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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の電子添文を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
下記疾患の自覚的ならびに他覚的症状の寛解脳腫瘍、消化器癌(胃癌、肝臓癌、結腸・直腸癌)、肺癌、悪性リンパ腫、慢性白血病
通常、下記用量を本剤5mgあたり日本薬局方注射用水1mLに溶解し、静脈内又は動脈内に投与する。〇ニムスチン塩酸塩として2~3mg/kgを1回投与し、投与後末梢血液所見により4~6週間休薬する。〇ニムスチン塩酸塩として1回2mg/kgを1週間隔で2~3週投与し、投与後末梢血液所見により4~6週間休薬する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
悪性星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法(プロカルバジン塩酸塩、ニムスチン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩)においては、併用薬剤の関連文献(「抗がん剤報告書:塩酸プロカルバジン(脳腫瘍)」、「抗がん剤報告書:硫酸ビンクリスチン(脳腫瘍)」等)を熟読すること。
白血球減少により感染に対する抵抗力が低下することがある。,
致命的な全身障害があらわれることがある。
副作用として腎機能障害の報告があり、症状を悪化させることがある。
副作用として肝機能障害の報告があり、症状を悪化させることがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。妊娠7~17日目のラットに投与した実験(0.1/0.5mg/kg/日)で、多趾症等の催奇形性が認められている1)。
授乳しないことが望ましい。乳汁移行性に関するデータはない。
代謝系が未発達であるため、副作用(白血球減少等)があらわれやすい。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
他の抗悪性腫瘍剤放射線照射
骨髄抑制等の作用が増強することがある。患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
抗悪性腫瘍剤及び放射線照射の一般的な副作用として骨髄抑制がみられる。
白血球減少、血小板減少、貧血、出血傾向等があらわれることがある。,,
10%以上
1~10%未満
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
肝臓
肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等)
腎臓
BUN上昇、蛋白尿
消化器
食欲不振、嘔吐、嘔気
悪心
下痢、口内炎
皮膚
脱毛
その他
全身倦怠感、発熱
頭痛、低蛋白血症、めまい、痙攣
他剤と配合した場合は変化することがあるので注意すること。
脳腫瘍患者14例に、本剤100~150mg/body(1.72~2.50mg/kg)を単回静脈内投与し、血液中濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定したところ、投与5分後に平均3.86μg/mLを示し、以後急速に低下したが、60分後も1.0μg/mLの濃度を保持していた(t1/2α=1.3分、t1/2β=35分)2)。
脳腫瘍患者14例に、本剤100~150mg/body(1.72~2.50mg/kg)を単回静脈内投与し、髄液を高速液体クロマトグラフィーにより測定したところ、投与5分後より髄液(脳室)への移行が認められ、髄液中濃度は投与後30分でピーク(平均0.59μg/mL)に達し、以後半減期0.49時間で漸減した2)。
脳腫瘍患者14例に、本剤100~150mg/body(1.72~2.50mg/kg)を単回静脈内投与したときの分布容積の検討から、組織への移行性が高いことが示された2)。
肺癌患者1例及び脳腫瘍患者3例の計4例に本剤を100~150mg/body(2.0~3.0mg/kg)の投与量で単回静脈内投与したとき、血液中には代謝物としてピリミジノン環を有する縮環体及び脱ニトロソ体が認められた。
肺癌患者3例に本剤を120~150mg/body(3mg/kg)の投与量で単回静脈内投与したとき、投与42時間までのニムスチンの尿中排泄率は0.8%であった。
現在、一般的に採用されている固形癌化学療法直接効果判定基準によるまとまった奏効率についての評価はない。
各種悪性腫瘍患者963例を対象として行われた。主要疾患に対する臨床試験の有効性の概要は次表の通りである。
疾患名
有効以上例数/効果判定例数 (有効率%)
単独療法
併用療法
慢性白血病
27/36 (75.0)
-
悪性リンパ腫
17/44 (38.6)
4/8 (50.0)
脳腫瘍
31/81 (38.3)
29/59 (49.2)
結腸・直腸癌
8/31 (25.8)
7/26 (26.9)
肺癌
31/127 (24.4)
13/37 (35.1)
胃癌
24/115 (20.9)
26/91 (28.6)
肝臓癌
4/28 (14.3)
0/4 (0.0)
副作用発現率は65.9%(635/963例)であり、主な副作用は、血小板減少36.9%(355/963例)、白血球数減少35.7%(344/963例)、嘔吐15.9%(153/963例)、食欲不振14.7%(142/963例)、嘔気12.9%(124/963例)等であった。なお、造血器障害は投与回数が増加するほど回復が遅延する傾向がある。
水溶性のニトロソ尿素誘導体であり、細胞内のDNAアルキル化によるDNAの低分子化、DNA合成阻害が主な作用機序と考えられる3)。
ニムスチン塩酸塩(Nimustine Hydrochloride)
1-(4-amino-2-methyl-5-pyrimidinyl)methyl-3-(2-chloroethyl)-3-nitrosourea hydrochloride
C9H13ClN6O2・HCl
309.15
白色~帯黄白色の粉末で、においはない。水又はメタノールにやや溶けやすく、酢酸(100)にやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、無水酢酸又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。光によって徐々に変化する。
ACNU
外箱開封後は遮光して保存すること。
6バイアル
1) 増田 裕 他:三共研究所年報. 1977;29:118-137
2) 森 照明 他:脳と神経. 1979;31(6):601-606
3) 金丸龍之介 他:抗酸菌病研究雑誌. 1978;30(1-2):162-170
4) Shimizu, F. et al.:Gann. 1975;66(2):149-154
5) Shimizu, F. et al.:Gann. 1978;69(4):545-548
6) 加藤武俊 他:癌と化学療法. 1976;3(5):945-951
7) 長谷川洋 他:脳と神経. 1977;29(8):891-898
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