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日本薬局方
ウベニメクスカプセル
処方箋医薬品注)
成人急性非リンパ性白血病に対する完全寛解導入後の維持強化化学療法剤との併用による生存期間の延長。
通常、成人急性非リンパ性白血病の完全寛解導入後に維持強化化学療法剤と併用する。投与量はウベニメクスとして1日30mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児発育不全が報告されている。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に生理機能が低下していることが多い。
5%未満
頻度不明
肝臓
AST上昇、ALT上昇
皮膚
発疹・発赤、そう痒感
脱毛
消化器
悪心・嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢
精神神経系
しびれ感
頭痛、ふらつき感
その他
口腔内違和感、浮腫
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤をラットに4週間、混餌投与した試験において、25mg/kg/日以上の投与量で病理組織学的に腎の変性・壊死所見が認められている。
健康成人男子5名に本剤30mgを単回経口投与したとき、平均血清中濃度は1時間後に最高値(2.2μg/mL)を示し、その後二相性の減衰曲線を描きながら減少し、24時間後にほとんど消失した1)。
癌患者3名に本剤30mgを1日1回、2~9週間連続経口投与したとき、本剤の投与後24時間値(次回投与直前値)は上昇する傾向を示し、最高血中濃度値もわずかに上昇したが、半減期の延長はほとんどみられなかった。
健康成人男性18名に本剤10、30、100及び200mg注1)を単回経口投与したとき、24時間尿中の未変化体及び代謝物である(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニル酪酸とウベニメクスのp-ヒドロキシ体の総和は、投与量に対しそれぞれ94、90、89及び83%で、投与量の増加にともない尿中排泄率が低下した。24時間尿中、投与量の67~73%は未変化体で、9~25%が(2S,3R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニル酪酸、2~5%がp-ヒドロキシ体であった1)。
成人急性非リンパ性白血病の完全寛解導入例を対象にBH-AC・DMP+VEMP療法による維持強化化学療法に本剤(30mg/日、連日経口投与)を併用する無作為化比較臨床試験を実施した。その結果、対照群(53例)の50%生存期間が18.9ヶ月であったのに対し、本剤併用群(48例)のそれは33.3ヶ月と約1.8倍の延長を認め、両群間の生存率曲線の差は有意であった。さらに、観察期間を約15ヶ月延長した再度の予後調査にもとづく成績においてもほぼ同様な成績が認められた2),3)。副作用は、発疹3.6%(2/55例)、そう痒感3.6%(2/55例)、しびれ感1.8%(1/55例)であり、臨床検査値異常は認めなかった。
本剤の作用機序は確立していないが、本剤を担癌マウスに投与すると、その腹腔マクロファージ、脾細胞、NK細胞等が非特異的に活性化され4),5),6),7)、腫瘍の増殖抑制あるいは細胞障害作用が認められていること8)、また、本剤はアミノペプチダーゼ類を介して宿主の免疫担当細胞表面に結合することが認められていることから、本剤は抗腫瘍免疫能を活性化することにより、抗腫瘍作用を発現すると考えられている。
in vitroの培養細胞に対する増殖抑制作用、及びin vivoにおける同系腫瘍及び自家腫瘍に対して単独投与又は化学療法との併用により、腫瘍増殖抑制、転移抑制並びに延命効果が認められている。
本剤にはin vitroで、骨髄細胞機能、インターロイキン1と2の遊離、リンパ球幼若化能、マクロファージ機能等の増強作用が認められた5),12)。またマウスにおいて、遅延型過敏反応、移植片対宿主反応、抗体産生能等の増強作用がみられた5),9),13)。
ウベニメクス(Ubenimex)
(2S)-2-[(2S,3R)-3-Amino-2-hydroxy-4-phenylbutanoylamino]-4-methylpentanoic acid
C16H24N2O4
308.37
白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、水に溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。1mol/L塩酸試液に溶ける。
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
30カプセル[10カプセル(PTP)×3]
1) Koyama M, et al.:Biomedical Mass Spectrometry. 1980;7:372-376
2) 栗田宗次ほか 癌と化学療法 1984;11:2742-2750
3) 太田和雄ほか 癌と化学療法 1986;13:1017-1025
4) Abe F, et al.:Gann. 1984;75:89-94
5) M Bruley-Rosset, et al.:Immunology. 1979;38:75-83
6) HU Schorlemmer, et al.:Cancer Res. 1983:43:4148-4153
7) 小野稔ほか 癌と化学療法 1982;9:1771-1777
8) WEG Muller, et al.:Int. J. Immunopharmac. 1982;4:393-400
9) M Bruley-Rosset, et al.:Small Molecular Immunomodifiers of Microbial Origin;Japan Scientific Societies Press. 1981;59-69
10) Tsuruo T, et al.:J. Antibiotics. 1981;34:1206-1209
11) Abe F, et al.:J. Antibiotics. 1985;38:411-414
12) Ishizuka M, et al.:Small Molecular Immunomodifiers of Microbial Origin;Japan Scientific Societies Press. 1981;17-38
13) Ishizuka M, et al.:J. Antibiotics. 1980;33:642-652
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