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処方箋医薬品注)
胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胆嚢・胆道疾患、腎炎、尿毒症、乳幼児嘔吐、薬剤(制癌剤・抗生物質・抗結核剤・麻酔剤)投与時、胃内・気管内挿管時、放射線照射時、開腹術後
メトクロプラミドとして、通常成人1回7.67mgを1日1~2回筋肉内又は静脈内に注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
1回あたりの製剤量は以下のとおりである。
1回投与量
塩酸メトクロプラミドとして10㎎、注射液1管
悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。
高い血中濃度が持続するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中に移行することが報告されている。
過量投与にならないよう注意すること。錐体外路症状が発現しやすい。とくに脱水状態、発熱時等には注意すること。
副作用(錐体外路症状等)の発現に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。
内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる。
本剤及びこれらの薬剤は抗ドパミン作用を有するため、併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる。
ジギタリス剤飽和時の指標となる悪心・嘔吐、食欲不振症状を不顕性化するおそれがある。
本剤の制吐作用による。
カルバマゼピンの中毒症状(眠気、悪心・嘔吐、眩暈等)があらわれることがある。
機序不明
相互に消化管における作用を減弱するおそれがある。
本剤は消化管運動を亢進するため、抗コリン剤の消化管運動抑制作用と拮抗する。
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、喉頭浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
頻度不明
錐体外路症状注1)
手指振戦、筋硬直、頸・顔部の攣縮、眼球回転発作、焦燥感
内分泌
無月経、乳汁分泌、女性型乳房
消化器
胃の緊張増加、腹痛、下痢、便秘
循環器
血圧降下、頻脈、不整脈
精神神経系
眠気、頭痛、頭重、興奮、不安
過敏症
発疹、浮腫
その他
めまい、倦怠感
錐体外路症状、意識障害(昏睡)等があらわれることがある。また外国において、本剤の大量投与によりメトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。
透析によって除去されない。錐体外路症状に対しては、抗パーキンソン剤等を投与する。
ガラス微小片の混入を避けるため、エタノール綿等で清拭することが望ましい。
本剤はアルカリ性注射液と混合すると混濁を生じることがあるので配合しないこと。
下記の点に注意すること。
・筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ、必要最小限に行うこと。同一部位への反復注射は行わないこと。特に小児等には注意すること。
・神経走行部位を避けること。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き部位をかえて注射すること。
・注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
健康成人にメトクロプラミド20mgを経口投与した場合、消化管より速やかに吸収され約1時間後に最高血漿中濃度(54ng/mL)に達し、消失半減期4.7時間で減少した。健康成人にメトクロプラミド10mgを静脈内投与した場合、二相性に消失しβ相の半減期は5.4時間であった1)(外国人データ)。
授乳婦にメトクロプラミド10mgを経口投与した場合、母乳中への移行が認められている2)。
14C標識メトクロプラミド10mgを経口投与した場合、投与後24時間までに投与量の77.8%が、メトクロプラミド、N-グルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体として尿中に排泄された3)(外国人データ)。
文献57報より集計した2,332例(経口、注射投与を含む)の疾患別治療成績は次のとおりである。
胃炎、胃・十二指腸潰瘍に伴う消化器機能異常に対して、胃炎では164例中139例(84.8%)、胃・十二指腸潰瘍では48例中44例(91.7%)に効果がみられ、85~90%に奏効している。
胆道疾患、腎炎、尿毒症に伴う悪心・嘔吐に対して、胆道系では136例中91例(66.9%)、腎炎では60例中51例(85.0%)、尿毒症では52例中41例(78.8%)に効果が認められている。
習慣性嘔吐、神経性嘔吐、自家中毒症等の嘔吐に対して132例中109例(82.6%)、胃腸炎による嘔吐に対して54例中52例(96.3%)に効果が認められている。また、神経性食思不振においては44例中29例(65.9%)に効果が認められている。
