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劇薬
処方箋医薬品注)
前立腺癌
通常成人にはフルタミドとして1回125mgを1日3回、食後に経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的(少なくとも1ヵ月に1回)に肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。,,,
肝障害のある患者には投与しないこと。重篤な肝障害に至るおそれがある。
患者の状態を観察しながら用量に留意して慎重に投与すること。本剤の臨床試験成績から、高齢者と非高齢者において副作用の発現率及びその程度に差がみられていないが、本剤は主として肝臓で代謝されており、高齢者では肝機能等の生理機能が低下していることが多く高い血中濃度が持続するおそれがある。
ワルファリン
ワルファリンの抗凝固作用を増強するとの報告がある。
機序不明
劇症肝炎等の重篤な肝障害(初期症状:食欲不振、悪心・嘔吐、全身倦怠感、そう痒、発疹、黄疸等)があらわれることがある。,,,
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
10%以上
1~10%未満
1%未満
頻度不明
肝臓
AST上昇、ALT上昇
γ-GTP上昇、Al-P上昇
LDH上昇
ビリルビン上昇
内分泌系
女性型乳房(22.2%)
ポテンツ低下
消化器
悪心・嘔吐、下痢
食欲不振
胸やけ、胃痛、胃部不快感、口渇
血液
白血球減少
貧血、血小板減少
腎臓
BUN上昇、尿蛋白陽性
クレアチニン上昇
精神神経系
めまい
ふらつき、立ちくらみ、頭痛、脱力感、傾眠、不眠、混乱、うつ状態、不安感、神経過敏症
過敏症
発疹、光線過敏症
皮膚
そう痒
その他
尿糖陽性、血清総蛋白減少
浮腫、全身倦怠感、発熱、潮紅、発汗、味覚障害、血糖値上昇
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤の投与により尿が琥珀色又は黄緑色を呈することがある。
前立腺癌患者にフルタミド125mgを単回経口投与したとき、フルタミドは速やかに吸収され、ほとんどは活性代謝物OH-フルタミドとして血中に存在した。OH-フルタミドは投与後2時間で最高濃度に達した後、半減期13.9時間で消失した。フルタミド30~500mgを単回経口投与したとき、OH-フルタミドのCmax及びAUCは、投与量に依存した線形性が認められた1)。
前立腺癌患者にフルタミド125mgを1日3回、14日間反復投与したとき、OH-フルタミドは2~4日目以降で定常状態に達した2)。
ヒト血漿に14C-フルタミドを200ng/mL添加したときの血漿蛋白結合率は99.1%であり、OH-フルタミドを1000ng/mL添加したときの血漿蛋白結合率は94.1%であった3)。
前立腺癌患者の血漿中にはOH-フルタミド及び未変化体が認められ、血中主代謝物はOH-フルタミドであった。尿中代謝物は、ほとんどがグルクロン酸抱合体の形で存在した4)。
ヒトにおける主排泄経路は尿と考えられるが、排泄率は8.6~84.0%と個体差が大きかった4)。
内分泌療法未治療の前立腺癌患者を対象とした用量設定試験の結果、本剤375mg/日投与における奏効率は48.8%(20/41例)であった5)。副作用発現頻度は26.2%(17/65例)であり、主な副作用は女性型乳房21.5%(14/65例)、ポテンツ低下6.2%(4/65例)、悪心・嘔吐3.1%(2/65例)であった。臨床検査値異常は20.0%(13/65例)であり、主な臨床検査値異常はAST上昇12.3%(8/65例)、ALT上昇10.8%(7/65例)、γ-GTP上昇6.2%(4/65例)であった5)。
未治療の前立腺癌患者を対象とした二重盲検比較試験の結果、本剤375mg/日投与における奏効率は42.6%(20/47例)であった6)。副作用発現頻度は21.2%(11/52例)であり、主な副作用は女性型乳房15.4%(8/52例)であった。臨床検査値異常は19.2%(10/52例)であり、主な臨床検査値異常はAST上昇13.5%(7/52例)、ALT上昇11.5%(6/52例)、ALP上昇3.8%(2/52例)、γ-GTP上昇3.8%(2/52例)であった6)。
未治療の進行前立腺癌(臨床病期D)患者を対象とした本剤(375mg/日投与又は250mg/日投与注1))とLH-RHアゴニストとの併用投与群とLH-RHアゴニスト単独投与群の無作為化比較試験の結果は以下のとおりであった。
薬剤投与群評価項目
本剤とLH-RHアゴニストとの併用投与群
LH-RHアゴニスト単独投与群
検定結果
全生存期間
(107例)
(53例)
Log-Rank
G.Wilcoxon
非再燃期間
抗腫瘍効果(総合判定)
70.1%(75/107例)60.5%~78.6%
49.1%(26/53例)35.1%~63.2%
χ2検定
安全性(副作用発現症例率)
42.2%(46/109例)60.6%(66/109例)
30.2%(16/53例)52.8%(28/53例)
なお、本剤375mg/日投与と250mg/日投与注1)の間には、上記評価項目において差はなかった。
OH-フルタミドが前立腺癌組織のアンドロゲンレセプターに対するアンドロゲンの結合を阻害することにより、抗腫瘍効果を発揮するものと考えられる。
ラット前立腺癌細胞(R3327-G)中のアンドロゲンレセプターを用いた試験において、フルタミドの主活性代謝物であるOH-フルタミドはジヒドロテストステロンの約200倍の濃度で合成アンドロゲン剤のアンドロゲンレセプターに対する結合を50%阻害した7)。
フルタミドはヌードマウスに移植したアンドロゲン依存性ヒト前立腺癌細胞(HONDA)及びラット前立腺癌細胞(R3327-G)の増殖を抑制した8)。
フルタミド(Flutamide)
2-Methyl-N-[4-nitro-3-(trifluoromethyl)phenyl]propanamide
C11H11F3N2O3
276.21
フルタミドは、淡黄色の結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
40錠[10錠(PTP)×4]100錠[10錠(PTP)×10]
1) 社内資料:単回投与試験
2) 社内資料:反復投与試験
3) 社内資料:血漿たん白結合
4) 社内資料:尿中代謝物の検索と排泄
5) 阿曽佳郎ほか 泌尿紀要 1993;39:391-403
6) Akaza H, et al.:Jpn J Clin Oncol. 1993;23:178-185
7) 黒岩俊介ほか 基礎と臨床 1995;29:877-885
8) 黒岩俊介ほか 基礎と臨床 1995;29:887-897
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