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毒薬
処方箋医薬品注)
非小細胞肺癌、手術不能又は再発乳癌
通常、成人にはビノレルビンとして1回20~25mg/m2を1週間間隔で静脈内に緩徐に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1回最高用量は25mg/m2とする。
通常、成人にはビノレルビンとして1回25mg/m2を1週間間隔で2週連続投与し、3週目は休薬する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
骨髄機能をより強く抑制するおそれがある。,,
症状が再発するおそれがある。,
末梢神経障害(知覚異常、腱反射減弱等)が強くあらわれるおそれがある。
症状を誘発若しくは悪化させるおそれがある。
症状を悪化させるおそれがある。
副作用が強くあらわれるおそれがある。
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験で催奇形性(ラット:頸椎椎弓の癒合、頸椎配列異常等の骨格変異、ウサギ:耳介低形成、側脳室拡張、腰肋等の骨格変異)が報告されている。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
用量、投与間隔等に注意して、患者の状態を観察し慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、白血球減少、貧血、血小板減少、BUN上昇、発熱、間質性肺炎、便秘等の副作用があらわれやすい。
アゾール系抗真菌剤
マクロライド系抗生剤
カルシウム拮抗剤
ベンゾジアゼピン系薬剤
他のビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤との併用で筋神経系の副作用の増強が報告されている。
左記薬剤は肝チトクロームP-450(CYP3A4)を阻害するので、併用によりビンカアルカロイドの代謝を阻害する。
マイトマイシンC
息切れ及び気管支痙攣が発現しやすいことが報告されている。
作用機序は不明。
他の抗悪性腫瘍剤放射線療法
骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。
副作用が相互に増強される。
汎血球減少・無顆粒球症・白血球減少(84.4%)、好中球減少(75.8%)、貧血(74.1%)、血小板減少(28.5%)等があらわれることがある。,
胸部X線検査異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等適切な処置を行うこと。,
息切れ、呼吸困難等の異常があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等適切な処置を行うこと。なお、本症状は投与直後から2時間以内に発現する例が多い。
発疹、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれることがある。
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム量の増加、高張尿、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
急性腎障害(0.2%)等があらわれることがある。
腹痛、血清アミラーゼ上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
20%以上
5~20%未満
5%未満
頻度不明
過敏症
アレルギー様症状
*呼吸器
呼吸困難、喘鳴
咳嗽
循環器
不整脈、血圧低下、血圧上昇、動悸、頻脈
神経・筋症状
知覚異常・腱反射減弱、筋肉痛、関節痛、筋力低下、腰背痛、筋痙攣、運動障害、排尿障害
精神神経系
頭痛、不穏、めまい、不眠
激越
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇
肝機能障害、総ビリルビン上昇、ウロビリノーゲン陽性、γ-GTP上昇
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇
蛋白尿、クレアチニンクリアランス低下
消化器
食欲不振、嘔気
嘔吐、便秘、下痢
口内炎、腹痛、腹部不快感、腹部膨満感、腹部膨隆、嚥下障害
皮膚
脱毛
紅斑・丘疹、水疱・落屑、爪の異常、そう痒
注射部位
静脈炎
代謝栄養障害
総蛋白低下、血漿中電解質(ナトリウム、カリウム、クロール、カルシウム)異常
アルブミン低下
尿糖
*その他
発熱、全身倦怠感、CRP上昇
血尿、体重減少、体重増加、味覚異常、疼痛、出血、胸痛、浮腫、出血性膀胱炎、潮紅、しゃっくり
悪寒
他のビンカアルカロイド系薬剤により脳梗塞等が発現したとの報告がある。
各種悪性腫瘍患者を対象に、ビノレルビン20mg/m2ないし25mg/m2を単回静脈内投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)。
用量(mg/m2)
AUC0-∞(ng・h/mL)
T1/2(h)
CL(L/h/m2)
Vdss(L/m2)
MRT(h)
20
553±379
32.5±13.2
56.6±47.5
1790±1450
35.5±15.5
25
1140±550
22.2±8.2
28.5±17.2
419±177
16.6±6.2
Mean±S.D.
