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日本薬局方
サルポグレラート塩酸塩錠
慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛および冷感等の虚血性諸症状の改善
サルポグレラート塩酸塩として、通常成人1回100mgを1日3回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤投与中は定期的に血液検査を行うことが望ましい。
出血を増強するおそれがある。
出血傾向を増強するおそれがある。,
排泄に影響するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胚胎児死亡率増加及び新生児生存率低下が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量(例えば150mg/日)より投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に腎、肝等の生理機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。
抗凝固剤 ワルファリン等
出血傾向を増強するおそれがある。
相互に作用を増強する。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤 アスピリン チクロピジン塩酸塩 シロスタゾール等
脳出血、吐血や下血等の消化管出血があらわれることがある。,
AST、ALT、ALP、γ−GTP、LDHの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、発赤
丘疹、そう痒
紅斑、蕁麻疹
肝臓
肝機能障害(ビリルビン、AST、ALT、ALP、γ−GTP、LDHの上昇等)
出血傾向
出血(鼻出血、皮下出血等)
消化器
嘔気、胸やけ、腹痛、便秘
異物感(食道)、食欲不振、腹部膨満感、下痢
嘔吐、口内炎
循環器
心悸亢進
息切れ、胸痛、ほてり
精神神経系
頭痛
眠気、味覚異常、めまい
腎臓
蛋白尿、尿潜血、BUN上昇、クレアチニン上昇
血液
貧血
血小板減少
白血球減少
その他
血清中性脂肪の上昇、血清コレステロールの上昇、血清アルブミンの減少、尿糖、尿沈渣
体重の増加、浮腫、倦怠感、血清カルシウムの減少
しびれ感、発熱、咽頭痛、咽頭不快感、咽頭灼熱感
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
サルポグレラート塩酸塩錠50mg「ケミファ」とアンプラーグ錠50mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(サルポグレラート塩酸塩として50mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1)。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0→3(μg・hr/mL)
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
サルポグレラート塩酸塩錠50mg「ケミファ」
0.240±0.066
0.391±0.172
0.43±0.10
0.76±0.33
アンプラーグ錠50mg
0.239±0.087
0.399±0.158
0.41±0.11
0.65±0.18
(Mean±S.D., n=20)
サルポグレラート塩酸塩錠100mg「ケミファ」とアンプラーグ錠100mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(サルポグレラート塩酸塩として100mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)についてAUCは対数値の平均値の差の90%信頼区間において生物学的同等性の判定基準に適合し、さらにCmaxも対数値の平均値の差がlog(0.90)~log(1.11)の範囲内であり、且つ、溶出試験で溶出挙動が類似していると判定されたことから、両剤の生物学的同等性が確認された1)。
AUC0→6(μg・hr/mL)
t1/2※(hr)
サルポグレラート塩酸塩錠100mg「ケミファ」
0.510±0.312
0.652±0.415
0.67±0.57
0.65±0.36
アンプラーグ錠100mg
0.443±0.155
0.583±0.333
0.68±0.59
0.62±0.22
(Mean±S.D., n=30)(※:n=29)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健康成人における経口吸収率は尿、糞中への未変化体及び代謝物の排泄率より50%以上と推定される2)。
雄性ラットに14C-サルポグレラート塩酸塩を20mg/kg経口投与したとき、大部分の組織中放射能濃度は15~30分で最高値に達し、肝臓、腎臓及び肺に血漿中より高い放射能の分布が認められたが、他の組織中濃度は血漿中濃度と同等かもしくは低値であった3)。
ヒト血清:95%以上4)(in vitro、限外ろ過法)。
サルポグレラート塩酸塩は脱エステル化された後、代謝物は複数のチトクロームP450分子種(CYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4)で代謝される5)。
健康成人6例にサルポグレラート塩酸塩を100mg単回経口投与したとき、投与後24時間までに未変化体は尿及び糞中に認められなかったが、大部分が抱合型代謝物として尿中に排泄された。また、尿中及び糞中への合計排泄率はそれぞれ44.5%及び4.2%であった2)。
注)本剤の承認用法は1日3回食後経口投与である。
慢性動脈閉塞症を対象に100mg錠を1回1錠1日3回6週間毎食後に経口投与した二重盲検比較試験において、有用度は64.3%(45/70例)(有用以上)、90.0%(63/70例)(やや有用以上)であった。副作用発現頻度は2.6%(2/76例)であった。副作用の内訳は腹痛、嘔気、消化管出血いずれも1.3%(1/76例)であった6)。
サルポグレラート塩酸塩は血小板及び血管平滑筋における5-HT2(セロトニン)レセプターに対する特異的な拮抗作用を示す。その結果、抗血小板作用及び血管収縮抑制作用を示す7),8),9),10)。
ラットの血管平滑筋を用いたin vitroの試験において、セロトニンによる血管平滑筋の収縮を抑制する7)。また、血小板凝集に伴い血管平滑筋が収縮するが、この収縮を抑制する8)。
慢性動脈閉塞症患者の経皮的組織酸素分圧及び皮膚表面温度を上昇させる15)。
サルポグレラート塩酸塩(Sarpogrelate Hydrochloride)
(2RS)-1-Dimethylamino-3-{2-[2-(3-methoxyphenyl)ethyl]phenoxy}propan-2-yl hydrogen succinate monohydrochloride
C24H31NO6・HCl
465.97
白色の結晶性の粉末である。水又はエタノール(99.5)に溶けにくい。0.01mol/L塩酸試液に溶ける。水溶液(1→100)は旋光性を示さない。結晶多形が認められる。
1) 日本ケミファ株式会社:生物学的同等性に関する資料(社内資料)
2) 小松貞子, 他: 薬物動態. 1991; 6(3): 353-375
3) 小松貞子, 他: 薬物動態. 1991; 6(3): 377-398
4) 丹羽卓朗, 他: 薬理と治療. 1991; 19: S749-756
5) 第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店 2021: C2091-2095
6) 古川欽一, 他: 臨床医薬. 1991; 7(8): 1747-1770
7) 原 啓人, 他: Thromb Haemost. 1991; 65(4): 415-420
8) 原 啓人, 他: 薬理と治療. 1991; 19: S611-618
9) 土橋洋史, 他: J Pharmacobiodyn. 1991; 14(8): 461-466
10) 丸山恵子, 他: J Pharmacobiodyn. 1991; 14(4): 177-181
11) 山口 寛, 他: 臨床医薬. 1991; 7(6): 1235-1241
12) 磯貝行秀, 他: 臨床医薬. 1991; 7(6): 1227-1233
13) 原 啓人, 他: Arzneimittelforschung. 1991; 41(6): 616-620
14) 原 啓人, 他: Thromb Haemost. 1991; 66(4): 484-488
15) 伊藤勝朗, 他: 臨床医薬. 1991; 7(6): 1243-1251
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