医療用医薬品 詳細表示

イストラデフィリン錠20mg「ケミファ」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.6特定の背景を有する患者
16.7薬物相互作用
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2薬理作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

イストラデフィリン錠20mg「ケミファ」

添付文書番号

11690B0F2040_1_02

企業コード

530213

作成又は改訂年月

2026年8月作成(第1版)

日本標準商品分類番号

871169

薬効分類名

アデノシンA2A受容体拮抗薬

承認等

イストラデフィリン錠20mg「ケミファ」

販売名コード

YJコード

11690B0F2040

販売名英語表記

Istradefylline Tablets 20mg “Chemiphar”

販売名ひらがな

いすとらでふぃりんじょう20mg「けみふぁ」

承認番号等

承認番号

30800AMX00225000

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

イストラデフィリン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
  3. 2.3 重度の肝障害のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

イストラデフィリン錠20mg「ケミファ」

有効成分
(1錠中)
イストラデフィリン  20.0mg
添加剤  D-マンニトール、カルメロース、クロスポビドン、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、 軽質無水ケイ酸、酸化チタン、黄色4号(タートラジン)、カルナウバロウ、その他1成分

3.2 製剤の性状

イストラデフィリン錠20mg「ケミファ」

性状黄色のフィルムコーティング錠
外形表
裏
側面
直径7.1mm
厚さ3.3mm
重量118.0mg
識別コード表イストラデフィリン
裏20 ケミファ

4. 効能又は効果

レボドパ含有製剤で治療中のパーキンソン病におけるウェアリングオフ現象の改善

5. 効能又は効果に関連する注意

レボドパ含有製剤の投与量及び投与回数の調節を行ってもウェアリングオフ現象が認められる患者に対して使用すること。

6. 用法及び用量

本剤は、レボドパ含有製剤と併用する。通常、成人にはイストラデフィリンとして20mgを1日1回経口投与する。なお、症状により40mgを1日1回経口投与できる。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 患者のオン時の運動機能の改善を期待する場合、40mgを1日1回経口投与できる。ただし、40mgでは、20mgを上回るオフ時間の短縮効果は認められていない。
  2. 7.2 以下の患者では本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、1日1回20mgを上限とすること。
    • 中等度の肝障害のある患者,
    • CYP3Aを強く阻害する薬剤を投与中の患者,

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 前兆のない突発的睡眠、睡眠発作、起立性低血圧、傾眠、めまい、意識消失、失神等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転、機械の操作、高所作業等、危険を伴う作業に従事させないように注意すること。
  2. 8.2 非臨床試験においてマクロファージを主体とする肺の炎症性変化が認められている。本剤投与開始後は十分に観察し、息切れ・呼吸困難、乾性咳嗽が発現した場合には、胸部X線検査をはじめとする画像検査や適切な精密検査等を行い、必要に応じて減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 虚血性心疾患のある患者

    不整脈が悪化する可能性がある。

  2. 9.1.2 ジスキネジーのある患者

    患者の状態を注意深く観察しながら投与すること。ジスキネジーを悪化させることがある。ジスキネジーが悪化した場合には必要に応じ、本剤の減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝障害のある患者

    投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。また、これらの患者での使用経験はない。

  2. 9.3.2 肝障害のある患者(重度の肝障害のある患者を除く)

    本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。,

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット又はウサギ)で受胎率及び着床率の低下、全児死亡した母動物の増加、催奇形性(骨格変異、骨格異常、小眼球及び欠指)並びに哺乳期の出生児の生存率低値等が認められている。また、本剤とレボドパ・カルビドパを併用した動物実験(ウサギ)では、胎児生存率の低値が認められ、催奇形性(内臓異常、骨格異常、無指、短指又は欠指)を含む胎児への影響が、本剤単独投与と比較して、併用投与ではより低用量から認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されており、また、出生児の生存率低下及び体重増加量低値が認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能等)が低下している。

10. 相互作用

  • 本剤は、主としてCYP1A1及びCYP3A(CYP3A4及びCYP3A5)で代謝される。また、CYP3A及びP糖蛋白に対して阻害作用を示す。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

CYP3Aを強く阻害する薬剤

  • イトラコナゾール
    クラリスロマイシン 等

,

本剤の作用が増強される可能性がある。

CYP3A阻害剤との併用により、本剤の代謝が阻害され血中濃度が増加する可能性がある。
ケトコナゾールと本剤を併用した際に、本剤のAUC0-∞は増加し、t1/2は延長した。

