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日本薬局方
注射用チアミラールナトリウム
劇薬
習慣性医薬品注)
処方箋医薬品注)
全身麻酔、全身麻酔の導入、局所麻酔剤・吸入麻酔剤との併用、精神神経科における電撃療法の際の麻酔、局所麻酔剤中毒・破傷風・子癇等に伴う痙攣
○溶液濃度:2.5%水溶液(5%溶液は静脈炎を起こすことがある)
○投与量・投与法:調整したチアミラール水溶液を静脈より注入する。本剤の用量や静注速度は年齢・体重とは関係が少なく個人差があるため一定ではないが、大体の基準は次の通り。
最初に2~4mL(2.5%溶液で50~100mg)を注入して患者の全身状態、抑制状態などを観察し、その感受性より追加量を決定する。次に患者が応答しなくなるまで追加注入し、応答がなくなった時の注入量を就眠量とする。さらに就眠量の半量ないし同量を追加注入したのち、他の麻酔法に移行する。
なお、気管内に挿管する場合は筋弛緩剤を併用する。
通常12mL(2.5%溶液で300mg)をおよそ25秒~35秒で注入し、必要な麻酔深度に達したことを確かめたのち、直ちに電撃療法を行なう。
本剤は局所麻酔剤あるいは、吸入麻酔剤と併用することができる。通常2~4mL(2.5%溶液で50~100mg)を間歇的に静脈内注入する。点滴投与を行なう場合は、静脈内点滴麻酔法に準ずる。
患者の全身状態を観察しながら、通常2~8mL(2.5%溶液で50~200mg)を痙攣が止まるまで徐々に注入する。
場合により次のような方法を用いる。
○溶液濃度:10%水溶液
○投与量:体重kgあたり20~40mg(10%溶液で0.2~0.4mL/kg)を基準とする。
○注入法:溶液を注射器に入れ、注射器の先に導尿用カテーテルをつけ肛門より直腸に挿入し、注腸する。注入後15分で麻酔にはいり、約1時間持続する。
○溶液濃度:2.0~2.5%水溶液、とくに7歳以下の小児に対しては2%溶液を使用する(2.5%以上の濃度は組織の壊死をおこす危険がある)。
○筋注部位:大腿筋肉、上腕部筋肉など筋肉の多い部位を選んで注射する。
○投与量:体重kgあたり20mg(2%溶液で1mL/kg)を基準とする。
○投与法:一度に全量を注入してはならず、全量を2~3等分して、5分毎に必要に応じて追加投与する。注入後5~15分で麻酔にはいり、約40~50分程度持続する。
糖尿病を悪化させるおそれがある。
血圧を変動させるおそれがある。また、重症貧血及び低蛋白血症では本剤の作用が増強されるおそれがある。
血圧降下が発現するおそれがある。
呼吸抑制や気道閉塞により血中のCO2分圧を上昇させ脳血流量を増加させ、脳圧を上昇させるおそれがある。
呼吸抑制を誘発するおそれがある。
血中カリウム値が上昇するおそれがある。
排泄の遅延により、本剤の作用が増強するおそれがある。
代謝の遅延及び蛋白結合の低下により、本剤の作用が増強するおそれがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。,
呼吸抑制、血圧降下等が強くあらわれることがある。一般に生理機能が低下している。
中枢神経抑制剤
呼吸抑制作用、降圧作用、中枢神経抑制作用(鎮静、催眠等)が増強することがある。併用する場合には、用量に注意する。
相加的に作用(中枢神経抑制作用)を増強させる。
血圧降下剤
降圧作用、中枢神経抑制作用(鎮静、催眠等)が増強することがある。併用する場合には、用量に注意する。
モノアミン酸化酵素阻害剤
中枢神経抑制作用(鎮静、催眠等)が増強することがある。併用する場合には、用量に注意する。
三環系抗うつ剤
降圧作用、中枢神経抑制作用(鎮静、催眠等)が増強することがある。また、三環系抗うつ剤の作用が減弱することがある。併用する場合には、用量に注意する。
中枢性筋弛緩剤
スルホニル尿素系血糖降下剤
抗パーキンソン剤
ジスルフィラム
中枢神経抑制作用(鎮静、催眠等)が増強することがある。また、併用により、重篤な低血圧があらわれたとの報告がある。異常が認められた場合には、本剤を減量するなど適切な処置を行う。
ジスルフィラムは本剤の代謝を阻害する。
ドキシサイクリン
ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある。
本剤は肝の薬物代謝酵素を誘導し、ドキシサイクリンの代謝を促進する。
クマリン系抗凝血剤
抗凝血作用が減弱することがある。頻回にプロトロンビン値の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調節する。
本剤は肝の薬物代謝酵素を誘導し、クマリン系抗凝血剤の代謝を促進する。
呼吸困難、血圧低下等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,
呼吸停止、呼吸抑制、舌根沈下、喉頭痙攣、気管支痙攣、咳、しゃっくりがあらわれた場合には、直ちに気道の確保、酸素吸入などの処置とともに、筋弛緩剤の投与など適切な処置を行うこと。,
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
循環器
血圧下降、不整脈
過敏症
皮疹
覚醒時
悪心・嘔吐
頭痛、めまい、興奮、顔面潮紅、複視
流涙、ふるえ、痙攣、しびれ感、尿閉、倦怠感
イソゾール溶液濃度:イソゾール溶液の濃度は通常2.5%のものが最も多く使用されるため、以下2.5%溶液を例としてその調製法を示す。
静注針を装着した注射器内に添付の注射用水20mLを吸引し、イソゾール注射用0.5g凍結乾燥バイアル中に注入する。暫時軽く振盪し、完全に溶解し2.5%溶液とする。
注射針はゴム栓の中心円内に垂直に穿刺すること。注射針をゴム栓の中心を外れて穿刺したり、斜めに穿刺するとゴム栓が削られゴム片がバイアル内に落下する原因になるので注意すること。
(1)以下の点に注意すること。
(2)筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため、以下の点に注意すること。
本剤の用法及び注射速度は患者の体質、健康状態などの個人差を考慮すること。特に幼児、小児、高齢者、虚弱者の麻酔には注意すること。,
手術目的でイソゾールを4人の患者に静脈内投与した場合、血清中濃度は2コンパートメントモデルによく適合して2相性で減少する1)。
手術患者4人、4.00±1.04mg/kg静脈内投与(平均値±SD)
Vd(L/kg)
t1/2α(min)
t1/2β(h)
0.24±0.13
3.90±2.28
1.19±0.42
チアミラールナトリウムは超短時間型のバルビツレートであり、脳のGABA受容体複合体に作用して、GABAの作用を増強する2)。
イヌにおける実験で、麻酔作用はチオペンタールナトリウムに比し約1.5倍強力で、作用の発現は早く、持続時間は長い3),4),5)。
チアミラールナトリウム(Thiamylal Sodium)
Monosodium 5-allyl-5-[(1RS)-1-methylbutyl]-4,6-dioxo-1,4,5,6-tetrahydropyrimidine-2-thiolate
C12H17N2NaO2S
276.33
淡黄色の結晶又は粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすい。1.0gを水10mLに溶かした液のpHは10.0~11.0である。吸湿性である。光によって徐々に分解する。エタノール(95)溶液(1→10)は旋光性を示さない。
500mg×10バイアル(溶解液として日局注射用水20mL×10管添付)500mg×50バイアル(溶解液として日局注射用水20mL×50管添付)
1) 森川則文 他:薬剤学. 1990;50:246-255
2) 田中千賀子 他:NEW薬理学(改訂第6版). 2011;355-361
3) Wyngaarden J. B., et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther. 1949;95:322-327
4) Kelly A. R., et al.:Federation Proceedings. 1948;7:233
5) 山村秀夫 他:外科. 1952;14:570-577
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