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劇薬
処方箋医薬品注)
イソプレナリン、ノルアドレナリン等のカテコールアミン製剤、アドレナリン作動薬を投与中の患者(ただし、蘇生等の緊急時はこの限りでない)
蜂毒、食物及び薬物等に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療(アナフィラキシーの既往のある人またはアナフィラキシーを発現する危険性の高い人に限る)
通常、体重30kg未満の患者には、アドレナリンとして1回1mgを、体重30kg以上の患者には、アドレナリンとして1回2mgを鼻腔内に投与する。
アドレナリン受容体が本剤に対し高い感受性を示すおそれがある。
本剤の血管収縮作用により、閉塞性血管障害が促進され、冠動脈や脳血管等の攣縮及び基質的閉塞があらわれるおそれがある。
頻脈、心房細動がみられることがあり、本剤の投与により悪化するおそれがある。
肝におけるグリコーゲン分解の促進や、インスリン分泌の抑制により、高血糖を招くおそれがある。
本剤のβ刺激作用により、不整脈を悪化させるおそれがある。
一般に交感神経作動薬の中枢神経系の副作用として情緒不安、不眠、錯乱、易刺激性及び精神病的状態等があるので悪化するおそれがある。
コカインは、交感神経末端でのカテコールアミンの再取り込みを阻害するので、本剤の作用が増強されるおそれがある。
体重15kg未満の患者に対する本剤1mg製剤投与は過量投与になるおそれがあるので、通常のアドレナリン注射液を用いて治療することを考慮すること。
鼻茸、鼻骨折又は鼻損傷の既往歴、鼻の手術歴等を有する患者では、本剤の吸収が十分でない可能性があることから、他の投与経路のアドレナリン製剤による治療を考慮すること。
本剤の血管収縮作用により、急激な血圧上昇があらわれるおそれがある。
肺循環障害を増悪させ、右心系への負荷が過重となり、右心不全に陥るおそれがある。
本剤のβ刺激作用により、心疾患を悪化させるおそれがある。
妊婦、妊娠している可能性のある女性又は産婦には投与しないことが望ましい。胎児の酸素欠乏をもたらす、あるいは分娩第二期を遅延するおそれがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
4歳未満(体重15kg未満)の幼児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態に応じ慎重に投与すること。高齢者はアドレナリンの作用に対する感受性が高いことがある。
イソプレナリン、ノルアドレナリン等のカテコールアミン製剤、アドレナリン作動薬
不整脈、場合により心停止があらわれることがある。蘇生等の緊急時以外には併用しない。
これらの薬剤のβ刺激作用により、交感神経興奮作用が増強すると考えられている。
ハロゲン含有吸入麻酔薬
頻脈、心室細動発現の危険性が増大する。
これらの薬剤により、心筋のカテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬
本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。
本剤の代謝酵素を阻害することにより、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。
カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤
三環系抗うつ薬
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
その他の抗うつ薬
アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている。
メチルフェニデート
抗ヒスタミン薬
これらの薬剤の副交感神経の抑制により、本剤の交感神経刺激作用が相対的に優位になると考えられている。
抗精神病薬
α遮断薬
本剤の昇圧作用の反転により、低血圧があらわれることがある。
これらの薬剤のα遮断作用により、本剤のβ刺激作用が優位になると考えられている。
分娩促進薬
バッカクアルカロイド類
これらの薬剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用を増強すると考えられている。
ジギタリス製剤
異所性不整脈があらわれることがある。
ともに異所性刺激能を有し、不整脈発現の可能性が高くなると考えられている。
キニジン
心室細動があらわれることがある。
相互に心筋に対する作用を増強すると考えられている。
甲状腺製剤
