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セパゾン錠1/セパゾン錠2/セパゾン散1%

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2静穏作用・馴化作用
18.3抗痙攣作用
18.4筋緊張に対する作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

セパゾン錠1/セパゾン錠2/セパゾン散1%

添付文書番号

1124014B1036_3_03

企業コード

530258

作成又は改訂年月

2023年7月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

871124

薬効分類名

マイナートランキライザー

承認等

セパゾン錠1

販売名コード

YJコード

1124014F1038

販売名英語表記

SEPAZON Tablets 1

販売名ひらがな

せぱぞんじょう1

承認番号等

承認番号

14800AMZ00577

販売開始年月

1974年1月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

セパゾン錠2

販売名コード

YJコード

1124014F2034

販売名英語表記

SEPAZON Tablets 2

販売名ひらがな

せぱぞんじょう2

承認番号等

承認番号

14800AMZ00576

販売開始年月

1974年1月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

セパゾン散1%

販売名コード

YJコード

1124014B1036

販売名英語表記

SEPAZON Powder 1%

販売名ひらがな

せぱぞんさん1%

承認番号等

承認番号

14800AMZ00571

販売開始年月

1974年1月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年6ヵ月

一般的名称

クロキサゾラム

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  3. 2.3 重症筋無力症の患者[筋弛緩作用により症状を悪化させるおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

セパゾン錠1

有効成分1錠中クロキサゾラム(日局)   1mg
添加剤乳糖水和物、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸カルシウム

セパゾン錠2

有効成分1錠中クロキサゾラム(日局)   2mg
添加剤乳糖水和物、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸カルシウム

セパゾン散1%

有効成分1g中クロキサゾラム(日局)   10mg
添加剤D-マンニトール、乳糖水和物、バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース

3.2 製剤の性状

セパゾン錠1

外形
大きさ直径6.0mm
厚さ1.9mm
質量75mg
識別コードNF125
色・剤形白色・素錠(割線入)

セパゾン錠2

外形
大きさ直径7.0mm
厚さ2.4mm
質量120mg
識別コードNF126
色・剤形白色・素錠(割線入)

セパゾン散1%

色・剤形白色・微細な粒を含む粉末

4. 効能又は効果

  • 神経症における不安・緊張・抑うつ・強迫・恐怖・睡眠障害
  • 心身症(消化器疾患、循環器疾患、更年期障害、自律神経失調症)における身体症候ならびに不安・緊張・抑うつ
  • 術前の不安除去

6. 用法及び用量

  • 〈神経症における不安・緊張・抑うつ・強迫・恐怖・睡眠障害、心身症における身体症候ならびに不安・緊張・抑うつ〉

    通常成人クロキサゾラムとして1日3~12mgを3回に分けて経口投与する。
    なお年齢・症状に応じ適宜増減する。

  • 〈術前の不安除去〉

    通常クロキサゾラムとして0.1~0.2mg/kgを手術前に経口投与する。
    なお年齢・症状に応じ適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
  2. 8.2 連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 心障害のある患者

    症状が悪化するおそれがある。

  2. 9.1.2 脳に器質的障害のある患者

    作用が強くあらわれる。

  3. 9.1.3 衰弱患者

    嗜眠状態や運動失調になりやすい。

  4. 9.1.4 中等度又は重篤な呼吸不全のある患者

    他のベンゾジアゼピン系薬剤で、呼吸機能の低下している患者に投与したところ、呼吸不全をおこし、炭酸ガスナルコーシスになったとの報告がある。

9.2 腎機能障害患者

薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。一般に排泄が遅延する傾向がある。

9.3 肝機能障害患者

薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。一般に排泄が遅延する傾向がある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  1. 9.5.1 妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤の投与を受け、出生した新生児に口唇裂(口蓋裂を伴うものを含む)等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
  2. 9.5.2 ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。
  3. 9.5.3 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また黄疸を増強する可能性がある。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    中枢神経抑制剤

    • フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等(クロルプロマジン、フェノバルビタール等)

    アルコール

    併用によりその作用が増強されることがあるので、投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。

    相加的な中枢神経抑制作用の増強

    MAO阻害剤

    • セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩

    併用によりその作用が増強されることがあるので、投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。

    本剤の代謝が抑制される。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 依存性(頻度不明)

      連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

    2. 11.1.2 刺激興奮(頻度不明)

      刺激興奮、不眠等があらわれることがある。

    11.2 その他の副作用

    1%以上

    0.1〜1%未満

    0.1%未満

    頻度不明

    精神神経系

    眠気(10.7%)、ふらつき(9.1%)、めまい、運動失調、頭痛・頭重、舌のもつれ

    見当識障害、不眠、焦燥感、立ちくらみ、視覚異常、嗜眠状態、多弁、振戦

    意欲減退

    肝臓

    AST上昇

    ALT上昇

    循環器

    動悸、低血圧

    消化器

    悪心・嘔吐、食欲不振、口渇

    便秘、胃部不快感

    下痢、腹痛

    過敏症

    発疹

    そう痒感

    骨格筋

    倦怠感、脱力感

    その他

    性欲減退、尿失禁

    頻尿

    13. 過量投与

    1. 13.1 処置

      本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    健康成人男性5例に朝食後クロキサゾラム5mgを経口投与したとき、ガスクロマトグラフィーにより活性代謝物chloro N-desmethyl diazepam(CND)が検出され、投与2~4時間後に最高濃度約2~15ng/mLに達し、24時間後も約2~9ng/mLと血中濃度は持続した。

