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劇薬
処方箋医薬品注)
精神科領域におけるうつ病・うつ状態
抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。,,,,,
通常成人は日局生理食塩液または日局5w/v%ブドウ糖注射液250~500mLに1アンプルを加え、2~3時間にわたって1日1回点滴静注する。その後漸増し、1回3アンプルまで投与することもできる。一般に一週間以内に効果の発現を見るが、症状の改善がみられた後は徐々に経口投与に切りかえる。
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
抗コリン作用により症状が悪化することがある。
循環器系に影響を及ぼすことがある。
痙攣を起こすことがある。なお、米国における臨床試験の結果、本剤の用量とてんかん発作出現に明らかな相関関係が認められている。
躁転、自殺企図があらわれることがある。,,,,,
精神症状を増悪させることがある。,
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。,,,,,
高血圧発作を引き起こすことがある。
高度の血圧低下が起こることがある。
低カリウム状態はQT延長の危険因子と考えられる。
排泄障害により副作用があらわれやすい。
代謝障害により副作用があらわれやすい。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。新生児に呼吸困難、嗜眠、チアノーゼ、興奮性、低血圧、高血圧、痙攣、筋痙縮、振戦等の離脱症状を起こしたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期に本剤を投与された患者群において、胎児での心血管系異常(心室又は心房中隔欠損等)の相対リスクは本剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある。動物実験(ウサギ)において静脈内投与した場合、胎児死亡率の増加が認められている。また、他の三環系抗うつ剤(イミプラミン)の動物実験(ウサギ)で催奇形作用が報告されている。
本剤投与中は授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ移行する。
慎重に投与すること。
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。起立性低血圧、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼内圧亢進等があらわれやすい。
MAO阻害剤
発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等があらわれることがある。MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また本剤からMAO阻害剤に切り替えるときには、2~3日間の間隔をおくことが望ましい。
本剤は活性アミンのシナプス内への取り込みを阻害して、受容体の感受性を増強する。
副交感神経刺激剤
これらの薬剤の作用が減弱されることがある。
本剤の抗コリン作用によりこれらの薬剤と拮抗的に作用すると考えられている。
抗コリン作用を有する薬剤
口渇、便秘、尿閉、視力障害、眠気等があらわれることがある。
いずれも抗コリン作用を有するため。
アドレナリン作動薬
心血管作用(高血圧等)を増強することがある。
本剤は交感神経末梢ヘのノルアドレナリン等の取り込みを抑制し、受容体部位へのアドレナリン作動性を上昇させ、作用を増強させる。
アトモキセチン
相互に作用が増強するおそれがある。
ノルアドレナリンへの作用を相加的又は相乗的に増強する可能性がある。
中枢神経抑制剤
全身麻酔剤
抗不安剤
アルコールサリドマイド
中枢神経抑制作用が増強されることがある。
いずれも中枢神経抑制作用を有するため。
フェノチアジン系精神神経用剤
鎮静、抗コリン作用の増強があらわれることがある。
いずれも中枢神経抑制作用、抗コリン作用を有するため。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。セロトニン症候群があらわれるおそれがある。
これらの薬剤は本剤の肝臓での酸化的な代謝を阻害し、本剤の血中濃度を上昇させると考えられる。また、相互にセロトニン作動性が増強される可能性がある。
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
リチウム製剤三環系抗うつ剤
トラマドール塩酸塩リネゾリド
セロトニン症候群があらわれるおそれがある。
相互にセロトニン作動性が増強される可能性がある。
肝酵素誘導作用をもつ薬剤
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。
これらの薬剤の肝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられている。
フェニトイン
他の三環系抗うつ剤(イミプラミン)で、フェニトインの作用が増強するとの報告がある。
フェニトインの代謝が阻害され、フェニトインの血中濃度が上昇すると考えられている。
抗不整脈剤
メチルフェニデートシメチジン黄体・卵胞ホルモン製剤シナカルセトサキナビル
本剤の作用が増強されるおそれがある。
これらの薬剤により、本剤の肝代謝が阻害され、血中濃度が上昇すると考えられている。
テルビナフィン
他の三環系抗うつ剤(イミプラミン)で活性代謝物の血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
テルビナフィンのCYP2D6の阻害により、イミプラミン又はその活性代謝物の代謝が遅延する。
ホスアンプレナビル
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
ホスアンプレナビルの活性代謝物であるアンプレナビルは本剤の代謝を競合的に阻害すると考えられる。
降圧剤
降圧剤の作用を減弱することがある。
本剤がアドレナリン作動性神経遮断作用を有する降圧剤の交感神経ニューロンへの取り込みを阻害する。また、本剤は交感神経ニューロンへのカテコラミン取り込み阻害作用も有する。
インスリン製剤
スルフォニル尿素系糖尿病用剤
併用により過度の血糖低下を来すことがある。
本剤での機序は不明であるが、他の三環系抗うつ剤(ドキセピン)により低血糖に対する反応性が変化するか、インスリンに対する感受性が増大し、血糖降下作用が増強すると考えられている。
クマリン系抗凝血剤
他の三環系抗うつ剤(ノルトリプチリン)との併用によりクマリン系抗凝血剤の血中濃度半減期が延長するとの報告がある。
機序不明。
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
本剤との併用により抑うつが再発又は悪化することがある。
