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処方箋医薬品注)
通常、成人にはアマンタジン塩酸塩として初期量1日100mgを1~2回に分割経口投与し、1週間後に維持量として1日200mgを2回に分割経口投与する。なお、症状、年齢に応じて適宜増減できるが、1日300mg3回分割経口投与までとする。
通常、成人にはアマンタジン塩酸塩として1日100~150mgを2~3回に分割経口投与する。なお、症状、年齢に応じて適宜増減する。
通常、成人にはアマンタジン塩酸塩として1日100mgを1~2回に分割経口投与する。なお、症状、年齢に応じて適宜増減する。ただし、高齢者及び腎障害のある患者では投与量の上限を1日100mgとすること。
クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73m2)
投与間隔(100mg/回)
>75
12時間
35~75
1日
25~35
2日
15~25
3日
注)上記は外国人における試験に基づく目安であり、本剤の国内で承認されている用法及び用量とは異なる。
発症後は可能な限り速やかに投与を開始すること(発症後48時間以降に開始しても十分な効果が得られないとされている)。また、耐性ウイルスの発現を防ぐため、必要最小限の期間(最長でも1週間)の投与にとどめること。
地域又は施設において流行の徴候があらわれたと判断された後、速やかに投与を開始し、流行の終息後は速やかに投与を中止すること。
抗体獲得までの期間は通常10日以上とされるが、抗体獲得後は速やかに投与を中止すること。
患者を注意深く観察し、異常が認められた場合には減量する等の適切な措置を講じること。発作を誘発又は悪化させることがある。,
下肢浮腫が発現することがあり、心血管疾患や浮腫を悪化させるおそれがある。
めまい・立ちくらみ等があらわれやすい。
幻覚、妄想、錯乱、悪夢等の精神症状が増悪するおそれがある。,
眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
投与しないこと。本剤は大部分が未変化体として尿中に排泄されるので、蓄積により、意識障害、精神症状、痙攣、ミオクロヌス等の副作用が発現することがある。また、本剤は血液透析によって少量しか除去されない。,,,,
用量の調節に十分注意すること。本剤は大部分が未変化体として尿中に排泄されるので、蓄積により、意識障害(昏睡を含む)、精神症状(幻覚、妄想、せん妄、錯乱)等、痙攣、ミオクロヌスがあらわれやすい。,,,,
肝機能検査値に注意すること。副作用として肝障害が報告されている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。催奇形性が疑われる症例報告1)があり、また動物実験(ラット・50mg/kg)による催奇形の報告がある。,
授乳中の女性には投与しないこと。ヒト母乳中へ移行する。(外国人データ)
投与する場合は医師の判断において患者の状態を十分に観察した上で、用法及び用量を決定すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない2),3)。
抗パーキンソン剤
中枢興奮剤
食欲抑制剤
幻覚、睡眠障害等の副作用が増強されることがあるので用量に注意すること。
いずれも中枢神経系刺激作用を有するため。
ジスキネジー、幻覚等の副作用が増強することがある。
併用により双方あるいはいずれかの薬剤の腎尿細管分泌が減少し、腎クリアランスが低下することがある。
チアジド系利尿剤
カリウム保持性利尿剤
本剤の作用が増強され、錯乱、幻覚、失調、ミオクロヌス等の副作用があらわれたとの報告があるので用量に注意すること。
本剤の腎排泄が低下し血中濃度の上昇を起こすため。
NMDA受容体拮抗剤
相互に作用を増強させるおそれがある。
両薬剤ともNMDA受容体拮抗作用を有するため。
急激な減量又は中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック症状等があらわれることがあるので、このような場合には再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、またミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、投与継続中にも同様の症状があらわれることがある。
AST、ALT、γ-GTP上昇等の肝機能障害があらわれることがある。
,
因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある。,,,,,,,,
横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
0.1%~5%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
睡眠障害、眠気、不安、気分高揚、激越、失調、興奮、めまい、頭痛・頭重、神経過敏、集中力障害、不随意運動(振戦、ジスキネジー等)
欲動亢進、言語障害、歩行障害の悪化、抑うつ、失見当識、躁状態、悪夢
-
眼
視調節障害(霧視等)
消化器
便秘、下痢、食欲不振、悪心・嘔吐
腹痛
自律神経系
口渇、立ちくらみ(起立性低血圧)
排尿障害
循環器
血圧低下
動悸
過敏症
発疹
多形滲出性紅斑
皮膚
光線過敏症
肝臓
AST、ALT、ALPの上昇
腎臓
BUN、クレアチニンの上昇
その他
脱力感・けん怠感、発汗、網状皮斑