    16.2 吸収

    動物実験(マウス、ラット)から、クロキサゾラムは経口投与後速やかに腸管から吸収された1)

    16.4 代謝

    動物実験(マウス、ラット)から、クロキサゾラムは経口投与後、ベンゾジアゼピン型の代謝を受けた1)

    16.5 排泄

    健康成人男性5例にクロキサゾラム5mgを経口投与した時の0~6時間尿中にはCND、Chlorooxazepam(COX)、2-Amino-5,2'-Dichlorobenzophenone(ADCB)、ADCB-OHが検出された。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内臨床試験

      神経症、心身症及び術前の不安除去等を対象とし、二重盲検試験を含め42施設、総症例1,510例につき臨床成績の検討が実施された。その結果、特に神経症に対する効果では、不安神経症〔有効率89.5%(128/143)〕はもとより、強迫神経症・恐怖症〔有効率84.9%(62/73)〕及び抑うつ反応〔有効率85.7%(66/77)〕に対してもすぐれた効果が認められた。また、心身症、術前の不安除去に対する有効率は、それぞれ75.2%(234/311)、92.9%(273/294)であった。本剤の効果発現迄の日数を神経症群、心身症群につき集計2),3),4),5),6),7),8),9)すると、投与後1~2週間までに有効例の90%以上に効果がみられ、本剤の効果の発現は速やかであった。
      また、ジアゼパム10),11),12)ならびにメダゼパム13),14),15)を対照とした二重盲検比較試験の結果本剤の有用性が認められた。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    ベンゾジアゼピン受容体は、抑制性神経伝達物質であるγ−アミノ酪酸(GABA)受容体及びClチャンネルと複合体を形成して機能的に共役している。ベンゾジアゼピン誘導体はベンゾジアゼピン受容体に結合し、GABAのGABA受容体への親和性を増大させる。そしてGABA受容体と共役するClチャンネルが活性化され、Clイオンの透過性が高まる。Clイオンの細胞内への流入を増加させて神経細胞を過分極の状態にさせることにより、神経系に抑制的に作用する。16)
    本薬の静穏作用は、ネコ、ウサギの実験から、扁桃核-視床下部-中心灰白質系に対して本薬が作用する結果と推定される17)

    18.2 静穏作用・馴化作用

    動物実験(マウス、ハムスター、ラット、サル)から、闘争反応、狂暴性、攻撃性、興奮を抑制する作用(静穏作用・馴化作用)が強く、自発性行動(マウス、ネコ)の抑制作用は弱いことが認められている18)

    18.3 抗痙攣作用

    ベメグライド、ペンテトラゾールによる間代性痙攣(マウス、ラット)、振動誘発痙攣(Elマウス)に対し抑制効果が認められている18)

    18.4 筋緊張に対する作用

    動物実験(ネコ)による除脳固縮の抑制、γ-運動ニューロンの活動性の低下がみられ、中枢性の筋弛緩作用が認められる17)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    クロキサゾラム(Cloxazolam)

    化学名

    (11bRS)-10-Chloro-11b-(2-chlorophenyl)-2,3,7,11b-tetrahydro[1,3]oxazolo[3,2-d][1,4]benzodiazepin-6(5H)-one

    分子式

    C17H14Cl2N2O2

    分子量

    349.21

    性状

    白色の結晶又は結晶性の粉末で、におい及び味はない。
    酢酸(100)に溶けやすく、ジクロロメタンにやや溶けにくく、エタノール(99.5)又はジエチルエーテルに溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
    希塩酸に溶ける。
    光によって徐々に着色する。

    化学構造式

    融点

    約200℃(分解)

    20. 取扱い上の注意

    吸湿及び光により微黄~淡黄色に変化するので、アルミピロー又はバラ包装開封後は、湿気を避け遮光して保存すること。

    22. 包装

    • 〈錠1〉

      100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
      1000錠[ガラス瓶(褐色)、バラ、乾燥剤入り]

    • 〈錠2〉

      100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
      1000錠[ガラス瓶(褐色)、バラ、乾燥剤入り]

    • 〈散1%〉

      100g[ガラス瓶(褐色)、バラ、乾燥剤入り]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    アルフレッサ ファーマ株式会社 製品情報部

    〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号

    TEL 06-6941-0306 FAX 06-6943-8212

    25. 保険給付上の注意

    本剤は厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、1回30日分を限度として投薬する。

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    アルフレッサ ファーマ株式会社

    大阪市中央区石町二丁目2番9号

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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