医療用医薬品 詳細表示

ヨウ化カリウム丸50mg「日医工」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
16.薬物動態
16.5排泄
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

ヨウ化カリウム丸50mg「日医工」

添付文書番号

3221002L1074_1_09

企業コード

530169

作成又は改訂年月

**2024年12月改訂(第3版)
2024年8月改訂(第2版)

日本標準商品分類番号

873221

薬効分類名

ヨウ素剤

承認等

ヨウ化カリウム丸50mg「日医工」

販売名コード

YJコード

3221002L1074

販売名英語表記

Potassium Iodide Pills

販売名ひらがな

ようかかりうむがん50mg「にちいこう」

承認番号等

承認番号

22100AMX01576000

販売開始年月

1977年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

5年

一般的名称

ヨウ化カリウム

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  • 〈効能共通〉
    1. 2.1 本剤の成分又はヨウ素に対し、過敏症の既往歴のある者
  • 〈放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減以外〉
    1. 2.2 **,*エプレレノン(高血圧症)、エサキセレノンを投与中の患者
    2. 2.3 肺結核の患者[結核病巣組織に集まりやすく再燃させるおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

ヨウ化カリウム丸50mg「日医工」

有効成分1丸中
ヨウ化カリウム   50mg
添加剤カンゾウ末、センブリ末、トウモロコシデンプン、グリセリン、精製セラック

3.2 製剤の性状

ヨウ化カリウム丸50mg「日医工」

剤形丸剤
色調黒かっ色
大きさ直径約5.5mm
質量約120mg

4. 効能又は効果

  • 甲状腺腫(甲状腺機能亢進症を伴うもの)
  • 下記疾患に伴う喀痰喀出困難
    • 慢性気管支炎、喘息
  • 第三期梅毒
  • 放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減

6. 用法及び用量

  • 〈甲状腺機能亢進症を伴う甲状腺腫〉

    ヨウ化カリウムとして1日5~50mgを1~3回に分割経口投与する。

    この場合は適応を慎重に考慮すること。

    なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈慢性気管支炎及び喘息に伴う喀痰喀出困難、第三期梅毒〉

    ヨウ化カリウムとして通常成人1回0.1~0.5gを1日3~4回経口投与する。

    なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減〉

    ヨウ化カリウムとして通常13歳以上には1回100mg、3歳以上13歳未満には1回50mg、生後1ヵ月以上3歳未満には1回32.5mg、新生児には1回16.3mgを経口投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 食直後の経口投与により、胃内容物に吸着されることがあるので、注意すること。また、制酸剤、牛乳等との併用は胃障害を軽減させることができる。
  2. 7.2 放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減の場合、国等の指示に従い投与すること。
  3. 7.3 131I療法を行う場合には、その1週間前に本剤の投与を中止すること。

8. 重要な基本的注意

本剤を長期連用する場合には定期的に血清カリウム濃度を測定することが望ましい。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈効能共通〉
    1. 9.1.1 甲状腺機能亢進症の患者

      ヨウ素誘発甲状腺腫が生じるおそれがある。

    1. 9.1.2 甲状腺機能低下症の患者

      症状を悪化させるおそれがある。

    1. 9.1.3 先天性筋強直症の患者

      カリウムにより、症状が悪化するおそれがある。

    1. 9.1.4 高カリウム血症のある患者

      症状を悪化させるおそれがある。

    1. 9.1.5 低補体血症性蕁麻疹様血管炎の患者又は既往歴のある者

      過敏症状が生じるおそれがある1)

    1. 9.1.6 ヨード造影剤過敏症の既往歴のある者
    1. 9.1.7 ジューリング疱疹状皮膚炎の患者又は既往歴のある者

      過敏症状が生じるおそれがある。

  • 〈放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減〉
    1. 9.1.8 肺結核の患者

      結核病巣組織に集まりやすく再燃させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

血清カリウム濃度が過剰になり、症状が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。原則として反復投与を避けること。本剤は胎盤関門を通過し、胎児の甲状腺腫及び甲状腺機能異常を起こすことがある。
  2. 9.5.2 妊娠後期に本剤を投与した妊婦より産まれた新生児には、甲状腺機能検査を実施し、甲状腺機能の低下を認めた場合には、甲状腺ホルモン補充療法等の適切な処置を行うこと。妊娠後期に投与した場合、新生児において、甲状腺機能の低下により知的発達に影響を及ぼすおそれがある。

9.6 授乳婦

本剤投与中及び投与終了後一定期間は授乳を避けさせること。母乳中への移行が認められ、乳児に皮疹や甲状腺機能抑制を起こすことがある。

9.7 小児等

  1. 9.7.1 皮疹や甲状腺機能抑制を起こすことがある。
  2. 9.7.2 新生児には原則として反復投与を避けること。また、新生児への投与後には、甲状腺機能を検査し、甲状腺機能の低下を認めた場合には、甲状腺ホルモン補充療法等の適切な処置を行うこと。新生児において、甲状腺機能の低下により知的発達に影響を及ぼすおそれがある。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    • **〈放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減以外〉
    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
    • *エプレレノン(高血圧症)
      • *セララ
    • *エサキセレノン
      • *ミネブロ
    • *

    *血清カリウム値が上昇するおそれがある。

    *併用によりカリウム貯留作用が増強するおそれがある。

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    • **〈効能共通〉
    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    *エプレレノン(慢性心不全)

