当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
日本薬局方
ファモチジン注射液
処方箋医薬品注)
手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷により、ストレス潰瘍が発症する可能性が考えられる場合に限り使用すること。なお、広範囲熱傷はBurn Index10以上の熱傷を目安とすること。
通常、成人にはファモチジンとして1回20mgを1日2回(12時間毎)緩徐に静脈内投与する。又は輸液に混合して点滴静注する。なお、年齢・症状により適宜増減する。上部消化管出血及びZollinger-Ellison症候群では、一般的に1週間以内に効果の発現をみるが、内服可能となった後は経口投与に切りかえる。侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷)による上部消化管出血の抑制では、術後集中管理又は集中治療を必要とする期間(手術侵襲ストレスは3日間程度、その他の侵襲ストレスは7日間程度)の投与とする。
通常、成人にはファモチジンとして1回20mgを麻酔導入1時間前に緩徐に静脈内投与する。
ファモチジンは主として腎臓から未変化体で排泄される。腎機能低下患者にファモチジンを投与すると、腎機能の低下とともに血中未変化体濃度が上昇し、尿中排泄が減少するので、次のような投与法を目安とする1)。
クレアチニンクリアランス(mL/min)
投与法
Ccr≧60
1回20mg 1日2回
60>Ccr>30
1回20mg 1日1回1回10mg 1日2回
30≧Ccr
1回10mg 2日に1回1回5mg 1日1回
透析患者
1回10mg 透析後1回1回5mg 1日1回
心血管系の副作用を起こすおそれがある。
血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか投与間隔をあけて使用すること。,
症状が悪化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
本剤を減量するか投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では、腎機能が低下していることが多いため血中濃度が持続するおそれがある。
左記の薬剤の血中濃度が低下する。
本剤の胃酸分泌抑制作用が左記薬剤の経口吸収を低下させる2),3)。
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫〈顔面浮腫、咽頭浮腫等〉、蕁麻疹等)があらわれることがある。
再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少(初期症状として全身倦怠感、脱力、皮下・粘膜下出血、発熱等)があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
AST・ALT等の上昇、黄疸があらわれることがある。
高カリウム血症、ミオグロビン尿、血清逸脱酵素の著明な上昇、筋肉痛等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
特に心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)を有する患者においてあらわれやすいので、投与後の患者の状態に十分注意すること。
意識障害、全身痙攣(痙直性、間代性、ミオクローヌス性)があらわれることがある。特に腎機能障害を有する患者においてあらわれやすいので、注意すること。
初期症状として発熱、皮疹、腎機能検査値異常(BUN・クレアチニン上昇等)等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹・皮疹、蕁麻疹(紅斑)、顔面浮腫
血液
白血球減少
好酸球増多
消化器
便秘
下痢・軟便、口渇、悪心・嘔吐、腹部膨満感、食欲不振、口内炎
循環器
血圧上昇、顔面潮紅、耳鳴
徐脈、頻脈、房室ブロック
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇
総ビリルビン上昇、LDH上昇
肝機能異常、黄疸
精神神経系
全身倦怠感、無気力感、頭痛、眠気、不眠
可逆性の錯乱状態、うつ状態、痙攣、意識障害
内分泌系
月経不順、女性化乳房
*インジケーター(酸素検知剤:ピンク色の錠剤)及び脱酸素剤は品質保持を目的に封入しているため、薬液に溶解しないこと。
本剤の投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。
ヒトにファモチジンを投与したときの尿中の代謝物は、S-oxide体のみであり、投与量に対するS-oxide体の割合は静脈内投与で2~8%である4)。
ファモチジン投与後24時間までの未変化体の尿中排泄率は、静脈内投与で71.5~72.3%である4)。
平均Ccr値
(mL/min/1.48m2)
t1/2β
(h)
AUC
(ng・h/mL)
Ctot
(mL/min)
