ビリルビン値上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇

腎臓

BUN上昇、タンパク尿

尿閉

循環器

動悸

頻脈

血液

好酸球増多、白血球減少、好中球減少、単球増多、リンパ球減少、白血球増多、リンパ球増多、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、好塩基球増多、血小板減少、好中球増多

その他

尿糖、眼球乾燥、耳鳴、ほてり

味覚障害、月経不順、胸部不快感

不正子宮出血、胸痛、難聴、浮腫(顔面・四肢)

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

アレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する3~5日前より本剤の投与を中止すること。

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    海外において、過量投与(40mgから180mg)により眠気、頻脈、頭痛が報告されている。

  2. 13.2 処置

    本剤は血液透析によって除去できない。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  • 〈製剤共通〉
    1. 14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  • 〈OD錠〉
    1. 14.1.2 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。
    2. 14.1.3 本剤は寝たままの状態では水なしで服用しないこと。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 生物学的同等性試験
  • 〈ロラタジン錠10mg「日新」〉

    ロラタジン錠10mg「日新」とクラリチン錠10mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ロラタジンとして10mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して活性代謝物(DCL)の血漿中濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された1)

  • 判定パラメータ

    参考パラメータ

    AUC0-72
    (ng・hr/mL)

    Cmax
    (ng/mL)

    Tmax
    (hr)

    T1/2
    (hr)

    ロラタジン錠10mg「日新」

    59.12±19.40

    5.12±2.00

    2.0±1.2

    20.3±4.3

    クラリチン錠10mg

    56.95±19.92

    4.75±1.45

    1.7±0.6

    19.8±3.3

    (Mean±S.D., n=34)

  • 血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
  • 〈ロラタジンOD錠10mg「日新」〉

    ロラタジンOD錠10mg「日新」とクラリチンレディタブ錠10mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ロラタジンとして10mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与(水で服用及び水なしで服用)して活性代謝物(DCL)の血漿中濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された2)

  • (1)水で服用

    判定パラメータ

    参考パラメータ

    AUC0-72
    (ng・hr/mL)

    Cmax
    (ng/mL)

    Tmax
    (hr)

    T1/2
    (hr)

    ロラタジンOD錠10mg「日新」

    60.31±18.42

    5.60±1.67

    1.3±0.2

    20.6±3.6

    クラリチンレディタブ錠10mg

    62.17±18.59

    5.61±1.78

    1.4±0.3

    20.8±2.8

    (Mean±S.D., n=20)

  • (2)水なしで服用

    判定パラメータ

    参考パラメータ

    AUC0-72
    (ng・hr/mL)

    Cmax
    (ng/mL)

    Tmax
    (hr)

    T1/2
    (hr)

    ロラタジンOD錠10mg「日新」

    60.09±18.29

    5.19±1.58

    1.7±0.6

    19.1±2.7

    クラリチンレディタブ錠10mg

    61.09±17.54

    5.50±1.57

    1.7±0.6

    18.5±4.0

    (Mean±S.D., n=19)

  • 血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.4 代謝

ロラタジンは、ヒトに経口投与したとき、消化管から速やかに吸収され、初回通過効果によってDCLへと代謝される3) 。ヒトの肝ミクロソームを用いたin vitro試験から、ロラタジンからDCLへの代謝にはCYP3A4及びCYP2D6の関与が確認されている4)

16.5 排泄

健康成人男性(6例)に14C-ロラタジン40mg1) (水溶液)を空腹時に単回経口投与したとき、投与10日後までに総投与量の約80%が代謝物として尿及び糞中へ等量ずつ排泄された。尿中にロラタジンは検出されず、DCLは尿中放射能の2%未満であった3) (外国人データ)。
授乳婦(6例)にロラタジンカプセル40mg1) (非売品)を空腹時に単回経口投与したとき、少量のロラタジン及びDCLが母乳中に検出された。投与後48時間までの移行率は0.03%であった。AUC母乳/AUC血漿比は、ロラタジン及びDCLについてそれぞれ1.2及び0.8であった5) (外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者
    1. (1) 薬物動態パラメータ

