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ネオラミン・スリービー液(静注用)

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.7小児等
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ネオラミン・スリービー液(静注用)

添付文書番号

3179504A1116_1_13

企業コード

530191

作成又は改訂年月

2023年7月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873179

薬効分類名

神経・筋機能賦活剤

承認等

ネオラミン・スリービー液(静注用)

販売名コード

YJコード

3179504A1116

販売名英語表記

Neolamin 3B Intravenous

承認番号等

承認番号

14200AZZ04389

販売開始年月

1967年7月

貯法・有効期間

貯法

2~8℃保存

有効期間

18ヵ月

一般的名称

チアミンジスルフィド・B6・B12配合剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤及びチアミンジスルフィドに対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ネオラミン・スリービー液(静注用)

有効成分1アンプル10mL中  
チアミンジスルフィド   50mg
ピリドキシン塩酸塩   100mg
ヒドロキソコバラミン酢酸塩  
(ヒドロキソコバラミンとして   1mg )
添加剤pH調節剤
等張化剤

3.2 製剤の性状

ネオラミン・スリービー液(静注用)

pH3.0~5.0
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
性状淡紅色~紅色の澄明な注射液

4. 効能又は効果

  • 本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦など)
  • 下記疾患のうち、本剤に含まれるビタミン類の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
    神経痛、筋肉痛・関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺

効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。

6. 用法及び用量

通常成人1日1回10mLを緩徐に静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    レボドパ

    レボドパの有効性を減じることがある。

    ピリドキシン塩酸塩がレボドパの脱炭酸化を促進し、脳内作用部位への到達量を減少させる。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)

      全身皮膚潮紅、そう痒感、血圧低下、胸内苦悶、呼吸困難、痙攣等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    11.2 その他の副作用

    0.1%以上

    0.1%未満

    過敏症

    発疹

    そう痒感

    消化器

    悪心・嘔吐

    投与部位

    局所疼痛

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    本剤は、アミノ酸製剤と混合した場合、ビタミンの分解が促進されることがあるので注意すること。

    14.2 薬剤投与時の注意

    静脈内投与により血管痛を起こすことがあるので、注射速度はできるだけ遅くすること。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    健康男子6名にチアミンジスルフィド(TDS)及びビタミンB1塩酸塩(B1-HCl)を静脈注射し、血中ビタミンB1濃度を測定した。血中ビタミンB1値の持続時間はTDS投与群でB1-HCl投与群に比して長かった1)

    16.5 排泄

    健康男子6名にチアミンジスルフィド(TDS)及びビタミンB1塩酸塩(B1-HCl)を静脈注射し、尿中ビタミンB1排泄量を測定した。尿中ビタミンB1排泄量はTDS投与群でB1-HCl投与群に比して低かった1)

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    再評価結果時の臨床成績は下記のとおりである。

    著効・有効

    神経痛

    74.0%(71/96)

    筋肉痛・関節痛

    69.6%(297/427)

    末梢神経炎

    54.1%(144/266)

    末梢神経麻痺

    77.0%(117/152)

    ビタミンの需要増大

    66.7%(46/69)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    1. 18.1.1 チアミンジスルフィド

      生体内でビタミンB1として作用する1)。チアミンはATP存在下にthiamine diphosphateに変換し、生理作用をあらわす。糖質、タンパク質、脂質代謝で、またTCAサイクルの関門として重要な位置を占めるピルビン酸の脱炭酸反応やTCAサイクル内のα-ケトグルタル酸の脱炭酸反応に関与している。また、トランスケトラーゼの補酵素として五炭糖リン酸回路での糖代謝や核酸代謝にも関与している2)

    2. 18.1.2 ピリドキシン塩酸塩

      ビタミンB6である。生体内で主としてリン酸ピリドキサール(ビタミンB6の補酵素型)となって作用する。アミノ酸・タンパク代謝酵素群の補酵素として各種アミノ酸・タンパクの分解・生合成に重要な役割を果たす。また、脂肪代謝にも関与し、特に不飽和脂肪酸の生体内利用の際に必要とされる3)