麻酔及び手術時の悪心・嘔吐に対し204例中178例(87.3%)、麻酔及び手術後の悪心・嘔吐に対し93例中81例(87.1%)に効果が認められている。
抗結核剤、抗生物質、制癌剤、抗リウマチ剤等副作用として胃腸障害を伴いやすい薬剤と併用した場合では390例中319例(81.8%)に胃腸症状の消失又は軽減が認められている。
胃内や気管内へ検査の目的で胃内視鏡やtubeを挿入した際の反射性嘔吐の抑制及び十二指腸ゾンデ又は腸生検用カプセルの十二指腸内到達時間の短縮を目的として、予防的にメトクロプラミドを使用し検査がスムーズに行われたものを有効とすると151例中114例(75.5%)に有効であった。
70例においてメトクロプラミド投与時と非投与時のバリウム胃排出時間を比較した試験では53例においてメトクロプラミド投与時でより迅速であった。
悪性腫瘍に対する放射線療法に伴う悪心・嘔吐に対して211例中177例(83.9%)に有効であった。また、食欲不振、腹部膨満感等の消化器症状に対しても523例中458例(87.6%)に効果が認められている。
化学受容体引き金帯(CTZ)のドパミンD2受容体を遮断することにより制吐作用を示す。更に、セロトニン5-HT3受容体遮断作用の関与や5-HT4受容体刺激作用による消化管運動亢進作用も示唆されている4)。
イヌを用いたバルーン法による実験で、メトクロプラミドは胃運動を亢進させることが確かめられている5),6)。
不定の胃愁訴を有する成人男女におけるレントゲン映画法による検討においても、本剤が胃運動の低下した状態に対して優れた効果を示し、その運動性と通過性を高めることが明らかにされている7)。
イヌを用いた実験で、メトクロプラミドは十二指腸の運動を亢進する5)。消化器疾患を有する成人男女において、本剤の投与により、幽門の機能的狭窄(痙攣)を除き、その通過性を促す。更に、十二指腸球部及びそれに続く十二指腸各部を拡張せしめ、その運動を亢進することが確かめられている8),9)。
イヌを用いた実験で、メトクロプラミドは回腸運動に対して明らかな作用は示さず、大腸では全く作用が認められていない10)。
メトクロプラミドは中枢性嘔吐、末梢性嘔吐のいずれに対しても制吐作用を示す。イヌを用いた実験で、アポモルヒネ又はヒデルギンの投与11),12)、あるいはchemoreceptor trigger zoneを直接電気刺激して起こした嘔吐に対しても13)、また、硫酸銅の経口投与による嘔吐に対しても6),14)、メトクロプラミドは明らかな抑制作用を示す。
塩酸メトクロプラミド(Metoclopramide Hydrochloride)
4-Amino-5-chloro-N-(2-diethylaminoethyl)-2-methoxybenzamide dihydrochloride monohydrate
C14H22ClN3O2・2HCl・H2O
390.73
塩酸メトクロプラミドは白色~淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかにアミン臭があり、味は極めて苦い。
水、メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、アセトンに溶けにくく、クロロホルムに極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
水溶液(1→10)のpHは約1である。
10管
50管
1) Graffner C., et al.:Brit. J. Clin. Pharmacol. 1979;8(5):469-474
2) Kauppila A., et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol. 1983;25(6):819-823
3) Teng. L., et al.:J. Pharm. Sci. 1977;66(11):1615-1618
4) 第十七改正日本薬局方解説書 廣川書店 2016;C5460-C5463
5) 福原武 他:日本平滑筋学会雑誌. 1966;2(1):15-21
6) 熊田重敦 他:薬学研究. 1968;39(2):44-61
7) 楢林和之 他:第2回新薬物治療研究会講演内容集. 1965;55-59
8) 斎藤達雄 他:第2回新薬物治療研究会講演内容集. 1965;65-73
9) 佐藤巳代吉 他:第2回新薬物治療研究会講演内容集. 1965;217-220
10) Jacoby H. I., et al.:Gastroenterology. 1967;52(4):676-684
11) Justin-Besançon L., et al.:C. R. Soc. Biol. Paris. 1964;158(4):723-727
12) 島本暉朗 他:第3回新薬物治療研究会講演内容集. 1966;18-29
13) 岩瀬善彦 他:第4回新薬物治療研究会講演内容集. 1967;39-47
14) Laville C.:Path. et Biol. 1964;12(9-10):577-578
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