      腎機能障害患者(12例:クレアチニンクリアランス≦29mL/min)にロラタジンカプセル40mg1) (非売品)を空腹時に単回経口投与したときの血漿中濃度のCmax及びAUCは、健康成人男性(6例:クレアチニンクリアランス>80mL/min)との比較において、ロラタジンでは1.5~1.7倍、DCLでは約2倍に上昇した。腎機能障害患者におけるロラタジン及びDCLのt1/2はそれぞれ平均8時間及び20時間であり、いずれも健康成人と明らかな差は認められなかった6) (外国人データ)。

    2. (2) 血液透析患者

      重症の腎機能障害患者(6例:クレアチニンクリアランス<5mL/min)にロラタジンカプセル40mg1) (非売品)を空腹時に単回経口投与後4~8時間(計4時間)に血液透析を行ったとき、血液透析を行わない場合と比較して、血漿中ロラタジン及びDCL濃度に変動は認められず、ロラタジン及びDCLともに透析液中へはほとんど排出されなかった6) (外国人データ)。

  2. 16.6.2 肝機能障害患者

    肝機能障害患者(7例)にロラタジンカプセル40mg1) (非売品)を空腹時に単回経口投与したときの血漿中濃度は、健康成人男性(24例)との比較において、ロラタジンではCmaxが1.4~1.7倍、AUCが2.8~3.8倍に上昇し、DCLではCmax、AUCともに健康成人と明らかな差は認められなかった。肝機能障害患者におけるロラタジン及びDCLのt1/2はそれぞれ平均24.1時間及び37.1時間であり、健康成人の2~3倍に延長していた7) (外国人データ)。

  3. 16.6.3 高齢者

    高齢者(12例、66~78歳)にロラタジンカプセル40mg1) (非売品)を空腹時に単回経口投与したときの血漿中濃度は、非高齢の成人男性(24例、21~39歳)との比較において、ロラタジンではCmaxが1.6~1.9倍、AUCが1.5~2.0倍に上昇した。DCLではCmaxが約1.7倍であったが、AUCに明らかな差は認められなかった。高齢者でのロラタジン及びDCLのt1/2はそれぞれ平均18.2時間及び17.4時間であった8) (外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

健康成人男性にロラタジン錠10mg及びエリスロマイシン(CYP3A4の阻害剤)又はシメチジン(CYP3A4及びCYP2D6の阻害剤)を空腹時に10日間経口投与したときの血漿中ロラタジン及びDCL濃度の変化率は下表に示すとおりであったが、QTc間隔を含め心電図への影響は認められなかった9),10) 。健康成人男性にロラタジン錠10mg及びケトコナゾール(国内では外用剤のみ発売)を空腹時に10日間経口投与したとき、血漿中ロラタジン及びDCL濃度の変化率は下表に示すとおりであったが、QTc間隔を含め心電図への影響は認められなかった10) (外国人データ)。

併用薬

n

ロラタジン

DCL

Cmax

AUC

Cmax

AUC

エリスロマイシン
(500mg1日3回)

22

+53%

+40%

+61%

+46%

シメチジン
(300mg1日4回)

24

+121%

+103%

+6%

+6%

ケトコナゾール
(200mg1日2回)

24

+223%

+307%

+67%

+73%

1) 本剤の成人における承認用量は、「通常、ロラタジンとして1回10mgを1日1回、食後に経口投与する。」である。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ロラタジン(Loratadine)

化学名

Ethyl 4-(8-chloro-5,6-dihydro-11H-benzo[5,6]cyclohepta[1,2-b]pyridin-11-ylidene)-1-piperidinecarboxylate

分子式

C22H23ClN2O2

分子量

382.88

性状

白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール、エタノール(99.5)、アセトン又はトルエンに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。

化学構造式

融点

134~137℃

20. 取扱い上の注意

  • 〈OD錠〉

    アルミピロー包装開封後は、湿気を避けて保存すること。

22. 包装

  • 〈ロラタジン錠10mg「日新」〉

    100錠[10錠(PTP)×10]
    500錠[10錠(PTP)×50]

  • 〈ロラタジンOD錠10mg「日新」〉

    100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
    500錠[10錠(PTP)×50、乾燥剤入り]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

日新製薬株式会社 安全管理部

〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号

TEL 023-655-2131 FAX 023-655-3419
E-mail:d-info@yg-nissin.co.jp

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

日新製薬株式会社

山形県天童市清池東二丁目3番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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