CYP3Aを阻害する薬剤

  • エリスロマイシン
    フルコナゾール 等

本剤の作用が増強される可能性がある。

CYP3A阻害剤との併用により、本剤の代謝が阻害され血中濃度が増加する可能性がある。

CYP3Aを誘導する薬剤

  • リファンピシン
    カルバマゼピン 等


セイヨウオトギリソウ
(St. John’s Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

本剤の作用が減弱する可能性がある。

CYP3A誘導剤との併用により、本剤の代謝が促進され血中濃度が低下する可能性がある。

CYP3Aの基質となる薬剤

  • ミダゾラム
    アトルバスタチン
    ロミタピドメシル酸塩 等

,

左記薬剤の作用が増強される可能性がある。

本剤との併用により、CYP3Aの基質となる薬剤の代謝が阻害され血中濃度が増加する可能性がある。

P糖蛋白の基質となる薬剤

  • ジゴキシン
    アトルバスタチン 等

,

左記薬剤の作用が増強される可能性がある。

本剤との併用により、P糖蛋白が阻害され、P糖蛋白の基質となる薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。

タバコ(喫煙)

本剤の作用が減弱する可能性がある。

喫煙によるCYP1A1及びCYP1A2の誘導により、本剤の代謝が亢進し血中濃度が低下する可能性がある。

エンタカポン

エンタカポンとの併用によりジスキネジーの発現頻度の上昇が認められた。

機序は不明である。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 精神障害

    幻視(4.5%)、幻覚(3.2%)、妄想(0.8%)、せん妄(0.6%)、不安障害(0.5%)、うつの悪化・抑うつ(0.5%)、被害妄想(0.3%)、幻聴(0.2%)、体感幻覚(0.2%)、躁病(0.2%)、激越(0.2%)、衝動制御障害(0.2%)等があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

5%以上

1~5%未満

0.5~1%未満

0.5%未満

心臓障害

上室性期外収縮、心房細動、動悸

心筋梗塞、心室性期外収縮

胃腸障害

便秘(5.1%)

悪心、胃食道逆流性疾患

胃炎、胃潰瘍、消化不良

腹部膨満、嘔吐、上腹部痛

一般・全身障害および投与部位の状態

胸部不快感

倦怠感、末梢性浮腫、口渇、歩行障害

肝胆道系障害

肝機能異常

感染症および寄生虫症

気管支炎

傷害、中毒および処置合併症

挫傷

臨床検査

体重減少、血中CK増加、血中トリプシン増加、リパーゼ増加、尿中血陽性、尿中蛋白陽性

血中ブドウ糖増加、尿中ブドウ糖陽性、血中尿素増加、血中Al-P増加、血中アミラーゼ増加、AST増加、ALT増加、γ-GTP増加

LDH増加、血中ビリルビン増加、血圧上昇、心電図T波逆転、白血球数減少

代謝および栄養障害

食欲減退

筋骨格系および結合組織障害

四肢痛

背部痛、変形性脊椎症、姿勢異常

神経系障害

ジスキネジー(16.9%)

傾眠、パーキンソン病増悪

体位性めまい、浮動性めまい、頭痛、失神

ジストニー、振戦

精神障害

不眠症

睡眠障害

不安

腎および尿路障害

頻尿、神経因性膀胱

呼吸器、胸郭および縦隔障害

咳嗽

皮膚および皮下組織障害

じん麻疹

湿疹、発疹

血管障害

起立性低血圧

高血圧

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    急性症状としては、ジスキネジー、幻覚が予想される。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報

