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処方箋医薬品注)
鉄欠乏性貧血
本剤は経口鉄剤の投与が困難又は不適当な場合に限り使用すること。
必要鉄量を算出して投与するが、鉄として、通常成人1日40~120mgを2分以上かけて徐々に静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤の投与に際しては、あらかじめ必要鉄量を算出し、投与中も定期的に血液検査を行い、フェリチン値等を確認するなど、過量投与にならないよう注意すること。
あらかじめ総投与鉄量を算定して治療を行うことにより、鉄の過剰投与による障害が避けられるとともに、不足鉄量を補うことができる。なお、とくに鉄欠乏性貧血では利用可能な貯蔵鉄が零に近いので、鉄必要量の他に貯蔵鉄をも加算する必要がある。
患者のヘモグロビン値Xg/dLと体重Wkgより算定する。(中尾式1)による。ただし、Hb値:16g/dLを100%とする)
総投与鉄量(mg)=〔2.72(16-X)+17〕W
治療前Hb量
g/dL
体重kg
5
6
7
8
9
10
11
12
13
20
940
880
830
780
720
670
610
560
500
30
1,410
1,330
1,240
1,160
1,080
1,000
920
840
750
40
1,880
1,770
1,660
1,550
1,440
1,220
1,120
1,010
50
2,350
2,210
2,070
1,940
1,800
1,670
1,530
1,390
1,260
60
2,820
2,650
2,490
2,330
2,160
2,000
1,840
1,510
70
3,280
3,090
2,900
2,710
2,520
2,140
1,950
1,760
1管2mL中鉄として40mg含有
溶血を誘発することがある。
腎障害が悪化するおそれがある。
投与しないこと。肝障害を増悪させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
用量に留意すること。一般に生理機能が低下している。
脈拍異常、血圧低下、呼吸困難等のショック様症状、不快感、胸内苦悶感、悪心・嘔吐等があらわれることがある。
長期投与により、骨痛、関節痛等を伴う骨軟化症があらわれることがある。
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹
肝臓
AST、ALTの上昇
消化器
悪心、嘔気
精神神経系
頭痛、頭重、めまい、倦怠感
その他
発熱、熱感、悪寒、心悸亢進、顔面潮紅
低リン血症2)、四肢のしびれ感、疼痛(四肢痛、関節痛、背部痛、胸痛等)、着色尿注1)
pH等の変化により配合変化が起こりやすいので、他の薬剤との配合に際しては注意すること。なお、本剤を希釈する必要がある場合には、通常、用時10~20%のブドウ糖注射液で5~10倍にすること。
鉄欠乏性貧血患者に静脈内投与すると、血清鉄は急激に上昇するが、短時間内にその大部分が組織中へ移行し、数時間で正常値に下降する3)。
妊婦に鉄として400~920mg投与して胎児及び胎盤に13~20%利用された4)。
家兎に含糖酸化鉄2,000mgを静脈内投与した時、1週間後、各臓器総量で鉄1,700mgが検出され、大部分は肝臓に存在した。6カ月後、肝臓に鉄1,500mgが検出されたが、他の臓器では減少していた5)。
家兎に含糖酸化鉄を静脈内投与した後の血漿中鉄濃度及び尿中排泄鉄をLaurellの変法で測定したところ、投与後、血漿鉄濃度は徐々に減少し、また尿中への鉄排泄は少ない6)。
ヒト及びラットでの試験結果より、殆どは体内ヘモグロビンの合成に利用されるが、一部は尿中へ排泄されると考えられる7)。
本態性低色素性貧血患者に2~6mL(鉄として40~120mg)を連続投与した場合、1日当たり0.181〜0.527g/dL(13例の平均0.341g/dL)、また間歇的に投与した場合、0.089~0.329g/dL(7例の平均0.152g/dL)のヘモグロビン増加が認められている8)。
泌尿器科的手術術後貧血患者に2mL(鉄として40mg)を連続投与した場合、1日当たり0.6~1.7%(8例の平均1.1%)のヘモグロビンの増加が認められている9)。
含糖酸化鉄はコロイド性の鉄剤である。一旦、細網内皮系に取り入れられ、ここで徐々に解離してTransferrinの形となり、骨髄に運ばれヘモグロビンの合成に利用される10)。
鉄欠乏性貧血患者(米国人)に59Fe-含糖酸化鉄を静脈内投与した場合、赤血球内ヘモグロビン鉄として利用される。投与後10~14日で赤血球内59Feは最高となる11)。
含糖酸化鉄(Saccharated Ferric Oxide)
帯赤褐色〜暗褐色の粉末で、においはなく、味は甘い。水に極めて溶けやすく、メタノール、ジエチルエーテル又はクロロホルムにほとんど溶けない。
[Fe(OH)3]m[C12H22O11]n
2mL×10管
2mL×50管
1) 中尾喜久 他:日本臨牀. 1956;14(6):843-852
2) 今村健三郎 他:医学のあゆみ. 1982;121(7):413-414
3) 栄房光 他:新薬と臨床. 1956;5(5):389-395
4) 古谷博:日産婦関東連会報第5号. 1966:5-10
5) Shoden A., et al.:Amer. J. Patho. 1958;34(6):1139-1147
6) Nissim J. A.:Brit. J. Pharmacol. 1953;8:371-377
7) 中西徳彦:岡山医誌. 1991;103:803-811
8) 河北靖夫 他:診療. 1956;9:689-702
9) 鮫島博:臨床と研究. 1967;44(2):418-420
10) 桑波田景一郎 他:フェジン文献集第2集. 1970:41-43
11) Beutler E.:J. Lab. Clinic Med. 1958;51(3):415-419
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