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通常成人、セトラキサート塩酸塩として1回200mgを1日3~4回食後及び就寝前に経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。
本剤は代謝されてトラネキサム酸を生じるので、血栓を安定化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
0.1~1%未満
頻度不明
消化器
口渇、悪心・嘔吐、下痢、便秘、胃部不快感・膨満感
-
過敏症
発疹、そう痒感
その他
AST上昇、ALT上昇等
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人にセトラキサート塩酸塩200mgを単回経口投与した場合、未変化体は投与1時間後には、定量限界以下であった。なお、主代謝物であるトラネキサム酸のTmaxは3.05±0.25時間、Cmaxは1.75±0.13μg/mL、t1/2は1.73±0.09時間であった。
ラットに14C-セトラキサート塩酸塩300mg/kgを経口投与すると、胃壁と副腎を除く全ての臓器において投与後8時間に最高放射能濃度が認められ、それらの推移は全血液中濃度推移と同様な傾向にあった。また、臓器別の放射能分布では、胃壁>腎>肝>副腎・肺>全血・膵・脾・心>筋>睾丸・脂肪・脳の順に高く、胃壁への取り込みは投与後、短時間で顕著であった。
13C-セトラキサート塩酸塩標識化合物を健康成人に投与して検討した結果、尿中に未変化体及びTranexamic acid(TA)、trans-4-hydroxymethylcyclohexanecarboxylic acid、trans-hexahydroterephthalic acid、N-acetyltranexamic acidが検出された。未変化体及び上記4種類の代謝物を含めて、それらの総尿中排泄率は0~24時間で投与量の約40%であった。このうち主代謝物はTAで全体の98%を占め、未変化体は極めて少なく、投与量の0.02~0.04%であった。
健康成人にセトラキサート塩酸塩200mg単回投与後、6~8時間まで微量ながら未変化のまま尿中に排泄が続き、総排泄量は13~47μg(平均27.4μg)であった。この排泄量は投与量に対し0.007~0.024%(平均0.014%)であり、8時間以後の尿中排泄はほとんど認められなかった。
胃内視鏡によりびらん、出血、発赤を主とした異常所見を有し、急性胃粘膜病変と診断された患者218例を対象に本剤の下記2用量の効果を二重盲検比較試験で検討した結果、800mg/日投与群での効果が優れている傾向が認められた。
改善率(%)〔改善例/総症例〕
200mg/日投与群
63.1〔70/111〕
800mg/日投与群
73.8〔79/107〕
急性胃炎及び慢性胃炎の急性増悪と診断された患者を対象に本剤投与群に800㎎/日並びにアルジオキサ投与群に400㎎/日を4週間投与した二重盲検比較試験での改善率(全般改善度の中等度改善以上)は次のとおりであった。
1週
2週
4週
本剤投与群
82.1〔23/28〕
75.9〔41/54〕
73.1〔57/78〕
アルジオキサ投与群
68.4〔13/19〕
85.0〔34/40〕
77.6〔45/58〕
副作用の発生率は本剤群1.0%(発疹1例)、アルジオキサ群2.1%(便秘、悪心、各1例)であった。
びらん性胃炎、表層性胃炎等の胃炎患者を対象とした一般臨床試験では、72%(161/224)に改善効果が認められている。
胃潰瘍患者89例を対象に本剤投与群(本剤800mg/日+水酸化アルミゲル;44例)とプラセボ投与群(乳糖+水酸化アルミゲル;45例)の効果を二重盲検比較試験(8週間投与)で検討した結果、潰瘍治癒効果は本剤投与群が有意に優れていた1)。
治癒率(%)〔治癒例/総症例〕
88.6〔39/44〕注)
プラセボ投与群
62.2〔28/45〕注)
注)P=0.007(χ2検定)
消化性潰瘍患者を対象に本剤800㎎/日並びにゲファルナート300㎎/日を12週間投与した二重盲検比較試験での累積治癒率は次のとおりである。本剤投与群において、8週、12週で有意な差が認められた。
8週注)
12週注)
28.2〔31/110〕
60.9〔67/110〕