    3. 18.1.3 ヒドロキソコバラミン酢酸塩

      ビタミンB12である。多くの代謝系に関与し、正常な発育、造血、神経組織のミエリン鞘形成などに重要な役割を果たしている。DNA合成過程で必要な葉酸を活性化することにより、間接的にDNA合成に関与するほか、メチルマロニルCoAからサクシニルCoAへの転換反応に関与することによって造血機能を促進する。また、還元型SH基の保護、メチオニン合成時の役割を介してタンパク合成にも影響を及ぼし、髄鞘の形成促進作用、グリア細胞での核酸・タンパク代謝を改善する。眼に対しては、酸素消費量を増し、ATP産生を増大させる。調節性眼精疲労を改善する4)

    18.2 神経再生における効果

    ラットを用い、坐骨神経圧挫による神経障害の治癒過程に対するネオラミン・スリービー液の影響を電気生理学的方法で検討した結果、ネオラミン・スリービー液は圧挫神経の変性進行には影響を与えないが、神経支配の回復を促進すると考えられる5)

    18.3 アクリルアミド中毒神経炎に対する効果

    1. 18.3.1 チアミンジスルフィド、ピリドキシン塩酸塩、ヒドロキソコバラミン及びネオラミン・スリービー液はアクリルアミド中毒ラットの死亡を抑制するが、その作用はネオラミン・スリービー液が最も強いと考えられる。アクリルアミド中毒の異常症状の発現に対しては各ビタミン及びネオラミン・スリービー液は明らかな抑制作用を示さなかったが、アクリルアミド中止後の症状回復に対しては、4群ともに回復促進が認められ、特にネオラミン・スリービー液群において著明であった5)
    2. 18.3.2 ラットの成長に伴う神経伝達速度の上昇に対するアクリルアミドの阻害作用に対し、ネオラミン・スリービー液は有意に抑制し(第4週)、また、アクリルアミド投与中止後の回復を促進した5)

    18.4 神経病理学的検索

    ラットのアクリルアミド神経炎に対するビタミンB群の抑制効果を組織像の定量的研究により検討した結果、有髄線維の変形度及び髄鞘面積と有髄線維面積の比率においてネオラミン・スリービー液はアクリルアミドによる変化を有意に抑制し、有髄線維横断面積の分布、間質面積、単位面積中の変性有髄線維数及びシーワン細胞核数、電顕・光顕的観察、腰髄前角細胞内のRNA量においては抑制の傾向が認められた6)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    19.1 チアミンジスルフィド

    一般的名称

    チアミンジスルフィド(Thiamine Disulfide)

    化学名

    N,N'-{Dithiobis[2-(2-hydroxyethyl)-1-methyl-2,1-ethenediyl]}bis{N-[(4-amino-2-methyl-5-pyrimidinyl)methyl]formamide}

    分子式

    C24H34N8O4S2

    分子量

    562.71

    性状

    白色~淡黄白色の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがあり、味はわずかに苦い。
    エタノール(95)に溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。希塩酸又は希硝酸に溶ける。飽和水溶液はほぼ中性である。

    化学構造式

    19.2 ピリドキシン塩酸塩

    一般的名称

    ピリドキシン塩酸塩(Pyridoxine Hydrochloride)

    化学名

    4,5-Bis(hydroxymethyl)-2-methylpyridine-3-ol monohydrochloride

    分子式

    C8H11NO3・HCl

    分子量

    205.64

    性状

    白色~微黄色の結晶性の粉末である。
    水に溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくく、無水酢酸、酢酸(100)にほとんど溶けない。
    光によって徐々に変化する。

    化学構造式

    19.3 ヒドロキソコバラミン酢酸塩

    一般的名称

    ヒドロキソコバラミン酢酸塩(Hydroxocobalamin Acetate)

    化学名

    Coα-[α-(5,6-Dimethylbenz-1H-imidazol-1-yl)]-Coβ-hydroxocobamide monoacetate

    分子式

    C62H89CoN13O15P・C2H4O2

    分子量

    1406.41

    性状

    暗赤色の結晶又は粉末で、においはない。
    水に溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
    吸湿性である。

    化学構造式

    22. 包装

    10アンプル[1アンプル(10mL)×10]
    50アンプル[1アンプル(10mL)×50]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    日本化薬株式会社 医薬品情報センター

    〒100-0005 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号

    TEL.0120-505-282

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    日本化薬株式会社

    東京都千代田区丸の内二丁目1番1号

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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