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劇薬
処方箋医薬品注)
統合失調症
チミペロンとして、1日0.5~3mgよりはじめ徐々に増量し、通常成人1日3~12mgを分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
一過性の血圧低下があらわれることがある。
痙攣閾値を低下させることがある。
錐体外路症状が起こりやすい。
Syndrome malin(悪性症候群)が起こるおそれがある。
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。
症状が悪化するおそれがある。また、血中濃度が上昇するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。類似化合物(ハロペリドール)で催奇形性を疑う症例が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。
投与中及び投与後一定期間は授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されており、また類似化合物(ハロペリドール)でヒト母乳中へ移行することがある。
錐体外路症状等、中枢神経系の副作用が起こりやすい。
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。錐体外路症状等の副作用があらわれやすい。
*アドレナリン(アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)
アドレナリンの作用を反転させ、重篤な血圧低下を起こすことがある。
アドレナリンはアドレナリン作動性α及びβ刺激薬であるが、本剤のα遮断作用により、β刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されると考えられている。
*アドレナリン含有歯科麻酔剤
重篤な血圧低下を起こすことがある。
中枢神経抑制薬
中枢神経抑制作用が増強することがある。用量を調節する。
相互に中枢神経抑制作用を増強すると考えられている。
アルコール
中枢神経抑制作用が増強することがある。
リチウム
類似化合物で心電図変化、重症の錐体外路症状、持続性のジスキネジア、突発性のSyndrome malin(悪性症候群)、非可逆性の脳障害を起こすとの報告がある。
観察を十分に行う。
機序は明らかでないが、ブチロフェノン系薬剤は脳内ドパミン受容体とアデニルシクラーゼ活性を遮断し、リチウムもアデニルシクラーゼ活性を抑制して、相互に中枢神経抑制作用を増強すると考えられている。
メトクロプラミド、ドンペリドン
内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる。
相互に抗ドパミン作用を増強すると考えられている。
タンドスピロンクエン酸塩
錐体外路症状を増強するおそれがある。
タンドスピロンクエン酸塩が弱い抗ドパミン作用(D2)を有すると考えられている。
ドパミン作動薬
ドパミン作動薬の作用を減弱することがある。
抗ドパミン作用を有するため、ドパミン作動性神経において、作用が拮抗すると考えられている。
カルバマゼピン
類似化合物(ハロペリドール)で作用が減弱し、運動性興奮や譫妄状態を起こすとの報告がある。観察を十分に行う。
カルバマゼピンの肝薬物代謝酵素誘導作用により、類似化合物(ハロペリドール)の代謝が促進され、血中濃度が減少(平均60%)するとの報告がある。
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
腸管麻痺(初期症状:食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩、腸内容物のうっ滞等)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺が認められた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
血圧低下、頻脈、血圧上昇、胸内苦悶感、心電図変化(洞性徐脈、洞性頻脈、洞性不整脈、不完全脚ブロック、T波の変化、QT間隔の延長等)
動悸、徐脈
肝臓
AST上昇、ALT上昇等
錐体外路症状
アカシジア(静坐不能)、パーキンソン症候群(手指振戦、固縮、流涎等)
ジスキネジア(痙攣性斜頸、顔面及び頸部の攣縮、後弓反張、眼球回転発作、構音障害、舌のもつれ等)、嚥下困難、歩行異常
眼
視調節障害、かすみ目
過敏症
発疹等
血液
貧血、白血球増加、血小板減少、血小板増加、血糖値低下、血糖値上昇等
消化器
口渇、食欲不振、便秘、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、食欲亢進
内分泌
月経異常
乳汁分泌、乳房痛
血中プロラクチン値上昇
精神神経系
睡眠障害
痙攣、意識障害、錯乱、眠気、不安・焦燥、興奮・易刺激性、めまい・ふらつき、頭痛、知覚異常、衝動行為、性的高揚、抑うつ、しびれ感等
その他
倦怠感、脱力感、立ちくらみ、鼻閉、発汗、排尿障害、発熱、総コレステロール上昇、BUN上昇、クレアチニン値上昇、尿蛋白・ウロビリノーゲン・尿糖等の判定が偽陽性ないし陽性化
浮腫、耳鳴、鼻血
主な症状は、低血圧、過度の鎮静、重症の錐体外路症状(筋強剛、振戦、ジストニア症状)等である。また、呼吸抑制及び低血圧を伴う昏睡状態や心電図異常(Torsades de pointesを含む)があらわれることがある。小児では血圧上昇があらわれたとの報告もある。
低血圧や循環虚脱があらわれた場合には、輸液・血漿製剤、アルブミン製剤、ノルアドレナリン等の昇圧薬(アドレナリンは禁忌)等による血圧の確保等の処置を行う。重症の錐体外路症状に対しては、抗パーキンソン病薬を投与する。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
