当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
処方箋医薬品注)
急性循環不全における心収縮力増強、末梢血管抵抗軽減、インスリン分泌促進、血漿遊離脂肪酸及び無機リン低減ならびに利尿
用時、添付の溶解液に溶解し、ブクラデシンナトリウムとして1分間あたり0.005~0.2mg/kgを静脈内に投与する。必要に応じて日局ブドウ糖注射液、ブドウ糖・乳酸ナトリウム・無機塩類剤で希釈する。なお、投与量は患者の病態に応じ適宜増減する。
全身状態が悪化するおそれがある。
不整脈が悪化するおそれがある。
少量より開始するなど慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
,,,,
1%以上
1%未満
頻度不明
循環器
動悸
-
胸部不快感、胸痛、頻脈
呼吸器
動脈血酸素分圧(PaO2)低下
消化器
悪心
嘔吐
食欲不振、腹痛
肝臓
AST上昇、ALT上昇
腎臓
BUN上昇、血中クレアチニン上昇
その他
頭痛、倦怠感、熱感
高血糖、尿糖、発汗、四肢冷感、注射部発赤
点滴あるいは持続注入器により静脈内に投与すること。
健康成人(5例)にブクラデシンナトリウムを300mg静注した場合、未変化体のt1/2は5.5分であった。また、開心術後患者(5例)にブクラデシンナトリウムを点滴静注した場合、未変化体の血漿中濃度は経時的に増加し、投与速度に比例した。点滴開始60分では0.1mg/kg/minで平均4.7μg/mL、0.2mg/kg/minでは平均10.83μg/mLに達し、点滴終了後は速やかに減少した。なお、血漿中には代謝物は認められなかった。
ラットに14C-ブクラデシンナトリウムを投与した場合、多くの組織に移行するが、肝、腎で高く、筋肉、睾丸、脂肪、脳では低く、消失は血液と同様緩やかである。母体血液から胎児への移行は軽度である。
14C-ブクラデシンナトリウム投与ラットにおける尿、胆汁、血液及び組織中代謝物の検討結果より、ブクラデシンナトリウムは組織に取り込まれ脱アシル化酵素によりN6-モノブチリルサイクリックAMP、2́-O-モノブチリルサイクリックAMP及びサイクリックAMPに代謝される。そして内因性のサイクリックAMPと同様の代謝を受けると考えられている。
健康成人(5例)及び開心術後患者(5例)にブクラデシンナトリウムを点滴静注した場合、尿中未変化体排泄率は次のとおりであった。
投与量
尿中未変化体排泄率
2時間後
24時間後
健康成人
6mg/kg
13.6%
16.6%
開心術後患者
6~12mg/kg
14.6%
15.1%
長時間体外循環を伴う開心術後の急性循環不全及び重症心不全等を対象とした総臨床症例308例のうち、効果判定が行われた298例中57.0%(170例)に著効あるいは有効の評価を得た。開心術後の急性循環不全164例を対象として実施されたプラセボとの二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が認められている1),2)。本剤は心臓の一回拍出量を増加し、拡張期血圧を減少して脈圧を増加する3)。さらに深部温度と皮膚温度の差を減少(末梢循環改善)し、尿量を増加する1),4)。また、血中インスリンを増加し、遊離脂肪酸及び無機リンを低減することが認められている1),4),5),6)。承認前の調査308例中報告された副作用は15.3%(47例)で、主な副作用は血圧低下4.5%(14件)、心拍数増加4.2%(13件)、心室性期外収縮1.6%(5件)等の循環器症状、悪心1.6%(5件)等の消化器症状であった。
ブクラデシンナトリウムの作用の基本は細胞膜を通過してそれ自身がサイクリックAMPに変化し、細胞内のサイクリックAMPを直接増加させることにある。心臓に対しては、収縮力を増強して心拍出量を増加する。さらに末梢血管を拡張して血管抵抗を軽減し、心臓の負荷を減少させるとともに末梢循環を改善する。一方、代謝面では肝グリコーゲンを動員するとともに、カテコールアミンで抑制されている膵ラ氏島からのインスリン分泌を促進する。増加したインスリンは、カテコールアミンにより亢進している脂肪分解を抑制して遊離脂肪酸を低減させる一方、糖の組織内取り込みを促進する。この結果、急性循環不全において、エネルギー代謝は促進され、組織では高エネルギーリン酸化物質の減少が抑制される。
サイクリックAMPと異なりブクラデシンナトリウムは細胞膜を通過し、直接細胞内で作用する(イヌ)。
サイクリックAMPの分解酵素であるPDEの活性を阻害するが、ブクラデシンナトリウム自身はPDEによる分解を受けない(イヌ)。
ブクラデシンナトリウムは細胞内でPDEを阻害する一方、脱アシル化酵素によりサイクリックAMPに分解され、蛋白リン酸化酵素を活性化し7)、Ca++移動を増加して(イヌ)、心筋の収縮・弛緩を活発にする(イヌ、モルモット、ラット)8)。またこの心機能賦活作用はβ-遮断薬によって阻害されない(イヌ)8),9)。
末梢血管を拡張し、血管抵抗を軽減する(イヌ)9),10)。
腎血流量を増加し、尿排泄量を増加する(イヌ)11)。
急性循環不全時に増加するカテコールアミンのインスリン分泌抑制を解除し、さらに分泌を亢進する(ラット)12)。これにより組織の糖の取り込みを促進し、エネルギー代謝を改善する(ラット、ウサギ)12),13)。
エンドトキシンショック(マウス)、ドラムショック(ラット)の生存率を増加する12),14)。
ブクラデシンナトリウム(Bucladesine Sodium)
sodium;[(4aR,6R,7R,7aR)-6-[6-(butanoylamino)purin–9-yl]–2–oxido–2–oxo-4a,6,7,7a–tetrahydro-4H–furo[3,2–d][1,3,2]dioxaphosphinin-7-yl]butanoate
C18H23N5NaO8P
491.37
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。水、メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、アセトン又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。吸湿性である。
DBcAMP
10アンプル(溶解液 日局 注射用水 5mL 10アンプル添付)
1) 山村秀夫 他:医学のあゆみ. 1982;123(12・13):1100-1114
2) 吉武潤一 他:臨床と研究. 1983;60(4):1279-1286
3) 山田崇之 他:日本胸部外科学会雑誌. 1982;30(10):1712-1718
4) 呉 大順 他:医学と薬学. 1982;8(5):1745-1754
5) 佐藤清春:日本胸部外科学会雑誌. 1980;28(3):425-437
6) 末盛郁男 他:麻酔. 1977;26(5):528-533
7) 松下 哲 他:心臓. 1985;17(4):379-387
8) Imai S, et al.:Jpn J Pharmacol. 1974;24(4):499-510
9) Nozaki H, et al.:Tohoku J Exp Med. 1975;115(2):145-154
10) 野崎洋文 他:脈管学. 1975;15(5):329-333
11) 岡原 猛:大阪市立大学医学雑誌. 1974;23(1-13):71-83
12) 末盛郁男:麻酔. 1976;25(6):547-557
13) 小田利通 他:麻酔. 1981;30(7):672-680
14) 宮川富三雄 他:医学と薬学. 1982;8(5):1735-1739
アルフレッサ ファーマ株式会社 製品情報部
〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号
TEL 06-6941-0306 FAX 06-6943-8212
アルフレッサ ファーマ株式会社
大阪市中央区石町二丁目2番9号
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.