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日本薬局方
ノルアドレナリン注射液
劇薬
処方箋医薬品注)
*アドレナリン、イソプレナリン等のカテコールアミン製剤投与中の患者
各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療(心筋梗塞によるショック、敗血症によるショック、アナフィラキシー性ショック、循環血液量低下を伴う急性低血圧ないしショック、全身麻酔時の急性低血圧など)
ショックの緊急治療の原則は換気の確保、輸液及び心拍出量の増加と昇圧である。ショック時の循環動態はショックを起こした原因及び病期によって異なるので、昇圧剤の選択及び使用時期については十分注意すること。また、本剤は血圧下降等の応急処置剤として用いるべき薬剤であり、輸血又は輸液にかわるものではない。
ノルアドレナリンとして、通常、成人1回1mgを250mLの生理食塩液、5%ブドウ糖液、血漿または全血などに溶解して点滴静注する。一般に点滴の速度は1分間につき0.5~1.0mLであるが、血圧を絶えず観察して適宜調節する。
ノルアドレナリンとして、通常、成人1回0.1~1mgを皮下注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
過度の昇圧反応を起こすことがあり、急性肺水腫、不整脈、心停止等があらわれることがあるので、過量投与にならないよう注意すること。特に感受性の高い患者には過量投与にならないように注意すること。過度の血圧上昇を生じた場合には、α-遮断薬(フェントラミンメシル酸塩等)を使用すること。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。コカインは中枢作用、交感神経刺激作用を有するので、本剤の使用によりその作用が増強し、症状が悪化するおそれがある。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。心拍出量・脳血流等が減少するため症状が悪化するおそれがある。
高血圧を悪化させる。
血圧を上げ、末梢血流量を減少させる。
はげしい頭痛、羞明等を伴う著明な血圧上昇がおこることがある。
心機能に影響を及ぼすおそれがある。
不整脈を起こすことがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。子宮血管の収縮により、胎児が仮死状態となることがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
交感神経作用薬に高い感受性を示し、過度の昇圧反応を起こす可能性がある。
他のカテコールアミン製剤
*
不整脈、場合により心停止をおこすおそれがある。
両剤とも心臓を刺激するため。
*ハロゲン含有吸入麻酔剤
頻脈、心室細動をおこすおそれがある。
ハロゲン含有吸入麻酔剤が心筋のカテコールアミン感受性を増大させるためと考えられている。
MAO阻害剤
本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがあるので、慎重に投与すること。
これらの薬剤による代謝阻害により、本剤の濃度が上昇するためと考えられる。
三環系抗うつ剤
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
その他の抗うつ剤
これらの薬剤がアドレナリン作動性神経終末でのノルアドレナリン再取り込みを遮断し、シナプスでのカテコールアミン濃度を上昇させるためと考えられている。
メチルフェニデート
分娩促進剤
エルゴタミン製剤
これらの薬剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用が増強すると考えられる。
*抗ヒスタミン剤
抗ヒスタミン剤によりヒスタミンの毛細血管拡張が抑制されるため、血圧上昇作用が増強すると考えられる。
甲状腺製剤
冠不全発作が起こることがあるので慎重に投与すること。
甲状腺ホルモンは、心筋のβ-受容体数を増加させるため、カテコールアミン感受性が増大すると考えられている。
利尿剤
本剤の作用が減弱することがある。手術前の患者に使用する場合、利尿剤の一時休薬等を行うこと。
併用により本剤の血管反応性を低下させることがある。
アメジニウムメチル硫酸塩
血圧の異常上昇をきたすことがあるので、慎重に投与すること。
ノルアドレナリンの末梢神経終末における再取り込みと不活性化が抑制されるためと考えられる。
徐脈があらわれることがある。この場合は、アトロピンにより容易に回復する。
頻度不明
循環器
心悸亢進、胸内苦悶、血圧異常上昇、呼吸困難
精神神経系
頭痛、めまい、不安、振戦
消化器
悪心・嘔吐
その他
羞明、悪寒、鳥肌
心拍出量減少、著明な血圧上昇、脳出血、頭痛、肺水腫があらわれることがある。
本剤は主としてα-受容体に作用し、心臓を除いてβ-受容体に対する作用は弱い。α効果においても本剤はほとんどの臓器でアドレナリンより弱い。1),2)
ノルアドレナリンとアドレナリンは類似の化学構造を有するが、両者の薬理作用の差を表示すれば次の通りである2)。
作用
ノルアドレナリン
アドレナリン
心臓
-b++0,-++++++
++++++++++++
血圧
+++++++++
+++++,0,-++
末梢循環
++0,-0,---0,+
-++++--+++
代謝への作用
0,+0,+0,+0
中枢神経系
++
a 毎分0.1~0.4μg/kgb アトロピン処置後、Goldenberg, M. et al. : AMA Arch Intern Med. 1950 ; 86 : 823-836に従った。+:増大、0:変化なし、-:減少
本剤の作用は一過性で、血圧上昇作用は注入中止1~2分以内に消失するので、注入速度を調節して適当な血圧上昇が得られる。
ノルアドレナリン(Noradrenaline)
4-[(1RS)-2-Amino-1-hydroxyethyl]benzene-1,2-diol
C8H11NO3
169.18
白色~淡褐色又は僅かに赤みを帯びた褐色の結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、水に極めて溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。空気又は光によって徐々に褐色となる。
外箱開封後は遮光して保存すること。
1mL[10アンプル]
1) 熊谷 洋(監修):臨床薬理学大系 第5巻 中山書店.1964;141-143
2) グッドマン・ギルマン:薬理書[上]薬物治療の基礎と臨床 第12版 廣川書店.2013;348
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