マウスの雄で臨床最大用量の30倍(6.2mg/kg/日)以上、雌で115倍(23.2mg/kg/日)以上をそれぞれ長期間経口投与した試験において、下垂体、乳腺等での腫瘍発生頻度が対照群に比し高いとの報告がある。
統合失調症患者7例にチミペロン6mgを食後単回経口投与した場合、血漿中濃度は投与後3.3時間で最高濃度(5.9ng/mL)に達し、その後、消失半減期5.9時間で速やかに低下した。なお、本剤の血中からの消失には大きな個人差が認められた1)。
Tmax(hr)
3.286±0.561
Cmax(ng/mL)
5.947±1.873
t1/2(hr)
5.906±2.664
(mean±SE, n=7)
14C-チミペロンのin vitroでのヒト血漿蛋白結合率は超遠心分離法で95%以上、平衡透析法で約90~96%、ゲル濾過法では約77~79%であった。なお、14C-チミペロンとヒト血漿蛋白との結合は可逆的であった2)。
ラット、サルに14C-チミペロンを経口投与すると高い組織移行性を示し、抗精神病作用発現に関連したドパミン受容体が局在する脳領域に高濃度に分布した3)。
ラットでチミペロンはN-脱アルキル化とブチロフェノン側鎖の還元により代謝され、3種の代謝物を生成することが確認されている。ラットでは、脳、血漿及び組織内に未変化体が主として、尿中に主要代謝物として2,3-dihydro-1-(4-piperidinyl)-2-thioxo-1H-benzimidazoleが存在した4)。
ラットに14C-チミペロン0.5mg/kgを経口投与した場合、尿中排泄率は投与後24時間で投与量の約34%、72時間で約36%であった。また、糞中排泄率は投与後24時間で約23%、72時間で約53%であり、72時間までに合計約89%が排泄された4)。
国内75施設で実施された統合失調症患者620例(罹病期間3年以上約70%、重症例約60%を含む)を対象とした臨床試験において改善率は著明改善及び中等度改善では32%(199例)であり、軽度改善を含めると60%(373例)であった。特に幻覚・妄想状態、興奮状態、自発性欠如、感情鈍麻、接触性障害等の症状に改善効果が認められている。また、国内65施設で総計243例について実施された3種の二重盲検比較試験で本剤の有用性が確認されている。承認前の調査863例中報告された副作用は61.6%(532例)で、主な副作用はアカシジア25.0%(216件)、パーキンソン症候群24.1%(208件)、ジスキネジア15.3%(132件)等の錐体外路症状、口渇10.7%(92件)、食欲不振9.5%(82件)、便秘9.4%(81件)等の消化器症状、睡眠障害21.3%(184件)、不安・焦燥15.4%(133件)、眠気10.9%(94件)等の精神神経症状であった。また、長期投与調査102例中報告された副作用は42.2%(43例)で副作用の種類に変化はなかった。
トロペロンはブチロフェノン系の抗精神病剤であり、中枢神経系におけるドパミン作動性神経等に対する抑制作用が考えられている。
ラットにおける抗メタンフェタミン常同行動作用はハロペリドールの約9倍、クロルプロマジンの約300倍であり、マウスにおける抗メタンフェタミン運動亢進作用はハロペリドールの約3倍である6)。
ラットにおける抗アポモルフィン常同行動作用はハロペリドールの約8倍、クロルプロマジンの約150倍であり、イヌにおける抗アポモルフィン嘔吐作用はハロペリドールの約56倍、マウスにおける抗アポモルフィン常同行動作用はハロペリドールの約10倍である6)。
ラットにおける条件回避反応に対する抑制作用はハロペリドールの約10倍、クロルプロマジンの約190倍である6)。
ラットにおけるカタレプシー惹起作用はハロペリドールの約4倍の効力を示し、マウスにおいてはハロペリドールよりも若干弱く、さらにヘキソバルビタール麻酔増強作用及び協調運動抑制作用(マウス)はハロペリドールのそれぞれ1/10及び1/2の効力である6)。
ラットにおける脳内のドパミン代謝促進作用はハロペリドールの約3~6倍、クロルプロマジンの約70~150倍である。
ラット線条体、側坐核、嗅結節のD2受容体及び前頭皮質の5-HT2受容体に対する親和性を3H-スピロペリドールとの結合に対する拮抗作用により調べた結果、チミペロンはD2受容体との親和性が強いことが認められた。またその親和力はハロペリドールに比べそれぞれ約5~8倍、約16倍であることから、チミペロンはハロペリドールより強くそれぞれの受容体を遮断することが示唆された7)。
チミペロン(Timiperone)
1-(4-fluorophenyl)-4-[4-(2-sulfanylidene-3H-benzimidazol-1-yl)piperidin-1-yl]butan-1-one
C22H24FN3OS
397.51
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。クロロホルムに溶けやすく、酢酸(100)にやや溶けやすく、アセトンにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
200~203℃
100錠[プラスチック瓶、バラ]
100g[ポリエチレン袋]
1) 村崎光邦 他:診療と新薬. 1982;19(2):443-462
2) Sudo K, et al:Chem Pharm Bull. 1983;31(4):1411-1414
3) 須藤賢一 他:薬学雑誌. 1983;103(3):342-349
4) Tachizawa H, et al.:Drug Metab Dispos. 1981;9(5):442-448
5) Tachizawa H, et al.:Eur J Pharmacol. 1979;59(3-4):245-251
6) Yamasaki T, et al.:Arzneimittelforschung. 1981;31(I)(4):701-707
7) Yamasaki T, et al.:Jpn J Pharmacol. 1983;33(S):222
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