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日本薬局方
イソニアジド注射液
処方箋医薬品注)
重篤な肝障害のある患者
本剤に感性の結核菌
肺結核及びその他の結核症
通常成人は、イソニアジドとして1日量200~500mg(4~10mg/kg)を筋肉内又は静脈内注射する。髄腔内、胸腔内注入又は局所分注の場合には1回50~200mgを使用する。年齢、症状により適宜増減する。なお、他の抗結核薬と併用することが望ましい。
精神障害が再発するおそれがある。
肝障害、精神障害があらわれるおそれがある。
やむを得ず投与する必要がある場合には観察を十分に行うこと。痙攣を起こすことがある。
これらの症状が悪化するおそれがある。
本剤の血中濃度が上昇し、末梢神経炎等の副作用が生じやすくなる。
投与しないこと。肝障害が悪化するおそれがある。
肝障害が悪化又は再発するおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(マウス)で胎児の発育障害作用が報告されている。また、アミノサリチル酸製剤を併用投与されている患者で、奇形を有する児の出現率が高いとする疫学的調査結果がある。
授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ移行することがある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
他の抗結核薬
重篤な肝障害があらわれることがある。
リファンピシンの肝薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進され、肝毒性を有する代謝物の産生が増加すると考えられている。
クマリン系抗凝固薬
ワルファリンの作用を増強し、プロトロンビン時間の延長が認められることがある。
本剤がワルファリンの肝薬物代謝を阻害し、血中濃度が上昇すると考えられている。
抗てんかん薬
これらの作用を増強し、中毒症状が発現することがある。また、カルバマゼピンでは本剤の肝毒性が増強されることがある。
本剤が抗てんかん薬の肝薬物代謝を阻害し、血中濃度が上昇する。また、カルバマゼピンが肝毒性を有する本剤の代謝物の産生を促進すると考えられている。
経口糖尿病用薬インスリン
これらの血糖降下作用を減弱又は増強することがある。血糖値の観察を十分に行う。
血糖降下作用の減弱については、本剤が炭水化物代謝を阻害し、血中ブドウ糖濃度上昇及び糖耐性障害を引き起こすと考えられている。
ジスルフィラム
協調困難、情緒障害等があらわれることがある。
本剤とジスルフィラムがそれぞれカテコールアミン代謝酵素を阻害すると考えられている。
サイクロセリン
めまい、眠気等の中枢神経系の副作用を増強するとの報告がある。
機序は不明である。
シクロスポリン
シクロスポリンの作用が減弱することがある。
本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、シクロスポリンの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている。
イトラコナゾール
イトラコナゾールの作用が減弱するおそれがある。
機序は明らかではないが、本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、イトラコナゾールの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている。
血圧降下薬交感神経興奮薬副交感神経抑制薬三環系抗うつ薬
これらの作用を増強するおそれがある。
機序は明らかではないが、MAO阻害に関連していると考えられている。
レボドパ
レボドパの作用が減弱するおそれがある。
機序は明らかではないが、本剤によりドパ脱炭酸酵素が阻害されると考えられている。
ペチジン塩酸塩
呼吸抑制、低血圧、昏睡、痙攣等があらわれるおそれがある。併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。
神経系のセロトニンの取り込みを阻害するペチジン塩酸塩とMAO阻害作用をもつ本剤との併用により、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられている。
ヒスチジンを多く含有する魚
頭痛、紅斑、嘔吐、そう痒等のヒスタミン中毒を起こすことがある。
本剤のヒスタミン代謝酵素阻害作用により、体内にヒスタミンが蓄積すると考えられている。
チラミンを多く含有する食物
血圧上昇、動悸があらわれることがある。
本剤のMAO阻害作用により、チラミンは不活性化されず、アドレナリン作動性神経終末部において蓄積されているカテコールアミンの遊離を促進すると考えられている。
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初期症状:発疹、発熱続発する所見:肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球の出現等ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。1)
