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日本薬局方
プロカインアミド塩酸塩錠
処方箋医薬品注)
プロカインアミド塩酸塩として、通常成人1回0.25~0.5gを、3~6時間ごとに経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤の投与に際しては、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べること。PQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。,,,
投与開始後1~2週間は入院させること。また、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。心室頻拍、心室細動等が発現するおそれが高い。,
心不全をきたすおそれのある患者では、投与開始後1~2週間は入院させること。また、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。心室頻拍、心室細動等が発現するおそれが高い。
少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。有効性、安全性が確立していない。
血圧下降が発現するおそれがある。
症状が悪化するおそれがある。
一般的に血清カリウムの低下している状態では催不整脈作用が発現するおそれがある。
投与量を減量するか投与間隔をあけて使用すること。血中濃度が持続する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中に移行することがある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
入院させて開始することが望ましい。また、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。
モキシフロキサシン塩酸塩(経口剤)
バルデナフィル塩酸塩水和物
アミオダロン塩酸塩(注射剤)
トレミフェンクエン酸塩
QT延長、心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)を起こすおそれがある。
併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
スニチニブリンゴ酸塩
アミオダロン塩酸塩(経口剤)
本剤の抗不整脈作用等の心血管作用を増強させるおそれがある。本剤の用量を調節する。
本剤の代謝を阻害し、又は本剤及び活性代謝物(NAPA)の腎クリアランスを低下させ、排泄を遅延させると考えられている。また、併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
β遮断薬
過度の心機能抑制作用があらわれることがある。用量を調節する。
相互に心機能抑制作用を増強すると考えられている。
シメチジン
本剤及び活性代謝物(NAPA)の腎クリアランスを低下させ、排泄を遅延させると考えられている。
サルファ剤
サルファ剤の抗菌力を減弱させる。
本剤は体内で代謝され、微生物の発育因子であるp-アミノ安息香酸を生じ、サルファ剤の抗菌作用と拮抗すると考えられている。
心電図上QRS幅の増大、心室頻拍、心室粗動、心室細動を起こすことがある。そのためQRS幅の異常な増大あるいは期外収縮の増加を認めた時は投与を中止すること。また、心筋収縮力を低下させ、心不全、血圧下降を起こすことがあるのでこのような場合にも投与を中止すること。
SLE様症状(発熱、紅斑、筋肉痛、関節炎、多発性関節痛、胸部痛、心膜炎、胸水等)があらわれることがある。
無顆粒球症(初期症状:発熱、咽頭痛、倦怠感等)があらわれることがある。
5%以上又は頻度不明
0.1%未満
過敏症
-
発熱、悪寒、発疹、好酸球増多等
消化器
悪心、嘔吐、食欲不振、下痢
精神神経系
頭痛、不眠、幻視、幻聴
血液
白血球減少、血小板減少、貧血等
刺激伝導障害(著明なQRS幅の増大、QTの延長等)、心室細動、心室頻拍、心不全の悪化、血圧低下等を引き起こすことがある。
本剤の過量投与による兆候・症状がみられた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、以下の処置を考慮するなど適切な対症療法を行うこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人に本剤500mgを単回経口投与した場合、プロカインアミド(PA)は投与後45分で最高血清中濃度に達し、以後は一相性に消失した。代謝物であるN-アセチルプロカインアミド(NAPA)は、投与後約1時間で最高血清中濃度に達し、3時間後にはプロカインアミド濃度を上まわり、平均5時間の半減期で一相性に消失した1)。
Tmax(hr)
0.80±0.15
Cmax(μg/mL)
1.76±0.28
t1/2β(hr)
2.35±0.65
Vd(L/kg)
2.35±0.58
Cl(mL/min)
800±130
(One compartment model, mean±SD, n=4)
また、心室性期外収縮を頻発する患者と健康成人との間でプロカインアミド薬物動態パラメータに有意な差はなかった1)。
上室性あるいは心室性頻拍の患者12例(全員がrapid acetylator)に本剤500mgを1日4回1週間連続経口投与後、プロカインアミド及びN-アセチルプロカインアミドの血中薬物動態を検討した結果、重度心機能低下群では軽度心機能低下群に比し約1.7倍の半減期を示した2)。
軽度心機能低下群(n=7)(NYHA Ⅱ度以下、かつ心胸郭比54%以下)
重度心機能低下群(n=5)(NYHA Ⅲ度以上、かつ心胸郭比55%以上)
PA
NAPA
1.29±0.66
2.48±0.08
1.31±0.49
4.49±3.76
6.6±1.0
4.0±1.9
6.0±1.4
6.2±1.5
t1/2(hr)
2.66±0.20
7.94±4.23
4.59±1.38
13.73±7.43
AUC(hr・μg/mL)
20.80±4.09
27.05±13.61
23.95±6.49
53.21±28.41
(mean±SD)
プロカインアミドは経口投与後、良好に吸収される。プロカインアミドを静脈内投与及び経口投与を行い血漿中未変化体濃度を測定した結果、生物学的利用率は75~95%であった(海外データ)3)。
プロカインアミドのヒト血漿蛋白結合率は15%との報告がある(in vitro)4)。
プロカインアミドは肝臓で一部が活性代謝物N-アセチルプロカインアミドとなる。この代謝速度は肝N-アセチルトランスフェレース活性(rapid or slow acetylator)に依存し、個人差がある5)。
プロカインアミド及びN-アセチルプロカインアミドのいずれも主として腎臓より排泄される。健康成人又は心疾患患者に14C-プロカインアミドを500mg~1,000mg単回経口投与した場合、投与後24時間までに尿中へ投与量の31~56%が未変化体として、また7~24%がN-アセチルプロカインアミドとして排泄された(海外データ)6)。
プロカインアミド及び活性代謝物N-アセチルプロカインアミドの血液透析による除去率は約30%との報告がある7)。
腎機能正常者での血中濃度消失半減期が3.2時間であるのに対し、腎機能障害患者での血中濃度消失半減期は6.6~11.0時間と延長した(海外データ)8)。
主として心室性期外収縮に対するプロカインアミドの有効血漿中濃度は4~10μg/mLとの報告がある(海外データ)9)。
心筋の異所性自動能や刺激伝導能を抑制し、被刺激性を低下させて、刺激生成異常による各種不整脈に対して抑制作用を示す10),11),12)。活性代謝物であるN-アセチルプロカインアミド(NAPA)はプロカインアミド(PA)と同等の抗不整脈作用をもつ13)。
ジギタリス、ウワバインにより惹起した心室頻拍、実験的心房停止後の心房細動・粗動、実験的心筋梗塞後の心室性不整脈14)等に対し、抑制作用を示す(イヌ)。
急性心筋梗塞後における心室性不整脈の発生を有意に減少させる(ヒト)15)。
胸部等の手術及び手術時麻酔に伴う不整脈の発生を抑制する(ヒト)16)。
電気的除細動に前投与することにより、洞調律への転換率を向上させ、また除細動後の再発率を低下させる(ヒト)17),18)。
プロカインアミド塩酸塩(Procainamide Hydrochloride)
4-Amino-N-(2-diethylaminoethyl)benzamide monohydrochloride
C13H21N3O・HCl
271.79
白色~淡黄色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすい。吸湿性である。
本剤の主成分は潮解性を示すので、アルミラップ開封後の保管及び投薬調剤(特に夏季高温多湿時のPTP包装から取り出しての調剤)の場合は、吸湿に注意すること。
100錠[10錠(PTP)×10]
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