98.9
n=7
2.59
857
412
73.8
n=9
2.92
909
381
49.2
n=5
4.72
1424
242
10.3
n=10
12.07
4503
84
静脈内投与による一般臨床試験(57例)、用量検討試験(103例)及び二重盲検比較試験(59例)、計219例の概要は次のとおりである5),6),7),8)。
上部消化管出血
止血効果:
静脈内投与による止血効果は91.2%(165/181)を示し、二重盲検比較試験によって本剤の有用性が認められた。用量検討試験及び二重盲検比較試験における1回20mg、1日2回静脈内投与での止血効果は91.0%(91/100)で、投与36時間以内の止血率は66.0%(66/100)、3日以内の止血率は84.0%(84/100)であった。
止血維持効果:
静脈内投与での止血後経口投与(1回20mg1日2回)による止血維持効果は良好であった。
静脈内投与による一般臨床試験(85例)、用量検討試験(189例)及び二重盲検比較試験(209例)、計483例の概要は次のとおりである9),10),11),12),13),14),15),16)。
侵襲ストレスによる上部消化管出血の抑制
手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・臓器不全・熱傷の侵襲ストレスによる胃酸分泌の亢進を抑制することを目的とした臨床試験における1回20mg、1日2回静脈内投与での有効率は77.4%(250/323)を示し、二重盲検比較試験によって本剤の有用性が認められた。
静脈内投与による非盲検比較試験81例の概要は次のとおりである17)。
麻酔前投薬
麻酔時における誤嚥性肺炎の防止を目的とした臨床試験において、本剤は1回20mg、静脈内投与において、有意に胃液量を減少させ、胃液pHを上昇させた。その有効性は89.2%(66/74)であった。
ファモチジンはヒスタミンH2受容体遮断薬である。H2受容体は胃酸分泌に中心的な役割を果たしているので、これを遮断することにより、強力な胃酸分泌抑制作用をあらわす18)。
健康成人又は消化性潰瘍患者における、基礎及び各種刺激剤投与時の2時間胃酸及びペプシン分泌量は、20mg経口投与によりそれぞれ71.6~99.6%、29.5~96.9%抑制される。
胃酸分泌抑制率
(%)
ペプシン分泌抑制率
基礎分泌19)
98.0
71.0
テトラガストリン(4μg/kg、筋注)刺激分泌20)
94.7
75.1
ベタゾール(1mg/kg、筋注)刺激分泌20)
99.6
96.9
インスリン(0.2IU/kg、静注)刺激分泌21)
71.6
29.5
また、20mg静脈内投与で基礎分泌、テトラガストリン、ベタゾール刺激分泌を抑制する22),23)。
健康成人又は消化性潰瘍患者の午後11時から午前6時までの7時間胃酸及びペプシン分泌量は、20mg経口投与によりそれぞれ91.8%、71.8%抑制される24)。
健康成人の胃酸分泌量は、20mg経口投与により、午後8時から12時間以上にわたり抑制される。胃内pHは、投与12時間後まで4.2~6.0の範囲で推移する25)。
血中濃度と胃酸分泌抑制率との間には正の相関関係がみられ、胃酸分泌量を50%抑制するときの血中濃度は13ng/mLである26)。
0.1~0.2mg/kgの静脈内投与では健康成人の胃粘膜血流量を増加させる傾向が認められる27)。
潰瘍患者の胃液中粘液物質濃度に影響を及ぼさない28)。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍患者に20mg経口投与した場合、胃排出能に影響を及ぼさない29)。
20mg静脈内投与は、健康成人の肝血流量、門脈血流量に影響を及ぼさない30)。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍患者に20mg1日2回、1~2カ月経口投与した場合、血中ガストリン値に影響を及ぼさない31)。
20mg静脈内投与、20mg1日2回4週間経口投与は、健康成人、消化性潰瘍患者の血中プロラクチン、性腺刺激ホルモン、性ホルモン値に影響を及ぼさない32)。
In vitroにおけるモルモット摘出心房の心拍数及びラット摘出子宮の収縮、並びにイヌin vivoの胃酸分泌を指標にしたH2受容体拮抗作用は、シメチジンに比し10~148倍強力である33),34)。
イヌのヒスタミン刺激時の胃酸分泌抑制効果は、シメチジンに比し作用強度で約40倍強く、持続時間で約1.3~1.5倍長い35),36)。
また、ラットの各種侵襲ストレスにおける胃酸分泌抑制効果は、ピレンゼピン塩酸塩水和物と同等かあるいはやや強く、シメチジン、ラニチジン塩酸塩より強い37)。
ラットのストレスによる胃粘膜中糖蛋白量の減少を有意に抑制する36)。
ラットのインドメタシン、アスピリン、プレドニゾロン、ストレス及び幽門結紮による胃潰瘍あるいはメピリゾールによる十二指腸潰瘍の発生に対してシメチジンよりも強い抑制効果を示す。また、連続投与により酢酸による胃潰瘍及びメピリゾールによる十二指腸潰瘍の治癒を促進し、効力はシメチジンより強い38),39),40)。