症状:発熱、紅斑、筋肉痛、関節痛、リンパ節腫脹、胸部痛等処置方法:副腎皮質ホルモン剤投与等
症状:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等処置方法:副腎皮質ホルモン剤投与等
症状:発熱、皮疹、乏尿、浮腫、蛋白尿、腎機能検査値異常等
症状:視力低下、中心暗点等処置方法:ビタミンB6投与等
症状:四肢の異常感覚、しびれ感、知覚障害、腱反射低下、筋力低下、筋萎縮等処置方法:ビタミンB6投与等
0.1〜5%未満
0.1%未満
頻度不明
肝臓
AST上昇、ALT上昇
黄疸
-
過敏症注)
発熱、発疹
血液
出血傾向(喀血、血痰、鼻出血、眼底出血等)
貧血、赤芽球癆、白血球減少、好酸球増多
精神神経系
頭痛、めまい、倦怠感
精神障害(せん妄、抑うつ、記憶力低下、幻覚、感情異常、興奮等)
中枢神経系
小脳障害(平衡障害、運動失調、企図振戦、言語障害、眼球運動障害、嚥下障害等)
消化器
食欲不振、悪心、嘔吐、胃部膨満感、腹痛、便秘
内分泌
女性化乳房、乳汁分泌、月経障害、インポテンス
その他
関節痛
イソニアジドの経口投与で次のような報告がある。
痙攣、昏睡、代謝性アシドーシス、高血糖があらわれることがある。
痙攣の抑制にはジアゼパムを、代謝性アシドーシスには炭酸水素ナトリウムを静脈内注射する。気道を確保し、十分な呼吸を確保する。イソニアジドの服用量と同量のピリドキシンを静脈内注射する。重症の場合、血液灌流あるいは血液透析を行うことが望ましい。
組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
ヒトにおいては腫瘍発生との関連性は認められなかったとする疫学的調査結果が報告されている。
マウスによる実験[例:飼料中0.01~0.25%混入(約15~375mg/kg体重)7か月間経口投与]で肺腫瘍の発生が報告されている。しかし、ラット及びハムスターによる実験では腫瘍誘発作用は報告されていない。
イソニアジドは血清蛋白(主にアルブミン)と結合し、ヒト血清アルブミン1molあたりに結合するイソニアジドのmol比は0.08であった2)。
イソニアジドは投与後、大部分は肝臓でアセチル化され、1-acetyl-2-isonicotinylhydrazineとなった後、1,2-diacetylhydrazine及びacetylhydrazineに代謝された3),4)。このN-アセチル化の代謝速度には遺伝的多様性(rapid又はslow acetylator)があり、人種差が見られる(日本人でslow acetylatorは10%以下)。
イソニアジドは主に代謝物1,2-diacetylhydrazine及びacetylhydrazineとして尿中に排泄された3),4)。
イソニアジドは合成の殺菌性抗結核薬で、主に活発に分裂しているマイコバクテリアに対して作用する。第一の作用点は結核菌に特異な細胞壁成分であるミコール酸の合成を阻害して、細胞壁合成を阻害することにあるとされている5)。他に核酸の生合成阻害、糖及びアミノ酸代謝の阻害等が考えられている6),7)。
ヒト型結核菌H37Rv株に対する最小発育阻止濃度(MIC)は、0.1μg/mL(10%血清加Kirchner培地で測定)である。また、マウス実験的結核症(H37Rv株)に対し、著明な治療効果が認められている8)。
イソニアジド(Isoniazid)
Pyridine-4-carbohydrazide
C6H7N3O
137.14
無色の結晶又は白色の結晶性の粉末で、においはない。水又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、無水酢酸に溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
170~173℃
INH
外箱開封後は遮光して保存すること。
2mL[20アンプル]
1) 厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性過敏症症候群
2) 中川英雄 他:臨床薬理.1973;4(3・4):187-190
3) Hughes, H.B.:J Pharmacol Exp Ther.1953;109(4):444-452
4) Yard, A.S. et al.:J Med Pharm Chem.1962;5:196-203
5) Takayama, K. et al.:J Lipid Res.1975;16(4):308-317
6) Youatt, J.:Am Rev Respir Dis.1969;99(5):729-749
7) Davis, W.B. and Weber, M.M.:Antimicrob Agents Chemother.1977;12(2):213-218
8) 佐藤祐一 他:呼吸器診療.1957;12(1):51-56
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