当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
日本薬局方
イルソグラジンマレイン酸塩錠
通常成人イルソグラジンマレイン酸塩として1日4mgを1~2回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量(例えば2mg/日)から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
1%未満
頻度不明
消化器
便秘、下痢、嘔気・嘔吐
肝臓
AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTP、ビリルビン等の上昇
皮膚
発疹
そう痒感、発赤、湿疹、多形滲出性紅斑、浮腫性紅斑
その他
胸部圧迫感
発熱
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人における本剤の血漿中からの消失半減期は約150時間である。
健康成人男子4名にイルソグラジンマレイン酸塩4mgを単回経口投与した場合、未変化体の血漿中濃度は投与後約3.5時間で最高値(Cmax)に達し、その後、約150時間の消失半減期で減少した1)。
Tmax(hr)
Cmax(μg/mL)
t1/2(hr)
AUC0-∞(μg・hr/mL)
3.5±1.9
0.154±0.034
152±47
23.0±5.0
平均値±標準偏差、(n=4)
健康成人男子6名にイルソグラジンマレイン酸塩2mgを1日1回、28日間反復経口投与した場合、未変化体の血漿中濃度は投与14日以降ほぼ定常状態となった。投与終了後血漿中濃度は緩やかに減少し、消失半減期は約170時間であった2)。
胃潰瘍患者10名にイルソグラジンマレイン酸塩4mgを4週間から8週間1日1回あるいは2回に分割経口投与した場合、健康成人男子にイルソグラジンマレイン酸塩2mgを反復投与した場合と同様に投与後約2週間で定常状態に達していた3)。
イルソグラジンマレイン酸塩錠2mg「日医工」及びガスロンN錠2mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠(イルソグラジンマレイン酸塩として4mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中イルソグラジン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された4)。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0→168
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
イルソグラジンマレイン酸塩錠2mg「日医工」
7264.3±1416.9
89.8±17.3
1.45±1.33
119.8±43.4
ガスロンN錠2mg
7381.8±1443.1
95.2±18.1
1.30±1.38
120.4±58.9
(2錠投与, Mean±S.D., n=20)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
イルソグラジンマレイン酸塩錠4mg「日医工」及びガスロンN錠4mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(イルソグラジンマレイン酸塩として4mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中イルソグラジン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された5)。
イルソグラジンマレイン酸塩錠4mg「日医工」
7328.0±1905.3
90.2±18.9
1.33±0.91
139.1±99.3
ガスロンN錠4mg
7584.9±1601.2
92.5±16.2
2.03±5.18
138.0±64.3
(1錠投与, Mean±S.D., n=20)
14C-イルソグラジンを静脈内投与した後の胃粘膜での放射能濃度は血漿中より高かった(ラット)6)。
14C-イルソグラジンの1%ヒト血清アルブミンに対する結合率は62.4%であった6)。
健康成人男子にイルソグラジンマレイン酸塩4mgを経口投与した場合、尿中主代謝物は、イルソグラジンのm-OH体の抱合体であり、この他p-OH体の抱合体及びN-oxide体が検出された1)。なお、これらの代謝物の薬理作用・毒性は未変化体と比較して、著しく弱いかほとんど認められなかった7)。
健康成人男子にイルソグラジンマレイン酸塩4mgを経口投与した場合、80時間までの尿中排泄率は未変化体が1.77%、m-OH体の抱合体が3.54%、p-OH体の抱合体が0.79%およびN-oxide体が0.94%であった1)。
胃潰瘍患者を対象に8週間投与した二重盲検比較試験において有効性が認められている8)。
国内201施設において急性胃炎又は慢性胃炎の急性増悪期と診断された症例を対象として行われた臨床試験の結果、全般改善度は中等度改善以上85.2%(283/332例)であった9),10),11),12),13),14),15)。なお、二重盲検比較試験においても有効性が認められている。
