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日本薬局方
シロップ用アシクロビル
処方箋医薬品注)
本剤の成分あるいはバラシクロビル塩酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、成人には1回アシクロビルとして200mgを1日5回経口投与する。
通常、成人には1回アシクロビルとして200mgを1日5回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。
通常、成人には1回アシクロビルとして800mgを1日5回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常、小児には体重1kg当たり1回アシクロビルとして20mgを1日4回経口投与する。ただし、1回最高用量は200mgとする。
通常、小児には体重1kg当たり1回アシクロビルとして20mgを1日4回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。ただし、1回最高用量は200mgとする。
通常、小児には体重1kg当たり1回アシクロビルとして20mgを1日4回経口投与する。ただし、1回最高用量は800mgとする。
クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73m2)
単純疱疹
帯状疱疹
>25
1回200mgを1日5回
1回800mgを1日5回
10~25
1回800mgを1日3回
<10
1回200mgを1日2回
1回800mgを1日2回
意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。なお、腎機能障害患者では、特に意識障害等があらわれやすいので、患者の状態によっては従事させないよう注意すること。,
適切な水分補給を行うこと。,
投与間隔を調節し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤の曝露量が増加した場合には、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性が高い。,,,,,,
肝障害が増悪するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)の妊娠10日目に、母動物に腎障害のあらわれる大量(200mg/kg/day以上)を皮下投与した実験では、胎児に頭部及び尾の異常が認められたと報告されている1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。アシクロビルは、ヒト母乳中への移行が報告されている。
低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
投与間隔を調節し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。本剤の曝露量が増加した場合には、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性が高い。,,,,
プロベネシド
本剤の排泄が抑制され、本剤の平均血漿中半減期が18%延長し、平均血漿中濃度曲線下面積が40%増加するとの報告がある2)。特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること。
プロベネシドは尿細管分泌に関わるOAT1及びMATE1を阻害するため、本剤の腎排泄が抑制されると考えられる。
シメチジン
アシクロビルの排泄が抑制され、アシクロビルの平均血漿中濃度曲線下面積が27%増加するとの報告がある(バラシクロビル塩酸塩でのデータ)3)。特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること。
シメチジンは尿細管分泌に関わるOAT1、MATE1及びMATE2-Kを阻害するため、アシクロビルの腎排泄が抑制されると考えられる。
ミコフェノール酸 モフェチル
本剤及びミコフェノール酸 モフェチル代謝物の排泄が抑制され、両方の平均血漿中濃度曲線下面積が増加するとの報告がある4)。特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること。
本剤とミコフェノール酸 モフェチル代謝物が尿細管分泌で競合すると考えられる。
テオフィリン
本剤との併用によりテオフィリンの中毒症状があらわれることがある5)。
機序は不明であるが、本剤がテオフィリンの代謝を阻害するためテオフィリンの血中濃度が上昇することが考えられる。
アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(呼吸困難、血管性浮腫等)があらわれることがある。
,,
意識障害(昏睡)、せん妄、妄想、幻覚、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症等があらわれることがある。一般に精神神経症状は本剤の投与中止により回復する。,,
0.1%~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発熱、発疹、水疱、紅斑、蕁麻疹、瘙痒
固定薬疹、光線過敏症
血液
貧血、白血球増多、好酸球増多
リンパ球増多、血小板増多、顆粒球減少、血小板減少、好塩基球増多、リンパ球減少
出血、紫斑
肝臓
肝腫大、肝機能検査値異常(AST、ALT等の上昇)
腎臓・泌尿器
BUN上昇
血清クレアチニン値上昇、血尿、尿円柱、蛋白尿、膿尿、排尿困難
乏尿、結晶尿、尿閉
消化器
下痢、軟便、嘔気、嘔吐、腹痛、胃痛、心窩部痛、胃不快感
消化不良、食欲不振、舌炎
胃炎、口渇、便秘、鼓腸放屁
精神神経系
振戦、めまい、感情鈍麻、傾眠、眠気
意識障害、見当識障害、情動失禁、うつ状態、そう状態、集中力障害、徘徊、離人症、興奮、健忘、多弁、不眠、不安、言語障害、独語、異常感覚、運動失調、歩行異常、不随意運動、れん縮、しびれ感、眼振等
循環器
動悸
頻脈、不整脈、胸痛、血圧上昇、血圧低下
筋骨格
関節痛、筋肉痛
全身症状
頭痛
悪寒、発熱、全身倦怠感
失神、蒼白、ほてり、浮腫、脱力感、筋力低下
その他
血清トリグリセライド値上昇、尿糖
咽頭炎、血清アルブミン低下、血清カリウム値上昇、AG比低下、血清コレステロール値上昇
肺炎、呼吸困難、喘鳴、胸水、疼痛、難聴、結膜炎、視力異常、味覚障害、脱毛、発汗、低ナトリウム血症、血清蛋白低下
アシクロビルを数日間経口過量投与された際には、胃腸管症状(嘔気、嘔吐等)及び精神神経症状(頭痛、錯乱等)の発現が認められている。過量静脈内投与の場合は、血清クレアチニン及びBUNの上昇に続き腎不全の発現が認められている。また、過量静脈内投与後に、精神神経症状(錯乱、幻覚、興奮、てんかん発作、昏睡等)が認められている。,,,,
