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デノパミン錠5mg「日医工」/デノパミン錠10mg「日医工」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2心筋収縮力増強(陽性変力)作用
18.3心拍数、心筋酸素消費量、血圧に及ぼす影響
18.4末梢血流に及ぼす影響
18.5不整脈誘発作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

デノパミン錠5mg「日医工」/デノパミン錠10mg「日医工」

添付文書番号

2119004F1055_1_04

企業コード

530169

作成又は改訂年月

2023年8月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872119

薬効分類名

心機能改善剤

承認等

デノパミン錠5mg「日医工」

販売名コード

YJコード

2119004F1055

販売名英語表記

Denopamine Tablets

販売名ひらがな

でのぱみんじょう5mg「にちいこう」

承認番号等

承認番号

22500AMX01279000

販売開始年月

2001年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

デノパミン錠10mg「日医工」

販売名コード

YJコード

2119004F2051

販売名英語表記

Denopamine Tablets

販売名ひらがな

でのぱみんじょう10mg「にちいこう」

承認番号等

承認番号

22500AMX01280000

販売開始年月

2001年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

デノパミン

3. 組成・性状

3.1 組成

デノパミン錠5mg「日医工」

有効成分1錠中
デノパミン   5mg
添加剤乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム

デノパミン錠10mg「日医工」

有効成分1錠中
デノパミン   10mg
添加剤乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム

3.2 製剤の性状

デノパミン錠5mg「日医工」

剤形素錠
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径6.0mm
厚さ2.8mm
質量90mg
本体コード574
包装コード574

デノパミン錠10mg「日医工」

剤形素錠
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径7.0mm
厚さ2.9mm
質量120mg
本体コード575
包装コード575

4. 効能又は効果

慢性心不全

6. 用法及び用量

デノパミンとして通常成人1日量15~30mgを3回に分けて経口投与する。
年齢、症状により適宜増減する。
ただし、多くの場合、他剤(ジギタリス、利尿剤、血管拡張剤等)と併用する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 1日あたりの製剤量は以下のとおりである。

    成人1日量(15mg~30mg)

    デノパミン錠5mg

    3~6錠

    デノパミン錠10mg

    3錠

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤投与中、心電図検査を定期的に行うこと、特に心室性期外収縮、心室頻拍等の不整脈の管理のため、心電図検査は通常3~6ヵ月ごとに実施することが望ましい。
  2. 8.2 心室性期外収縮、心室頻拍等の不整脈の発現は慢性心不全の重症例に多くみられている。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 急性心筋梗塞の患者

    胸痛、前胸部不快感等の症状が発現することがある。

  2. 9.1.2 不整脈のある患者

    心室性期外収縮等の不整脈が発現することがある。

  3. 9.1.3 肥大型閉塞性心筋症(特発性肥厚性大動脈弁下狭窄)の患者

    心収縮力増強作用により、左室流出障害を増強させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で、催奇形性(骨格異常)、胎児の致死及び発育抑制(ラット及びウサギ)、出生児の生存率低下、体重増加抑制、下腹部大動脈の血栓形成等(ラット)が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討すること。動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

少量より開始するなど慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 心室頻拍等の不整脈(0.1~5%未満)

    症状があらわれた場合には、減量、休薬又は抗不整脈剤を投与するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

0.1%未満

循環器

頻脈、心室性期外収縮等の不整脈、動悸

血圧上昇、胸痛、前胸部不快感

精神神経系

頭痛

消化器

嘔気、嘔吐、食欲不振、腹痛

肝臓

AST、ALTの上昇

過敏症

発疹、そう痒

注)発現頻度は、製造販売後調査の結果を含む。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    健康被験者にデノパミン10mgを単回経口投与した場合、血漿中濃度は0.5~2時間後に最高に達し、以後約4時間の半減期で減少する1)

    健康被験者にデノパミン製剤を単回経口投与した時の薬物動態パラメータ
    (投与量各10mg、mean±SE、n=9)

    Cmax
    (ng/mL)

    Tmax
    (hr)

    AUC24
    (ng・hr/mL)

    AUC
    (ng・hr/mL)

    t1/2
    (hr)

    5mg錠
    (2錠)

    19.2±2.4

    0.83±0.17

    64.4±5.5

    68.3±6.4

    4.02±0.88

    10mg錠
    (1錠)

    15.5±1.6

    0.89±0.16

    54.3±3.3

    57.2±3.5

    4.00±0.93

    5%細粒
    (200mg)

    16.9±1.3

    0.50±0.00

    56.7±4.5

    59.3±4.8

    3.67±0.61

  2. 16.1.2 生物学的同等性試験
    1. (1) デノパミン錠5mg「日医工」

      デノパミン錠5mg「日医工」及びカルグート錠5を、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠(デノパミンとして10mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2)

