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生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤投与により重篤なアナフィラキシーが発現する可能性があるので、本剤は、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。また、重篤なinfusion reactionが発現した場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
本剤の成分又はα-ガラクトシダーゼ製剤に対するアナフィラキシーショックの既往歴のある患者
ファブリー病
通常、アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)[アガルシダーゼ ベータ後続1]として、1回体重1kgあたり1mgを隔週、点滴静注する。
IRの重症度及び頻度
軽度~中等度のIRの初回又は再発
重度のIRの初回又は再発
前投薬
投与開始1時間前・抗ヒスタミン剤・解熱鎮痛剤/抗炎症剤
投与開始約12時間、6時間及び1時間前・副腎皮質ホルモン剤
投与速度
0.15mg/分より開始し、異常が見られなければ徐々に0.25mg/分まで投与速度を上げる。
妊婦又は妊娠している可能性のある患者には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合のみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明である。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
悪寒、発熱、体温変動感、悪心、高血圧、嘔吐、潮紅、錯感覚(ファブリー痛)、疲労、疼痛(四肢痛)、頭痛、そう痒症、胸痛(胸部不快感)、低血圧、頻脈、動悸、徐脈、呼吸困難、喘鳴(咽喉絞扼感)、咳嗽、鼻炎、発疹、蕁麻疹、流涙増加、腹痛、筋痛、浮動性めまい、蒼白、酸素飽和度低下、浮腫等が報告されている。投与中あるいは投与終了後は、観察を十分に行い、これらの症状が発現した場合は、点滴速度を下げ、あるいは投与を一時中止し、適切な薬剤治療(抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤等)や緊急処置を行うこと。,
1%以上注2)
1%未満注2)
頻度不明注2)
血液およびリンパ系
好酸球増加症
心臓
徐脈、動悸
頻脈
眼
流涙増加
胃腸
悪心、腹痛、嘔吐
全身および投与局所様態
胸痛、悪寒、発熱、疲労、末梢性浮腫
体温変動感
感染症および寄生虫症
胃腸炎
筋骨格系および結合組織
疼痛
背部痛
筋肉痛
神経系
頭痛
錯感覚
呼吸器、胸郭および縦隔
呼吸困難、咳嗽
呼吸窮迫、喘鳴
鼻炎
皮膚および皮下組織
そう痒症、蕁麻疹、発疹
血管
潮紅
高血圧、低血圧
>10%
5~10%
1~5%
動悸
悪心、嘔吐
腹痛
上腹部痛、腹部不快感、胃不快感、口の感覚鈍麻
悪寒、発熱、冷感
疲労、胸部不快感、熱感
末梢性浮腫、疼痛、無力症、胸痛、倦怠感、顔面浮腫、高熱
臨床検査
血圧上昇、体温上昇
心拍数増加、血圧低下
四肢痛
筋痛、背部痛、筋痙縮、関節痛、筋緊張、筋骨格硬直
頭痛、錯感覚(ファブリー痛)
浮動性めまい、傾眠
感覚鈍麻、灼熱感、嗜眠
呼吸困難
鼻閉、咽喉絞扼感、喘鳴、咳嗽、呼吸困難増悪
そう痒症、蕁麻疹
発疹、紅斑、全身性そう痒症、血管神経性浮腫、顔面腫脹
高血圧、蒼白、低血圧、ほてり
たん白質を吸着しにくいポアサイズ0.2ミクロンのインラインフィルターを使用することが望ましい。
海外において、本剤に対するIgE陽性あるいは皮膚試験陽性となり投与を中止したが、その後投与を再開した患者が報告されている。再投与は、投与量0.5mg/kg、最初の30分の点滴速度を0.01mg/分(0.6mg/時)で開始し、その後は患者の様子をみながら徐々に投与速度を上昇させ、忍容性が良好な場合、通常の投与量(1mg/kg)に戻る投与方法で、再投与に成功している1)。
健康成人男性に本剤又はFabrazyme®注3)を1.0mg/kg単回静脈内投与し、血漿中のα-ガラクトシダーゼA濃度を測定した結果、本剤とFabrazyme®注3)の生物学的同等性評価パラメータであるAUC0-24の幾何平均値の比及び90%信頼区間は0.91[0.8294~1.0082]であり、対数値の平均値の差の90%信頼区間は事前に規定された生物学的同等性の判定基準であるlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であった。Cmaxの幾何平均値の比及び90%信頼区間は0.90[0.7992~1.0125]であり、対数値の平均値の差の90%信頼区間は事前に規定された生物学的同等性の判定基準であるlog(0.80)~log(1.25)の範囲に含まれなかった3)。
