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劇薬
処方箋医薬品注)
妊婦又は授乳婦,
腎移植後の拒絶反応(促進型及び急性)の治療
本剤は、通常、成人にはグスペリムス塩酸塩として1日1回、体重1kg当たり3~5mgを注射用水、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で溶解し、更に100~500mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、3時間かけて点滴静注する。なお、投与期間は連続7日間とするが、患者の病態に応じ連続10日間投与することもできる。
骨髄抑制を増悪させるおそれがある。
出血傾向を増長させるおそれがある。
B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。
減量するなど慎重に投与すること。副作用(特に血液障害、消化器症状)の発現率が高くなる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット、ウサギ)において、胎仔又は出生仔の発育遅延、胎生期死亡等が認められている。
授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。
小児に対する安全性は確立されていない(小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない)。
汎血球減少(頻度不明)、白血球減少(39.3%)、血小板減少(40.7%)、赤血球減少(17.6%)、ヘモグロビン減少(18.8%)、ヘマトクリット減少(14.7%)があらわれることがある。必要に応じて輸血等の適切な処置を行うこと。
呼吸抑制が発現した場合には、直ちに酸素吸入を行い、透析にて本剤を除去すること。
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
免疫抑制剤を投与された患者において、肺炎、敗血症があらわれることがある。また、免疫抑制剤を投与されたB型又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。,
1%以上
1%未満
精神神経系
しびれ感(顔面、口唇周囲、手足等)、頭痛・頭重
消化器
悪心・嘔気、食欲不振
嘔吐、胃部不快感、胸やけ、腹部膨満感
肝臓
AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇
γ-GTP上昇
その他
顔面潮紅、ほてり、倦怠感、総蛋白減少、トリグリセライド上昇
総コレステロール減少、尿糖、電解質異常(カリウム異常、ナトリウム異常等)
免疫抑制剤による治療を受けた腎移植患者では、腫瘍(特に悪性リンパ腫、皮膚癌)の発生率が高いとする報告がある。
本剤を20~500mg/m2/日で、5日間静脈内反復投与したときの最高血漿中濃度(Cmax)は投与量に依存して増大し、20~400mg/m2/日の範囲で線形性を示した。腎移植患者における本剤の血漿からの消失半減期は、癌患者におけるそれよりも長くなる傾向が認められた。
腎移植手術後、6ヵ月以内に拒絶反応を発現した症例を対象とした至適投与量設定試験の結果、全般有効度は促進型及び急性拒絶反応において76%(34/45例)であった。主な副作用は白血球減少(60%)、血小板減少(50%)、貧血(赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット減少)(14%)、顔面のしびれ感・潮紅感等(10%)であった1)。
腎移植手術後、6ヵ月以内に拒絶反応を発現した症例を対象とした至適投与期間設定試験の結果、全般有効度は73%(22/30例)注1)であった。主な副作用は白血球減少(67%)、血小板減少(67%)、貧血(赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット減少)(37%)、顔面のしびれ感(10%)注1)であった2)。
腎移植後の拒絶反応のうち、他に使用する薬剤がないと判断された症例を対象とした至適投与量設定試験の結果、全般有効度は促進型及び急性拒絶反応において70%(51/73例)注2)であった。主な副作用は白血球減少(49%)、血小板減少(44%)、ヘマトクリット減少(26%)、ヘモグロビン減少(24%)、赤血球減少(23%)、異常知覚(顔面のしびれ感、潮紅感、熱感等)(15%)注3)であった3)。
本剤は細胞傷害性Tリンパ球の前駆細胞から細胞傷害性Tリンパ球への成熟及び細胞傷害性Tリンパ球の増殖を抑制することによって拒絶反応の進行を妨げるとともに、活性化Bリンパ球の増殖又は分化を抑制することによって抗体産生を抑制する。また本剤はリンフォカイン産生の抑制作用、抗炎症作用などを有さないことから、シクロスポリンやステロイドの作用機序とは異なる。リンパ球の増殖阻害という点ではアザチオプリンやミゾリビンと類似するが、本剤は核酸合成の阻害作用や殺細胞作用を持たない点でこれらの薬剤とは異なる4),5),6),7),8)。
グスペリムス塩酸塩(Gusperimus Hydrochloride)
(±)-1-amino-19-guanidino-11-hydroxy-4,9,12-triazanonadecane-10,13-dione trihydrochloride
C17H37N7O3・3HCl
496.90
グスペリムス塩酸塩は、白色の結晶性の粉末である。水又はギ酸に極めて溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、酢酸(100)、アセトン又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
100mg[1バイアル]
1) 雨宮浩ほか:基礎と臨床. 1991;25:3501-3508
2) 雨宮浩ほか:移植. 1991;26:604-614
3) 雨宮浩ほか:移植. 1991;26:615-628
4) Nemoto k, et al.:J Antibiot. 1987;40:1062-1064
5) Nishimura K, et al.:Immunology. 1989;68:66-71
6) Fujii H, et al.:J Antibiot. 1989;42:788-794
7) Fujii H, et al.:Int J Immunopharmacol. 1992;14:731-737
8) Fujii H, et al.:J Antibiot. 1990;43:213-219
9) Nemoto k, et al.:Agents Actions. 1992;36:306-311
10) 雨宮浩ほか:基礎と臨床. 1991;25:2219-2224
11) Itoh J, et al.:J Antibiot. 1988;41:1503-1505
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