胃粘膜障害物質(胃酸等)による胃粘膜表層上皮細胞の細胞間間隙開大や胃粘膜血流低下を抑制することにより細胞防御作用を示す。これらの作用には本剤の胃粘膜内cAMP増加作用や細胞間コミュニケーション活性化作用(組織の共役促進による粘膜抵抗力及びバリア機能の増強)が関与すると考えられている。
水浸拘束ストレス潰瘍(ラット)16),17)、エタノール潰瘍(ラット)17)、Shay潰瘍(ラット)16),17)、インドメタシン潰瘍(ラット)16),17),18)、ヒスタミン潰瘍(モルモット)16)・(ラット)17)、アスピリン潰瘍(ラット)17)、モノクロラミン潰瘍(ラット)19)、虚血再灌流胃粘膜障害(ラット)20)等の急性実験潰瘍や酢酸胃潰瘍(ラット)16)等の慢性実験潰瘍に対し、1~10mg/kgの低用量で用量依存的に抗潰瘍作用を示す。
エタノール誘起胃炎及びタウロコール酸誘起萎縮性胃炎並びにアンモニア誘起胃粘膜障害に対し、用量依存的に抑制又は治癒促進効果を示す(ラット)21)。
酢酸潰瘍辺縁粘膜血流量を用量依存的に増加させ(イヌ)25)、モノクロラミンによる胃粘膜血流の低下を抑制する(ラット)19)。
ウサギ胃粘膜培養上皮細胞を用いたDye Coupling法において、細胞間コミュニケーション活性化作用を示す(in vitro)28)。
イルソグラジンマレイン酸塩(Irsogladine Maleate)
6-(2,5-Dichlorophenyl)-1,3,5-triazine-2,4-diamine monomaleate
C9H7Cl2N5・C4H4O4
372.16
白色の結晶又は結晶性の粉末で、味はやや苦い。酢酸(100)又はエチレングリコールにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
100錠[10錠×10;PTP]
1000錠[10錠×100;PTP]
1) Nakashima M., et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1984;34(Ⅰ)(4):492-498
2) 中島光好 他:臨床薬理. 1984;15(1):45-46
3) 田村和民 他:診療と新薬. 1987;24(4):857-866
4) 社内資料:生物学的同等性試験(錠2mg)
5) 社内資料:生物学的同等性試験(錠4mg)
6) Ando T., et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1986;36(Ⅱ)(8):1221-1228
7) 上田房雄 他:応用薬理. 1986;32(5):861-872
8) 三好秋馬 他:消化器科. 1986;5(1):100-120
9) 三好秋馬 他:臨床医薬. 1993;9(2):333-355
10) 三好秋馬 他:臨床医薬. 1993;9(2):357-385
11) 高谷章 他:基礎と臨床. 1992;26(14):5437-5445
12) 鵜浦雅志 他:新薬と臨床. 1992;41(11):2461-2474
13) 隅井浩治 他:基礎と臨床. 1992;26(14):5447-5457
14) 児玉正 他:新薬と臨床. 1992;41(11):2477-2494
15) 成澤林太郎 他:基礎と臨床. 1992;26(14):5461-5474
16) Ueda F., et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1984;34(Ⅰ)(4):474-477
17) 岡部進 他:応用薬理. 1982;24(5):683-689
18) 上田房雄 他:薬理と治療. 2000;28(5):407-410
19) Kyoi T., et al.:J. Pharmacol. Sci. 2003;93(3):314-320
20) Kyoi T., et al.:J. Pharmacol. Sci. 2004;95(3):321-328
21) 上田房雄 他:薬理と治療. 1990;18(5):2009-2014
22) 上田房雄 他:日薬理誌. 1987;89(5):279-284
23) 上田房雄 他:応用薬理. 1987;33(1):143-150
24) Ueda F., et al.:New Trends in Peptic Ulcer and Chronic Hepatitis, Ed. International Committee of JSG. 1987;364-370
25) 平松新 他:薬理と治療. 1983;11(7):2481-2487
26) Kyoi T., et al.:Life Sciences. 2004;76(1):71-83
27) Yamaoka Y., et al.:Gastroenterology. 1997;112(4):A336
28) Ueda F., et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther. 1994;271(1):397-402
日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
TEL(0120)517-215
FAX(076)442-8948
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.