脱血及びヒスタミン投与によるラットの胃出血に対し抑制作用を示す36)。
ファモチジン(Famotidine)
N-Aminosulfonyl-3-{[2-(diaminomethyleneamino)-1,3-thiazol-4-yl]methylsulfanyl}propanimidamide
C8H15N7O2S3
337.45
白色~帯黄白色の結晶である。酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。0.5mol/L塩酸試液に溶ける。光によって徐々に着色する。
約164℃(分解)
10mL×10管
20mL×10管
20mL×50管
1) 猪爪信夫 他:Prog. Med. 1996;16(11):2897-2903
2) 二木芳人:Today's Therapy. 1994;18(2):42-45
3) Lim S. G., et al.:Aliment. Pharmacol. Ther. 1993;7:317-321
4) Echizen H. and Ishizaki T.:Clin. Pharmacokinet. 1991;21(3):178-194
5) 城所仂 他:薬理と治療. 1983;11(9):3659-3674
6) 三好秋馬 他:診療と新薬. 1983;20(10):2123-2132
7) 小坂義種 他:薬理と治療. 1983;11(10):4327-4335
8) 城所仂 他:薬理と治療. 1984;12(1):333-351
9) 田村晃 他:新薬と臨床. 1990;39(12):2485-2493
10) 川島康生 他:新薬と臨床. 1990;39(11):2238-2248
11) 大塚敏文 他:薬理と治療. 1991;19(1):339-349
12) 青木照明 他:医学と薬学. 1991;25(1):233-242
13) 大塚敏文 他:診療と新薬. 1990;27(12):2235-2254
14) 青木照明 他:医学と薬学. 1991;25(2):499-513
15) 大塚敏文 他:診療と新薬. 1991;28(1):1-12
16) 大塚敏文 他:診療と新薬. 1991;28(1):13-23
17) 玉井直 他:臨床薬理. 1987;18(3):553-564
18) 第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店 2021;C4521-C4524
19) 大江慶治 他:内科宝函. 1983;30(11):365-378
20) 大江慶治 他:内科宝函. 1984;31(1):11-24
21) 渡部洋三 他:薬理と治療. 1983;11(9):3637-3650
22) 三好秋馬 他:基礎と臨床. 1983;17(9):2909-2916
23) 三好秋馬 他:基礎と臨床. 1983;17(9):2917-2927
24) 大江慶治 他:内科宝函. 1984;31(2):51-62
25) 池添逸夫 他:日本消化器病学会雑誌. 1983;80(Suppl.):694
26) Miwa M., et al.:Int. J. Clin. Pharmacol. Ther. Toxicol. 1984;22(4):214-217
27) 宮本二郎 他:薬理と治療. 1983;11(9):3651-3658
28) 森治樹 他:日本臨床. 1984;42(1):150-157
29) 原沢茂 他:診療と新薬. 1983;20(9):1859-1864
30) 大西久仁彦 他:薬理と治療. 1983;11(10):4301-4304
31) 三好秋馬 他:新薬と臨床. 1983;32(9):1383-1395
32) 早川滉 他:臨床成人病. 1984;14(4):571-577
33) 竹田正明 他:基礎と臨床. 1983;17(9):2878-2882
34) Takeda M., et al.:Eur. J. Pharmacol. 1983;91(4):371-376
35) Takagi T., et al.:Arch. Int. Pharmacodyn. Ther. 1982;256(1):49-58
36) 竹田正明 他:基礎と臨床. 1984;18(12):6125-6134
37) 西田明登 他:基礎と臨床. 1991;25(1):223-232
38) Takeda M., et al.:Arzneimittel-Forschung. 1982;32(7):734-737
39) 岡部進 他:応用薬理. 1984;27(3):563-569
40) Ishihara Y., et al.:Digestion. 1983;27(1):29-35
日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
TEL(0120)517-215
FAX(076)442-8948
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.