72.7〔80/110〕
ゲファルナート投与群
23.3〔27/116〕
46.6〔54/116〕
55.2〔64/116〕
注)8週:P<0.05、12週:P<0.01(χ2検定)
副作用の種類及び出現率に両群間に差異は認められなかった。
胃潰瘍患者712症例を対象とした一般臨床試験の結果は、次のとおりであった。
本剤単独
70.1〔384/548〕
他剤併用(抗コリン薬、制酸薬、抗潰瘍薬)
79.9〔131/164〕
本剤は胃粘膜微小循環の改善を主作用とし、胃粘膜内プロスタグランジンE2、I2生合成増加作用、胃粘膜粘液の保持及び合成促進作用等のいわゆるcytoprotective(細胞保護)作用とともに、粘膜内でのペプシノーゲンの活性化抑制・生成抑制、抗カリクレイン作用による胃液分泌の抑制等の攻撃系因子抑制作用を併せもち、防御・攻撃因子の両面に作用することにより胃粘膜病変を治癒させる薬剤である。
幽門部結紮2)、ストレス、エチルアルコール、アスピリン2)、インドメタシン、フェニルブタゾン2)、セロトニン、セロトニン・タウロコール酸塩(胆汁酸塩)等によるラット実験急性胃炎・胃潰瘍、発癌剤MNNGによるラット実験急・慢性胃炎、酢酸、クランピング・コルチゾン等のラット実験慢性潰瘍で予防・治癒効果が認められている。
ラット及びイヌの胃粘膜血流量を増加させ2)、また低下を抑制し2),3)、ラット胃粘膜病変病態モデル(幽門部結紮、ストレス、インドメタシン、セロトニン)にみられる胃粘膜微小循環の異常を改善することが認められている。また、胃粘膜血流増加作用は、胃潰瘍患者の潰瘍辺縁部においても認められている4)。
ラット胃粘膜内プロスタグランジンE2、6-ケト-プロスタグランジンF1α増加作用を示した。このことはプロスタグランジンE2、I2の生合成を増加すると考えられる。
ラット胃粘膜病変病態モデル(エチルアルコール、アスピリン、低酸素血症、熱傷ストレス、寒冷拘束ストレス・インドメタシン)において粘液の減少を抑制し、粘液成分としては、ヘキソサミン、シアル酸、糖蛋白等の維持が認められた。これらの作用は、粘液合成の促進に基づくと考えられている。
ラットのアスピリン投与時にみられる粘膜内ペプシノーゲンの活性化を抑制し、胃粘膜の自己消化を抑制することが認められている。また、その際にみられる水素イオンの逆拡散(back diffusion)及びタウロコール酸塩(胆汁酸塩)投与時の粘膜障害時にみられる水素イオンの逆拡散を抑制することが認められている。
カリクレインに拮抗して、ラットにおける胃酸・ペプシンの分泌を抑制することが認められている。
セトラキサート塩酸塩(Cetraxate Hydrochloride)
3-{4-[trans-4-(Aminomethyl)cyclohexylcarbonyloxy]-phenyl}propanoic acid monohydrochloride
C17H23NO4・HCl
341.83
白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノールにやや溶けやすく、水又はエタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約236℃(分解)
温度、湿度、光の影響により、カプセルの退色が認められることがあるため、開封後は、これらの影響を避けて保存することが望ましい。
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]500カプセル[10カプセル(PTP)×50]1000カプセル[10カプセル(PTP)×100]2100カプセル[21カプセル(PTP)×100]1000カプセル[プラスチック瓶、バラ]
0.5g×1200[6包×200、乾燥剤入り]0.5g×2400[6包×400、乾燥剤入り]0.5g×2520[3包×840、乾燥剤入り]100g[アルミ袋、バラ]1kg[アルミ袋、バラ]
1) 三好秋馬 他:内科宝函.1977;24(4):105-115
2) 橋爪武司 他:応用薬理.1976;12(5):691-702
3) 川野 淳 他:診療と新薬.1982;19(1):27-32
4) 宮本二郎 他:Prog. Med.1982;2(6):922-928
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