下肢浮腫、胸痛、白血球減少
低体温、尿失禁
神経筋障害(反射亢進、運動不穏、痙攣、ジストニー姿勢、捻転痙攣等の錐体外路症状、瞳孔散大、嚥下障害、ミオクロヌス等)と急性精神病徴候(錯乱、見当識障害、幻視、せん妄、攻撃性、意識レベルの低下、昏睡等)が急性中毒の顕著な特徴である。そのほか肺浮腫、呼吸窮迫、洞性頻脈、不整脈、高血圧、悪心、嘔吐、尿閉等がみられることがある。また、心停止及び心突然死が報告されている。
本剤は血液透析によって少量しか除去されない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男子5例にアマンタジン塩酸塩錠1錠(50mg)又は2錠(100mg)を早朝空腹時にそれぞれ1回経口投与した場合の各種薬物動態学的パラメータは次のとおりであった4)。
Tmax(h)
Cmax(ng/mL)
AUC0→∞(ng・h/mL)
T1/2(h)
50mg
3.3
124.8
2,601
12.3
100mg
3.0
256.0
4,520
10.3
アマンタジン塩酸塩錠100mg「日医工」及びシンメトレル錠100mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アマンタジン塩酸塩として100mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中アマンタジン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された5)。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0→48(ng・hr/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
アマンタジン塩酸塩錠100mg「日医工」
3239±698
191±24
2.4±0.8
11.7±5.9
シンメトレル錠100mg
3062±743
181±37
2.5±0.7
12.0±4.8
(1錠投与,Mean±S.D.,n=12)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
アマンタジンのin vitro血漿蛋白結合率は約67%であった6)。
ヒトでの尿中代謝物はN-アセチル体が5~15%に認められたが、65~85%は未変化体であった7)。(外国人のデータ),,
健康成人にアマンタジン塩酸塩50mg及び100mgを1回経口投与した場合、投与後約24時間で投与量の約60%が、48時間までに約70%が未変化体で尿中に排泄される4)。,,,
アマンタジン塩酸塩100mgを経口投与し投与後72時間までの糞中回収は1mg以下であった8)。
極微量のアマンタジンが母乳中から検出され、これは授乳した新生児に、嘔吐、尿閉、発疹を引き起こすことがある9)。
既治療で改善のみられない各種脳血管障害による意欲低下・自発性低下患者343例を対象にアマンタジン塩酸塩の有効性及び安全性をプラセボを対照薬とした二重盲検試験で比較を行った結果、最終全般改善度は「中等度改善」以上でアマンタジン塩酸塩群173例中51例(29.5%)、プラセボ群170例中33例(19.4%)、「軽度改善」以上でアマンタジン塩酸塩群173例中123例(71.1%)、プラセボ群170例中89例(52.4%)であり、アマンタジン塩酸塩群が有意に優れていた(p<0.001)10)。副作用発現率は、アマンタジン塩酸塩群で173例中23例(13.3%)49件、プラセボ群で170例中29例(17.1%)70件であった。主な副作用は、アマンタジン塩酸塩群で興奮8件(4.6%)、不穏・焦燥7件(4.0%)、不眠4件(2.3%)、頭痛・頭重4件(2.3%)、口渇4件(2.3%)等であった。
パーキンソン症候群の患者90例を対象にアマンタジン塩酸塩の有効性及び安全性をtrihexyphenidylを対照薬とした二重盲検試験で比較を行った結果、アマンタジン塩酸塩の100~300mg/日投与で対照薬trihexyphenidylの3~9mg/日に匹敵する効果が得られた。また、全般改善度では全体的な状態においてtrihexyphenidyl投与時に5例の悪化例がみられたのに比べ、アマンタジン塩酸塩投与時には1例もみられなかった11)。
主な副作用は、アマンタジン塩酸塩群で口渇25例(28.4%)、不眠22例(25.0%)、食欲不振16例(18.4%)、便秘15例(17.0%)、頭重12例(13.6%)等であった。
二重盲検比較試験(鼻腔内にInfluenza A/Bethesda/1/85を接種)において効果判定が行われた81例中評価対象は78例でA型インフルエンザウイルスの感染と発症に対するアマンタジン塩酸塩の予防効果は下表のとおりである12)。
(50mg/日では効果が弱く100mg/日と200mg/日とでは効果は同等なものの低用量の方が安全性が高いことが示唆された。)
投与群
症例数
感染者数※1)
発症者数※2)
プラセボ群
19
18
11
50mg/日群
20
16
4
100mg/日群
12
3
200mg/日群※3)
13
2
(外国人のデータ)
※1)インフルエンザウイルス感染はウイルス分離又は抗体反応により判定した。※2)インフルエンザウイルスでの発症は発熱(37.8℃以上)及びその他の2つ以上の症状により判定した。※3)承認された通常の成人用量は100mg/日である。
