当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
日本薬局方
アミトリプチリン塩酸塩錠
処方箋医薬品注)
精神科領域におけるうつ病・うつ状態、夜尿症、末梢性神経障害性疼痛
アミトリプチリン塩酸塩として、通常、成人1日30~75mgを初期用量とし、1日150mgまで漸増し、分割経口投与する。まれに300mgまで増量することもある。
なお、年齢、症状により適宜減量する。
アミトリプチリン塩酸塩として、1日10~30mgを就寝前に経口投与する。
アミトリプチリン塩酸塩として、通常、成人1日10mgを初期用量とし、その後、年齢、症状により適宜増減するが、1日150mgを超えないこと。
抗コリン作用を有するため、症状が悪化するおそれがある。
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
循環器系に影響を及ぼすことがあり、これらの症状が悪化するおそれがある。
循環器系に影響を及ぼすことがある。
痙攣を起こすことがある。
躁転、自殺企図があらわれることがある。,,,,,,
精神症状を増悪させることがある。,,
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。,,,,,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。三環系抗うつ剤には動物実験で催奇形作用が報告されているものがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
小児等に対するうつ病治療の使用経験は少ないので、投与しないことが望ましい。
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。起立性低血圧、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼内圧亢進等があらわれやすい。
モノアミン酸化酵素阻害剤
発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等があらわれることがある。なお、モノアミン酸化酵素阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また本剤からモノアミン酸化酵素阻害剤に切りかえるときには、2~3日間の間隔をおくことが望ましい。
詳細は不明であるが、相加・相乗作用によると考えられる。
アルコール
本剤の作用が増強さ
れることがある。
アルコールが肝での本剤の代謝を阻害し、血中濃度が上昇すると考えられる。
抗コリン作動薬
併用によって受容体部位での抗コリン作用が相加される。
コリン作動薬
本剤がこれらの薬剤の作用を減弱することがある。
本剤がこれらの薬剤
の作用に拮抗すると
考えられる。
アドレナリン作動薬
アドレナリン作動薬の作用が増強されることがある。
三環系抗うつ剤は交感神経末梢へのノルアドレナリンの取り込みを抑制し、受容体のアドレナリン作動性を上昇させ、作用を増強させることがある。
中枢神経抑制剤
本剤の治療量において血中濃度が減少することがある。
本剤の中毒量において本剤の作用が増強されることがある。
本剤の治療量において、本剤の肝での代謝が増加することがある。
本剤の中毒量における有害作用を増強することがある。
降圧剤
降圧剤の作用を減弱することがある。
本剤はアドレナリン作動性神経末でのグアネチジンの取り込みを阻害し、降圧作用を減弱させると考えられている。
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
本剤の作用を減弱するおそれがある。
機序不明
カリウム製剤(徐放性、腸溶剤)
カリウム製剤の消化管粘膜刺激があらわれやすい。
本剤の抗コリン作用により消化管運動が抑制される。
クマリン系抗凝血剤
抗凝血作用を増強するおそれがある。
ワルファリンの肝での代謝が阻害されると考えられている。
トラマドール塩酸塩
痙攣発作の危険性が増大するとの報告がある。
血糖降下剤
これらの薬剤の血糖降下作用を増強することがある。
機序は不明であるが、他の三環系抗うつ剤でインスリン感受性を増強する等の報告がある。
バルプロ酸ナトリウム
本剤の作用が増強されることがある。
本剤の血中濃度が上昇することがある。
CYP3A4誘導作用を有する薬剤等
本剤の血中濃度を減少させると考えられる。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
本剤の作用を増強するおそれがある。
本剤の血中濃度を増加させると考えられる。
CYP2D6阻害作用を有する薬剤
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、またミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
不安、焦燥、せん妄、興奮、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクロヌス、反射亢進、下痢等があらわれた場合には投与を中止し、水分の補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと1),2)。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
