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毒薬
処方箋医薬品注)
急性心不全で他の薬剤を投与しても効果が不十分な場合
本剤は、用時生理食塩液等で溶解し、コルホルシンダロパート塩酸塩として通常成人には1分間あたり0.5μg/kgを点滴静脈内投与する。なお、点滴投与量は、病態に応じて1分間あたり0.75μg/kgを上限として心血行動態、心電図をモニターしながら適宜増減する。
不整脈が悪化することがある。
高度な動脈硬化病変を有している患者では本剤による冠血流量増加が期待できない可能性がある。さらに本剤は陽性変力作用を有するため、急性心筋梗塞などの冠動脈疾患を増悪させるおそれがある。
血圧低下又は肺動脈圧上昇、肺動脈楔入圧上昇により状態が悪化することがある。
動悸・頻脈、不整脈の発現が高まる可能性がある。
血圧がさらに低下することがある。
心室性頻拍、心房細動等の発現率が高くなる。
投与量を減ずること。血中濃度が高くなるおそれがある。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で出生児の体重減少が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
カテコラミン系の強心薬
PDE阻害薬
cAMP製剤
心室性期外収縮等の不整脈の発現を助長させるおそれがある。
ともに強心作用を有する。
利尿薬
フロセミド等の利尿薬は電解質失調を引きおこし、不整脈を誘発する可能性がある。
,,
5%以上
1~5%未満
1%未満
循環器
動悸・頻脈(16.9%)、心室性期外収縮(10.8%)
上室性頻拍、心房細動、心房粗動、血圧低下
消化器
悪心・嘔吐
肝臓
LDH上昇
直接ビリルビン上昇、総ビリルビン上昇、AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇
腎臓
尿蛋白増加
BUN上昇、血清クレアチニン上昇、尿酸上昇
血液
血小板減少
赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値減少、白血球増加、リンパ球減少
その他
頭痛・頭重感、熱感
尿ウロビリノーゲン増加、総蛋白減少、CK上昇、尿糖増加
全身倦怠感、呼吸困難、血清K低下
調製後はすみやか(1日以内)に使用すること。
他の注射剤と混合せずに用いることが望ましい。[患者の病態に応じて、本剤の点滴静脈内投与速度を調節する必要がある。]
本剤との因果関係は明らかでないが、本剤投与後に、AST、ALT等の異常増加を呈し、劇症肝炎と診断され、血漿交換等の処置を実施した症例が1例報告されている。
健康成人男性に本剤を静脈内持続投与(0.0125~0.8μg/kg/分、1時間)したとき、未変化体は投与終了時にCmaxを示し、その後二相性で消失した。0.2及び0.6μg/kg/分を投与したときの未変化体の血漿中濃度曲線を下図に、薬物動態パラメータを下表に示す。未変化体のCmax及びAUCは投与量に比例して増加し、線形性が認められた。
投与量(μg/kg/分)
0.2(n=4)
0.6(n=5)
Cmax(ng/mL)
4.36
11.65
T1/2α(時間)
0.07
0.08
T1/2β(時間)
2.81
1.86
C14-コルホルシンダロパート塩酸塩のin vitroにおける血漿蛋白結合率は54.2%であり、結合は可逆的であると考えられた。また、結合蛋白種としてアルブミン及びα1-酸性糖蛋白が確認された。
本剤の主要代謝部位は肝臓であり、ヒト肝ミクロソーム画分及びヒトチトクロームP450発現系を用いた実験で、本剤のN-脱メチル化及び水酸化反応に関与する代謝酵素はCYP3Aであることが示唆された(in vitro試験)。
健康成人男性に本剤を静脈内持続投与(0.0125~0.8μg/kg/分、1時間)したときの24時間後までの未変化体の尿中排泄率は、10.8~17.8%であった。ラットにおいて主排泄経路は胆汁を介した糞排泄(90.2%)であり、また、腸肝循環が示唆された。
急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)患者を対象に本剤0.5μg/kg/分(本剤群)及び本剤0.2μg/kg/分(対照群)を30分間静脈内持続投与し本剤の有用性を検討した。その結果、改善率(改善以上)は本剤群で70.4%(19/27例)であり対照群の26.7%(8/30例)に比べ有意に優れていた。また有用率(有用以上)は本剤群で70.4%(19/27例)であり対照群23.3%(7/30例)に比べ有意に優れており、本剤の高い有用性が確認された。本剤投与により肺動脈楔入圧及び全身血管抵抗を減少させ、心係数及び1回心拍出係数を増加させた。また、呼吸困難等の自覚症状及び四肢冷感等の身体所見を改善させた1)。副作用発現頻度は、本剤群で12.9%(4/31例)、対照群で3.2%(1/31例)であった。本剤群での主な副作用は、頻脈・動悸6.5%(2/31例)、心室性期外収縮3.2%(1/31例)、顔面潮紅・熱感3.2%(1/31例)であった。
急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)患者を対象に本剤0.5μg/kg/分を30分間静脈内持続投与し急性期を評価した後、0.75μg/kg/分以下の用量で継続し、本剤の長時間投与における有用性を検討した。その結果、急性期の改善率(改善以上)は45.8%(27/59例)であり、継続投与後の総合評価での改善率は49.2%(29/59例)であった。また急性期の有用率(有用以上)は47.5%(28/59例)、継続投与後の総合評価での有用率は39.0%(23/59例)であり、本剤の長時間投与における有用性が確認された。本剤投与により肺動脈楔入圧、全身血管抵抗及び肺血管抵抗を減少させ、心係数及び1回心拍出係数を増加させた。また、呼吸困難等の自覚症状及び四肢冷感等の身体所見を改善させた2)。副作用発現頻度は、63.4%(40/63例)であった。主な副作用は、頻脈・動悸34.9%(22/63例)、心室性期外収縮12.7%(8/63例)、頭痛12.7%(8/63例)、悪心・嘔吐9.5%(6/63例)であった。
本剤はβ受容体を介さずに、cAMP合成酵素であるアデニル酸シクラーゼを活性化し、陽性変力作用と血管拡張作用を示した。
コルホルシンダロパート塩酸塩(Colforsin Daropate Hydrochloride)
(+)-(3R,4aR,5S,6S,6aS,10S,10aR,10bS)-5-acetoxy-6-(3-dimethylaminopropionyloxy)-dodecahydro-10,10b-dihydroxy-3,4a,7,7,10a-pentamethyl-3-vinyl-1H-naphtho[2,1-b]pyran-1-one monohydrochloride
C27H43NO8・HCl
546.09
コルホルシンダロパート塩酸塩は白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノールに溶けやすく、水及び酢酸(100)にやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、無水酢酸に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
外箱開封後は遮光して保存すること。
5バイアル
1) 細田瑳一ほか:臨床薬理 1997;28:583-602
2) 川名正敏ほか:臨牀と研究 1997;74:955-974
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4) 百村伸一ほか:臨牀と研究 1995;6:1529-1534
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