冠不全発作があらわれることがある。
甲状腺ホルモンは心筋のβ受容体を増加させるため、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。
非選択性β遮断薬
(1)相互の薬剤の効果が減弱する。(2)血圧上昇、徐脈があらわれることがある。
(1)これらの薬剤のβ遮断作用により本剤の作用が抑制される。また、本剤のβ刺激作用により、これらの薬剤の作用が抑制される。(2)これらの薬剤のβ遮断作用により、本剤のα刺激作用が優位になると考えられている。
血糖降下薬
血糖降下薬の作用を減弱させることがある。
本剤の血糖上昇作用によると考えられている。
ブロモクリプチン
血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれることがある。
機序は明らかではないが、本剤の血管収縮作用、血圧上昇作用に影響を及ぼすと考えられている。
利尿剤チアジド系利尿剤
チアジド系類似剤
ループ利尿剤
カリウム保持性利尿剤
本剤の作用が減弱することがある。手術前の患者に使用する場合、利尿剤の一時休薬等を行うこと。
本剤の血管反応性を低下させることがある。
鼻腔内投与製剤
これらの薬剤の作用が増強する可能性がある。
本剤投与後2週間程度は、鼻粘膜が変化し鼻腔内投与製剤の全身吸収を増加させる可能性がある。
初期症状として、血圧の異常上昇があらわれることがある。
初期症状として、頻脈、不整脈、心悸亢進、胸内苦悶があらわれることがある。
頻度不明
鼻腔
鼻部不快感、鼻粘膜障害、鼻腔内感覚鈍麻、鼻痂皮、鼻痛、鼻漏、鼻閉
呼吸器
咽喉刺激感、咳嗽、口腔咽頭不快感、口腔咽頭痛、咽頭感覚鈍麻
循環器
動悸、頻脈、血圧上昇、心拍数増加、胸内苦悶、不整脈、顔面潮紅・蒼白
精神神経系
頭痛、振戦、浮動性めまい、不安
消化器
口の感覚鈍麻、悪心、嘔吐
皮膚
そう痒症
過敏症
過敏症状等
その他
悪寒、熱感、発汗、疼痛、びくびく感
本剤を患者に交付する際には、使用説明書を渡し、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に次の内容を説明し指導すること。,,
日本人健康成人に本剤2mgを鼻腔内に単回投与したときの薬物動態(投与後360分まで)が検討され、血漿中アドレナリン濃度推移(投与後60分まで)及び薬物動態パラメータは図1及び表1のとおりであった4)。
例数
tmax注1) (min)
Cmax注2) (pg/mL)
AUClast注2)(min・pg/mL)
本剤2mg
12
20.0 (15.0 – 120.0)
814 (105.7)
56782 (79.6)
注1) 中央値(最小値−最大値) 注2) 平均値(変動係数 %)
健康成人に本剤2mgを鼻腔内、又はエピペン注射液0.3mgを筋肉内に、単回又は2回投与したときの薬物動態(投与後240分まで)が検討され、血漿中アドレナリン濃度推移(投与後60分まで)及び薬物動態パラメータは図2、図3及び表2、表3のとおりであった。また、本剤2mg又はエピペン注射液0.3mgを単回投与したときの投与後60分までの収縮期血圧及び脈拍数のベースラインからの変化量の推移は図4及び図5のとおりであった(外国人データ)5)。
42
30.0 (6.00 – 150)
481 (76.0)
43500 (69.4)
エピペン注射液0.3mg
35
8.00 (2.00 – 45.0)
612 (58.4)
30900 (37.1)
tmax注1)(min)
Cmax注2)(pg/mL)
本剤2mg (L/R)#1
36
30.0 (6.00 - 150)
805 (69.2)
72500 (61.4)
本剤2mg (R/R)#1
39
30.0 (4.00 - 150)
992 (75.3)
86000 (60.5)
エピペン注射液0.3mg (L/R)#2
37
15.0 (0.00 - 360)
719 (43.3)
49900 (38.7)
注1) 中央値(最小値−最大値) 注2) 平均値(変動係数 %)#1:10分間隔にて左鼻孔(L)及び右鼻孔(R)に各1回投与、又は右鼻孔に2回投与#2:10分間隔にて左大腿前外側(L)及び右大腿前外側(R)に各1回投与
アドレナリンは交感神経細胞内に取り込まれるか、あるいは組織内で主にモノアミンオキシダーゼ(MAO)、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)によって代謝され、不活化される。アドレナリンの主要な代謝物はメタネフリン、そのグルクロン酸及び硫酸抱合体、3-メトキシ-4-ヒドロキシマンデル酸である6)。