AUC0-24(ng・h/mL)
Cmax(ng/mL)
AUC0-∞(ng·h/mL)
t1/2(h)
本剤(n=9)
9249±866.9
1987±201.9
9303±862.5
1.445±0.877
Fabrazyme®注3)(n=10)
10170±1410
2232±387.8
10230±1427
1.473±0.191
平均値±標準偏差
日本人のファブリー病患者(13名)に、アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)点滴静注用1.0mg/kgを点滴静注したときの血中濃度は、投与終了時に最高値1,531±551ng/mLを示し、消失半減期は96.7±24.7分、クリアランスは3.0±0.9mL/分/kg、血中濃度曲線下面積は362,213±107,244分・ng/mLであった4)。
アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)点滴静注用3mg/kgをα-ガラクトシダーゼ ノックアウトマウスに静脈内投与したところ、ほとんどのα-ガラクトシダーゼ活性は肝臓で検出され、脾臓、腎臓、肺、心臓でもわずかに検出された5)。
組織内消失半減期は、脾臓5.6日、肝臓3.6日、心臓1.3日、腎臓0.7日であった6)。
ファブラザイム®点滴静注用が安定的に投与されているファブリー病患者16例を対象とした非盲検非対照試験において、ファブラザイム®点滴静注用1.0mg/kgを隔週投与された患者に対して、50週まで本剤1.0mg/kgを隔週投与した。血漿中グロボトリアオシルセラミド(GL-3)濃度は、ファブラザイム®点滴静注用投与時(本剤投与4週前、2週前、初回投与時の平均値)が3.844±1.218(平均値±標準偏差、以下同様)であり、本剤投与26週時(本剤投与24週後、26週後、28週後の平均値、中止例は中止時のデータを使用)が3.780±1.088であった。以上より、前治療期間と本剤投与後26週時点の血漿中GL-3濃度の比(1.025±0.227)の95%信頼区間(0.905,1.146)は同等性許容域(0.70~1.43)の範囲内であった7)。
ファブリー病患者13例にアガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)点滴静注用1mg/kgを隔週で20週間(11回)静脈内投与した非盲検法による国内第2相試験において、血漿、尿、腎、心臓及び皮膚組織中に蓄積している糖脂質グロボトリアオシルセラミド(GL-3)の除去が認められた。また、疼痛評価(McGill簡易表)、QOL評価(SF-36)でも改善傾向が認められ、下表に示すとおり、腎臓、皮膚、心臓においてGL-3の除去が認められた。アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)点滴静注用の副作用(臨床検査値異常変動を含む)は13例中8例に認められ、主な副作用はinfusion reactionと考えられる悪寒5例(38%)、発熱4例(31%)、倦怠感、呼吸困難、鼻炎、高血圧各2例(15%)であった。なお、国内における臨床試験では、アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)点滴静注用投与1時間前に前投薬としてヒドロキシジン及びアセトアミノフェン又はイブプロフェン等を経口投与した。Infusion reactionに対しては、マレイン酸クロルフェニラミン、イブプロフェン、ヒドロコルチゾンの投与を行った4)。
腎臓
12/13
1/1
皮膚
スコアゼロ:細胞中に蓄積物質の封入体が認められないか痕跡程度
ファブリー病患者58例がアガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)点滴静注用群(29例)又はプラセボ群(29例)に無作為に割付けられアガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)点滴静注用1mg/kg又はプラセボが隔週で20週間静脈内投与された二重盲検試験で、血漿、尿、腎、心臓及び皮膚組織中に蓄積している糖脂質グロボトリアオシルセラミド(GL-3)の除去が認められた(下表)。疼痛評価(McGill簡易表)は各投与群で投与後に有意差を認めたが、両群間には有意な差はみられず、また、QOL評価(SF-36)でもベースライン時と比較して、有意差は認められなかった。アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)点滴静注用の主な副作用(発現率が10%以上)は、悪寒48.3%(14/29例)、発熱24.1%(7/29例)、頭痛17.2%(5/29例)であり、温度感覚変化、ファブリー痛及び高血圧が10.3%(3/29例)であった8)。
