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日本薬局方
パパベリン塩酸塩注射液
処方箋医薬品注)
胃炎、胆道(胆管・胆のう)系疾患
パパベリン塩酸塩として、通常、成人1回30~50mg、1日100~200mgを注射する。主として皮下注射するが、筋肉内注射することもできる。また、急性動脈塞栓には1回50mgを動脈内注射、急性肺塞栓には1回50mgを静脈内注射することができる。なお、年齢、症状により適宜増減する。
1回投与量
1日投与量
0.75~1.25mL
2.5~5mL
急性動脈塞栓
1.25mL
急性肺塞栓
眼圧上昇作用により、緑内障を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
*レボドパ含有製剤
レボドパの作用を減弱し、パーキンソン症状を悪化させることがある。
機序は不明である。
*メタコリン塩化物
*メタコリン塩化物による検査において、正確な検査結果が得られない可能性がある。
*本剤の気管支拡張作用と拮抗するおそれがある。
頻度不明
肝臓
アレルギー性の肝障害
過敏症
発疹
循環器
心悸亢進、不整脈、血圧上昇
精神神経系
めまい、眠気、脱力感、頭痛
消化器
嘔気、便秘、口渇、食欲不振、心窩部痛
その他
顔面潮紅、発汗、持続勃起
イオキサグル酸(X線造影剤)と混合すると沈殿を生じる可能性があるので、併用する場合には、別々に使用するか、又はカテーテル内を生理食塩液で洗浄するなど、直接混合しないよう注意すること。
組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
急激な静注による呼吸停止を避けるため、静脈内に投与する場合には、できるだけゆっくり注射すること。
脳血管れん縮において動脈内注射した場合、一過性の神経麻痺や意識障害等が報告されている。
成人男子にパパベリン塩酸塩3mg/kgを1回静脈内投与注1)した場合の薬物動態パラメータは以下のとおりであった1),2)(外国人データ)。
t1/2(hr)
0.37(α相)
1.75(β相)
投与後、主として肝臓においてほぼ完全に代謝され、フェノール性代謝物及びそのグルクロン酸抱合体になる1)(外国人データ)。
主として尿中に排泄される。成人男子にパパベリン塩酸塩10mg/kgを1回経口投与注1)した場合、投与後48時間までの尿中において、未変化体はほとんど認められず、投与量の約64%はフェノール性代謝物のグルクロン酸抱合体として尿中排泄された1),3)(外国人データ)。
各種平滑筋に直接作用して平滑筋の異常緊張及び痙れんを抑制する作用を有する。ことに平滑筋が痙れん性に収縮している場合に鎮痙作用は著しい4)。基本的な薬理作用は、ホスホジエステラーゼの阻害による細胞内cAMP含量の増加とCa2+の細胞内への流入抑制である。主としてこの両作用により平滑筋弛緩作用を現す5)。
イヌの胃では、2~6mg/kgの筋肉内及び静脈内投与で、胃蠕動の停止を伴う緊張下降が常にあらわれ、1~3時間持続した。皮下投与の場合では、少量では作用は軽度であったが、大量では筋肉内及び静脈内投与時と同等の作用が認められている6)。また、家兎及びイヌを用いた摘出胃幽門部あるいは生体胃幽門部における作用を検討し、いずれの場合にも運動振幅の縮小ないし運動抑制を認めている7)。子ウシ摘出胆管では、BaCl2による痙攣に対する拮抗作用を認めている8)。
家兎耳殻血管灌流において灌流液量の著明な増加がみられ、また、家兎耳介動脈の拡張がみられた7),9)。イヌの摘出脳、冠動脈においてパパベリン1~20μMはカルシウムによる収縮を用量依存性に阻害した。一方、腸管膜動脈においては、パパベリン1μMは効果がなく、5μM以上で有意に減弱させた。脳、冠、腸間膜動脈での平均ID50はそれぞれ3.5、4.9、12μMであった10)。
パパベリン塩酸塩(Papaverine Hydrochloride)
6,7-Dimethoxy-1-(3,4-dimethoxybenzyl)isoquinoline monohydrochloride
C20H21NO4・HCl
375.85
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水又は酢酸(100)にやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、無水酢酸又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
1mL×10管
1) Axelrod J., et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther. 1958;124(1):9-15
2) Ritschel W. A. & Hammer G. V.:Int. J. Clin. Pharmacol. 1977;15(5):227-229
3) Belpaire F. M., et al.:Xenobiotica. 1978;8(5):297-300
4) 相澤豊三:脳循環とその臨床 中外医学社 1966;239-245
5) 第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店 2021;C4058-C4063
6) Gross E. G. & Slaughter D. H.:J. Pharmacol. 1931;43(3):551-562
7) 本多淳子:医学研究. 1956;26(9):2567-2582
8) Crema A., et al.:Arch. Int. Pharmacodyn. 1966;161(1):116-119
9) 長谷川八千代:久留米医学会雑誌. 1960;23(11):5185-5207
10) Hayashi S. & Toda N.:Br. J. Pharmacol. 1977;60(1):35-43
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