本剤の代謝促進又は両剤の受容体レベルでの拮抗作用によるものと考えられている。
電気ショック療法
痙攣閾値を低下させ、痙攣状態に陥るおそれがある。
本剤は痙攣閾値を低下させると考えられている。
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
QT間隔延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
いずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため。
デスモプレシン
低ナトリウム血症性の痙攣発作を起こすことがあるので、血清ナトリウム、血漿浸透圧等をモニターすること。
いずれも低ナトリウム血症があらわれるおそれがあるため。
ゾニサミド
高血圧、失神、不全収縮、発汗、てんかん、動作・精神障害の変化及び筋強剛等の副作用があらわれるおそれがある。
相加・相乗作用によると考えられる。
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、またミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
不安、焦燥、せん妄、興奮、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクロヌス、反射亢進、下痢等を主症状とするセロトニン症候群があらわれることがあるので、これらの症状が出現した場合には投与を中止し、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
無顆粒球症(前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等)、汎血球減少があらわれることがある。
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
症状として低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等があらわれることがある。水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
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AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
5%以上又は頻度不明
0.1%~5%未満
0.1%未満
循環器
起立性低血圧、心電図異常(QT延長等)、頻脈、不整脈、心ブロック、血圧上昇
血圧降下、動悸
―――
精神神経系
眠気、知覚異常、幻覚、せん妄、精神錯乱、攻撃的反応、激越、悪夢、抑うつ悪化、記憶障害、離人症、ミオクロヌス、意識障害
パーキンソン症状・振戦・アカシジア等の錐体外路障害、躁状態、不眠、あくび、性機能障害
言語障害、不安、集中力欠如、運動失調
抗コリン作用
口渇、眼内圧亢進、緑内障、尿閉
排尿困難、視調節障害(散瞳等)、便秘
皮 膚
光線過敏症、脱毛
過敏症
発疹、そう痒感
血 液
白血球減少、血小板減少、紫斑、点状出血、好酸球増多
肝 臓
AST、ALTの上昇
消化器
味覚異常
悪心・嘔吐、食欲不振
下痢
内分泌
プロラクチンの分泌促進、乳房肥大、乳汁漏出、体重増加
長期投与注2)
口周部等の不随意運動
その他
ふらつき・めまい、食欲亢進、浮腫、血栓性静脈炎(静脈内投与による)、注射部位反応(紅斑、静脈炎、疼痛等)
倦怠感、脱力感、頭痛、発汗、異常高熱、熱感
中枢神経系:眠気、昏迷、意識障害、運動失調、情動不安、激越、反射亢進、筋強剛、アテトーシス及び舞踏病アテトーシス様運動、痙攣、セロトニン症候群心血管系:低血圧、頻脈、不整脈、伝導障害、ショック、心不全、非常にまれにQT延長、Torsades de pointes、心停止その他:呼吸抑制、チアノーゼ、嘔吐、散瞳、発汗、乏尿、無尿等
特異的な解毒剤は知られていない。腹膜透析又は血液透析はほとんど無効である。症状が重篤な場合には、直ちに入院させ、少なくとも48時間は心モニターを継続する。心電図に異常がみられた患者は、心電図が正常に復した後であっても再発の可能性があるため、少なくとも72時間は、心機能の観察を継続すること。
クロミプラミン塩酸塩を平均125mg/日経口投与した場合、投与開始後1~2週目で定常状態に達し、クロミプラミン、活性代謝物デスメチルクロミプラミンの血漿中濃度は、それぞれ139、266ng/mLである。クロミプラミン塩酸塩1mg/kgを健康成人に1回経口投与した場合1.5時間~4時間で最高血中濃度に達し、その後緩徐に減衰する。生物学的半減期は約21時間(β-phase)である1)(外国人のデータ)。なお、点滴静注の場合、経口投与に比べ、デスメチルクロミプラミンに代謝される率が低い(うつ病患者)2)。
クロミプラミン塩酸塩1mg/kgを健康成人に1回経口投与した場合、2/3が抱合体で尿中に、また約1/3は糞便中に排泄される。未変化体及び活性代謝物の尿中排泄は投与量の1%以下である(外国人のデータ)。
うつ病・うつ状態に対する有効率は62.8%(179/269)であった(内服併用例を含む)。
抗うつ剤の作用機序は確立されていないが、脳内のセロトニン(5-HT)及びノルアドレナリン(NA)の神経終末への取り込み阻害による受容体刺激の増強が抗うつ効果と結びついていると考えられている。各種抗うつ剤の脳内(ラット)での5-HT及びNA取り込み阻害の比[ED50(5-HT)/ED50(NA)]は下図のとおりでクロミプラミンではNA取り込み阻害に比して、5-HT取り込み阻害が強い。3)
クロミプラミン塩酸塩(Clomipramine Hydrochloride)
3-(3-Chloro-10,11-dihydro-5H-dibenzo[b,f]azepin-5-yl)-N,N-dimethylpropylamine monohydrochloride
C19H23ClN2・HCl
351.31
白色~微黄色の結晶性の粉末で、においはない。酢酸(100)に極めて溶けやすく、水、メタノール又はクロロホルムに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、無水酢酸にやや溶けにくく、アセトンに溶けにくく、酢酸エチル又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
192~196℃
外箱開封後は、遮光して保存すること。
2ml[10アンプル、50アンプル]
1) Nagy, A. et al.:Psychopharmacology(Berl).1977;54:125-131
2) 竹村道夫 他:精神薬療基金研究年報.1980;11:200-205
3) Waldmeier, P. C. et al.:Postgrad Med J.1976;52:33-39
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