海外第3相臨床試験(5ヵ月間)
プラセボ群
実薬群
0/29
20/29
1/29
21/29
29/29
海外における第3相二重盲検比較試験の非盲検継続試験では、ファブリー病患者58例にアガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)点滴静注用1.0mg/kgを最長54ヵ月間、隔週で静脈内に継続投与したところ、腎臓及び皮膚の様々な細胞でGL-3除去効果が認められた。また、QOL評価(SF-36)でも改善が認められ、疼痛評価(McGill簡易表)並びに糸球体ろ過速度及び血清クレアチニンで評価した腎機能は、長期投与期間中維持され、血漿GL-3値はアガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)点滴静注用投与6ヵ月以内に正常範囲まで低下し、その後は維持された9)。アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)点滴静注用の主な副作用(発現率が10%以上)は、58例中、悪寒58.6%(34例)、体温変動感37.9%(22例)、発熱36.2%(21例)、頭痛29.3%(17例)、悪心27.6%(16例)、胸痛、嘔吐及びファブリー痛・先端異常感覚が各20.7%(12例)、潮紅19.0%(11例)、腹痛、呼吸困難、鼻炎及びそう痒症が各17.2%(10例)、振戦、筋肉痛及び傾眠が各13.7%(8例)、高血圧12.1%(7例)であった。Infusion reactionは、海外における第3相二重盲検比較試験のオープン継続試験でも主な副作用であったが、発現する患者数は投与期間とともに減少している。
第3相非盲検継続試験
(6ヵ月間)
(54ヵ月間)
プラセボ/実薬群
実薬/実薬群
24/24
23/25
5/5
3/3
13/18
19/22
3/5
25/26
26/27
17/19
14/17
アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)点滴静注用を隔週で1.0mg/kg、最長35ヵ月の継続投与により、ファブリー病による腎機能障害、心機能障害、脳血管障害の発生において臨床的進行の抑制が認められた。特に投与開始時において、血清クレアチニン、尿中たん白/クレアチニン比が低い患者、推算糸球体ろ過量が高い患者では、臨床的進行の抑制効果がより明らかであった10)。
心ファブリー病患者6例を対象に1回1mg/kgを156週間隔週静脈内投与した。主要評価項目である心室中隔壁厚、左室後壁厚および左室心筋重量の結果は下表の通りであった。
主要評価項目
ベースライン
投与156週後
変化量
心室中隔壁厚(mm)
20.18(17.93~22.44)
20.55(18.30~22.80)
0.37(-3.88~4.61)
左室後壁厚(mm)
16.30(14.72~17.88)
15.97(14.39~17.55)
-0.33(-3.31~2.64)
左室心筋重量(g)
420.15(351.51~488.79)
442.85(374.21~511.49)
22.70(-106.57~151.97)
:最小二乗平均の点推定値(95%信頼性区間)
副次評価項目である血漿中GL-3濃度[最小二乗平均の点推定値(95%信頼性区間)]はベースラインでは4.98(4.24~5.73)μg/mL、投与156週後では4.17(3.42~4.91)μg/mLであった。安全性解析対象症例6例中、4例(66.7%)に副作用(臨床検査値異常変動を含む)が認められ、その内訳は、大腸癌、動悸、咽喉絞扼感、結腸ポリープ、びらん性胃炎、悪心、そう痒症、悪寒、熱感、浮腫、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、血圧低下、血中尿素増加、体温低下及び白血球数減少が各1例(16.7%)であった。
使用成績調査および特定使用成績調査において、安全性解析対象症例381例中125例(32.8%)に副作用(臨床検査値異常変動を含む)が認められ、主な副作用は「発熱」44例(11.5%)、「悪寒」34例(8.9%)、「頭痛」15例(3.9%)、「発疹」13例(3.4%)、「呼吸困難」10例(2.6%)等であった。