  1. 15.2.1 マウス、ラット及びイヌを用いた反復投与毒性試験並びにマウス及びラットを用いたがん原性試験において、臨床曝露量(AUC0-24換算)の3倍程度に相当する用量(ラットがん原性試験の30mg/kg/日及びイヌ4週間の100mg/kg/日)から、マクロファージを主体とする肺の炎症性変化(肺胞腔内へのマクロファージ/泡沫状マクロファージ/組織球/泡沫状組織球の発現、集簇又は増加並びにこれらの変化と関連した肺炎)が認められ、これらの変化は休薬により回復性を示した。また、ラットを用いた高用量短期反復投与毒性試験(2000mg/kg/日の4週間)及びがん原性試験(100mg/kg/日)では、肺の変化の増悪による死亡が認められている1)。
  2. 15.2.2 アカゲザルを用いた静脈内自己投与による強化効果の検討試験において、強化効果が陽性であった2)。
  3. 15.2.3 ラットを用いた13週間以上の反復投与毒性試験及びがん原性試験において、臨床曝露量(AUC0-24換算)の3倍程度の曝露量に相当する用量(がん原性試験の30mg/kg/日)から脳の細動脈壁及び毛細血管壁における鉱質沈着が認められている3)。
  4. 15.2.4 ヘアレスラットを用いた光毒性試験において、多量のUVA照射(400mg/kg単回投与時は30J/cm2以上及び同用量の7日間反復投与時は20J/cm2以上)により軽度の皮膚紅斑反応が認められている4)。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    健康成人男性にイストラデフィリン錠20mgを絶食下又は食後に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった(クロスオーバー試験)。
    イストラデフィリン錠を食後投与したときのCmax及びAUC0-∞は、いずれも絶食下投与に比べ増加したが、臨床的には大きな影響は認められなかった5)。

    健康成人男性に単回経口投与したときの薬物動態パラメータ

    投与量
    20mg

    tmaxa)
    (h)

    Cmax
    (ng/mL)

    AUC0-∞
    (ng・h/mL)

    t1/2
    (h)

    絶食下投与
    (n=20)

    2.00
    0.50~4.00

    112.9
    ±24.1

    4323b)
    ±1991

    57.09b)
    ±31.51

    食後投与
    (n=20)

    3.00
    0.50~8.00

    136.4
    ±36.0

    4591
    ±1997

    53.56
    ±22.33

    平均値±標準偏差
    a)中央値、最小値~最大値
    b)n=19

  2. 16.1.2 反復投与

    健康成人男性にイストラデフィリン錠20、40又は80mg/日注)を1日1回14日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
    イストラデフィリン錠を反復投与したときのCmax及びAUC0-24は、いずれも20~80mg/日の投与量範囲で投与量に比例して増加した。14日間の反復投与により、トラフ濃度(Ctrough)はおおむね定常状態に到達した6)。
    注)本剤の承認用量は、1日40mgまでである。

    健康成人男性に反復経口投与したときの薬物動態パラメータ

    投与量

    Day

    tmaxa)
    (h)

    Cmax
    (ng/mL)

    Ctrough
    (ng/mL)

    AUC0-24
    (ng・h/mL)

    t1/2
    (h)

    20mg
    (n=9)

    1

    2.00
    1.00~6.00

    149.2
    ±25.3

    33.4
    ±11.5

    1319
    ±335

    ─

    14

    4.00
    2.00~4.00

    257.5
    ±88.0

    154.6
    ±59.4

    4406
    ±1598

    75.0b)
    ±32.0

    40mg
    (n=9)

    1

    2.00
    1.00~4.00

    257.3
    ±38.7

    67.2
    ±20.3

    2638
    ±616

    ─

    14

    2.00
    0.50~4.00

    458.7
    ±117.4

    284.7
    ±66.6

    7925
    ±2047

    59.1c)
    ±27.0

    80mg
    (n=9)

    1

    2.00
    2.00~4.00

    391.2
    ±120.0

    105.2
    ±38.0

    3966
    ±1264

    ─

    14

    2.00
    2.00~4.00

    857.3
    ±180.5

    502.1
    ±136.2

    14318
    ±3023

    51.1b)
    ±25.0

    平均値±標準偏差
    a)中央値、最小値~最大値
    b)n=7
    c)n=8

  3. 16.1.3 生物学的同等性試験

    イストラデフィリン錠20mg「ケミファ」とノウリアスト錠20mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(イストラデフィリンとして20mg)健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中イストラデフィリン未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された7)。

    判定パラメータ

    参考パラメータ

    AUC0-240
    (ng・h/mL)

    Cmax
    (ng/mL)

    tmax
    (h)

    t1/2
    (h)