ヒト血漿蛋白結合率は以下のとおりであった2)(in vitro)。
標識体濃度(ng eq./mL)
50
1000
ヒト血漿蛋白結合率(%)
89
88
限外ろ過法による
in vitro試験において、ビノレルビンの代謝には、主として肝チトクロームP-450(CYP3A4)が関与することが示された3),4) 。
悪性腫瘍患者を対象に、ビノレルビン30mg/m2 注1)を静脈内投与したとき、血漿中においてほとんどが未変化体であった。また、主として肝代謝されて、糞中に排泄された5)(外国人データ)。
非小細胞肺癌患者を対象に、ビノレルビン20mg/m2又は25mg/m2を1週1回反復静脈内投与した。奏効率は20mg/m2投与群が16.1%(5/31例)、25mg/m2投与群が20.5%(8/39例)であり、そのうち化学療法初回治療例においては、20mg/m2投与群が21.7%(5/23例)、25mg/m2投与群が38.1%(8/21例)の奏効率であった。副作用発現頻度は、96.7%(89/92例)であった。主な副作用は白血球数減少及び好中球数減少で、20mg/m2投与群では各々80.0%(24/30例)、74.1%(20/27例)、25mg/m2投与群では各々96.7%(59/61例)、91.9%(57/62例)であった6)。
化学療法初回治療の非小細胞肺癌患者を対象に、ビノレルビン25mg/m2を1週1回反復静脈内投与した。奏効率は30.7%(23/75例)であった。副作用発現頻度は、100%(75/75例)であった。主な副作用は白血球数減少96.0%(72/75例)及び好中球数減少93.1%(67/72例)であった7)。
化学療法初回治療の非小細胞肺癌患者を対象に、ビノレルビン25mg/m2又はビンデシン硫酸塩3mg/m2を1週1回反復静脈内投与した。奏効率はビンデシン硫酸塩投与群が8.9%(9/101例)であったのに対して、ビノレルビン投与群が31.1%(32/103例)と有意に高い奏効率が得られた8),9)。
化学療法初回治療の非小細胞肺癌患者を対象に、ビノレルビン25mg/m2又はビンデシン硫酸塩3mg/m2を第1、8日目に、シスプラチン80mg/m2、マイトマイシンC 8mg/m2を第1日目に静脈内投与し、2コース繰り返すことを原則とした。なお、2コースへの移行は4週間隔で行い、それ以降のコースへの移行は6週間隔とした。奏効率はビンデシン硫酸塩群が38.5%(20/52例)であったのに対して、ビノレルビン併用投与群が57.4%(31/54例)と有意に高い奏効率であった(p<0.05)。ビノレルビン併用投与群の副作用発現頻度は、100.0%(54/54例)であった。主な副作用は白血球数減少100.0%(54/54例)及び好中球数減少98.1%(53/54例)であった10)。
進行・再発乳癌におけるアントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤及びタキサン系抗悪性腫瘍剤の既治療例を対象として、3週を1コースとしビノレルビン25mg/m2を第1、8日目に静脈内投与した結果、抗腫瘍効果は次表のとおりであった。
前治療歴
奏効例/評価例(奏効率)
アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤+タキサン系抗悪性腫瘍剤 1剤
10/34
アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤+タキサン系抗悪性腫瘍剤 2剤
0/16
計
10/50(20.0%)
主な副作用は好中球数減少94.0%(47/50例)、白血球数減少92.0%(46/50例)、赤血球数減少78.0%(39/50例)及びヘモグロビン減少76.0%(38/50例)であった11)。
有糸分裂微小管の構成蛋白質チュブリンに選択的に作用し、その重合を阻害することにより抗腫瘍効果を示す12)。
マウス可移植性腫瘍系でB16メラノーマ、FM3A乳癌、Lewis肺癌、Sarcoma180等の固形腫瘍及びP388、L1210白血病等の腹水型腫瘍に対して優れた抗腫瘍作用を示した。また、in vitroヒト腫瘍細胞系及びヌードマウス移植ヒト腫瘍である非小細胞肺癌(Lu-65、Lu-99、LC-6、L-27)、乳癌(MX-1、Br-10)に対しても優れた増殖抑制効果を示した13)。
細胞の有糸分裂中期に作用し、細胞周期のG2+M期に細胞が集積した12),14)(in situ、in vitro)。
ビノレルビン酒石酸塩(Vinorelbine ditartrate)
(+)-Methyl(3aR,4R,5S,5aR,10bR,13aR)-4-acetoxy-3a-ethyl-9-[(2R,6R,8S)-4-ethyl-1,3,6,7,8,9-hexahydro-8-methoxycarbonyl-2,6-methano-2H-azecino[4,3-b]indol-8-yl]-5-hydroxy-8-methoxy-6-methyl-3a,4,5,5a,6,11,12,13a-octahydro-1H-indolizino[8,1-cd]carbazole-5-carboxylate ditartrate
C45H54N4O8・2C4H6O6
1079.11
白色~微黄白色の粉末である。水、メタノール、エタノール(99.5)又は酢酸(100)に極めて溶けやすく、アセトンに溶けやすく、ジエチルエーテル又はヘキサンにほとんど溶けない。またpH4以下では極めて水に溶けやすいが、pH7以上では急激な溶解度の低下が認められる。吸湿性である。
外箱開封後は遮光して保存すること。
1mL[1バイアル]
4mL[1バイアル]
1) 仁井谷久暢ほか:癌と化学療法 1994;21:177-187
2) Kobayashi. S, et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1993;43:1367-1377
3) Kajita. J, et.al.:Drug Metab Dispos. 2000;28:1121-1127
4) F. Jehl, et al.:J. Chromatogr. 1990;525:225-233
5) P. Bore, et al.:Cancer Chemother. Pharmacol. 1989;23:247-251
6) 古瀬清行ほか:癌と化学療法 1994;21:785-793
7) 古瀬清行ほか:癌と化学療法 1994;21:1941-1947
8) 古瀬清行ほか:癌と化学療法 1995;22:67-76
9) Kusunoki. Y, et al.:Proc. ASCO. 1995;14:353(抄録#1071)
10) 古瀬清行ほか:新薬と臨床 1998;47:1101-1113
11) M. Toi, et al.:Jpn. J. Clin. Oncol. 2005;35:310-315
12) S. Binet, et al.:Seminars in Oncology. 1989;16:5-8
13) 芦沢忠ほか:癌と化学療法 1993;20:59-66
14) A. Fellous, et al.:Seminars in Oncology. 1989;16:9-14
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