国内のファブリー病患者13例中11例(85%)及び海外における臨床試験の対象患者121例中95例(79%)でアガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)に対するIgG抗体が発現した。抗体を発現した本邦のファブリー病患者11例中7例(64%)、海外の患者95例中83例(87%)は、投与開始から3ヵ月以内に認められた。海外における54~60ヵ月の投与期間中、50%以上の患者でIgG抗体価がピーク時と比較して1/4以下に低下、あるいは放射免疫沈降法(RIP法)で検出限界以下となった。なお、アナフィラキシーショックはみられておらず、IgG抗体の産生に伴い効果が減弱したという報告はない。
本剤は、リソソーム内加水分解酵素α-ガラクトシダーゼAの遺伝子組換え製剤であり、細胞膜上のマンノース-6-リン酸(M6P)受容体等を介して細胞内に取り込まれ、蓄積したグロボトリアオシルセラミド(GL-3)を分解する。
本剤及びFabrazyme®注4)、ファブラザイム®点滴静注用の酵素活性を、人工基質である4-メチルウンベリフェリル-α-D-ガラクトピラノシドを用いて測定した結果、本剤及びFabrazyme®注4)、ファブラザイム®点滴静注用で力価(比活性)に差は確認されなかった。
本剤とFabrazyme®注4)、ファブラザイム®点滴静注用のM6P受容体依存性細胞内取り込みを、正常ヒト線維芽細胞を用いて比較した結果、本剤のM6P受容体を介した細胞内取り込み活性は、Fabrazyme®注4)、ファブラザイム®点滴静注用と比べて高かった。(in vitro)
本剤とFabrazyme®注4)をα-ガラクトシダーゼAノックアウトマウスに静脈内投与した結果、腎臓、心臓、皮膚、肝臓、脾臓及び血漿中のGL-3減少効果は同様であった11)。
α-ガラクトシダーゼ ノックアウトマウスに静脈内投与した結果、肝臓、腎臓、脾臓、心臓、皮膚の組織中及び血漿中のGL-3の有意な減少が認められた12)。
アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)[アガルシダーゼ ベータ後続1]Agalsidase Beta(Genetical Recombination)[Agalsidase Beta Biosimilar 1]
遺伝子組換えヒトα-ガラクトシダーゼAであり、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される398個のアミノ酸残基からなるサブユニット2個から構成される糖タンパク質(分子量:約103,000~104,000)
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1バイアル
1) David Bodensteiner, et al. Genet Med. 2008, 10(5) : 353-358.
2) ファブラザイム®点滴静注用 : ラット生殖発生毒性試験(2004年1月29日承認、CTD M2.6.6.6)
3) 社内資料 : JR-051の健康成人男性を対象とした第Ⅰ相臨床試験
4) ファブラザイム®点滴静注用 : AGAL-007-99試験(2004年1月29日承認、CTD M2.7.6.2)
5) ファブラザイム®点滴静注用 : マウスにおけるr-hαGALの体内分布(2004年1月29日承認、CTD M2.6.4.1)
6) ファブラザイム®点滴静注用 : ノックアウトマウスの組織におけるr-hαGALの安定性(2004年1月29日承認、CTD M2.6.4.4.3)
7) 社内資料 : JR-051のファブリー病を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験
8) ファブラザイム®点滴静注用 : AGAL-1-002-98試験(2004年1月29日承認、CTD M2.7.6.3)
9) Dominique P. Germain, et al. J Am Soc Nephrol. 2007, 18 : 1547-1557.
10) Maryam Banikazemi, et al. Ann Intern Med. 2007, 146 : 77-86.
11) 社内資料 : JR-051の薬理試験
12) Yiannis A. Ioannou, et al. Am J Hum Genet. 2001, 68 : 14-25.
住友ファーマ株式会社
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