副作用の発現率は、プラセボ群で50%、100mg/日群では80%であり、副作用の大部分は軽度一過性のもので、自然治癒した。主なものは中枢神経系及び消化器系に関する症状であった。また、重篤な副作用としては、50mg/日群の1例に倦怠感・口喝・頭痛・神経質からくる不眠、100mg/日群の2例で頭痛、異常な夢であった。
高次中枢神経機能低下に対する薬物の改善効果を前臨床的に評価する有効な方法は現在のところまだ開発されておらず、アマンタジン塩酸塩に関してもその作用機序は十分に解明されていないが、動物試験及び臨床薬理試験において以下の作用が認められている。
ラットにおけるクロルプロマジン、ハロペリドール及びテトラベナジンによる条件回避反応の抑制作用に対し、10及び20mg/kg(腹腔内)で拮抗し、アマンタジン塩酸塩とドパミン及びノルアドレナリン作動性神経系との関連性が示唆されている14)。
THC(テトラヒドロカンナビノール)によるラットのカタレプシー及びmuricideに対し、0.5mg/kg(腹腔内)で有意な抑制作用を示す。その強さはそれぞれイミプラミンの40倍及び8.8倍、レボドパの400倍及び225.5倍で、アマンタジン塩酸塩が少量でセロトニン作動性神経系の活動亢進を起こすことが示唆されている15)。
多発梗塞性認知症患者に100mg/日、2週間経口投与後の脳波変化をみた試験においてα波の出現量の増加、θ波及びδ波の出現量の減少がみられている16)。
アマンタジン塩酸塩のパーキンソン症候群に対する作用機序はまだ十分に解明されていない点もあるが、動物試験(ラット)においてドパミンの放出促進作用・再取り込み抑制作用・合成促進作用が認められている。これらの作用によりドパミン作動ニューロンの活性が高められ、機能的にアセチルコリン作動系がカテコールアミン作動系に対して過動な状態にあるパーキンソン症候群に対して、主としてドパミン作動神経系の活動を亢進することにより効果を示すものと考えられている17),18),19)。
アマンタジン塩酸塩の抗A型インフルエンザウイルス作用は、主として感染初期にウイルスの脱殻の段階を阻害し、ウイルスのリボヌクレオプロテインの細胞核内への輸送を阻止することにあると考えられる。すなわち、インフルエンザウイルス増殖サイクルの過程でウイルス粒子が細胞表面に吸着してエンドサイトーシスで酸性のエンドソームに取り込まれると、M2イオンチャネルが活性化されるが、アマンタジン塩酸塩はM2チャネルを阻害する。(アフリカツメガエル卵母細胞in vitro)アマンタジン塩酸塩はA型インフルエンザウイルスには有効であるが、B型インフルエンザウイルスには無効とされている13),20)。
アマンタジン塩酸塩(Amantadine Hydrochloride)
Tricyclo[3.3.1.13,7]dec-1-ylamine monohydrochloride
C10H17N・HCl
187.71
白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。ギ酸に極めて溶けやすく、水、メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
100錠[10錠×10;PTP]
500錠[プラスチックボトル;バラ]
1) Golbe L. I.:Neurology. 1987;37(7):1245-1249
2) 北本治 他:日本医事新報. 1968;No.2329:9-15
3) 北本治 他:日本医事新報. 1970;No.2396:15-20
4) 小林清隆 他:薬理と治療. 1984;12(1):195-203
5) 社内資料:生物学的同等性試験(錠100mg)
6) Liu P., et al.:Clin. Neuropharmacol. 1984;7(2):149-151
7) Köppel C., et al.:Biomedical Mass Spectrometry. 1985;12(9):499-501
8) Wu M. J., et al.:Clin. Nephrol. 1982;17(1):19-23
9) O'Brien T. E.:Amer. J. Hosp. Pharm. 1974;31:844-854
10) 新城之介 他:臨床評価. 1984;12(2):321-367
11) 塩沢瞭一 他:神経研究の進歩. 1974;18(5):949-960
12) Reuman P. D., et al.:Antiviral Res. 1989;11(1):27-40
13) 第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店 2021;C252-C255
14) 栗原久 他:日本薬理学雑誌. 1984;83(2):147-158
15) 藤原道弘 他:日本薬理学雑誌. 1985;85(4):259-274
16) 平沢秀人 他:臨床精神医学. 1984;13(1):81-88
17) Farnebo L. O., et al.:Eur. J. Pharmacol. 1971;16(1):27-38
18) Heimans R. L. H., et al. :J. Pharm. Pharmac. 1972;24(11):875-879
19) Scatton B., et al.:Eur. J. Pharmacol. 1970;13(1):131-133
20) Pinto L.H., et al.:Cell. 1992;69(3):517-528
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