    イストラデフィリン錠20mg「ケミファ」

    4919.500
    ±2171.291

    116.188
    ±29.544

    2.72
    ±1.41

    79.88
    ±41.36

    ノウリアスト錠20mg

    4932.145
    ±2178.198

    109.319
    ±29.946

    2.75
    ±1.48

    77.71
    ±38.63

    平均値±標準偏差 n=32

    血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

  1. 16.3.1 蛋白結合率

    In vitroでの血清中蛋白結合率は95~97%であり、血漿中の主結合蛋白はアルブミンであった。健康成人、肝機能低下患者及び腎機能低下患者での血漿中蛋白結合率は同等であり97~98%であった8)(外国人データ)。

  2. 16.3.2 受容体占有率

    イストラデフィリンの脳内結合部位は大脳基底核を中心にアデノシンA2A受容体の分布によく一致し、イストラデフィリン20及び40mg/日の反復投与によるアデノシンA2A受容体占有率は90%以上を示した9)(外国人データ)。

16.4 代謝

ヒト肝ミクロソーム及びCYP発現ミクロソームを用いた試験から、イストラデフィリンの代謝には、主にCYP1A1、CYP3A4及びCYP3A5が関与し、わずかながらCYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C18及びCYP2D6*1の関与が示唆された。また、イストラデフィリンはCYP3A4/5に対して不可逆阻害作用を示した10),11)。
健康成人6例に14C-イストラデフィリン40mgを単回経口投与したとき、投与後2時間の血漿中には総放射能の約80%が未変化体として存在した。尿中には未変化体は認められず、イストラデフィリンの主消失経路は代謝と推定された12)(外国人データ)。

16.5 排泄

健康成人6例に14C-イストラデフィリン40mgを単回経口投与したとき、投与後18日までに、尿中及び糞中にそれぞれ投与放射能の38.9%及び48.0%が排泄された12)(外国人データ)。また、Caco-2細胞単層膜を用いた試験で、イストラデフィリンはP糖蛋白に対して阻害作用を示した13)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

    腎機能障害患者6例(Cockroft-Gault換算式によるクレアチニンクリアランス:30mL/min未満)及び健康成人6例にイストラデフィリン錠40mgを単回経口投与したとき、血漿中曝露に大きな違いは認められなかった14)(外国人データ)。

  2. 16.6.2 肝機能障害患者

    肝機能障害患者7例(Child-Pugh分類による中等度の肝障害)及び健康成人7例にイストラデフィリン錠40mg/日を反復経口投与したとき、定常状態での肝機能障害患者のCmax及びAUC0-24は、いずれも健康成人の約3倍と推定された15)(外国人データ)。,

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 ケトコナゾール

    健康成人において、CYP3A4の阻害剤であるケトコナゾール(200mg/回、1日2回4日間、以降、1日1回7日間反復投与)との併用により、イストラデフィリン錠(40mg単回投与)のCmaxは影響を受けなかったが、AUC0-∞は2.47倍に増加し、t1/2は1.87倍に延長した16)(外国人データ)。,

  2. 16.7.2 ミダゾラム

    健康成人において、イストラデフィリン錠(80mg/日注)、15日間反復投与)との併用により、CYP3A4の基質であるミダゾラム(10mg単回投与)のCmaxは1.61倍、AUC0-∞は2.41倍に増加した16)(外国人データ)。

  3. 16.7.3 アトルバスタチン

    健康成人において、イストラデフィリン錠(40mg/日、17日間反復投与)との併用により、CYP3A4及びP糖蛋白の基質であるアトルバスタチン(40mg単回投与)のCmaxは1.53倍、AUC0-∞は1.54倍に増加した17)(外国人データ)。

  4. 16.7.4 ジゴキシン

    健康成人において、イストラデフィリン錠(40mg/日、21日間反復投与)との併用により、P糖蛋白の基質であるジゴキシン(0.4mg単回投与)のCmaxは1.33倍、AUC0-∞は1.21倍に増加した18)(外国人データ)。

  5. 16.7.5 喫煙

    喫煙健康成人でのイストラデフィリン錠(40mg/日、14日間反復投与)のCmax及びAUC0-24は、非喫煙健康成人のそれぞれ79.3%及び58.4%であった19)(外国人データ)。
    注)本剤の承認用量は、1日40mgまでである。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験