血液透析により、アシクロビルを血中より効率的に除去することができる。
懸濁後はできるだけ速やかに使用すること。
骨髄小核試験において、高用量(マウス腹腔内投与、180mg/kg以上)で染色体異常の誘発性を疑わせる所見が得られている。Ames試験、マウス優性致死試験等では陰性であったが、マウスに180、360、720mg/kgを腹腔内1回投与した骨髄小核試験では、小核出現頻度に用量相関性の有意な増加が認められた。
健康成人にアシクロビル200mg及び800mgを単回経口投与した場合、投与約1.3時間後にそれぞれ最高血漿中濃度0.63μg/mL及び0.94μg/mLに達し、血漿中濃度半減期は約2.5時間であった6)。
健康成人にアシクロビル200mgを4時間毎に1日5回、3日間反復経口投与した場合、平均ピーク濃度は0.77~0.85μg/mL、平均トラフ濃度は0.41~0.45μg/mLであった。また、800mgを同様の投与方法で反復経口投与した場合、平均ピーク濃度は2.02~2.31μg/mL、平均トラフ濃度は1.18~1.36μg/mLであった6)。
アシクロビルDS80%「NK」とゾビラックス顆粒40%それぞれアシクロビルとして200mgを、健康成人男子に絶食単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中アシクロビル濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された7)。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-12(ng・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
アシクロビルDS80%「NK」
2502.3±816.5
496.8±177.7
1.7±0.7
3.22±0.68
ゾビラックス顆粒40%
2321.7±828.2
451.0±146.2
1.8±0.8
3.23±0.46
(Mean±S.D., n=37)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
In vitroでのアシクロビルの血漿蛋白結合率は22~33%であった8),9)。
アシクロビル200mgの1日4時間毎反復経口投与時、水疱中アシクロビル濃度は血漿中濃度と同程度であった9)(外国人データ)。
性器ヘルペス患者へのアシクロビル200mgの1日5回10日間経口投与時、膣分泌物中への移行(投与終了0.5~1時間後:約0.43μg/g)が認められた10)(外国人データ)。
ヒトにアシクロビル200mgを1日5回経口投与した時の乳汁中アシクロビル濃度は血漿中濃度の0.6~4.1倍であり、最高約1.31μg/mL(200mg投与3時間後)であった11)(外国人データ)。
健康成人にアシクロビル200mg及び800mgを単回経口投与した場合、48時間以内にそれぞれ投与量の25.0%及び12.0%が未変化体として尿中に排泄された6),12)。健康成人にアシクロビル400mgを単回経口投与した場合、主な尿中代謝体9-カルボキシメトキシメチルグアニンの未変化体に対する割合は、約7.5%であった12)。
腎機能障害のある患者では点滴静注時、アシクロビルの生体内半減期の延長及び全身クリアランスの低下が認められた9)(外国人データ)。これらの結果から、患者の腎機能に対応する本剤の減量の目安を算出した。,重症腎機能障害患者へのアシクロビル2.5mg/kg 1時間点滴静注時、6時間の血液透析により血漿中濃度は約60%減少した13)(外国人データ)。
小児患者にアシクロビル200mgを単回経口投与した場合、6歳以上では体内薬物動態は成人とほぼ同等であった14)。新生児及び月齢の低い乳児では、腎機能が未熟なため、血漿中濃度の上昇、消失半減期の若干の延長が認められた15)(外国人データ)。小児骨髄移植患者においても他の患者と同等の吸収が認められたが、クレアチニンクリアランス値が40~60mL/min/1.48m2の一部の患者では2.25μg/mL以上の血清中濃度を示した16)。
In vitroにおいて、アシクロビルは、OAT1、OAT2、MATE1及びMATE2-Kの基質であった17),18),19),20)。
成人を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められた21)。
成人を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められ、本剤群での主な副作用は嘔吐4.6%(4/87例)及び嘔気2.3%(2/87例)であった23)。
第Ⅱ相及び既存療法を対照とした第Ⅲ相試験において、1ヵ月~12歳7ヵ月の水痘患者に対する有効率は、90.8%(69/76例)であり、既存療法に対する本剤の有用性が認められた24)。
アシクロビルは単純ヘルペスウイルスあるいは水痘・帯状疱疹ウイルスが感染した細胞内に入ると、ウイルス性チミジンキナーゼにより一リン酸化された後、細胞性キナーゼによりリン酸化され、アシクロビル三リン酸(ACV-TP)となる。ACV-TPは正常基質であるdGTPと競合してウイルスDNAポリメラーゼによりウイルスDNAの3’末端に取り込まれると、ウイルスDNA鎖の伸長を停止させ、ウイルスDNAの複製を阻害する25),26),27),28),29),30)。アシクロビルリン酸化の第一段階である一リン酸化は感染細胞内に存在するウイルス性チミジンキナーゼによるため、ウイルス非感染細胞に対する障害性は低いものと考えられる29),30)。
アシクロビルは、単純ヘルペスウイルス1型及び2型のin vitroにおける増殖を抑制し、IC50はそれぞれ0.01~1.25μg/mL及び0.01~3.20μg/mLであった31),32)。また、モルモットの膣内に単純ヘルペスウイルス2型を接種して性器ヘルペス感染症を発生させ、接種後1ないし2日目から5日間、アシクロビルを経口投与(125mg/kg×2/day)した実験で、病巣スコアは対照群に比し有意に低下した33)。
アシクロビルは、水痘・帯状疱疹ウイルスのin vitroにおける増殖を抑制し、IC50は0.17~7.76μg/mLであった25),34),35)。
アシクロビル(Aciclovir)
2-Amino-9-[(2-hydroxyethoxy)methyl]-1,9-dihydro-6H-purin-6-one
C8H11N5O3
225.20
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。水に溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。0.1mol/L塩酸試液又は希水酸化ナトリウム試液に溶ける。
25g、50g(バラ)
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