血圧低下、頻脈
血圧上昇、動悸、不整脈、心発作、心ブロック
精神神経系
眠気
振戦等のパーキンソン症状、運動失調、四肢の知覚異常、焦燥
構音障害
不眠、不安、口周部等の不随意運動(長期投与時)
過敏症
発疹
蕁麻疹
血液
白血球減少
肝臓
黄疸
肝機能障害、AST上昇、ALT上昇
消化器
口渇
悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、便秘
味覚異常
泌尿器
排尿困難
尿閉
その他
ふらつき、頭痛、眩暈、倦怠感、発汗、視調節障害
眼内圧亢進
体重増加
嗜眠、昏迷、幻視、錯乱、激越、痙攣、筋硬直、反射亢進等の中枢神経症状や重篤な低血圧、頻脈、不整脈、QT延長、伝導障害、心不全等の循環器症状並びに呼吸抑制、低体温、異常高熱、嘔吐、散瞳等があらわれる。
心電図検査を行い、異常が認められた場合には少なくとも5日間は心機能を十分に観察することが望ましい。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、さらには穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
うつ病患者15例にアミトリプチリン塩酸塩を2週間以上1日30mg、75mg、125~180mg3分割経口投与したときのアミトリプチリンの血漿中濃度は、それぞれ36±5ng/mL、43±3ng/mL、79±10ng/mLであり、また代謝物であるノルトリプチリンの血漿中濃度はそれぞれ8±2ng/mL、22±4ng/mL、89±25ng/mLであった3),4)。
うつ病・うつ状態に対する一般臨床試験では有効率60.9%(357/586例)を示した。
夜尿症に対する一般臨床試験では有効率75.0%(379/505例)を示した。
夜尿症が認められる患者(38例)を対象にしたプラセボを対照薬とする二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められた5)。
本剤の抗うつ作用に関する詳細な作用機序は明らかにされていないが、脳内におけるノルアドレナリン及びセロトニン再取り込みを抑制する結果、シナプス領域にこれらモノアミン量が増量することにより抗うつ作用を示すと考えられている。さらに、これらの活性アミンのシナプス間隙での増加によっておこるアドレナリンβ受容体の機能低下やセロトニン受容体機能の変化が抗うつ薬の作用機序として有力視されている6)。
マウスのレセルピンによる体温降下及びテトラベナジンによる鎮静作用をアミトリプチリンは抑制した7)。
麻酔イヌにおけるノルアドレナリンの昇圧反応をアミトリプチリンは増強した7)。
ラット脳でのノルアドレナリンの再取り込み及びマウス脳切片でのセロトニンの再取り込みをアミトリプチリンは抑制した8),9)。
アミトリプチリン塩酸塩(Amitriptyline Hydrochloride)
3-(10,11-Dihydro-5H-dibenzo[a,d]cyclohepten-5-ylidene)-N,N-dimethylpropylamine monohydrochloride
C20H23N・HCl
313.86
無色の結晶又は白色~微黄色の結晶性の粉末で、味は苦く、麻痺性である。水、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。1.0gを水20mLに溶かした液のpHは4.0~5.0である。
195~198℃
開封後は光を避けて保存すること。
100錠[10錠×10;PTP]
500錠[10錠×50;PTP]
500錠[プラスチックボトル;バラ:乾燥剤入り]
1000錠[10錠×100;PTP]
1000錠[プラスチックボトル;バラ:乾燥剤入り]
1) Beckstrom D., et al.:JAMA. 1979;241(2):133
2) Luzecky M. H., et al.:South. Med. J. 1974;67(4):495-497
3) 浅野裕 他:精神薬療基金研究年報. 1976;8:189-194
4) 浅野裕 他:精神薬療基金研究年報. 1978;9:119-127
5) 宮崎澄雄 他:臨床と研究. 1973;50(9):2748-2754
6) 高橋彩子 他:臨床と研究. 2000;77(5):944-948
7) Vernier V. G., et al.:Psychosomatic Medicine, The Hahneman Symposium, Lea and Eebiger, Phila. 1962;683-690
8) Glowinski J., et al.:Nature. 1964;204:1318-1319
9) Ross S. B., et al.:Eur. J. Pharmacol. 1969;7:270-277
日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
TEL(0120)517-215
FAX(076)442-8948
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.