    レボドパ含有製剤で治療中の運動合併症を併発しているパーキンソン病患者373例(イストラデフィリン錠20mg投与群123例、イストラデフィリン錠40mg投与群124例、プラセボ投与群126例)を対象として、イストラデフィリン錠を12週間投与した第Ⅲ相二重盲検試験を実施した結果、イストラデフィリン錠20mg投与群及び40mg投与群ではプラセボ投与群と比較して主要評価項目とした1日平均オフ時間を短縮させた。また、イストラデフィリン錠40mg投与群ではプラセボ投与群と比較して、副次評価項目としたオン時のUPDRS partⅢスコア(運動能力検査)を改善させた20)。
    副作用発現頻度は、イストラデフィリン錠20mg投与群36.6%(45/123例)、イストラデフィリン錠40mg投与群38.7%(48/124例)、プラセボ投与群28.6%(36/126例)であった。主な副作用は、イストラデフィリン錠20mg投与群及び40mg投与群でそれぞれジスキネジー12.2%(15/123例)及び12.1%(15/124例)、傾眠6.5%(8/123例)及び1.6%(2/124例)、便秘3.3%(4/123例)及び3.2%(4/124例)、幻視0.8%(1/123例)及び4.0%(5/124例)であった。

    最終評価時(投与12週間後)における1日平均オフ時間の変化
    単位:時間

    第Ⅲ相二重盲検試験

    プラセボ群

    20mg群

    40mg群

    被験者数

    123

    120

    123

    ベースライン

    平均値±標準偏差

    6.31±2.47

    6.55±2.72

    5.97±2.45

    最終評価時-ベースライン

    最小二乗平均値

    -0.23

    -0.99

    -0.96

    95%信頼区間

    -0.62, 0.16

    -1.38, -0.60

    -1.35, -0.58

    イストラデフィリン錠投与群-プラセボ投与群

    最小二乗平均値

    ─

    -0.76

    -0.74

    95%信頼区間

    ─

    -1.30, -0.22

    -1.27, -0.20

    p値
    (Williams検定)

    ─

    0.003a)

    0.003a)

    a)p<0.025

    最終評価時(投与12週間後)におけるオン時のUPDRS partⅢスコアの変化

    第Ⅲ相二重盲検試験

    プラセボ群

    20mg群

    40mg群

    被験者数

    123

    120

    123

    ベースライン

    平均値±標準偏差

    21.6±11.6

    21.3±10.8

    20.7±11.0

    最終評価時-ベースライン

    最小二乗平均値

    -2.8

    -3.7

    -4.9

    95%信頼区間

    -3.8, -1.8

    -4.7, -2.8

    -5.8, -3.9

    イストラデフィリン錠投与群-プラセボ投与群

    最小二乗平均値

    ─

    -0.9

    -2.0

    95%信頼区間

    ─

    -2.3, 0.4

    -3.4, -0.7

    p値
    (Williams検定)

    ─

    0.086 NS

    0.001a)

    a)p<0.025
    NS:有意差なし

  2. 17.1.2 国内第Ⅱ/Ⅲ相試験における精神障害の有害事象発現割合

    レボドパ含有製剤で治療中の運動合併症を併発しているパーキンソン病患者を対象として、イストラデフィリン錠を12週間投与した国内プラセボ対照比較試験(前期第Ⅱ相試験、後期第Ⅱ相試験及び第Ⅲ相試験)を実施した結果、「精神障害」(MedDRA/Jの器官別大分類)の有害事象発現割合は、イストラデフィリン錠20mg投与群、40mg投与群、プラセボ投与群でそれぞれ5.5%(15/272例)、10.1%(28/277例)、3.6%(10/275例)であった20),21),22)。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

  1. 18.1.1 イストラデフィリンはアデノシンA2A受容体拮抗薬であり、線条体及び淡蒼球において当該受容体を遮断することによりパーキンソン病に対する治療効果を発現する23)。
  2. 18.1.2 イストラデフィリンはヒト組換えアデノシンA2A受容体に対し、高い親和性を示すが、ヒト組換えアデノシンA1, A3受容体への親和性は低い24)(in vitro)。
  3. 18.1.3 イストラデフィリンはPC-12細胞においてアデノシンA2A作動薬CGS21680によるcAMP蓄積増加作用を阻害する25)(in vitro)。
  4. 18.1.4 ラットのパーキンソン病モデルである黒質線条体片側破壊ラットにおいて、増加している淡蒼球ガンマアミノ酪酸(GABA)細胞外濃度を減少させる26)。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1 イストラデフィリンはレセルピン処置マウスの運動障害であるカタレプシー反応を改善した。イストラデフィリンをレボドパと併用すると、カタレプシー改善作用は増強された27)。
  2. 18.2.2 イストラデフィリンはパーキンソン病モデルである1-Methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine(MPTP)処置マーモセットの自発運動量を増加させ、運動機能障害を改善した。イストラデフィリンをレボドパと併用すると、レボドパの作用は増強され、レボドパの作用持続時間が延長された28),29)。
  3. 18.2.3 イストラデフィリンはMPTP処置マーモセットのレボドパによる不随意運動の強度に影響しなかった30)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