    *フィネレノン

    *血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること。

    *カリウム貯留作用が増強するおそれがある。

    カリウム含有製剤

    • 塩化カリウム
    • グルコン酸カリウム
    • アスパラギン酸カリウム

    カリウム保持性利尿剤

    • スピロノラクトン
    • トリアムテレン

    高カリウム血症を起こすことがあるので、血清カリウム濃度を測定するなど慎重に投与すること。

    相加的に作用し、高カリウム血症をきたす可能性がある。

    リチウム製剤

    • 炭酸リチウム

    甲状腺機能低下作用、甲状腺腫発症作用を増大させることがあるので、脳下垂体−甲状腺反応の変化、甲状腺機能を測定するなど慎重に投与すること。

    両剤とも甲状腺機能低下作用があるため併用により相加的な甲状腺機能低下作用があらわれることがある。

    抗甲状腺薬

    • チアマゾール
    • プロピルチオウラシル

    甲状腺機能低下と甲状腺腫生成作用を増強させることがある。このため定期的に甲状腺−脳下垂体反応の変化を調べ基準になる甲状腺機能を測定すること。

    両剤とも甲状腺機能低下作用があるため併用により相加的な甲状腺機能低下作用があらわれることがある。

    ACE阻害剤

    • カプトプリル
    • エナラプリルマレイン酸塩
    • リシノプリル水和物

    アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤

    • ロサルタンカリウム
    • カンデサルタン シレキセチル
    • バルサルタン

    アリスキレンフマル酸塩

    結果的に高カリウム血症を生じることがある。このため血清カリウム濃度をモニタリングすること。

    これらの薬剤はレニン・アンジオテンシン系に作用し、アルドステロンの分泌を低下させるため、カリウム排泄を減少させる。このため併用により高カリウム血症を生じることがある。

    • **〈放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減〉
    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    ** エプレレノン(高血圧症)

    **エサキセレノン

    ** 血清カリウム値が上昇するおそれがある。

    ** カリウム貯留作用が増強するおそれがある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ヨウ素中毒(頻度不明)

      長期連用により、結膜炎、眼瞼浮腫、鼻炎、喉頭炎、気管支炎、声門浮腫、喘息発作、前額痛、流涎、唾液腺腫脹、耳下腺炎、胃炎等の症状があらわれることがある。さらに中毒症状が進行すると発疹、面疱、せつ、蕁麻疹、水疱、微熱、甲状腺腫、粘液水腫等の症状があらわれることがある。

    2. 11.1.2 ヨウ素悪液質(頻度不明)

      長期連用により、皮膚の粗荒、体重減少、全身衰弱、心悸亢進、抑うつ、不眠、神経過敏、性欲減退、乳房の腫大と疼痛、骨盤痛があらわれることがある。

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    過敏症

    発疹等

    消化器

    悪心・嘔吐、胃痛、下痢、口腔・咽喉の灼熱感、金属味覚、歯痛、歯肉痛、血便(消化管出血)等

    その他

    甲状腺機能低下症、頭痛、息切れ、かぜ症状、不規則性心拍、皮疹、原因不明の発熱、首・咽喉の腫脹等

    12. 臨床検査結果に及ぼす影響

    放射性ヨウ素摂取率検査を行う場合には、その1週間前に本剤の投与を中止すること。ヨウ化カリウム中のヨウ素は放射性ヨウ素の摂取率を低下させ、また、検査結果に影響を及ぼすことがある。

    16. 薬物動態

    16.5 排泄

    摂取したヨウ素の大部分は腎を経て尿中に、少量が糞便中に排泄される。また、唾液、胃液、腸液中に少量が、乳汁中にごく少量が分泌される。腎からの排泄はCl-と同じだが、Cl-の20倍も速い2)。投与後24時間以内に65%~80%が尿中にあらわれる3)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    1. 18.1.1 ヨウ化カリウムは体内でヨウ化アルカリとして分布し、病的組織においてヨウ素を遊離する。
      甲状腺機能亢進症では、ヨウ素は3',5'-cyclic AMPを介する甲状腺刺激ホルモンの作用を減弱させ、亢進症状を抑制する。また、ヨウ素は気管支粘膜分泌を促進し去痰作用を現す。更に、梅毒患者の肉芽組織に対する選択的な作用により、第三期梅毒患者のゴム腫の吸収促進に用いる4)
    2. 18.1.2 放射性ヨウ素の甲状腺濾胞細胞への取込みを低減させる効果は、高濃度の安定ヨウ素との共存により、血中の放射性ヨウ素の甲状腺濾胞細胞への取込みと競合することや細胞内へのヨウ素の取込み抑制効果による5)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    ヨウ化カリウム(Potassium Iodide)

    分子式

    KI

    分子量

    166.00

    性状

    無色もしくは白色の結晶又は白色の結晶性の粉末である。
    水に極めて溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
    湿った空気中で僅かに潮解する。

    20. 取扱い上の注意

    1. 20.1 フィルム包装開封後は湿気を避け、遮光して保存すること。

    22. 包装

    1,000丸[ポリエチレンフィルム:乾燥剤入り]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    日医工株式会社 お客様サポートセンター

    〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21

    TEL(0120)517-215

    FAX(076)442-8948

    25. 保険給付上の注意

    本剤を「放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減」に使用した場合、保険給付されません。

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    日医工株式会社

    富山市総曲輪1丁目6番21

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

    画面を閉じる

    Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.