      薬物動態パラメータ

      判定パラメータ

      参考パラメータ

      AUC0→9

      (ng・hr/mL)

      Cmax

      (ng/mL)

      Tmax

      (hr)

      t1/2

      (hr)

      デノパミン錠5mg「日医工」

      39.67±8.78

      14.40±5.66

      0.700±0.318

      3.30±1.43

      カルグート錠5

      40.03±8.90

      15.10±7.34

      0.717±0.394

      3.16±1.12

      (2錠投与,Mean±S.D.,n=20)

      血漿中薬物濃度推移

      血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

    2. (2) デノパミン錠10mg「日医工」

      デノパミン錠10mg「日医工」及びカルグート錠10を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(デノパミンとして10mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された3)

      薬物動態パラメータ

      判定パラメータ

      参考パラメータ

      AUC0→9

      (ng・hr/mL)

      Cmax

      (ng/mL)

      Tmax

      (hr)

      t1/2

      (hr)

      デノパミン錠10mg「日医工」

      38.05±15.16

      13.32±6.10

      0.742±0.380

      3.52±1.41

      カルグート錠10

      39.99±12.74

      13.59±4.72

      0.767±0.356

      3.75±1.02

      (1錠投与,Mean±S.D.,n=20)

      血漿中薬物濃度推移

      血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

in vitroにおけるデノパミンとヒト血漿蛋白との結合率は43%であった4)

16.4 代謝

ヒトでは酸化的脱メチル化、芳香環の水酸化に伴う水酸基のメチル化及びこれらの抱合化により代謝される5)

16.5 排泄

健康成人男子にデノパミン10mgを経口投与したとき、24時間以内に投与量の30~40%が尿中に排泄される。尿中排泄物は、未変化体とその抱合体が約半量で、残りは脱メチル化体(3'又は4')と芳香環の水酸化体の抱合体である5)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験

    心筋症、虚血性心疾患、高血圧症、弁膜疾患等に基づく慢性心不全患者(227例)を対象とした多施設二重盲検試験において、デノパミン15~30mg/日を4週間投与したとき、デノパミンの有用性が認められている。副作用発現頻度はデノパミン群で15.0%(17例/113例)であった。主な副作用は、心室性期外収縮4.4%(5例/113例)、動悸1.8%(2例/113例)、胸部圧迫感1.8%(2例/113例)であった6)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

アドレナリンβ1受容体に選択的な刺激剤である。isoproterenolに比べ心筋のcAMP産生が少ない量で同程度の心筋収縮力増強作用を示した7) (イヌ)。

18.2 心筋収縮力増強(陽性変力)作用

  1. 18.2.1 摘出心筋(モルモット)の収縮力をouabain(ジギタリス様物質)と同程度増強させる8) (in vitro)。
  2. 18.2.2 0.4mg/kgを単回経口投与した場合、心筋収縮能(LV dp/dt max)の増強は2時間後ピークに達し(66%増強)、7時間持続する。血圧、心拍数には有意な変化は示さない9) (イヌ)。

18.3 心拍数、心筋酸素消費量、血圧に及ぼす影響

  1. 18.3.1 同程度の心筋収縮能増強作用を示す用量での心拍数増加作用は、isoproterenolの約1/3である10) (ネコ)。
  2. 18.3.2 心筋収縮能(LV dp/dt max)を18%増加させる量では心拍数、血圧、心筋酸素消費量は有意な変化を示さない11) (イヌ)。

18.4 末梢血流に及ぼす影響

心拍出量増加に伴い冠血流量11) 、腎血流量12) 並びに大腿動脈血流量10) 、総頸動脈血流量10) を増加する(イヌ)。

18.5 不整脈誘発作用

期外収縮、心室細動の発生はouabainが発生させる量の30倍量の静注においても発現しない13) (モルモット)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

デノパミン(Denopamine)

化学名

(-)-(R)-1-(p-hydroxyphenyl)-2-[(3,4-dimethoxyphenethyl)amino]ethanol

分子式

C18H23NO4

分子量

317.38

性状

白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
N, N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、酢酸(100)にやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
希塩酸又は水酸化ナトリウム試液に溶ける。

化学構造式

融点

164~168℃(分解)

22. 包装

  • 〈デノパミン錠5mg「日医工」〉

    100錠[10錠×10;PTP]

  • 〈デノパミン錠10mg「日医工」〉

    100錠[10錠×10;PTP]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

日医工株式会社 お客様サポートセンター

〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21

TEL(0120)517-215
FAX(076)442-8948

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

日医工株式会社

富山市総曲輪1丁目6番21

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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