イストラデフィリン(Istradefylline)

化学名

(E)-8-(3,4-Dimethoxystyryl)-1,3-diethyl-7-methyl-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione

分子式

C20H24N4O4

分子量

384.43

性状

淡黄緑色の結晶性の粉末である。アセトニトリルに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

本剤は光安定性の確保のためフィルムコーティングを施しているので、粉砕して使用しないこと。

22. 包装

30錠[10錠(PTP)×3]
100錠[10錠(PTP)×10]
100錠[ポリエチレンビン、バラ]

23. 主要文献

1) 長期反復投与毒性試験及びがん原性試験における肺の変化(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.6.9.2.1)

2) 静脈内自己投与による強化効果の検索に関する試験(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.6.8.3.2)

3) 長期反復投与毒性試験及びがん原性試験における脳の鉱質沈着(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.6.9.2.4)

4) ヘアレスラットを用いた光毒性試験(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.6.8.4.1.2)

5) 単回投与時の薬物動態試験(国内・健康成人)(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.7.6.2)

6) 反復投与時の薬物動態試験(国内・健康成人)(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.7.6.6)

7) 社内資料:生物学的同等性試験(イストラデフィリン錠20mg「ケミファ」)

8) 蛋白結合率(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.7.2.3.4.1)

9) Brooks DJ, et al.:Synapse. 2008;62:671-681

10) 代謝酵素の同定(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.4.5.3.2)

11) CYP阻害作用(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.4.5.4.2)

12) マスバランス試験(海外・健康成人)(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.7.2.2.2.4、2.7.6.8)

13) Caco-2を用いた検討(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.4.3.4)

14) 薬物動態試験(海外・腎機能低下患者)(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.7.6.11)

15) 薬物動態試験(海外・肝機能低下患者)(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.7.2.2.2.2、2.7.6.12)

16) 相互作用試験(海外・ミダゾラム/ケトコナゾール)(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.7.6.14)

17) 相互作用試験(海外・アトルバスタチン)(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.7.6.15)

18) 相互作用試験(海外・ジゴキシン)(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.7.6.16)

19) 薬物動態試験(海外・喫煙者)(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.7.2.2.2.3)

20) 第Ⅲ相二重盲検試験(国内・パーキンソン病患者)(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.7.6.20)

21) 前期第Ⅱ相二重盲検試験(国内・パーキンソン病患者)(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.7.6.18)

22) 後期第Ⅱ相二重盲検試験(国内・パーキンソン病患者)(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.7.6.19)

23) パーキンソン病モデルにおける作用機序(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.2.2.2.2)

24) アデノシン受容体に対する親和性(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.2.2.2.1.1)

25) アデノシンA2A受容体に対する機能試験(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.2.2.2.1.4)

26) 黒質線条体片側破壊ラットにおける淡蒼球ガンマアミノ酪酸濃度測定(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.2.2.2.2.2)

27) マウスにおけるレセルピン誘発カタレプシー改善作用(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.2.2.1.1)

28) MPTP処置マーモセットに対する運動機能障害改善作用(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.2.2.1.2.1)

29) MPTP処置マーモセットにおけるレボドパとの併用効果(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.2.2.1.2.3)

30) MPTP処置マーモセットの不随意運動に対する作用(ノウリアスト錠:2013年3月25日承認、申請資料概要2.6.2.2.1.2)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

日本ケミファ株式会社 安全管理部

〒101-0032 東京都千代田区岩本町2丁目2-3

TEL 0120-47-9321 03-3863-1225
FAX 03-3861-9567

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

日本ケミファ株式会社

東京都千代田区岩本町2丁目2-3

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

画面を閉じる

Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.