代謝物は、主にグルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体として尿中に排泄されるが、この中には未変化体も含まれる6)。
全身性アレルギーを有する4歳以上の小児患者を対象に、体重15kg以上30kg未満の患者に対し本剤1mg、体重30kg以上の患者に対し本剤2mgを鼻腔内に単回投与したときの薬物動態(投与後120分まで)が検討され、血漿中アドレナリン濃度推移(投与後60分まで)及び薬物動態パラメータは図6及び表4のとおりであった(外国人データ)7)。
本剤1mg
21
20.0 (2.50 – 61.5)
651 (64.2)
35100 (57.3)
29.5 (2.90 – 120)
690 (100)
40200 (92.8)
食物経口負荷試験によりアナフィラキシーガイドライン2022に基づくグレード2以上の消化器症状、呼吸器症状又は循環器症状が誘発された患者を対象とした臨床試験8)を実施し、体重15kg以上30kg未満の患者には本剤1mgを、体重30kg以上の患者には本剤2mgを鼻腔内に単回投与した。その結果、主要評価項目とされた、投与15分後、又は投与15分後までに代替治療が行われる場合は代替治療前の最終評価時点における、主症状注1)が改善した患者の割合注2)は、有効性の解析対象集団15例(6~17歳)のうち、本剤1mg投与例で83.3%(5/6例)、本剤2mg投与例で66.7%(6/9例)、本剤1mg投与例と本剤2mg投与例合わせて73.3%(11/15例)であった。また、副作用の発現頻度は、本剤1mg投与例と本剤2mg投与例合わせて40%(6/15例)であり、主な副作用は振戦3例(20.0%)及び鼻粘膜障害2例(13.3%)であった。注1) アナフィラキシーガイドライン2022に基づくグレード2以上の消化器症状、呼吸器症状又は循環器症状のうち、最もグレードが高い症状。なお、複数の器官に同じグレードの症状が認められた場合は、循環器症状、呼吸器症状、消化器症状の優先順で主症状として選択した。注2) アナフィラキシーガイドライン2022に基づく主症状のグレードが投与前と比較して1段階以上低下した患者の割合
本薬は、化学的に合成した副腎髄質ホルモン(アドレナリン)であり、交感神経α及びβ受容体刺激作用を有する。α受容体を介して末梢血管収縮作用、β1受容体を介して心筋収縮力増強作用と心拍数上昇作用を、またβ2受容体を介して骨格筋の血管床弛緩作用を惹起する9)。
アドレナリンはα受容体を刺激し末梢血管抵抗を高め、血圧を上昇させ正常化する作用を有する。また、β1受容体を刺激することで陽性の変力及び変時作用を持ち合わせる9)。
β2受容体を刺激することで、気管支拡張効果とともにマスト細胞及び好塩基球中のサイクリックAMPの産生を増加させ、炎症性メディエーターの遊離を減少させる9)。
アドレナリン(Adrenaline)
4-[(1R)-1-Hydroxy-2-(methylamino)ethyl]benzene-1,2-diol
C9H13NO3
183.20
白色~灰白色の結晶性の粉末である。ギ酸又は酢酸(100)に溶けやすく、水に極めて溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。空気又は光によって徐々に褐色となる。
0.1mL×[1容器]:1個
1) Johnston, R. R, et al.:Anesth Analg. 1976;55(5):709-712
2) Navarro, R. et al.:Anesthesiology. 1994;80(3):545-549
3) Moore, M. A. et al.:Anesthesiology. 1993;79(5):943-947
4) 社内資料:健康成人(日本人)を対象とした筋肉内投与との比較によるPK/PD試験(2025年9月19日承認、CTD2.7.6.6)
5) 社内資料:健康成人(外国人)を対象とした単回及び反復投与時のPK/PD試験(2025年9月19日承認、CTD2.7.6.7)
6) 第十八改正日本薬局方解説書:廣川書店. 2021:C177-C182
7) 社内資料:小児アレルギー患者(外国人)を対象とした単回投与時のPK/PD試験(2025年9月19日承認、CTD2.7.6.10)
8) Ebisawa, M. et al.:J Allergy Clin Immunol Pract. 2025;13(10):2787-2794
9) 今井孝成 他:アレルギー.2013;62(11):1515-1521
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